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   図2−IL わが国のエネルギー利用に伴う二酸化炭素排出量の部門別推移

す。工業国であるわが国のエネルギー消費は産業部門で大きくなっていることが うかがわれる。しかし、産業部門での省エネルギーは近年かなり進展し、産業部 門からの二酸化炭素排出量は近年は若干の減少傾向を示している。その一方、運 輸部門と家庭部門での二酸化炭素排出量は年々増加の傾向にあり、これらの分野 では依然としてエネルギー消費が増大し、省エネルギーが未だ浸透していないこ

とが察せられる。

 わが国の一次エネルギーの41.3%は発電に用いられる(1999年度)(28)。発電用 エネルギー源は、かつては石油が中心であったが、近年石油の占める割合は減少

し、図2−12(29)に示すとおり、2002年度には8.6%にとどまっている。しかし、石

新エネルギr

 地、  O,4

水力,9.0

原子力,31,2一

,8.6

/LNG・26・6

    、     \

    L石炭,22.2

(2002年度、単位%)

図2−12.発電電力量のエネルギー源別構成比

油にLNG、石炭を合わせた火力発電全体で見ると、発電電力量全体に占める割 合は55%に達し、電気エネルギーの多くを火力発電に依存する傾向は続いてい るといえる。今後、火力発電への依存をどれだけ減らせるかが、わが国の電力政 策の課題であり、わが国の今後のエネルギー需要を左右する大きな要因であると

もいえる。

2.3.2 化石エネルギーの代替として期待されているエネルギー

 エネルギー源(特に化石エネルギー)の枯渇のみを問題とするなら、新たな化 石エネルギーを開発することにより問題の解決は可能である。例えば、わが国近 海の深海底に発見されるメタンハイドレートなどは、資源量も豊かだといわれて おり、新たな化石エネルギー源としてその開発が期待されている。しかし、化石 燃料を用いる限り、温室効果ガスの増加は避けられず、エネルギー環境問題の解 決にはつながらない。したがって、化石エネルギーの枯渇問題、エネルギー環境 問題の双方の解決につながるものとして、ここでは将来有望とされているエネル ギー源のうち、非化石エネルギーに属するもののみを取り上げる。

1)原子力エネルギー

 ウラン235の核分裂反応時に発生する膨大な熱エネルギーを利用するもので、

原子力発電はこの熱エネルギーを用いて高温・高圧の蒸気を発生させ、そのカで タービンを回して発電する。原子力発電を世界で最も強力に推進している国はフ ランスであり、総発電電力量の76.4%(2000年現在)(30)を原子力発電によりまか なっている。わが国もまた原子力発電の推進を掲げているが総電力量に占める割 合は33.8%(2000年現在)(30)にとどまっている。

 原子力発電の最大の利点は、エネルギー密度が高く、大量の電気エネルギーを 生み出せることである。また、核分裂反応は二酸化炭素の放出を伴わないため、

原子力発電の割合を増やすことは地球温暖化対策にもなる。さらに、燃料となる ウランの輸入先は、カナダ、オーストラリア、イギリス等、地域的な偏りが少な く分散しているため、より安定的な供給が可能であることも利点としてあげられ

る。

 一方、核分裂反応は様々な放射性物質を生み出す。放射性物質の出す放射線は 生物にとって有害であることが多い。原子炉内の核分裂反応は精密に制御され、

炉内の放射性物質が外部に出ることがないよう、幾重にも防護されている。しか し、何らかの事故により原子炉内の放射性物質が外部に出ることがあれば、その 影響は広範囲、かつ長い時間にわたるおそれがある。旧ソ連チェルノブイリ原子 力発電所の事故では、原子炉内の放射性物質が周辺地域に飛散し、広範囲な放射 能汚染をもたらした。

 このような事故は希な例ではあるが、安全に運転されている原子力発電所にお いても、原子炉から出る放射性物質の処理は大きな課題である。一部の放射性物 質は長期問にわたり放射線を出し続けるため、長い期間にわたり厳重に管理する ための施設、設備も必要となる。

 また、原子力発電の熱効率は34.5%(3 )である。この値は石油火力(39.8%)とほ ぼ同等であり、LNG火力(48。0%)などよりも低く、効率があまり良いとはいえな い。また、ウランの可採年数は1999年1月時点であと64年と推定されており、

このまま原子力発電所の新設がないと仮定しても、化石エネルギーの枯渇問題に 対する根本的解決の選択肢とはなり得ない。高速増殖炉は核分裂を起こさないウ ラン238を核分裂するプルトニウムに変え、燃料とするものであり、これが実用 化されれば1000年程度資源が持続するとされている。しかし、冷却剤としてナ

トリウムを用いるため、水と爆発的な反応を起こすナトリウムの制御が大変難し い。フランスは高速増殖炉の実用化をめざしていたが撤退し、わが国だけが、実 験炉rもんじゅ」を用いて実用化をめざしている。しかし、1995年12月にナト

リウム漏れ事故を起こして現在実験は中断しており、実用化のめどは立っていな

い。

 ヨーロッパ諸国の中には、原子力発電自体を縮小、廃止する動きも見られ、1980 年にはスウェーデン国会が原子炉の廃止を決議し、2000年にはドイツ政府が原 子力発電からの撤退を表明している。

