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中学校におけるエネルギー環境教育の現状と課題 4.1 学習指導要領および教科書の調査

4.1.1 学習指導要領に示されたエネルギーと環境に関連する内容の調査 4.1.1.1 学習指導要領に示された

       社会科におけるエネルギーと環境に関連する内容

表4−1に、学習指導要領(社会編)中でエネルギーや環境に関すると考えられる 記述を示した。また、それぞれの記述内容を、エネルギー環境教育とのかかわり 方により3つのカテゴリーに分類した。

  表4−L学習指導要領(社会科編)に示されたエネルギーと環境に関連する記述(1)

目  標 内   容 内容の取り扱い 指導計 画の作 成等

(1) 日本や世界(3) 世界と比べて見た目本 の地理的事象に対 ア 様々な面からとらえた日本

する関心を高め, (ア) 自然環境から見た日本の 広い視野に立って 地域的特色

我が国の国土の地 世界的視野から見て,日本は

域的特色を考察し 環太平洋造山帯に属し大地の動 理解させ,地理的 きが活発であること,温帯の島 な見方や考え方の 国,山国で降水量が多く,緑に 基礎を培い,我が おおわれた国であること,自然 国の国土に対する 災害が発生しやすく防災対策が 認識を養う。 大切であることといった特色を

(3) 大小様々な理解させるとともに,国内では 地域から成り立っ 地形,気候などにおいて地域差 ている目本や世界 がみられることを大観させる。

の諸地域を比較し (ウ) 資源や産業から見た目本

関連付けて考察 の地域的特色

し,それらの地域 世界的視野から見て,日本は は相互に関係し合 エネルギー資源や鉱物資源に恵 っていることや各 まれていない国であること,土

地域の特色には地 地が高度に利用されているこ 方的特殊性と一般 と,産業の盛んな国であること 的共通性があるこ といった特色を理解させるとと と,また,それら もに,国内では地域の環境条件 は諸条件の変化な を生かした多様な産業地城がみ どに伴って変容し られること,環境やエネルギー ていることを理解 に関する課題などを抱えている

させる。 ことを大観させる。

(エ) 生活・文化から見た日本 の地域的特色

世界的視野から見て,目本に おいては比較的ものの豊かな中 で人々が暮らしていること,ま た,近代化や国際化の進展など により伝統的な生活・文化は変 容していること,外国から入っ てきた生活・文化は日本の環境 条件に対応させて取り入れてき たことといった特色を理解させ るとともに,国内では生活・文 化の地域による差異が次第にな くなりつっあるが,一方で各地 に特色ある生活・文化がみられ ることを大観させる。

(5) 近現代の目本と世界

ク 高度経済成長以降の我が国

び)動きを世界の動きと関連させ てとらえさせ,経済や科学技術

の急速な発展とそれに伴う国民 の生活び)向上や国際社会におい て我が国の役割が大きくなって きたことについて気付かせる。

公民的分野

(2) 民主政治び)

意義,国民の生活 の向上と経済活動 とのかかわり及び 現代の社会生活な どについて,個人 と社会とのかかわ りを中心に理解を 深めるとともに,

社会の諸問題に着 目させ,自ら考え ようとする態度を

育てる。

(3) 国際的な相 互依存関係の深ま

りの中で,世界平 和の実現と人類の 福祉の増大のため に,各国が相互に 主権を尊重し,各 国民が協力し合う

ことが重要である ことを認識させる とともに,自国を 愛し,その平和と 繁栄を図ることが 大切であることを

自覚させる。

(4) 現代の社 会的事象に対する 関心を高め,様々 な資料を適切に収

(1) 現代社会と私たちの生活 ア 現代目本の歩みと私たちの 生活

 現代日本の発展び)過程と国際 化の進展のあらましについて理 解させるとともに,現代社会の 特色に気付かせる。その際,高 度経済成長から今目までの我が 国や国際社会の変容について,

国民生活と関連させて理解させ るとともに,国際社会における 我が国の役割について考えさせ

る。

(2) 国民生活と経済 イ 国民生活と福祉

 国民生活と福祉の向上を図る ために,国や地方公共団体が果 たしている経済的な役割につい て考えさせる。その際,社会資 本の整備,公害の防止など環境 の保全,社会保障の充実,消費 者の保護,租税の意義と役割及 び国民の納税の義務について理 解させるとともに,限られた財 源の配分という観点から財政に ついて考えさせる。

