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ドキュメント内 滋賀の伝統的食文化図録 (ページ 88-92)

ナレズシの地域比較

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キロ近く離れた近江国甲賀郡や、分水嶺を 越えた旧伊賀・伊勢二国にまたがる三重県域の国境地帯はどんな状況だろうか。

フナズシを食パた経験の有無を

3 6

集落で質問し、その頻度から

4 ‑ ‑ ‑ ‑ 0

点まで点数化し図化した。近江では

2 0

集落のうち

1 4

までが

4

世帯中

3

世帯 以上が経験がある。戦後の布引開拓 集落まで含め、町場、農村部を問わ ずフナズシは経験している。伊賀の 柘植(つげ) ・倉部や、伊勢の関・

加太(かぶと)にも分布する。

フナズシを食べる機会別にその点

数を国別集計すると、日常食パる事 図

1 2 . 7 . 1

フナズシの食用経験と摂取頻度 例は

14

しかなく、贈答が

2 7

で最も

多い。ニゴロブナは高価なため、

フナが入手できたときや訪問販売、

近在の鮮魚専門庖に入荷した場合に 食パる。これらの世帯の多くは、自 家用に漬けている。ただ漬け込みに は技術を要するため、鮮魚商が家に 出向いて、販売といっしょに漬け込 みを行うこともある。伊勢や伊賀の 各集落で「経験あり」と回答した事 例も、つぶさに検討すると、贈答の ほか、親戚を訪問したとき、料亭で の宴会で食ペることが大部分で、ハ レ食の事例はわずか

1

例にすぎない。

・参考文献

野間晴雄「食文化要素からみた近江・伊賀・伊勢三国国境地帯の意義一淡水魚員

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フナズシを食ペる機会

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日常食べる 11 

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フナが入手できた時$

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ハレの日

7  O  8 

(正月・祭り・盆・来客時) 外出先

(親戚・宴会・料亭など)

贈答された時

1 6   8  3  2 7   (注)

*行商がフナを売りに来た時、淡水魚専門庖

で購入した時。

(資料)アンケート調査 [野間]

類摂取と正月の行事食を指標にして一」、滋賀大学教育学部紀要

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湖東平野の中央に位置し、湖岸から直線距離で

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以上ある蒲生町は、日野川の中流域 の水田稲作を主体とした純農村であるが、ナレズシの利用がきわめて高い。そのことは

1 9 9 2

年に県下全域で実施したアンケートから当町の

1 0 3

事例のうち、自宅で漬ける比率が

51%

(県平均は

32%)

と高く、しかも現在も過去にも漬けたことのない比率が

8%

にすぎないこ とからも推定できる。

曙好でも「大好きJ

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好き」をあわせるとじつに

82%

と、県平均の

63%

を大きく上回る。

しかもフナ以外でも、ハスの

2 7

、オイカワの

2 1

、ウグイの

6

など、販売用になりにくい小淡 水魚もナレズシにされている。またサパの

2 9

など、海産魚のスシも自家で調理されている。

1 2 . 8 . 1

では、ナレズシを漬けた経験があると各集落で回答した比率を黒色で示してい る。鈴、宮井、市子沖、市子川原、横山など河川に近い集落ではナレズシを自宅で漬ける 頻度が高い。近江八幡などの行商や淡水魚庖からの購入に加えて、堰堤建設によって漁獲 量は減少気味であるが、日野

1 1 1

と支流の佐久良川での投網、サデ網による漁拐活動による 割合が大きいと恩われる。蒲生町役場内には日野川を対象とした漁業協同組合が同居して おり、遊漁者のためというよりも、河川沿いの集落の人々が数多く組合員になっている。

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蒲生町集落別ナレズシを自宅で漬けた経験の有無

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ニゴロブナがキログラム当り数千円以上する現状では、フナズシは食べたくてもなかな かふだんは不可能である。まさに、保存食というより、珍昧となってしまった。

それで、潜在的なナレズシへの親近感を集落別分布にさぐる目的で、次のような処理を 試みた。

今はナレズシは漬けないが、かつては自宅で漬けていた場合は最もなじみがあるとし

5

点を与え、以下、他人に頼んで漬けてもらう

4

点、購入して食パる

3

点、贈答された時の み食ペる

2

点とした。乙の順になじみが薄くなると仮定して、集落別に点数化し、回答数 で割った点数を

1 0

倍したのが図

1 2 . 8 . 2

である。

5 0

点がいちばんナレズシヘの親近感があり、

数字が少なくなるにつれてなじみがないといえる。

この点数を図化すると、日野川中流の沖積平野の集落で高く、丘陵部、上流八行くにし た が い 、 ナ レ ズ シ へ の 親 近 感 が 薄 く な っ て い く 様 子 が み て と れ る 。 [ 野 間 ]

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蒲生町集落別ナレズシの潜在的な親近感

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