タノール(95)に極めて溶けにくい.
同条性状の項の次に次の七項を加える.
確認試験
(1) 本品 2 mg に 0.01 mol/L 塩酸試液を加えて溶かし,
100 mL とする.この液につき,紫外可視吸光度測定法によ り吸収スペクトルを測定し,本品のスペクトルと本品の参照 スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波長の ところに同様の強度の吸収を認める.
(2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウ ム錠剤法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照 スペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波数の ところに同様の強度の吸収を認める.
(3) 本品の核磁気共鳴スペクトル測定用重水溶液(1→
125)につき,核磁気共鳴スペクトル測定用 3―トリメチルシ リルプロパンスルホン酸ナトリウムを内部基準物質として核 磁気共鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ 2.1 ppm 付近,δ 4.0 ppm 付近及び
δ
7.0 ppm 付近にそ れぞれ単一線のシグナル A,B 及び C を示し,各シグナ ルの面積強度比 A:B:C はほぼ 3:3:1 である.(4) 本品はナトリウム塩の定性反応(1)を呈する.
旋 光 度 〔α〕20D:+58 〜 +64°(乾 燥 物 に 換 算 し た も の 0.25 g,水,25 mL,100 mm).
pH
本品 1.0 g を 水 10 mL に 溶 か し た 液 の pH は 4.5 〜 6.5 である.純度試験
(1) 溶状 本品 1.0 g を水 10 mL に溶かすとき,液は 淡黄色澄明である.
(2) 硫酸塩 本品 2.0 g を水 40 mL に溶かし,希塩酸 2 mL 及び水を加えて 50 mL とし,よく振り混ぜた後,ろ 過する.初めのろ液 10 mL を除き,次のろ液 25 mL に水 を加えて 50 mL とする.これを検液とし,試験を行う.比 較 液 は 0.005 mol/L 硫 酸 1.0 mL を と り,希 塩 酸 1 mL 及び水を加えて 50 mL とする(0.048 % 以下).
(3) 重金属 本品 1.0 g をとり,第 2 法により操作し,
試 験 を 行 う.比 較 液 に は 鉛 標 準 液 2.0 mL を 加 え る(20 ppm 以下).
(4) ヒ素 本品 1.0 g をとり,第 3 法により検液を調製 し,試験を行う(2 ppm 以下).
(5) 類縁物質 定量法で得た試料溶液 10 L につき,次 の条件で液体クロマトグラフ法により試験を行い,各々のピ ーク面積を自動積分法により測定する.面積百分率法により それらの量を求めるとき,セフォタキシム以外のそれぞれの ピークの量は 1.0 % 以下であり,セフォタキシム以外のピ ークの合計は 3.0 % 以下である.
試験条件
検出器,カラム,カラム温度,移動相 A,移動相 B,
移動相の送液,流量は定量法の試験条件を準用する.
面積測定範囲:溶媒のピークの後からセフォタキシムの 保持時間の約 3.5 倍の範囲
システム適合性
システムの性能及びシステムの再現性は定量法のシステ ム適合性を準用する.
検出の確認:標準溶液 2 mL を正確に量り,移動相 A を加えて正確に 100 mL とする.この液 2 mL を正 確に量り,移動相 A を加えて正確に 20 mL とした 液 10 L から得たセフォタキシムのピーク面積が,
標準溶液のセフォタキシムのピーク面積の 0.15 〜 0.25 % になることを確認する.
乾燥減量 3.0 % 以下(1 g,105 °C,3 時間).
定 量 法 本品及びセフォタキシム標準品約 40 mg(力価)
に対応する量を精密に量り,それぞれを移動相 A に溶かし,
正確に 50 mL とし,試料溶液及び標準溶液とする.試料溶 液及び標準溶液 10 L ずつを正確にとり,次の条件で液体 クロマトグラフ法により試験を行い,それぞれの液のセフォ タキシムのピーク面積
A
T 及びA
S を求める.セフォタキシム(C16H17N5O7S2)の量[ g(力価)]
=
W
S ×A
TA
S× 1000
W
S:セフォタキシム標準品の秤取量[mg(力価)] 試験条件検出器:紫外吸光光度計(測定波長:235 nm)
カラム:内径 4.6 mm,長さ 15 cm のステンレス管に 5 m の液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル 化シリカゲルを充てんする.
