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6 に示します。

ドキュメント内 技術資料.indb (ページ 59-65)

M Hcosα

テーパ平歯車の歯形を図 6. 6 に示します。

 テーパギヤを軸方向に移動すればかみ合う歯の歯  厚が変わりますから、バックラッシを調整するこ とができます。テーパギヤを軸方向に移動するには、

 シム調整による方法がシンプルで確実です。

 テーパギヤは、かさ歯車とは異なり、軸方向に移 動しても歯当たりが変わらない長所があります。

図 6.4 二つに分割した歯車(固定式)

図 6.6 テーパ平歯車の歯形

図 6.5 はすば歯車のバックラッシ調整

転位

転位ゼロ

+転位

(e) 複リードウォームギヤ

 左右の歯面のモジュールの大きさを変えた歯車です。

 ウォームの左右歯面のピッチが異なりますから、

歯厚は連続的に変化しています。

 ウォームを軸方向に移動することによりかみ合い 部の歯厚が変わりますから、バックラッシを調整す ることができます。

 軸方向への調整はいろいろな方法が考えられます が、他の歯車と同様にシムによる方法がシンプルで 確実です。

 歯面の油膜切れを起こさないように、ある程度の バックラッシを確保する必要があります。ゼロバッ クラッシは好ましくありません。

 複リードウォームの原理を図 6.7 に示します。(詳細 解説が P372 にもあります。参照ください。 )

PL PL PL PL

PR PR PR PR

図 6.7 複リードウォームギヤの原理

右歯面 左歯面

(3) バックラッシをゼロにできる歯車

 外力により強制的にバックラッシを除去する構造の 歯車です。

 歯車は両歯面かみ合いになりますから油膜切れを起 こさないような潤滑に注意が必要です。

 この方法は、ウォームギヤ又はねじ歯車のように動 力伝達に歯面の滑りが大きな歯車には不向きです。

 滑りが大きな歯面において油膜が切れた場合は、急 激な歯面摩耗の危険があります。

円周方向のバックラッシゼロにするシザーズギヤ  ばね力などにより2分割した歯車で相手歯車の歯 を強く挟んでバックラッシを除去する方法です。

図 6.8 に構造例を示します。

A

A

図 6.8 シザーズギヤ(コイルばね使用例)

