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3.生保窓販チャネルの将来展望

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(1 )変貌する生保窓販チャネルの位置付け と利用者ニーズ

①生保窓販チャネルの位置付け/利用者属性  ㈶生命保険文化センターが公表する統計に よると、現状では保険販売チャネルの大半を 保険外交員チャネルが占めており、銀行等の 保険窓販チャネルの位置付けは高くない(図 表12−1)。

 その主な原因としては、前述1(3)で述 べたとおり、保険商品の特性から、窓販担当 者も契約者本人も保険内容と支払い保険料が

(注)37.保険料の試算、申込書の作成、健康状態の告知はネット上でできる。

38 .ライフネット生命ニュースリリース(08年11月21日)

(http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET̲disclosure̲2008Q2.pdf)

39.http://www.lifenet-seimei.co.jp/shared/pdf/LIFENET̲disclosure̲2008Q2.pdf

適正かどうかを判断できないこと、弊害防止 措置を遵守するための事務コスト負担の増 加、即戦力としての人材の不足などが挙げら れる。

 銀行等の窓口を通じて保険商品を購入した 契 約 者 の 属 性 を み る と(図 表12−2)、 キ ー ワードとして「世帯主50歳以上」「高齢者無 職」「収入(所得)はミドルクラス」「自営業」

「中小企業勤務」「管理職」が挙げられよう。

 信用金庫は、従来から、中小企業、個人事 業主や高齢者との取引に強みを持つといわれ てきていることを勘案すると、生保窓販チャ ネル利用者の属性と信用金庫の個人取引先の

属性との親和性は高いといえるのではないだ ろうか。

②利用者における生命保険ニーズ

 ㈶生命保険文化センターの統計資料による

保険外交員 通信販売 保険代理店 勤務先・労働組合等 銀行・証券会社窓販 生命保険会社の窓口

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0

(%)

(備考 )㈶生命保険文化センター統計資料をもとに信金中 金総合研究所作成

図表12−1 直近加入契約の加入チャネル

(1)世帯主年齢別

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

(%)

29歳以下 30−34歳 35−39歳 40−44歳 45−49歳 50−54歳 55−59歳 60−64歳 65−69歳 70歳以上

(2)ライフステージ別

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0

(%)

夫婦のみ(40歳未満)

末子乳児 末子幼稚園・保育園 末子小・中学生 末子高校・短大・大学生 末子就学修了 高齢者無職(60歳代)

高齢者無職(70歳以上)

(3)世帯類型別

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

(%)

夫婦のみ(世帯主40歳未満)

夫婦のみ(世帯主40歳以上)

夫婦と扶養子あり(末子乳幼児)

夫婦と扶養子あり(末子小学生)

夫婦と扶養子あり(末子高校生以上)

夫婦と扶養していない子あり 3世代(親、世帯主、子)

3世代(世帯主、子、孫)

母子・父子世帯

(4)夫婦の就労形態別

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0

(%)

夫自営業・妻パート派遣 夫常雇被用者・妻パート 夫婦とも自営業 夫婦とも常雇被用者 自営業者と常雇被用者 夫自営業・妻無職 夫常雇被用者・妻無職 夫婦とも無職

(5)世帯主終業別

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

(%)

農林水産業 経営者(法人)

経営者(個人)

家族従事者 自由業 管理職 事務・専門職 労務職 派遣社員 パート 無職

(6)世帯年収別

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

(円、%)

200万未満 200−300万未満 300−400万未満 400−500万未満 500−600万未満 600−700万未満 700−1,000万未満 1,000万未満

(7)世帯保有金融資産学別

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

(円、%)

100万未満 100−300万未満 300−500万未満 500−1,000万未満 1,000−2,000万未満 2,000−3,000万未満 3,000万未満

(備考)㈶生命保険文化センター統計資料をもとに信金中金総合研究所作成

図表12−2 保険窓販チャネルでの加入状況

と、生命保険への主な加入目的は、「万一の ときの家族の生活保障のため」と「医療費や 入 院 費 の た め 」 で あ る(図 表13)。 す な わ ち、利用者のニーズは、生命保険の本来の役 割である「万一に備えて」にある。

 さらに、「万一に備えて」を生命保険の加 入目的と回答した人の属性をみると(注)40、属 性のキーワードとして、「世帯主が若くて年 収も高くなく、夫婦のみもしくは中学生以下 の子どものいる世帯」(「万一のときの家族保 障のため」回答者)、「50歳以降全般」(「医 療費や入院費のため」回答者)が浮かび上 がってくる。

 一方、生命保険に加入(追加加入)意向の ない理由をみると(図表14)、「経済的余裕 がない」「健康上の理由や年齢制限のため加 入できない」「生命保険には十分加入してい る」が上位を占めている。

 加入(追加加入)意向のない上位3つの理由 について、それぞれ回答者の属性をみると(注)41 一般的に、世帯主が50歳以上の世帯や、職

業からみて収入が不安定な世帯は、経済的な 理由から保険加入に対して消極的であるとい える。また、高齢者(無職)世帯は、これに 加えて、健康上の問題が保険加入の制約と なっている。