(3) 現代の民主政治とこれか らの社会

ウ世界平和と人類の福祉の増大  世界平和の実現と人類の福祉 の増大のためには,国家間の相 互の主権の尊重と協力,各国民

(2) 内容の

(1)について

は,次のとおり 取り扱うものと

する。

ア アについて は,次のとおり 取り扱うものと すること。

(ウ) 「現代目

本の発展の過

程」については,

科学技術の発展 や経済成長を通 しての国民生活 の変化,特に衣 食住や生活意識 の変化に着目さ せて理解させる とともに,職業 や余暇生活の多 様化,情報化の 進展などが社会 生活に与えた影 響について気付

かせること。

(4) 内容の

(3)について

は,次のとおり 取り扱うものと

する。

ウ ウについて

集,選択して多面 の相互理解と協力が大切である は,次のとおり 的・多角的に考察 ことを認識させる。その際,日 取り扱うものと

し,事実を正確に 本国憲法の平和主義について理 すること。

とらえ,公正に判 解を深め,我が国の安全と防衛 (エ) 「地球環

断するとともに適 の問題について考えさせるとと 境,資源・エネ 切に表現する能力 もに,核兵器の脅威に着目させ, ルギー問題」に と態度を育てる。 戦争を防止し,世界平和を確立 ついては,適切 するための熱意と協力の態度を な課題を設けて 育てる。また,人類の福祉の増 行う学習を取り 大を図り,よりよい社会を築い 入れるなどの工 ていくために解決すべき課題と 夫を行い,国際 して,地球環境,資源・エネル 的な協力や協調 ギー問題などについて考えさせ の必要性に着目

る。 させるととも

に,身近な地域 の生活との関連 性を重視し,世 界的な視野と地 域的な視点に立 って追究させる

工夫を行うこ

と。

 表中青文字で示したものは、エネルギーと環境双方に関連がある記述、すなわ ちエネルギー環境教育に直接関連する記述(A)である。また、エネルギーのみ に関連する記述(B1)は緑文字、環境のみに関連する記述(B2)は赤文字で

示した。

 図4老は地理的分野におけるエネルギーと環境に関連する記述のカテゴリー別

比率である。

今回の学習指導要領改訂に伴い地誌学的内容が増えたため、環境のみに関連す

−A:エネルギーおよび環境双方に関連する記述 一B1=エネルギーだけに関連する記述

■B2:環境だけに関連する記述

0% 20% 40% 60% 80% 100%

図4−2.学習指導要領社会科地理的分野におけるエネルギーと環境に関連する記         述のカテゴリー別比率(数値は文字数)

る記述(B2)が多く、エネルギーと環境双方に関連がある記述(A)やエネル ギーのみに関連する記述(B1)は相対的に少ない。このうち(A)については、

公民的分野で現代社会の直面する問題として改めてとりあげることもできる。し かし、世界の資源やエネルギーの地域分布とその特徴などは、地理的分野でこそ しっかりと押さえられる内容であるにもかかわらず、今回の改訂により大幅に削 減され、(B1)が減少する結果として表れていると思われる。したがって、地 理的分野における(B1)の少なさは問題と言わざるを得ない。

 地理的分野の記述内容を見ると、内容(1)「世界と目本の地域構成」は地図の 見方、国名と位置などの学習が中心であり、(2)「地域の規模に応じた調査」は 地理的な特色をとらえる視点や方法の学習に主眼がおかれている。(2)の「ア  身近な地域の学習」で地域の自然環境や生活環境問題をとりあげること、また、

同rウ 世界の国々の学習」で産油国のかかえる課題、ヨーロッパの酸性雨を中 心とする環境問題、アフリカ諸国の貧困問題等をとりあげることなどによりエネ ルギー環境教育の内容を盛り込むことは可能である。しかしこれらは必ずしもと りあげなくてもよく、エネルギー環境教育の内容が盛り込まれるか否かは教科書 の著作者や教師の意識に依存する面が大きい。後述するが、地理的分野教科書に おける内容(1)および(2)におけるエネルギーと環境に関連する内容の扱い 方は、出版社間で大きな差があり、全く扱いのない教科書もある。

 内容(3)「世界と比べて見た日本」では、自然環境を中心として環境関連の記 述が見られる。その中の「ア 様々な面からとらえた目本」のウには、「環境や エネルギーに関する課題などを抱えていることを大観させる。」(Dとエネルギー 環境問題に直接関わる記述も見られ、評価できる。しかし、国際的なエネルギー 需給に関する言及が薄く、単に、我が国が資源・エネルギーに恵まれないという