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(直近の景況感の悪化について)

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(1)09年1-3月期業況はバブル崩壊後最悪  信金中金総合研究所が全国の信用金庫の協 力を得てとりまとめている「全国中小企業景 気動向調査」における業況判断D.I.(注)1の推移 をみると、バブル崩壊後の92年にマイナス水 準に転じて以降、93年7-9月期には△41.4ま で急低下した(図表1−Ⅰ)。

  そ の 後、 よ う や く 上 向 き か け た 景 気 も、

97年に入ってからの消費税率引上げやアジ ア通貨危機、大手金融機関の破綻などを契機 に再び悪化した(図表1−Ⅱ)。

 90年代末にかけて、いったんは回復するものの、

00年頃のITバブル崩壊や01年の米国同時多発テ ロなどによって、02年1-3月期にはバブル崩壊後最 悪の△47.9を記録するに至った(図表1−Ⅲ)。

 その後、業況判断D.I.は緩やかな改善基調に 転じ、06年10-12月期には△7.9と、マイナス水 準ではあるもののバブル崩壊後の最高水準を記 録した。しかし、米国の住宅ローン問題(いわ ゆるサブプライム問題)を発端とした金融市場 の世界的な混乱に加え、エネルギー・原材料価 格の上昇が中小企業の収益を圧迫したことなど から、業況判断D.I.は06年10-12月期をピークに 再び悪化に転じることとなった。さらに、08年 9月には米証券大手のリーマン・ブラザーズが 破綻(いわゆるリーマン・ショック)し、これ を機に世界経済は急激な冷込みをみせている。

 そのようななかで、わが国中小企業の業況 についても先行き不透明感が急速に強まって いる。直近の09年1-3月期の業況判断D.I.は、9 四半期連続悪化で△55.3まで低下しており、

バブル崩壊以降のボトム水準を更新する結果 となった(図表1−Ⅳ)。今回の景気後退(Ⅳ)

(注)1 .業況判断D.I.=業況が「良い」と回答した企業の割合−業況が「悪い」と回答した企業の割合

図表1 信用金庫取引先中小企業の業況判断D.I.推移年表(バブル崩壊後〜現在)

(備考)1.全国各地の信用金庫営業店の調査員による、共通の調査表に基づく聞取り調査 2.標本数は約1万6,000企業(回答率は平均約85%)

3.信金中央金庫総合研究所「全国中小企業景気動向調査」等より作成 4.シャドー部分は内閣府発表の景気後退期

5.大企業は日本銀行「全国企業短期経済観測調査」

50 40 30 20 10 0

10

20

30

40

50

60

90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09(年)

(D.I.)

バブル崩壊(90 年)

30.4

 12.0

 47.1  41.4

 23.9

 47.9

 7.9(バブル崩壊後  のピーク)

直近実績  55.3

(バブル崩壊後 のボトム)

見込み  56.6  リーマン破綻

(08年)

 米住宅バブル   崩壊(07年)

 ペイオフ解禁(02年)

 消費税 5% へ(97 年)

 中小企業基本法改正(99 年)

 IT バブル崩壊(00 年)

 米同時多発テロ(01 年)

 アジア通貨危機(97年)

 拓銀、山一證券など破綻(97年)

 金融再生プログラム公表(02年)

中小企業(全業種)

【全国中小企業景気動向調査】

大企業(全産業)

【日銀短観】

(Ⅰ) (Ⅱ) (Ⅲ) (Ⅳ)

を過去の同様の局面と比較しても、D.I.の悪化 水準、悪化の勢いともに記録的な状況ともい える様相を呈している(図表2)。なお、来期 見通し(09年4-6月期)も、小幅ではあるが

