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圧縮変形 圧縮力

繊維方向 圧縮

繊維直交 方向圧縮

斗組物 全て横使い

大斗 肘木

巻斗 方斗 巻斗

59

3.1.3

に示されるように,スパン

3.3m

の通肘木で連結された

2

つの斗組モデルに鉛直および

水平荷重を作用させる。斗組による変形性状を把握するため,柱頭位置を固定とする。解析は

2

次元であるが,紙面に垂直な肘木による方斗の滑り拘束を考慮している。部材はすべて線材にモ デル化しているが,斗組の回転を表示するために,図のようなブロックで表現している。材料は ヒノキとし,材料特性は学会規準 7に従う。なお,斗の鉛直方向には繊維直交方向の弾性係数を 用いる。斗と肘木の接合部には,斗の回転変形や滑り変形および離間を考慮するため表

3.1.1

の回 転バネ6と,静摩擦係数

0.4

で滑り出し,引張りが働くと離間するギャップ要素を付加する。

3.1.4

に変形図を示す。極めて限定された解析の範囲ではあるが,水平荷重に対する斗組の

変形傾向として,以下の性状が見られる。

1) 直交方向の肘木で拘束された方斗には滑りは生じないで回転変形が生じる。

2) 鉛直荷重が小さいこと,直交方向の肘木がないことから,巻斗の変形は回転より滑りが支

配的である。

3) 通肘木は複曲率を有する梁曲げ変形を示しており,各斗組の加力反対側の巻斗との間には

離間が生じている。

伝統的木造建築架構の地震時挙動の評価において重要な建物パラメータは,先ず固有周期と刺 激振動モード形である。ここで,屋根小屋架構は剛であり振動モードを刺激しないとして,また 土壁等の効果もひとまず無視すれば,固有周期と刺激振動モード形といった振動特性は,柱と斗 組で規定されると考えることが出来る。古代伝統的木造建物の復元力は大半柱傾斜復元力による ものであるが,振動性状における斗組の影響具合を確認しておくことが必要となる。

そこで,上の斗肘木部分モデルに,先の柱傾斜復元力特性における初期剛性柱モデルを加えて,

柱・斗組架構モデルを作成して,固有周期とモードにおける斗組の発現度合いを調べることにする。

柱鉛直荷重

20tf

に対応する質量を

2

本の柱直上の通肘木位置に与えて,柱・斗組架構モデルの

(鉄板)

ダボ

大斗 枠肘木 枠肘木 ダボ 巻斗 巻斗

方斗 通肘木

肘木

3.1.2

伝統木造建築の組物とその構成

出組 平等院 鳳凰堂

三手先 室生寺 五重塔

60

固有値解析を行った。解析プログラムは先と同様である。主な固有値と卓越するモード形を表

3.1.2

にまとめ,低次の

3

つの刺激振動形を図

3.1.5

に示す。解析結果より,

1) 刺激振動形は 1

次モードが圧倒的に大きい。

1

次は柱のロッキングが卓越する。振動形は柱

上下端のみの変形が支配的で,斗組部分の変形は小さい。

2) 各次の振動モードは,柱ロッキングと柱伸縮を含む斗組物の回転変形の 2

つに明確に分け

られる。両者の連成度合いは小さい。

3) 以上の固有値解析結果によれば,地震応答解析において斗組部分が建物応答に与える影響

は少ないと考えることが出来る。

実務設計解析においては,必要に応じた精度で斗組物のモデル化がなされる。たとえば,柱の 内倒れが問題となった唐招提寺金堂の長期荷重に対する軸組み解析8では,図

3.1.6

のようなモデ ル化を行っている。ここで接合部のめり込みバネ特性は回転や浮上り方向を予め想定して設定し ている。

3.1.1

斗肘木接合部の回転剛性

要素 上端 下端

方斗

(63,210) 6,450 (21,460) 2,190

巻斗

(57,530) 5,870 (19,500) 1,990

大斗

(280,400) 21,270 (254,700) 25,990

単位

: tf

cm/rad(kNcm/rad)

3.1.3

斗肘木モデル

通肘木:212×249 巻斗

,

方斗

: 348×348

肘木:212×249 大斗 頭 606×606 尻 432×432

3,300

単位 mm

576φ

回転バネおよび

ギャップ要素

904

3,300

3.1.4

斗肘木モデルの変形図

3.7mm

滑り

2.3mm

方斗回転角

1/130

滑り

1.3mm

離間

大斗回転角

1/208

(b)

各要素の変形図

20t (196kN)

5t (49kN)

通し肘木の曲げ変形

(a)

全体変形図

20t (196kN)

61

3.1.2

固有値解析結果

次数 周期 (sec) 卓越するモード

1 1.28

柱のロッキング

2 0.14

柱の軸変形+肘木変形+巻斗回転

3 0.14

巻斗変形

4 0.12

巻斗回転

7 0.11

巻斗回転

10 0.08

巻斗回転

直径

576mm

高さ

4,800mm

1

1.28sec (0.78Hz)

2

0.14sec (7.1Hz)

4

0.12sec (8.7Hz)

3.1.5

斗肘木モデルの固有振動形

3,300mm

3.1.6

軸組み解析における斗組物モデル例8

身舎柱 側柱

大斗

大斗 天井桁

手先肘木 枠肘木

尾垂木

繋ぎ虹梁

大虹梁 実肘木

秤肘木

6 1 8

2 8 2

8 2 4

10 8

2

1 2

8 2 8 2

1 2 8

2

1 6

1 7 1

1 1 7 1 7

1 7

1 2 1 2

1 7

6 1 1 2 5 2 12 8 6 2

8 2

8 2

8 2 5 2 12 8 6

2 8 2

1 7 1

7

上下 梁行

桁行

上段:梁行 下段:桁行

6

1

斗モデル番号

No.1 No.7

No.2 No.8

No.3 No.9

No.4 No.10

No.5 No.11

No.6 No.12

大虹梁 尾垂木

大虹梁 尾垂木

特記の他は肘木

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