カラム温度:30 °C 付近の一定温度
移動相 A:0.05 mol/L リン酸水素二ナトリウム試液に リン酸を加えて pH を 6.25 に調整し,この液 860 mL にメタノール 140 mL を加える.
移動相 B:0.05 mol/L リン酸水素二ナトリウム試液に リン酸を加えて pH を 6.25 に調整し,この液 600 mL にメタノール 400 mL を加える.
移動相の送液:移動相 A 及び移動相 B の混合比を次 のように変えて濃度勾配制御する.
流量:毎分約 1.3 mL セフォタキシムの保持時間が約 14 分になるように調整する.
システム適合性
システムの性能:標準溶液 1 mL に水 7.0 mL 及びメ タノール 2.0 mL を加えて振り混ぜる.この液に炭 酸ナトリウム十水和物 25 mg を加えて振り混ぜ,室 温で 10 分間放置した後,酢酸(100)3 滴及び標準 溶液 1 mL を加えて振り混ぜる.この液 10 L に つき,上記の条件で操作するとき,セフォタキシムに 対する相対保持時間約 0.3 のデスアセチルセフォタ キシム,セフォタキシムの順に溶出し,その分離度は 20 以上であり,セフォタキシムのピークのシンメト リー係数は 2 以下である.
システムの再現性:標準溶液 10 L につき,上記の条 件で試験を 6 回繰り返すとき,セフォタキシムのピ ーク面積の相対標準偏差は 2.0 % 以下である.
セフォタキシムナトリウム
92
貯 法 容 器 気密容器.
第一部医薬品各条の部 セフォテタンの条基原の項及び性状 の項を次のように改める.
セフォテタン
本品は定量するとき,換算した脱水物 1 mg 当たり 960 g(力価)以上を含む.ただし,本品の力価は,セフォテ タン(C17H17N7O8S4)としての量を質量(力価)で示す.
性 状 本品は白色〜淡黄白色の粉末である.
本品はメタノールにやや溶けにくく,水又はエタノール
(99.5)に溶けにくい.
同条性状の項の次に次の八項を加える.
確認試験
(1) 本品の pH 6.5 の抗生物質用リン酸塩緩衝液溶液(1
→
100000)につき,紫外可視吸光度測定法により吸収スペ クトルを測定し,本品のスペクトルと本品の参照スペクトル 又はセフォテタン標準品について同様に操作して得られたス ペクトルを比較するとき,両者のスペクトルは同一波長のと ころに同様の強度の吸収を認める.(2) 本品につき,赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウ ム錠剤法により試験を行い,本品のスペクトルと本品の参照 スペクトル又はセフォテタン標準品のスペクトルを比較する とき,両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の 吸収を認める.
(3) 本品 50 mg を炭酸水素ナトリウムの核磁気共鳴スペ クトル測定用重水溶液(1
→
25)0.5 mL に溶かした液に つき,核磁気共鳴スペクトル測定用 3―トリメチルシリルプ ロパンスルホン酸ナトリウムを内部基準物質として核磁気共 鳴スペクトル測定法(1H)により測定するとき,δ 3.6 ppm 付 近,δ 4.0 ppm 付 近,δ 5.1 ppm 付 近 及 びδ
5.2 ppm 付近にそれぞれ単一線のシグナル A,B,C 及び D を示し,各シグナルの面積強度比 A:B:C:D はほぼ 3:3:1:1 である.
旋 光 度 〔α〕20D:+112 〜 +124°(脱 水 物 に 換 算 し た も の 0.5 g,炭酸水素ナトリウム溶液(1
→
200),50 mL,100 mm).純度試験
(1) 溶状 本品 1.0 g を炭酸水素ナトリウム溶液(1
→
30)10 mL に溶かすとき,液は無色〜淡黄色澄明である.(2) 重金属 本品 1.0 g をとり,第 2 法により操作し,
試 験 を 行 う.比 較 液 に は 鉛 標 準 液 2.0 mL を 加 え る(20 ppm 以下).