2)再生可能エネルギー

 再生可能エネルギーは、太陽光、風、潮汐、海流等の自然現象を利用して取り 出されるエネルギーである。再生可能エネルギーは、化石エネルギーや原子カエ ネルギーと異なり、その資源は事実上無限で、資源枯渇の心配がない。また、燃 焼を伴わないため、二酸化炭素等温室効果ガスを排出することもなく、地球環境 にとってもきわめてクリーンなエネルギーといえる。しかしその普及は進んでい るとはいえない。資源エネルギー庁は太陽光発電、風力発電にバイオマス発電、

廃棄物発電、太陽熱利用等9種類のエネルギー源を加えたものをr新エネルギー」

と定義している(32)が、新エネルギーが一次エネルギー総供給に占める割合はわ ずか1.2%(2001年度)に過ぎない。政府は、わが国のエネルギー政策における 再生可能エネルギーはあくまで補完的役割との見解を崩していない。その理由と しては、再生可能エネルギーの持つ以下の2つの欠点が挙げられる。その一つは、

再生可能エネルギー利用は天侯等の自然条件に左右されやすく(太陽光発電では 晴天時以外の発電が不可能、風力発電では無風時の発電が不可能等)安定したエ ネルギー供給が難しいということである。第二の欠点は、再生可能工・ネルギーは エネルギー密度が低いため、利用可能なエネルギーを大量に取り出すためには大 規模な施設が必要になるということである。しかしながら、東京電力における自 主点検での不正問題、関西電力美浜原子力発電所での二次冷却水漏れ事故等の影 響によりわが国の原子力政策に疑問も投げかけられ、再生可能エネルギーは現在 脚光を浴びつつあるといえる。2003年4月からは、r電気事業者による新エネル ギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」が施行され、電力の小売を行う事 業者は新エネルギーにより発電された電気を一定割合利用することが義務づけら れた。このことも、今後の再生可能エネルギー利用の拡大に追い風となるであろ

う。

 わが国の再生可能エネルギーの利用は、太陽光発電と風力発電が双壁であり、

家庭用太陽光発電装置の普及により、太陽光発電が風力発電を上回る状況となっ ている。2002年度の発電実績は、太陽光が63.7万キ.ワット、風力が35.1万キ.ワ ットとなっている(33)。一方、国際的にみると、再生可能エネルギーの利用は圧 倒的に風力発電が多く、1位ドイツの1,090万キ.ワットを始めとして、上位5力

国までが100万キ.ワットを超える設備容量を有している(33)。これに対し太陽光発 電の設備容量は全世界合計でも131.2万キ.ワットに過ぎない(33)。わが国において

も近年ようやく風力発電の導入が本格的に進みつつあるが、より一層積極的な導

入が求められよう。

2.3.3 エネルギーの有効利用

 エネルギー環境問題解決のためには、これまでに述べた非化石エネルギー源の 開発とともに、エネルギーの有効利用が重要であり、エネルギー白書においても、

省エネルギーの重要性は繰り返し強調されている。

 省エネルギーには、家庭や職場で不要な照明を消したり、エアコンの設定温度 を適正なものにする等、一人一人の心がけによりすぐに実行可能なものもあり、

省エネルギーへの意識を高めるための啓蒙や教育が求められる。また、新たな技 術の導入によりエネルギーの損失を抑え、有効利用されるエネルギーの割合を増 やすことにより、エネルギー消費量全体を抑制することも省エネルギーであり、

今後の技術革新によりさらなる効果が期待できる分野である。例を挙げると、発 電所で発電のために投入されたエネルギーは、消費されるまでに変換ロスや送電 ロス等でその約60%が損失となり、利用可能な電気としてのエネルギーは約40%

にとどまるといわれる。ガスコジェネレーションシステムは発電する場所と電力 を消費する場所を近接させることにより送電ロスを防ぐとともに発電の際の廃熱 を暖房等に利用するため、投入された一次エネルギーの約85%を有効利用する ことができるといわれている。このように、最新技術を用いることによりエネル ギー利用効率を高めた製品を開発し環境負荷の低減を図ることは、その製品にと っての付加価値となり、企業にとっても新たなビジネスチャンスとなるため、近 年は多くの企業が省エネルギー効果の高い商品開発に力を入れている。

 政策の面から見ると、わが国では1979年、第二次石油危機を契機に「エネル ギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」が制定され、その後地球環境問 題の顕在化等を背景に3度の改正を受け、現在に至っている。その結果、産業部

門では省エネルギーの効果が現れ、エネルギー消費量が近年ほぼ横ばいで推移す るようになった。一方、民生、運輸部門では前述の通りエネルギー消費がさらに 拡大しているため、2000年より総合資源エネルギー調査会によるエネルギー政 策の総合的な検討が行われ、2001年6月に報告書「今後の省エネルギー対策の 在り方について」として発表された。その概要は、住宅・建物等の省エネ性能の 向上(民生部門)、クリーンエネルギー自動車の普及促進(運輸部門)等、それ 以前からの対策を引き続き行うことによる省エネ量(原油換算)を約5,000万キ。

リットルとし、さらに新規の省エネ対策として、待機時消費電力の削減(民生部 門)、ハイブリッド自動車等車種の多様化等の促進(運輸部門)等を行うことに