△56.6と、さらなる悪化を見込んでおり、依 然として予断を許さない状況である。

 ちなみに、09年1-3月期調査における業況判 断D.I.の悪化幅は12.6ポイントと、08年10-12 月期の11.0ポイント悪化に続いて、バブル崩 壊後初の2四半期連続の2ケタ(10ポイント 超)の悪化となった。悪化幅が10ポイント を超えたのは、バブル崩壊以降、今回で10 度目、悪化幅の大きさでは過去5番目の水準 となっている(図表3)。

(2 )ピーク時からの悪化幅は製造業、卸売 業、不動産業で特に大きい

 今回の景気後退はバブル崩壊局面そのもの を除けば90年代以降で3度目の景気後退局面 となっているが、過去2度の景気後退局面と 比較すると、今回は、バブル崩壊後のピーク

(06年10-12月期の△7.9)から、それまでのバ ブル崩壊後のボトム(02年1-3月期の△47.9)

をさらに下回る水準(09年1-3月期の△55.3)

まで一気に低下したという点で、ピーク時から の悪化幅の大きさが一つの特徴となっている。

 今回の景気後退局面におけるピークからの 悪化幅を業種別・地区別にみると(図表4)、

全体がピーク比47.4ポイント悪化したのに比 べて、業種別では、製造業がピーク比63.3ポ イントの悪化、卸売業が同51.5ポイントの悪 化、不動産業が同47.0ポイントの悪化と、特

に悪化幅が大きかった。

 さらに、製造業の悪化幅を地区別にみる と、関東のピーク比87.0ポイント悪化をはじ め、 東 海 の 同81.7ポ イ ン ト 悪 化、 近 畿 の 同 73.6ポイント悪化、などが際立っている。ま た、卸売業では、関東のピーク比64.9ポイン ト悪化をはじめ、北陸の同60.0ポイント悪化、

近畿の同59.1ポイント悪化、などが目立って いる。不動産業においては、九州北部のピー ク 比58.6ポ イ ン ト 悪 化 を は じ め、 近 畿 の 同 57.1ポイント悪化、東海の同57.0ポイント悪 化、首都圏の同54.7ポイント悪化、などが目 立っており、まさに奈落の底へ落ちたとでも いうべき状況である。

図表2 第135回調査結果の特徴

第135回(09年1-3月期)調査

(全業種・全国、△はマイナス)

中小企業の景況感

「良い」−「悪い」 △55.3

・バブル崩壊後最悪の水準

・初の9四半期連続の悪化

・ 初の2四半期連続悪化幅10ポイント超 3か月後の景況感

(見通し) △56.6 ・小幅悪化の見通し

・ 4-6月期としては97年以来の悪化見通し 雇用の過剰感

「過剰」−「不足」 8.7

・ 03年4-6月期以来の 人手過剰

・ 人手過剰感は過去最高の水準

・ 特に製造業で人手過剰感強まる(20.7)

設備投資

実施企業の割合 14.5% ・バブル崩壊後最低の割合 資金繰り

「楽」−「苦しい」 △32.2 ・03年1-3月以来の厳しさ

(備考  )「第135回全国中小企業景気動向調査」より作成

図表3 過去の悪化幅拡大局面

調査年月 景気後退期 悪化幅 業 況

91/3 −18.0 12.4

92/3 −22.5 △14.1

92/9 −13.2 △27.7

93/3 −13.5 △39.9

93/9 −11.8 △41.4

95/3 ̶ −10.1 △31.5

98/3 −12.3 △40.7

01/3 −10.3 △34.2

08/12 −11.0 △42.7

09/3 −12.6 △55.3

(備考  )1 .前期比2ケタ悪化となった局面について調査年 月順で記載

2.「全国中小企業景気動向調査」等より作成

(3)輸送用機器の業況判断D.I.は極めて低水準  製造業の内訳をみると、かつての緩やかな 改善基調を牽引してきた機械器具型の業種

(一般機械、電気機械、輸送用機器、精密機

械)がここへきて急速に悪化に転じ、逆に製 造業全体の景況感を押し下げている状況にあ る(図表5)。

 なかでも、これまで製造業の業況改善を 図表4 ピーク時と比較した業種別・地域別の業況判断D.I.(06年10-12月期〜09年1-3月期)

