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REKK:0以下はオニを持たないが,分布と語形の類似と からここに置いた。『全国方言辞典』によれば,「追う」の 意味で,「ぼくる」,「ぶくる」が東北一帯,岐阜にあると

言う。あるいは,ONIBUKUROからBUKURECYA−

NKOまでは,空で示すべきであったかも知れない。.

ONIK:URAからONIK:URAGOまでは,「比べ」にあ たると考えられる要素を持つものであるが,分布にはほ

とんど積極的な意味は認められない。「駆けくら」などか らクラの部分が切り離され,独立して各地でONIに接続 したものかも知れない。ONIZYO, ONIZYOKK:0は 語形は似ているが分布はかけはなれている。ONIZYO は九州に点々と見出され,ONIZYOK:KOは青森に見 られる。後部分のジョッコは,緑や茶の類にも見られ,

東北地方に点在する。また,148図でも他の前部分に付

いて東北地方に分布する。ONIKAEからKABOま

では一当(「代え」か)という要素を持つと考えられるもの である。北陸に一領域を持つほか,東北地方,長野,香 川,九州に点々と見られる。ONKEGO(8301.19)のKE は隔日の連母音にあたる短母音かと考えた。KAEBO はONIK:AEBOの近くにある。 K:ABOは薩摩半島 に見られる。KAEBOと関係があるかどうかわからな いが一応ここに置いた。ONIYAI, ONIYAIKO,

ONIYOKKOは,点々としていて,まとまった領域は 見られない。空の類では,ボイヤイ,ボイヤイコなど,

後部分において共通するものが一定の拡がりを見せてい るが,それらとの関連も認めにくい。ONISARAは愛 媛西南部と広島,福島に見られる。サラは「更」あるい は,「撲う」などにあたるものであろうか。「更」ならば,

オニカエなどと発想が似ているとも思える。ONITOBI からTOBIKOまでは,岩手と栃木とに認められる。

ONIKIRIは徳島に, KIRIONIは千葉に各1地点見 られ,キ1」という要素を共有する。K:ITTA・KET−

TAONIは熊本にある。この類は148図では熊本からは 消えて,四国にK:ETTAが見出される。

 空で示したものは,オイ,ボイ等「追う」にあたる要素 を持つ類である。中ぬきの輪郭符号はオイ等の要素を持 つもの,一部ぬりつぶした符号はオイカケ,オワエ等の 要素を持つもの,全部ぬりつぶした符号はボイ,ボワレ 等の要素を持つものを,それぞれ示す。空以下各色の類 の中のオニを含む見出しは,赤のONIの符号と同形の 矢印をそれぞれの符号に組み合わせて示した。例えば,

ONIOKKOはOKKOの符号と矢印(ONIの符号)と

の組合わせ符号で示してある。

 OIKOからUIGOまでは同類と認めてよかろうσ OKK:0は青森に見られ,同地域にあるONIOKKOと 関連があろう。はじめに述べたような,オッカケをオイ

カケに含める原則からすると,このOKKOもOIKO

とすべきだったかも知れないが,一方,榿のONKOと ともに,ONIKOとの関係も考えられる。 ONIKO>

ONKO, OIK:0>OK:K:0という単純な変化だけでな く,さらに錯綜した歴史があったのではないかという疑 いから特に見出しを立ててみた。OINANGOは九州,

OKIK:ONANZYOは青森にそれぞれ見られる。これら のナンゴ・ナンジョはそれぞれ赤のオニの類にも現われ る。OIYAIは,滋賀。三重に4地点見られる。後で触 れるオワエヤイ(コ),ボイヤイ(コ)等とつながりがあろ

う。OYAGOKUは佐渡に1地点ある。このOYAは,

オイヤイにあたるものと考えた。ゴクは,他の類にもあ らわれ,近畿一帯に分布する。

 OIKAKE以下OBANGOまでは,一部のものを除

いて,まとまった分布領域が認められない。OIKAKE−

GOK:Uは京都に, OIKAKENANGOは長崎に認め

られる。それぞれゴク,ナンゴの分布する地域内にあ

る。OIKIAKIEBOからOIK:AKIERENBOまでは近

畿北部に数地点ある。BO, BON, BABA等類似する 形態素に注目したもので,分布も近接している。

 オワエの類には多少まとまった分布領域が認められ

る。OWAEGOKUは佐渡,兵庫,香川に見られ,こ

れもゴクの領域を形成する。OWAEK:0は三宅島,愛 媛,島根と飛び離れているが,OWAEGOは四国東北 部に一領域を持ち,和歌山にも1地点見られる。OWA一

】i】GOTOは,近畿に7地点,北海道,佐渡に各1地点 ずつ見られる。近畿のものはオニゴトの領域内にあり後

部分ゴトを共有する。OWAEYAI, OWAEYAIKO

は四国に領域を占める。ボイヤイ(コ)等とつながりが

あろう。OWAEHOTAは三重南部に1地点ある。こ

の地点には148図にもカクレホタとしてホタが現われ る。ホタは遊びに関する形態素であろうか。OYAEGO からOBANGOまでは,ともに五島に認められるもの で,前の二つのオヤエはオワエにあたる形であろう。