 歯車は動力と回転を伝達する機械要素です。この歯車に要求される性能としては、

(3)全歯形誤差(F

α

 全歯形誤差とは、決められた歯形検査範囲で、実歯 形を挟む設計歯形線図間の距離です。

7 歯車の精度

 ①より大きな動力を  ②できる限り小さな歯車で  ③静かに

 ④正確に

伝達することです。

 これらの要求を満足させるには、歯車の精度を高め ることが、どうしても必要になります。この章では、

この「歯車の精度」について説明いたします。

7.1 平歯車及びはすば歯車の精度

 平歯車及びはすば歯車の精度に関しては、以下の規 格に規定されていますから、ここでは、この規格にそっ て説明します。

 JIS B 1702−1

:1998

 円筒歯車-精度等級 第 1 部:歯 車の歯面に関する誤差の定義及び許容値

この規格においては、0 等級が最も高精度で、12 等級 が最も低精度とする 13 精度等級からなります。

 JIS B 1702−2

:1998

 円筒歯車-精度等級 第 2 部:両 歯面かみ合い誤差及び歯溝の振れの定義並びに精度許 容値最高精度4級、最低精度 12 級の 9 等級で構成され ます。

 この新しい精度規格は、従来の 0 ~ 8 級までの 9 精 度等級で分類されていた JIS B 1702-

1976

とは多くの点に おいて異なります。新・旧規格間の等級においての混 乱を避けるため、1998 年度版の新規格の精度等級には、

接頭にNを付けN○級と呼称表示を行ないます。

(1)単一ピッチ誤差( f

pt

 単一ピッチ誤差とは、隣り合った同じ側の歯面のピッ チ円上における実際のピッチと、理論ピッチとの差で す。

図 7.2 ピッチ誤差

図 7.1 単一ピッチ誤差

f

pt

図 7.3 ピッチ誤差の例

図 7.4 全歯形誤差

F

理論 実際

+ fpt

pt

理論 実際

3 枚の場合 + Fpk k × pt

(2)累積ピッチ誤差(F

p

 累積ピッチ誤差とは、歯車全歯面領域での最大累積 ピッチ誤差であり、累積ピッチ誤差曲線の全振幅で表 現されます。

20

15

10

5

0

- 6

- 10

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 1

インジケータの読 単一ピッチ誤差 累積ピッチ誤差

最大単一

最大累積

歯 の 番 号

設計歯形 実歯形

歯先 歯元

A E F

Lα : 歯形検査範囲 LAE: かみ合い長さ LAF: 有用長さ Fα

Lα

LAE

LAF

誤 差 μm

(4)全歯すじ誤差( F

β

 全歯すじ誤差とは、決められた歯すじ検査範囲で、

実歯すじを挟む二つの設計歯すじ間の距離です。

 この全歯すじ誤差は、歯当たりに影響します。この 誤差が大きいと歯幅端部に歯当たりが集中する悪い歯 当たりとなります。このような歯当たりをさけるため には、クラウニングとかエンドレリーフなどの歯すじ 方向の修正を行ないます。

 図 7.6 にはツァイス(ZEISS)UMC550 にて歯形誤 差及び歯すじ誤差を測定した例を示します。

(5)両歯面全かみ合い誤差( F

i

''

 両歯面全かみ合い誤差とは、被検査歯車の両歯面を 同時に親歯車の両歯面に接触させた状態で被検査歯車 を完全に1回転させたとき、中心距離の最大値と最小 値の差です。

(6)歯溝の振れ(F

r

 歯溝の振れの値は、歯車の全歯溝に測定子(玉、ピ ン等)を順次挿入し、測定子半径方向位置の最大値と 最小値との差です。

 この歯溝の振れは、歯車の騒音などに悪い影響を与 えるもので、歯車加工又は研削するときの取付具の振 れがそれに大きく影響します。最近では機械の精度が 向上していますから、歯溝の振れを小さくするには、

良い取付具を使って歯車を加工又は研削しなければな りません。図 7.8 に歯溝の振れ線図を示します。歯溝 の振れの中には、偏心が含まれています。

図 7.5 全歯すじ誤差

F

β

図 7.6 歯形誤差及び歯すじ方向誤差の測定例

図 7.7 両歯面かみ合い誤差線図

図 7.8 歯数 16 の歯溝の振れ

設計歯すじ 実歯すじ

Lβ : 歯すじ検査範囲 b : 歯幅

Fβ

Lβ

b

fi'' : 両歯面 1 ピッチかみ合い誤差

Fi'' fi''の最大値

0° 360°

360°/z

1 2 4 6 8 10 12 14 16 1

Fr偏心量

歯溝の番号

 各誤差の許容値規格の抜粋を、P124 ~ P129 に掲載

しています。

単一ピッチ誤差(μm

7.2 かさ歯車の精度

 かさ歯車の精度に関しては、JIS B 1704

:1978

に規定 されていますから、ここでは、この規定にそって説明 します。

 この規格においては、かさ歯車の精度を 0 ~ 8 級ま での 9 等級に分類しています。

 歯車の許容誤差に関しては、次の4項目を規定して います。

 (1) 単一ピッチ誤差  (2) 隣接ピッチ誤差  (3) 累積ピッチ誤差  (4) 歯みぞの振れ

 これらの許容誤差の用語の意味は、平歯車及びはす ば歯車の精度のものと、ほぼ同じです。

 ① 単一ピッチ誤差

 隣り合った歯の平均円すい距離におけるピッチ円 上の実際のピッチから、その正しいピッチを引いた値。

 ② 隣接ピッチ誤差

 平均円すい距離におけるピッチ円上の隣り合った 二つのピッチの差の絶対値。

  

 ③ 累積ピッチ誤差

 平均円すい距離におけるピッチ円上の任意の二つ の歯の間の実際のピッチの和から、その正しい値を引 いた値。

 ④ 歯みぞの振れ

 玉などの接触片を、平均円すい距離における歯みぞ の両側歯面にピッチ円付近で接触させたときのピッ チ円すいに直角な方向における位置の最大差。

 表 7.1 には、単一、累積ピッチ誤差、歯みぞの振れ許 容値の計算式を示します。

  ここに、W:公差単位

      W =

3

√d + 0.65m(μm)

      d:基準円直径(mm)