(3) 類縁物質 本品約 0.1 g を精密に量り,メタノール に溶かし,内標準溶液 2 mL を正確に加えた後,メタノー ルを加えて 20 mL とし,試料溶液とする.別に液体クロマ トグラフ用 1―メチル―1H―テトラゾール―5―チオールをデシ ケーター(減圧,シリカゲル)で 2 時間乾燥し,その約 3 mg 及び脱水物に換算したセフォテタン標準品約 2 mg を それぞれ精密に量り,メタノールに溶かし,正確に 20 mL とする.この液 2 mL を正確に量り,内標準溶液 2 mL を
正確に加えた後,メタノールを加えて 20 mL とし,標準溶 液とする.試料溶液及び標準溶液 5 L につき,次の条件 で液体クロマトグラフ法により試験を行い,試料溶液の内標 準物質のピーク面積に対する 1―メチル―1
H
―テトラゾール―5―チオールのピーク面積の比
Q
Ta,セフォテタンに対する相 対保持時間約 0.5 に溶出するセフォテタンラクトンのピー ク面積の比Q
Tb,相対保持時間約 1.2 に溶出する∆
2−セフ ォテタンのピーク面積の比Q
Tc,相対保持時間約 1.3 に溶 出するイソチアゾール体のピーク面積の比Q
Td,その他の 個々の類縁物質のピーク面積の比Q
Te及びその他の類縁物 質のピーク面積の合計の比Q
Tf,標準溶液の内標準物質のピ ーク面積に対する 1―メチル―1H―テトラゾール―5―チオール のピーク面積の比Q
Sa 及びセフォテタンのピーク面積の比Q
Sbを求める.次式によりそれぞれの量を求めるとき,1―メ チル―1H―テトラゾール―5―チオールは 0.3 % 以下,セフォ テタンラクトンは 0.3 % 以下,∆2―セフォテタンは 0.5 % 以下,イソチアゾール体は 0.5 % 以下,その他の個々の類 縁物質は 0.2 % 以下及びその他の類縁物質の合計は 0.4 % 以下である.1―メチル―1H―テトラゾール―5―チオールの量(%)
=
W
SaW
T×
Q
TaQ
Sa× 1 100
セフォテタンラクトンの量(%)=
W
SbW
T×
Q
TbQ
Sb× 1 100
∆
2―セフォテタンの量(%)=W
SbW
T×
Q
TcQ
Sb× 1 100 イソチアゾール体の量(%)=
W
SbW
T×
Q
TdQ
Sb× 1 100 その他の個々の類縁物質の量(%)=
W
SbW
T×
Q
TeQ
Sb× 1 100 その他の類縁物質の合計(%)=
W
SbW
T×
Q
TfQ
Sb× 1 100
W
Sa:1―メ チ ル―1H―テ ト ラ ゾ ー ル―5―チ オ ー ル の 秤 取 量(mg)
W
Sb:脱 水 物 に 換 算 し た セ フ ォ テ タ ン 標 準 品 の 秤 取 量(mg)
W
T:本品の秤取量(g)内 標 準 溶 液 無 水 カ フ ェ イ ン の メ タ ノ ー ル 溶 液(3→
10000)
試験条件
検出器,カラム,カラム温度,移動相及び流量は定量法 の試験条件を準用する.
面積測定範囲:セフォテタンの保持時間の約 3.5 倍の 範囲
システム適合性
システムの性能は定量法のシステム適合性を準用する.
検出の確認:標準溶液 15 mL を正確に量り,メタノー ルを加えて正確に 100 mL とする.この液 5 L か ら得たセフォテタンのピーク面積が,標準溶液のセフ ォテタンのピーク面積の 12 〜 18 % になることを 確認する.
システムの再現性:標準溶液 5 L につき,上記の条 件で試験を 6 回繰り返すとき,内標準物質のピーク 面積に対するセフォテタンのピーク面積の比の相対標 セフォテタン