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︑
傘
へ
KIと語形の上で似ている。
NANASIは佐賀・熊本・鹿児島に現われる。変種
はナラシ(8229。96),ナイワズ(7330.77,7340.24,7340.27,
7341・42),ナモタズ(8311.41),ナモタッ(8311.63)であ
る。OHIMESANの説明で述べたタブーの現象と関
係があろうか。本四124図「くすりゆび」に共通する名称 がある。
MEGO(4761.07の〔meηQ〕を除いて[meηηo〕)は,「め こい」と関係があろう。BAK:Aの中に対極的な表現が 発生したものと思われる。ME一の部分に目の意識があ るかどうかはよくわからないが,110こ口どが参考にな ろうか。
GOKINOZOKIは紀伊半島南端(7533.12はゴケノ
ゾキ)でありMEKAGO, MEKAIGOは群馬を中心
とする地方である。同色を与えたのは,ともに椀・籠な どの道具による命名だからである。治療に関する俗信が 関係していよう。分布の上では,両者ともMEPPA−
CU・MEBACIKOおよびMEKOZIKIと接してい
るが,その意味するところは汲みとりにくい。MEK:A一
(1)GOはNOMEの地域を分断しているから,新し
い発生と考えられる。
茶の符号で示したMEHUGURI以下は,何か性器
に関する,あるいはそれに類する要素を持つ類である。
中にははっきりしないものもあり,また,他の類に(た
とえばINNOCYONBOなどのように)関連のありそ
うなものもある。
皿EHUGURIは,佐渡とその対岸,および和歌山の 山間部に分布する。変種は7501.68のマフグリ,佐渡と その対岸は4648.42を除いてメフングリ,6591.57はマ
フングリ。したがって見出し語形はMEHUNGURI
とするほうがよかったかも知れない。
MENGURIは,佐渡のほか富山・岐阜の県境に1
地点,遠く入重山に1地点である。佐渡は4653.02を除い てメグリ(〔meηguri, meguri〕を含む),5558.33はメェ グリ,2074.69はミングラアであった。以上2類は佐渡 における地域の隣接・語形の類似から,関連のあるものと 見るのが穏当であろ5。西日本の古い表現と見ることが できるかも知れない。MONOGURAIの一GUR一は,
これと何か関係があろうか。グリグリするといった擬態 語との関係も考えたい。
ME且UGOは岡山南部に2地点である。語形の類似 からここに配列したが,フゴはざるのことだというから
(『全国方言辞典』),空の符号を与えたほうがよかったか も知れない。
MECINBOは,能登・富山・岐阜北部・長野・愛知
に現われる。変種はメチンポ(5507.09,5507.20,5558。67),
メツンポ(4588.98,4598.33,5548.58,5558.09),メチ ン(4597.72)である。富山・岐阜付近では前述のMEN−
GURIに隣接し,関連を思わせる。
MECINKEは,奄美諸島に1地点である。
MECYONPOは,能登のほか,新潟西部・佐渡に各
1地点現われる。7229.50のものはメチョンボ,5611.39の ものはメチョンゴであった。
MECYACYAは奈良に1地点, METOPPOは志
摩の神島(メエトンボ),佐賀(メットンボ),鹿児島に各
1地点,METONGYOは長崎に1地点であった。後
者の一丁ONGYOは,128図「くるぶし」に現われるNAKUBESUTONGOOの後部分と何か共通性を感
じさせる。
これらの諸語形は,どこまで共通性があるか不明で あり,また分布の上でも散在といわざるをえないが,一 方無関係とも言い難く,分布では西日本の周辺という点 で統一的に見ることが可能らしく思われる。東北・関東 に皆無であるという点も,消極的には共通点とすること ができるかも知れない。
MEMARAは能登・福井に計3地点である。MECI−
NBOとの関係も考えうるが,語形としてはMEMO−
RAとの関係も考えねばなるまい。
MEGATANEは石川4地点,富山1地点である。
『全国方言辞典』によるとカタネは腫物を意味するらしいか
ら,凡例末尾のほうにあるMEGASA, MENEBUTO
などに準じて取り扱ったほうがよかったのかも知れない。
MEMANZYAは隠岐と出雲である。5471.51,5472.