 隣接ピッチ誤差の許容値は単一ピッチ誤差の許容値 の k 倍と規定されています。

表 7.2 に k の値を示します。k の値は、単一ピッチ 誤差の許容値の大きさによって変わります。

表 7.1 単一、累積ピッチ誤差、歯みぞの振れ許容値の  計算式(μm)

等級 JIS 0 JIS 1 JIS 2 JIS 3 JIS 4 JIS 5 JIS 6 JIS 7 JIS 8

単一ピッチ誤差

00.4W + 2.650

0.63W + 5.000

01.0W + 9.500 01.6W + 18.00 02.5W + 33.50 04.0W + 63.00 06.3W + 118.0

累積ピッチ誤差

01.6W + 10.60 02.5W + 20.00 04.0W + 38.00 06.4W + 72.00

10.0W + 134.0

歯みぞの振れ

02.36√d 003.6√d 005.3√d 008.0√d 012.0√d 018.0√d 027.0√d 060.0√d

130.0√d

表 7.2 

k

の値

150 をこえ 170 以下 170 をこえ 100 以下

100 をこえ 150 以下 150 をこえるもの

隣接ピッチ誤差k 1.3 1.4 1.5 1.6

 これら歯車の許容誤差のほかに、かさ歯車素材の寸 法及び角度の許容差、振れの許容値なども、次の8項 目について規定していますが、ここでは詳細な説明は 省略します。

 

① 歯車素材外径及び外端歯先円から基準背面までの 距離の許容差

② 歯車素材の歯先円すい角の許容差

③ 歯車素材円すい面の振れの許容値

④ 歯車素材側面の振れの許容値

⑤ 歯車素材背面のそりを調べるすきまゲージの寸法

⑥ 歯車素材軸の振れの許容値

⑦ 歯車素材穴の直径不同の許容値

⑧ 歯当たり

 このなかで特に重要であるのは、⑧の歯当たりです。

 他の歯車精度がよくても、歯当たりが悪いかさ歯車 は、充分にその性能を発揮することはできません。

 各誤差の許容値の抜粋を、P130 ~ 131 に掲載してい

ます。

8

8.1 中心距離精度

表 8.1 歯車の中心距離の許容差 

± f

a 単位

μm

8.2 軸の平行度

軸心a 測定区間 軸の食い違い誤差 軸心b

軸の平行誤差

許容域 A V

H

L

B C O D

fx

fy

S

歯車の組立精度

歯車の精度が良くても、歯車の組立に問題があると 歯車の歯当たり、騒音、摩耗、損傷などの問題が発生 する危険があります。

中心距離の誤差は歯車対のバックラッシに影響します。

中心距離が大きくなればバックラッシは大きくなり、

かみ合いが浅くなり、かみ合い歯たけが小さくなり、

かみ合い率が低下します。中心距離が小さくなると、

バックラッシが小さくなります。バックラッシが小さ くなり過ぎると歯車が回らなくなる可能性がありま す。

表 8.1 には、JGMA1101-01(2000) から抜粋した平歯 車及びはすば歯車の中心距離の許容差を示します。

この表の許容差は、鉄鋼製インボリュート平歯車及 びはすば歯車に適用します。

中心距離(mm) 歯車の精度等級

を超え 以下 N3,N4 N5,N6 N7,N8 N9,N10

0005

0020 0050 0125 0280

0020 0050 0125 0280 0560

06 08

12 16 22

010 012 020 026 035

016 020 032 040 055

026 031 050 065 088

平行する2軸の精度は、平行誤差と食い違い誤差か ら構成されます。これらの誤差は、主に歯車の歯すじ 方向の歯当たりに影響して、歯幅端部での悪い歯当た りを発生させる危険があります。誤差が大きくなれば、

バックラッシが小さくなったり、騒音、歯の損傷など が発生することもあります。

表 8.2/8.3 には JGMA1102-01(2000) から抜粋した平 歯車及びはすば歯車の軸の平行誤差及び食い違い誤差 の許容値を示します。

図 8.1 軸の平行誤差と食い違い誤差

ドキュメント内 技術資料.indb (ページ 59-65)