 これらを総括すると、生命保険ニーズの高 い顧客層の属性と生命保険ニーズの低い(生 命保険に加入できない)顧客層の属性は重複 している部分が多いといえる。また、生保窓 販の利用者の属性と生命保険ニーズの高い顧 客層の属性も一部重複している。

(2)生保窓販の行方

①生保窓販に取り組むにあたってのポイント  わが国での保険の源流は、一定の掛け金を 出し合って特定の者に給付する共済的な仕組 みをもつ無尽や頼母子講といわれているが、

いずれにせよ「万一のとき」、「事故が起きた とき」に頼りになるもの、あるいは不安を取 り除いてくれるものが保険であり、それは時 代が変化しても変わるものではない。

(注)40.総研ニュース&トピックスNo.20-36(09年1月22日)

41.総研ニュース&トピックスNo.20-36(09年1月22日)

万一のときの家族の生活保護のため 万一のときの葬式代のため 医療費や入院費のため 万一のローン等の返済のため 災害・交通事故などに備えて 老後の生活資金のため 介護費用のため 子どもの教育・結婚資金のため 相続および相続税の支払を考えて 財産づくりのため 土地・家屋の取得・増改築のため 貯蓄のため 税金が安くなるので

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0(%)

(備考 )㈶生命保険文化センター統計資料をもとに信金中 金総合研究所作成

図表13 直近加入契約の加入目的

経済的余裕がない 生命保険の必要性をあまり感じない 健康上の理由や年齢制限のため加入できない ほかの貯蓄方法のほうが有利 厚生年金など国の社会保障を期待 退職金や企業年金など会社の保証を期待 期間が長すぎる インフレに弱い 生命保険やセールスマンが嫌い 生命保険にはもう十分加入している

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0(%)

(備考 )㈶生命保険文化センター統計資料をもとに信金中 金総合研究所作成

図表14 加入(追加加入)意向のない理由

 このように考えると、生保窓販において重 要なポイントとなるのは、契約者が保険金を 請求する時に、いかに丁寧かつ迅速に対応を できるかである。生保窓販スキーム上、販売 者である銀行や信用金庫等は、契約者に対し て直接保険金を支払うわけではないので、迅 速かつ正確に契約者を保険会社のコールセン ター等にアクセスさせることができるよう、

また生保窓販担当者によって対応がまちまち にならないよう、人材育成をしていくことが 求められる。

 保険業界では、05年以降、保険金不払い 問題がクローズアップされ、保険業法が改正 される契機となったが、この不払い問題は、

主に生命保険商品の仕組みの複雑さに起因す ると考える(注)42。例えば、ある契約者がA、

Bの2つの生命保険商品を契約し、それぞれ1 泊2日の入院特約が付帯されているケースを 考える。保険金の請求は「請求主義」であ り、すなわち生命保険契約者が請求というア クションを起こさない限り保険金は受け取れ ない。したがって、このケースでは契約者が Aに対してのみ保険金の請求を行ったため、

Bからの保険金が支払われないという事態が 頻発した(注)43

 この問題を生保窓販にあてはめて考える と、上述した人材育成を含めた体制面の課題

解決に加えて、取扱保険商品の商品性の「分 かりやすさ」も重要なポイントといえる(注)44 加えて、前述(1)②を勘案すると、生保窓 販において対象顧客を絞り込む場合、「支払 い保険料(割安感)」と「告知不要(加入・

手続きの容易さ)」などもポイントになるの ではないだろうか。

②生保窓販チャネルの将来

 02年10月に窓販商品として取扱いが認め られた個人年金保険の販売状況をみると(図 表15)、銀行等窓販チャネルの位置付けは急 激に大きくなっている。また、変額個人年金 保険の窓販市場に関する一部の予測では、累 積 販 売 額 が、2011年 度 に は58兆 円 規 模 と、

06年 度(14兆7,000億 円 ) の 約4倍 に 拡 大 す るといわれている。

(注)42 .なお、生命保険業界では、㈳生命保険協会が06年3月に「契約概要作成ガイドライン」と「注意喚起情報作成ガイドライ ン」を発行し対応を図っている。

43.すべてがこのようなケースに該当するわけではないが、私はこれを「不払い問題」ではなく「未払い問題」と考えている。

44 .実際、生命保険会社各社は、健康告知を不要にして手続を簡略化したり、健康告知が必要な場合は銀行等に対して自社の コールセンターにつなぐよう指示したりすることで、とりわけ手続き面において、契約者に加えて売り手である金融機関に も配慮している。一方、個別の生命保険会社では顧客にとっての「分かりやすさ」を追求する動きがある。例えば、日本生 命は、05年6月末に、パンフレット、提案書、契約のしおりなどの商品説明文書や保険証券を作成するプロセスについて、

品質管理の国際規格であるISO9001を取得した。この取組みは、生命保険商品には聞き慣れない言葉が多く理解することが 難しいという指摘が多かったことから、商品内容を顧客に分かりやすく伝えるという観点で行われたもので、ガイドライン を先取りしたものといえる。

(兆円)

7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0

1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 銀行窓口

その他

(備考)各種雑誌等に基づき信金中金総合研究所作成

図表15  個人年金保険市場(収入保険料ベー ス)における銀行窓販チャネル

ドキュメント内 ™…O瘻ムg X1 (ページ 56-61)