OBAENKOは,オワエコにあたる形と判断した。な

お,「追う」にあたる語がオワエルとなる地域は『全国方言 辞典』に挙げられている。この図のオワエの分布と比較 すべきであろう。

 BOIGOKUからBOTAK:URIONKOまでは,「追

う」にあたる動詞ボウ・ボル等を背景に持つ同類である と考えられる。r全国方言辞典』によれば,「追う」をrぼ う」と言うところは,東北各地g新潟,北陸,長野,岐 阜,愛知,京都,兵庫,山陰,広島となっている。この 図では,全体としては北海道,東日本の日本海岸側,北 陸,東海,山陰とかなりまとまった分布が見られ, rぼ

う」の分布とほぼ重なると言えよう。BOIKOは秋田 を中心に領域を持ち,宮城,山形,愛知にも各1地点見 られる。秋田のものの多くと愛知のものは,ボイッコで あった。BOINANKOは秋田・青森県境に2地点ある が,青森のものはボイナコであった。このナンコは,同地

域のONINANKO, OKII(ONANZYOと共通すると

ころがある。BOIYAIは3領域に分かれる。北陸,東海,

山陰である。BOIYAIK:0は山陰にかなり広い分布を 示し,このほか北海道,愛知に計3地点見られる。このう ち,山陰のものには,ボイヤコが多く,ボイヤイコは3

:地点しかなかった。北海道,愛知東部のものはボイヤッ コであった。これらをまとめてBOIYAIKOとした。

なお,BOIYAI, BOIYAIKOは各々連母音を2組ずつ 含んでいるが,これが地域によりさまざまに変化したも

のが多かった。特に愛知のBOIYAIには変種が多かっ たが,いずれも当該地域の規則的な変化と認められる のでみな一つにまとめた。BOIZYAKKOは北海道,

秋田,山形に10地点認められる。このZYAK:KOは 近くにあるONIZYOKK:0(赤), CUKAMAEZYO・

KK:0(草)等のZYOKKOと関連があると考えられる。

BOIBAKKOは秋田男鹿半島に3地点認められる。こ

のBAKKOは,赤のONDOBAKKO(富山)に共通 し,あるいはONIBOKKIO, ONIMOKKOなどとの

つながりも考えられよう。さらに,148図のカクレバッ コ(男鹿半島・富山等),カクレボッコ(秋田,富山等),

あるいは,カクレマッコ(岩手,福島等)などとも通ずる。

BORIGEEKOからBORINEKKOまで,および,

ONIBORI以下BORONKOまでは,他の語形のボイ

に対してポリの現われるもので,北海道,青森,秋田に 分布する。これには「追う」にあたるボウがボルとなるこ

とが背景にあると考えられる。この地方ではワ行五段活 用の動詞がラ行五段化する傾向があると言われている。

例えば,『日本言語地図』第2集76図「もらう」の図にお ける,モラル(岩手・秋田北端から青森にかけて)の分布 からもうかがうことができる。BORIGEEKOは青森

に4地点見られる。このGEEKOの具体的音声は〔ηε一 ko, gaeko,ηεkko〕であった。148図に現われるこの形 態素には,広いエの長母音が何地点か見られ,見出しに はGEEKOと表記したが,さらに考えを進めれば,あ

るいは,KAEKOとい5見出しにして,オニカエ等の カエと同じものとして扱うべきだったかも知れない。

BORIONKOは青森と北海道に見られる。榿のオンコ とつながりがあろう。BOROONI, BORONK:0は,

ともに北海道にある。BORIONI, BORIONKOから

の変化と考えられる。

 BOTAKURIONKOのボタクリについては『全国

方言辞典』によれば,「追う」の意味で「ぼたぐる」が東 北地方にあると言うから,空の類とすることに疑いは

あるまい。OPPAIK:0以下の空軍は,はたして「追う」

にあたる語を持つものかどうかは確かではない。おもな 分布を記しておこう。OPPAIKO(隠岐), ONMA・

ONMAGOTO(富山), BAE〜ONIBAE(宮城,新 潟),GARIGOTO。GARIGOKURA(能登)。後の二

つについては『全国方言辞典』によれば,能登で「追う」こ とを「がる」と言5とある。

 草で示したものは,ツカマエ,ツカミという要素を持 つ類で,岩手,近畿,雲門地方,九州,沖縄にややまと まって見られ,そのほか北海道,福島,長野等にも何地 点かある。『沖縄語辞典』によれば〔kagimi=jUN〕は

「つかむ,つかまえる」とあるのでKACIMIYEE,

KACIMINSOOREEは草のi類とした。その他のもの

は,後部分を赤のオニの類のそれと比較できるよう符号 の形を合わせてある。それらの形態素の分布も,今まであ げたものの領域に,ほぼ一致する。CUKAMINAKKO の後部分は,他のものと一致させればNANKOとすべ きだが, 1地点しかなかったために,あえてNANKO にはしなかった。

 緑の輪郭符号で示した類は,セメという要素を持つも ので,山形を中心に分布領域が認められる。伊豆大島に SAMEがある。セメと関係があるかどうかはわからな いが一応ここに置いた。『全国方言辞典』によれば,「捕 える」の意味で「しめる」が庄内(浜荻)にあるという。

また,「せめる」は,「暴れさわぐ」の意味で岩手九戸,

「せきたてる」として秋田北秋田,「いじめる」として島根 鹿足などに見られるようである。「おにごっこ」の意味で 適当なのは「しめる」(捕える)であろうし,庄内にある という記録もこの図の分布と近い。従って,見出し表記

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