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4 着

ドキュメント内 小 体  界面離剤除去 (ページ 55-63)

 さらに、直径1.4mm金属型SWCNT

から色変化効率(ColorationE節。iencX C.E.)を求めた。その為Fig.3−9の測定 データから、O.0V→一2.5Vのときの吸 光度および電流データをフィッティン グし、時定数を求めた。

 その結果を示したグラフがFig.3−10 である。各フィッティングに用いた式 と値は以下の通りである。

・光吸収:1一・・…

^一ル1

a:0,895 ± 0,009 τA:0,967 ニヒ 0.OI7 b箏0,378 ± O.002

 1.2

21.0

3−1−3. 金属型SWCNT薄膜への電子・ホール同時注入

 以上の実験では薄膜に対して電子(マイナス電位)またはホール(プラス電位)の注入 を行っていた。ここでは、薄膜の左右で異なる電位になるようにして実験を行う。この実 験は電界効果塑トランジスタに似ている。そのため薄膜の左右をそれぞれソース、ドレイ ン、対極をゲートと呼ぶ事にする。本項で重要なのはゲートとの電位差となる。ゲートよ りもマイナスの電位では電子のドーピング、プラスの電位ではホールのドーピングが起こ っている。この実験は装置などの関係で、早稲田大学先進理工学部の竹延研究室で行った。

 この実験の装置概略図および結果をFig.3−l1に示す。(b)ではどこにも電位を加えていな いため薄膜全体が元の色である青色を示している。(C)ではゲート電位をプラスにしたため 薄膜には一一様に電子のドーピングが起こり色も変化している。この状態からドレインの電 位をプラスに振っていったのが(d)〜(Oである。(d)ではVD≒VGのためドレイン側がドーピ ングの無い元の青色になっており、ソース側へ徐々に電子がドーピングされている様子が 色からも確認できる。(e)ではVS<VG<V0となり、ソース付近では電子の、ドレイン付近で はホールのドーピングにより色が変化している。中間付近ではそれらのドーピングが中和 されるため青色に戻っている。このように、同一薄膜上に電子とホールの同時ドーピング が可能であることが示された。

 なお、さらにドレイン側にホールをドーピングすると(oのようになり、ソース側の電子 ドーピングが自余に隠れ分かりにくくなる。

a

一念

VO V

1,

SWCNT

q註ζ海一髄ζ簸∴

 三 」

Aぺ鍾

Fig.3−11直径1.4㎜m金属型SWCNT薄膜への電子・ホール同時注入 の様子。(3)装置の略図、(b)VS=VD=VG=0V、(c)VS=VD(=0W<

VG〈5V、(d)VS(=0V)〈VD〜VG<5V、(e)VS(=0V)<VG<V1)く5V、

(⑪VS(=0W<VG〈<Vl)〈5Vを表す。そのため、(6)ではVS付近で電子 の、VD付近でホールのドーピングが起こっている。中間は中和されド ーピングの無い状態である

C e      f

 以上から、金属型SWCNTでの光電気化学による色制御 が実現できた。そのため、本項では新たな特性を持っエレ クトロクロミック(el㏄trochromic)材料であることを明示す る。そのため、Fig.3−12に示すような電極及び装置を用意

した。

WE CE

 これまでの実験では石英ガラス基板上に白金を導線と WE   CE       SWCNT   SWCNT

してスパッタリングしていたが、今回は導線も金属型 SWCNTにするため何も付いていない石英基板上に薄膜を 形成した。また、作用極と対となって電流を流す対極も 1−5−1.に示すとおり十分な面積と不活性な特徴があれば 材料を問わないため、同一基板上に作用極と交わらないよ

う作製した。ただし、金属型SWCNT薄膜はアニール後で もこするなどして簡単に剥がせてしまい、ワニロクリップ に耐えられないため、クリップを止める部分のみ銀へ一ス

       〕

トで補強した。      Fig.342 オールカーノンナ        ノチューブ電極の写真(右)

 この実験結果をFig.3−13に示した。ポテンショスタット とその装置(左)。

       WE CE

では参照極(RE)に対する作用極(WE)

の電位は常に測定しているので、常に 明確である。一方、対極(CE)の電位は 測定していないため不明である。しか

し、色変化の具合を通して多少分かる

部分もある。まさに、今回の金属型  0V    −2.OV    ・2・5V

SWCNTがその例であり、Fig.3−13で

も作用極の色変化と同時に対極も色変

化している。そのため、電子やホール十1∵一十  十 のドーピングが対極でも起こっている1∵1

ことが捉えられた      _3.0V     OV     1.5V Fig.3−13 オールカーボンナノチュー

ブ電極での色制御。液面の下の部分に・レ のみイオン液体が入っている。

鶴介.一

2.0V

罷◆皿

2.5V

0V

 また、1−5.に示した電気化学の原理からも分かるとおり、イオン液体に長かっている部 分でのみ電気二重層が形成され、電子・ホールドーピングがおき、薄膜の色が変化してい

る。つまり、イオン液体に長かっている部分が注目するエレクトロクロミック部分(作用 極側)または対極(対極側)として働き、イオン液体に長かっていない部分は導線として 電流を流している。そしてイオン液体で長かっていない部分では、電流は流れていても電 気二重層が出来ないために色変化は起きない。