全国 北海道 東北 関東 首都圏 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州北部 南九州 総合

ピーク時からの悪化幅 −47.4 −32.9 −45.9 −57.4 −41.3 −52.5 −58.2 −59.6 −55.1 −31.2 −48.5 −37.4 09年1-3月期(直近) △55.3 △47.9 △63.9 △62.1 △52.1 △62.3 △64.6 △57.7 △60.9 △50.1 △45.2 △41.0 06年10-12月期(ピーク) △7.9 △15.0 △18.0 △4.7 △10.8 △9.8 △6.4 1.9 △5.8 △18.9 3.3 △3.6

サンプル割合(直近) 100.0% 8.3% 6.3% 6.6% 31.4% 4.5% 10.9% 15.5% 4.4% 3.1% 4.3% 4.8%

寄与率 100.0% 5.8% 6.1% 8.0% 27.4% 5.0% 13.3% 19.5% 5.1% 2.0% 4.4% 3.8%

製造

ピーク時からの悪化幅 −63.3 −45.8 −65.2 −87.0 −54.2 −64.7 −81.7 −73.6 −66.0 −46.2 −56.2 −43.4 09年1-3月期(直近) △60.8 △48.7 △68.5 △73.3 △56.6 △66.7 △78.4 △63.0 △60.4 △47.0 △43.6 △40.3 06年10-12月期(ピーク) 2.5 △2.9 △3.3 13.7 △2.4 △2.0 3.3 10.6 5.6 △0.8 12.6 3.1

サンプル割合(直近) 34.8% 2.6% 2.2% 2.4% 11.0% 1.5% 4.2% 5.8% 1.5% 1.0% 1.2% 1.4%

寄与率 46.4% 2.5% 3.0% 4.4% 12.6% 2.1% 7.2% 9.0% 2.1% 0.9% 1.4% 1.3%

卸売

ピーク時からの悪化幅 −51.5 −35.2 −50.0 −64.9 −50.3 −60.0 −54.0 −59.1 −57.4 −28.9 −55.0 −33.3 09年1-3月期(直近) △57.6 △48.3 △65.3 △69.0 △55.8 △66.0 △64.1 △59.9 △64.4 △47.7 △33.8 △42.9 06年10-12月期(ピーク) △6.1 △13.1 △15.3 △4.1 △5.5 △6.0 △10.1 △0.8 △7.0 △18.8 21.2 △9.6

サンプル割合(直近) 13.4% 1.1% 0.9% 0.9% 3.5% 0.7% 1.7% 2.4% 0.7% 0.5% 0.6% 0.6%

寄与率 14.6% 0.8% 0.9% 1.3% 3.7% 0.9% 1.9% 3.0% 0.8% 0.3% 0.7% 0.4%

小売

ピーク時からの悪化幅 −27.1 −17.5 −21.0 −20.0 −20.8 −24.2 −33.3 −49.3 −44.6 −7.0 −40.5 −35.9 09年1-3月期(直近) △54.1 △45.2 △65.3 △49.3 △50.6 △50.0 △60.4 △64.7 △64.4 △52.3 △54.5 △48.7 06年10-12月期(ピーク) △27.0 △27.7 △44.3 △29.3 △29.8 △25.8 △27.1 △15.4 △19.8 △45.3 △14.0 △12.8 サンプル割合(直近) 18.4% 1.7% 1.1% 1.0% 7.4% 0.7% 1.6% 2.3% 0.7% 0.5% 0.8% 0.8%