31,5472.34,5472.91,6401.89,6411.33はメマンジョ,
5462.29, 5462.57, 5463.12, 5463.64, 5463173はメマ ジャ,6402.53,6402.94はマンジャであった。
以上3項のうち,前2者は分布の点で他の茶符号に隣 接しているが,最後のものは孤立している。わずかに MEHUGOに近いと言えようか。
以下の紺符号のものは,MEP一, MEB一の類,およ びその他ということになろうか。
MEPPAは,中部・関東・東北の各地方に点在する ものの,主領域は北海道にあり,特色がある。中部・関
東・東北におけるMEPPAの分布は,この語形が中 央口本から伝播していった(ある時代は発展性のある語 形であった)ことを思わせるが,現在の東北方言の主力 語形でないMEPPAが北海道に定着していった過程 には興味が持たれる。変種はメンバ(3679.64),メンパ ア(6645.01),メパ(2762.61),.ネパ(3712」.5)である。
MEPPARIは,新潟西部に1地点である。 MEPPA−
ISYOは伊豆諸島に3地点(6677.41はミッパイショ オ,6777.70はメッパイチョ,6686.75はメッパイショオ)
である。M:EPPAZIKIは群馬に1地点, MEBAは
青森,DEBAは新潟北部,石川南部に各1地点である(MEBA対DEBAの関係は,後に出るMEBA『
CIKO対DEBACUKOと平行的である)。 MEPPA−
RI以下DEBAまでは,語形の上からも分布の上から も,MEPPAの変種と考えられよう。
これらに対してMEPPACUは,新潟中南部を中心 にかなりの領域を持っている。ほかに北海道に3地点
(これらは4695.33とともにメッパチ),岩手東部に2地 点(3766.47はメッハズ,3737.32はメッパジ),群馬に1 地点(メッパチ)見られる。MEPPAから変化してでき
たものか,あるいは逆にMEPPACU>MEPPAの変
化があったかよくはわからないが,おそらく前者であろ
う。
MEBACURIは福井に2地点,長野北部(メッパツ レ)に1地点である。前項と関係がありそうに思われる。
MEBACIK:0は,大阪を中心にひろがる領域を持っ ている。志摩・滋賀・香川のほか宮崎南部にもある。全 語形の中で,もっとも新しいものの5ちのひとつであろ
う。宮崎のものは丁丁藩との関係を考えるべきである。
変種にはメパチコ(6469。19),メバツコ(多数),メバッ コ(6476.17,6485.82),メバッチョ(6550.13),メボッ チョ(6563.84),メバツボ(6550.96),メバツク(6571.63),
メバチ(点在)があった。
DEBACUKOは,兵庫・大阪・和歌山に現われる。
前述のMEBA対DEBAの場合と同様に, MEBA−
ICIKOと密接な関係があろう。分布の様相からME−
BACIK:0>DEBACUKOが考えられ,領域の中心で
ふたたびMEBACIKOが復活したものと思われる。変種にはデバチコ(7500.24),かなり多いデバック,デ ボツク(6560.40)があった。
以.hの2項は,分布の様相からMEBOなどと関係 がありそうに思われるが,まばたきを意味するメバチ
(『全国方言辞典』)が関係があるかどうか不明である。
一BACI一の部分を鉢とするならば,あるいはGOKI−
NOZOKI, MEKA(1)GOなどに通ずるものかも知れ
ない。
MEPPASUは新潟に5地点, MEBASUは紀伊
半島に2地点である。両者とも,ハスという腫物(『全国 方言辞典』)と関係があると思われるが,この語形のある
ことから,MEPPACU(新潟)とMEBACIKO(近畿)
との関係が推定できるようになる。MEPPASU, ME−
8ASUの近傍に,両地域ともMEHUGURIのある
ことは,何か意味があるのであろうか。
MEBOは次のMENBO(MEPPO一志摩・福岡に
各1地点一と比較せよ)とともに近畿地方の周辺に分布 し,西日本方面へも領域をのばして,一時寸前に隆盛で あった表現と思われる。
MEBOCUは四国東北部に5地点, MEBOCCIは
三重に2地点(6546.73はメボチとメボチンの併用),奈 良および広島に各1地点(メボイチ)あらわれる。両者は
当然関係があり,また多分,ともにMEBACIKOと も関係があると考えられる。MEBOとMEBACIKO
との混交形かも知れない。また,メボイチはMEBO−ITOとの関係もあるはずである。広島では両者が併用 されている。
MEBOROは富山西部のほか,佐渡,北海道にも見 られる(4672・19はメプロ)。MEB一の類とすることは許 されようが,一方,櫨のMEMOROとの関係も考える
必要がある。MEMORAIなどとMEBOとの混交形
であろうか。
MEIBOは,目疵であろう。7407.36などはメノイボ であった。分布から見て,MEBOから民間語源を基礎 として(あるいはMEBOの前要素が長音化することを 介して)生まれたものであろう。MEBACIKOの誕生