3−1−5. 装置の二端子化一電池駆動一

 さらに、装置を簡略化することでオールカーボンナノチューブ・エレクトロクロミック 素子ということを明確にした。

battery

 Fig.3−14に示すように参照極を省

き、直径1.4nm金属型SWCNTで作

られた作用極と対極をのせた基板と

      警ラ イオン液体と電位を加える乾電池を

       亨^

用意した。参照極が無いため各電極

の正確な電位は分からないが、 電位WE   CE を加えるだけ ならば十分である。 SWCNT  SWCNT 電子ドープで一2.5V程度、ホールドー

      Fig.3−14二端子系の装置概略図(左)と実際の プで十エ.5V程度が必要となるため、

      装置写真(右)。

乾電池(起電力玉、5V)3つを直列に

した。セルはイオン液体と基板を入れた後、アルゴンで満たして蓋をしシリコーン系接着 剤で封入した。

 Fig.3一一5に電池で電流を流したときの写真を示す。このように、精密な測定でなくても電 池を繋ぐだけという非常に簡単なエレクトロクロミック素子の開発に成功した。電子やホ ールが溜まっていることを色で確かめられるという面白さ、材料が金属型SWCNTとイオ ン液体のみという明快さは子供にも分かりやすいかもしれない。

 ただし、この実験には繰り返し安定性が得られていないという問題がある。最大の原因 はやはり完壁なアルゴン雰囲気でないことだと考えられる。シリコーン系接着剤は塗布後 に空気中の水分と反応して表面から硬化が始まり、最終的にはゴム弾性を有した硬化層を 形成する。そのため、密封しきっていない状態で水分のある場所にさらす必要があり、コ

ンタミの原因になっていると考えられる。

 また、イオン液体とアルゴンの界面付近の薄膜から 断線していく様子が確認されている。断線すると薄膜 の色が擢せたまま戻らなくなる。この原因はまだよく 分かっていないが、コンタミによってなにかしら反応

していると考えられる。

Fig.3−15二端子系の電圧印加前(左)と後(右)。

電極は左側がマイナスと、右側がプラスと繋がってい

る。

3・1 6. 金属製SWCNTのエレクトロクロミック特 性

 以、上の結果をまとめる。まず、金属禅SWCNTのエレクトロクロミック特性を他のエレ クトロクロミック材料と比較した表をTable3−1に示す。

Potent1al(V) Coloration Response(s) Cyc1e L旋

・冊・i…y(・m2C 1)

金属酸寸ヒ物 一1.5〜十1.0 21〜150 O.1〜6,0 1,O00〜10,000,000

(W03など) ・S.対極)

有香幾イビ合物 一1.0〜十1.O 150〜634 O.Ol〜O.05 10,000

(メチレンブルーなど) vs.SCE)

導電性、高分子 一1.6〜斗1.2 165〜1240 O.33〜O.45 1,000〜100,000

(PED0γなど) (vs.SCE)

金属型SWCNT

〜十1.8,〜一3.O 170〜210 1.1〜1.6 1,O00

(vs.Ag/Ag+)

丁洲e3−1主なエレクトロクロミック材料と金属型SWCNTの、必要電位・色変化効率・

応答速度及びサイクル寿命。

 エレクトロクiコミック材料に求められる特性などは1−6.にまとめているので、照らし合 わせながら金属型SWCNTのエレクトロクロミック材料としての性質を議論する。まず、

色変化効率は有機化合物と同程度であり、l02以上の値を示したため十分実用的といえる。

 1、さ;答特性は金属酸化物と同程度であり、あまり速いとはいえない。しかし、前述の・通り イオン液体は粘性の高い物質であり、TMPA TFS1では72mPa・s(at25℃)である。水の粘 度がO.890mPa・s(at25℃)、アセトニトリルの粘度が0.35mPa・s(at20℃)であることから

も、イオン液体の粘性の高さがよく分かる。そのため、金属型SWCWの応答速度はイオ ン液体のイオン移動速度による制限が大きく寄与していると考えられる。実.験環境の改善 や溶媒の見直しにより、向、上二の余地が非常に大きい。

 サイクル寿命は実用的とされる1,O00回を達成している。この点についても応答特性同様、

実験環境の改善などにより水などのコンタミを減らすことで向上することが期待される。

 最後に必要電位であるが、金属型SWCNTは他のエレクトロクロミック材料よりも必一要 電位が大きい。また、金属型SWCNTのバンドギャップの大きさを考えるとこれ以上小さ

くなることは無い。これは、金属型SWCWの色制御構造が他とは異なるためである。金 属酸化物・有機化合物・導電性高分子は、配位子の変化、構造変化、ポーラロン・ハイポ ーラロンの形成などを伴って色変化している。一方SWCNTの色変化はフェルミ準位の移 動が由来であり、構造変化を伴わない。そのため、必要電位を小さくすることは困難だが、

その分サイクル寿命は実験環境などを改善することで他のエレクトロクロミック材料を上 回る潜在惟を秘めていると考えられる。

 また、・金属型SWCNTには他のエレクトロクロミック材料にはない 性質を持っている。

ドーピング無しの状態で体積低抗率10.2〜lOI3Ω・㎝1という導電性を示すことである【30]。

こグ) 性質を利用し、1枚の基板上に作用極・対極・導線を形成しオールカー一ボン電極で色制 御可能であることを3+4.で示した。また、同一薄膜上に電子・ホ㎞ルの同時注入が可能 であることも分かった。これらは全て他のエレクトロクロミック材料では実現出来ないこ

とである。

ドキュメント内 小 体  界面離剤除去 (ページ 55-63)

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