寄与率 10.5% 0.6% 0.5% 0.4% 3.2% 0.3% 1.1% 2.4% 0.6% 0.1% 0.7% 0.6%

サービス

ピーク時からの悪化幅 −39.0 −22.2 −39.1 −52.3 −33.4 −57.0 −42.5 −46.1 −71.2 −16.5 −41.3 −36.7 09年1-3月期(直近) △51.5 △44.7 △64.1 △68.0 △47.2 △55.6 △55.8 △47.5 △77.8 △44.2 △53.6 △40.9 06年10-12月期(ピーク) △12.5 △22.5 △25.0 △15.7 △13.8 1.4 △13.3 △1.4 △6.6 △27.7 △12.3 △4.2

サンプル割合(直近) 12.2% 1.0% 0.7% 0.7% 4.5% 0.5% 1.1% 1.6% 0.5% 0.4% 0.5% 0.7%

寄与率 10.0% 0.5% 0.6% 0.8% 3.1% 0.6% 1.0% 1.6% 0.8% 0.1% 0.4% 0.5%

建設

ピーク時からの悪化幅 −39.3 −37.4 −32.3 −26.7 −40.0 −52.4 −36.2 −45.8 −35.8 −48.3 −35.8 −39.7 09年1-3月期(直近) △49.3 △53.6 △53.4 △45.3 △47.0 △70.5 △48.1 △46.7 △51.6 △69.1 △41.2 △35.4 06年10-12月期(ピーク) △10.0 △16.2 △21.1 △18.6 △7.0 △18.1 △11.9 △0.9 △15.8 △20.8 △5.4 4.3

サンプル割合(直近) 14.0% 1.6% 1.0% 1.0% 3.2% 0.7% 1.5% 2.3% 0.7% 0.5% 0.7% 0.8%

寄与率 11.6% 1.3% 0.7% 0.6% 2.7% 0.8% 1.2% 2.2% 0.5% 0.5% 0.6% 0.7%

不動産

ピーク時からの悪化幅 −47.0 −14.2 −38.6 −47.9 −54.7 −36.5 −57.0 −57.1 −39.1 −15.2 −58.6 −22.6 09年1-3月期(直近) △46.2 △36.4 △58.0 △46.4 △45.7 △55.0 △46.6 △48.3 △44.4 △36.6 △44.8 △36.2 06年10-12月期(ピーク) 0.8 △22.2 △19.4 1.5 9.0 △18.5 10.4 8.8 △5.3 △21.4 13.8 △13.6 サンプル割合(直近) 7.1% 0.3% 0.5% 0.5% 1.9% 0.4% 0.8% 1.1% 0.4% 0.3% 0.5% 0.4%

寄与率 7.1% 0.1% 0.4% 0.5% 2.1% 0.3% 1.0% 1.3% 0.3% 0.1% 0.6% 0.2%

(備考  )1.信金中金総合研究所「全国中小企業景気動向調査」より作成

2.お天気マーク(7段階)は直近業況判断D.I.の4期移動平均値に基づいて付与 3.寄与率はピーク時からの悪化幅とサンプル数割合(直近)をもとに算出

リードしてきた自動車産業に代表される「輸 送用機器」の失速が著しい(図表6)。「輸送 用機器」の業況判断D.I.は、長らくプラスの 水準で推移してきたものの、08年10-12月期 に は 製 造 業 全 体 の 水 準 を 下 回 り(△63.7)、

直近09年1-3月期には△80.4と、そのマイナ ス幅をより一層拡大している。「輸送用機器」

では、人手過不足判断D.I.が前期比28.2ポイ ント大幅上昇の62.4(人手過剰超)、設備投 資実施企業割合が前期比12.0ポイント大幅低 下 の19.1%、 資 金 繰 り 判 断D.I.は 前 期 比14.8 ポイント低下の△46.4と、各種指標とも軒並 み悪化しており、急速に厳しさが増している 状況がうかがえる。

 こうした「輸送用機器」の業況の急速な悪 化は、自動車産業を主力とする東海地区など の業況判断D.I.を下押しする大きな要因のひ とつにもなっている。

2 .中小企業を取り巻く3つの経営資

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