より一時代前のことであったと思われる。
MIIBUは琉球列島に現われる。 MEIBOにあたる
ものであろう。
IBOは,全国に6地点である。 MEIBOからMEの 部分が切れてしまったものであろうが,疵をあらわすイ ボが混じているかも知れない。京都北部・三重・愛媛の ものを除き,兵庫西部。奈良のものはイモと報告されて
いる。
MEBOSI(山梨・静岡のほか,北海道・青森・岩手 に点在,別に福井の5584.22)は,HOSI(北海道に2野
曝
t
,
残
4
点,宮城・福島・長野に各1地点)とともに,別の眼病の ことをさすかとも思われるが,併用の場合特にそれを証 する注記はなかった。埼玉のMEBOSIは,本当はメボ オシであった。伊豆半島のメコゾオなどと,意味的な関 連を考えたほうがおもしろいかも知れない。
MEBOSOは,北海道・島根に各1地点である。語形
の類似からMEBOSI, MEBASUなどとの関係も考
慮すべきであろうが,.あるいは目三三と考えられている のかも知れない。別に,.次のような別病名を持つものが あった。
MEGASA一長野・京都(これはメカサ)・熊本・
沖縄の宮古諸島。
MENEβUTO 静岡』・岐阜の3地点以外は九州。
静岡のものはメネブッ。8312.33はメネット。8342・35は メネヒト。8310.87はメネフトとメネッツの併用。8312・
75はメネッツ,8323。59はメネツ。
MENEBU これは前者の切断形であろうか。大
分・宮崎。
NEBUSI MENEBUTOとの関係があるかも
知れない。地域は離れている。兵庫西部。
MEGASA以下,各地で独自に発生したものと見る べきであろ5。次に掲げるものは,その他としてもよ かったかも知れないのである。
MENEGUMO 茨城・千葉の県境。5791・07はミ
ネゴモ,5791.23はマナグモ。
MEKUBO 三重と兵庫。
MEKUSARE 新潟北部・広島南部(これはメク
サリ)
MEKUSA 福井。前者の切断形?
MEKAGE 宮崎。目欠け?
YAME 高知。病み目?
MEHADAK:0 伊豆半島。
「その他」(20地点ほど)に分類したものの中には,次の ようなものがあった。メナ(3727.21),メダンベ(561:L81),
ナツムシ(655U8),メッピイ(6665・25),ホトキサマ
(7235.24),メバクロ(7514.21),ミイアアラア(122工47)・
ミイナンベエラア(1242.00), ミイヌウトゥウグワア
(1261.16), ミィシュゥブ(1270.26)。 メバクロのように
MEBACIKOと関係があるかも知れな、・もの,ホ トキサマのようにOKYAK:USANと意味的に関連の ありそうなものもあるが(あるいは「ひとみ」の意味の転 化?),すべて各地で独自に発展したものと境てさしつ
かえあるま、〜。
以上で凡例をひとつひとつ検討したことになるが,以下 地図全体を巨視的に見渡した場合のことを記してみよう。
全国を見渡すと,緑の符号で表示した類が国の両端に 分布していることがわかる。古いものの残存としたいと ころであるが,東日本のもの,西日本のもの,琉球列島 のものが別類かも知れないので速断はできない。七か し,東日本におけるNOMEはかなり古そうに思われ る。西日本については,IN一が古そうに見える。ただし 西日本では,茶の符号で示した類の方が古いものかも知 れない。
中央の力を背景に全国域に勢力をのぼしたものは,・榿 の符号で示した乞食の類である。各地域独自の語形と なっているが,治療法に関する俗信を基盤にして伝播し たものと想像される。各地のINMORAIなどは,在来 のIN一と乞食類の混交形であろうか。
MEB一, MEP一の類は,比較的新しい勢力と思われる。
中ではMEPPA,MEBO(MENBO)などが古いもの
であろうが,前者は東に,後者は西に勢力がある。東の
MEPPACU,西のMEIBO, MEBACIKOは,.そ
れぞれそれらの後身と思われる。ある時期に国の中央では
MEIBOが勢力を持っていたが,後MEBACIKOが
それにかわったのであろう。
各地で誕生し発展したと思われ,しかも広い領域を持つ ものには,東から見るとBAKA, MEKA(1)GO,IN−
NOKUSO, OHIMESAN, MIINALiなどがある。
113.はな(鼻)
きわめて単純な地図である。そのため,見出し問の区 別を表現するために,色の区別を利用しなかった。
ハナ類が,若干の音変種を持ちながら,全国的に分布し ている。ほか,紺で示したこれに接尾辞のついた語形が,
わずかに認められる程度である。つまり,この地図には,
まったく異なった類の表現はない。この地図で「その他」
に分類したものは〔hano〕4653.84,〔kana〕4711.41であ るが,ハナ類でないとは断定しがたい。
このような全国が同語類で覆われる項目は,単語の全 国図として採り上げられることは一般にすくないが,.実 はこの種の語は日本語の中に他にもかなり多いはずで,
注意を喚起する意味もこめてここに示した。
見出し最初の5項,即ちハナの音変種は,ほとんどが