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o::>東西の食文化の移行地帯での雑煮のタイプを
1 1 . 1
の分布図よりもスケールの大きな、 b、
いかえるなら、 より細かな地形的な障害や旧国境などの人為的な境界によってどう移り変 その実験の場として、滋賀県甲賀郡の一部(旧近江国)、鈴鹿峠を越 わるのであろうか。
とに、図化したものである。
の国境地帯の
3 6
集落、144
世帯に直接聴き取りした資料をも えた三重県(伊賀国と伊勢国)1
集落4
軒からの結果を小円内の割合として示した。この地域は大きくは白昧噌圏の東端といえるが、かなり移行地帯的性格を帯びている。
近江の範囲では若干のすまし仕立が混在するものの、ほぽ味噌圏である。ただ、伊勢側の そのほか関・
3
扶 . 謡 製 な ど も 、 昧 鈴鹿峠下の宿場町ある坂下は完全な白味噌圏であり、といわれる伊賀地域では、 ほぽ全域
噌・すましとどちらも作る場合や、すましのみという家も多い。大和や大阪の影響が強い
がすまし圏となっている。国境によ る食文化要素が現在もなおはっきり している事例であろう。
また、 白昧噌雑煮が旧東海道(現 在の国道
1
号線)に沿って列状に分布し、その周囲は、味噌圏でありなが ら赤味噌、 あるいは自家製味噌(そ の多くは赤味噌系)である。京都か らの白昧噌雑煮文化の流入が、近江 の周縁部では、面ではなく、街道と いう線として拡散していった様子が わかる。一種の交通による「接触効 果」である。
餅の形状では、伊勢はすべて切餅、
近江は丸餅が多数を占めるが伊賀と の境から伊賀やの彫響が及ぶ甲南町 の山間部では、花びら餅といわれる 丸餅を平たくした変形の餅が雑煮に 用いられている。 [野間]
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図
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餅の形態O
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雑煮に入れる具でもかなりの地域性が見られる。すべての事例(総数
1 4 3 )
を、世帯毎に 用いられる具の種類を数え上げた。その結果、サトイモ1 0 4(73%)
、豆腐8 7(61%)
、大 根8 1(57%)
の3
つが格段に出現頻度が高い。続いて、人参1 8
、ネギ1 7
、ハクサイ8
、あげ7
、かまぼこ6
などとなる。このうち、大根は雑煮に普遍的な具であるが、この地域で7
割以上用いられ「ひとの頭になる」と縁起もののサトイモに特色があり、明らかに京都の 影響が認められる。この表は、サトイモ・豆腐・大根をどのように組み合わせて用いているかなどで
7
つの 基本タイプに分け、国別にその数を数えたものである。比較を容易にするため、旧国別の 母集団数で除した比率も左欄に記している。サトイモだけを入れた雑煮は
1
例を除いですパて近江である。サトイモ+豆腐、あるい はサトイモ+豆腐+大根と具の種類が多いのは近江と伊賀に顕著である。また、豆腐のみ の単純なタイプは伊賀で優勢で、近江でも一部みられる。豆腐使用の多いのは甲南丘陵一 円の山間部集落である。一方、サトイモ+大根のタイプは伊勢で優勢である。これらのタ イプは、坂下・沓掛・加太といった街道筋の集落である。以上のことから、次のような雑煮圏が想定できる。京都には、丸餅を煮て、甘い白味噌 でサトイモを用い、大根やコイモ・人参なども加える雑煮が一般的で、その影響が本地域 では近江の街道筋や平野部で顕著である。いっぽう、大和(東部)もとれに類似する形態 で、コンニャク・大根・豆腐などが必須となる。これと具では類似したのが伊賀の雑煮で あるが、東からの影響ですまし仕立が優勢になる。豆腐は、動物性食品の摂取の困難なと ころでは、安価でかつ普遍的な植物タンパク源であり、豆腐利用の核心は伊賀山間地域と 恩われる。東海地方は葉菜に削りカツオをかけただけのすまし仕立の質素なタイプが多い が、この接触地域ではなお、サトイモが加わり、西からの影響をうけている。(野間】
表
1
1.2 . 3
旧国別雑煮の主要な具の類型1左 本 型 実 E主 旧国合計に対する比率(%)
近江 伊賀 伊勢 全体 近江 伊賀 伊勢
A サトイモ 9
。
10 II。
4B サトイモ+豆腐 19 9
。
28 24 22。
C サトイモ+大線 19 2 13 34 24 5 57
D 豆腐 6 8
。
14 7 20。
E 豆腐+大根 6 4 11 7 10 4
F 大綬 3 l
。
4 4 3。
G サトイモ+豆腐+大恨 18 14 2 34 23 35 9
H ~業類(白菜)
。
2 6 8。
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80 40 23. 143 100 100 100 (注) .近江は20集落、伊釘は10集落、伊勢は6集落で、それぞれ4世帯に隠さ取りを実施した。ただし、旧伊賀に属する馬場は3戸、合部は5戸。また旧伊勢の国の下白木のみはl戸が「維持:を食べ な い」と回答したために、伊勢の合計は l少ない。
(資料)アンケート調査
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1 1 . 3
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1.2
と同じ手法によって、長浜市、坂田郡、東浅井郡および岐阜県不破郡関ケ原町に属 する9
市町村の3 0
集落1 2 0
世帯を対象に、正月雑煮について、そこに入れる餅の形(丸餅/切り餅)、味付け(すまし/味噌)、具の種類などを集落単位で示したものである。
餅の種類では、丸餅が圧倒的だが、美漉の国に属する関ヶ原、平井は切餅とはっきり分 かれる。昧つけは、図で4方向の直線の長さで優勢さを示している。昆布と醤油だしのす ましがこの地践では圧倒的に多い。味噌雑煮は
1
割にも満たない。中に入れる具としては、平野部はダイコン、ニンジンなど根菜類を用いることもあるが、
すましと餅だけで、上に削りかつおをのせただけのシンプルなものが平野部を中心にかな り多い。湖北では、雑煮を「はまぐり」と呼ぶことが多いが、こんもりした丸餅が椀の中 に入っている様子を、縁起物のはまぐりに見立てたものだろうか。サトイモも湖南・甲賀 地方ほどは具として用いられない。また、東浅井郡の草野川流域や姉川源流地域は豆腐(
あるいは揚げ)、ネギを入れるのに特色がある。一方、美濃国に属する関ヶ原と平井では、
白 菜 だ け を 入 れ た す ま し 雑 煮 で 、 中 京 圏 の 特 色 が は っ き り と 出 て い る 。 [ 野 間 ]
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合 切餅噌古すま書し丸掛自酷噌 甲津
ほ 赤味噌
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< 主 要 な 具 >丁 野 高畑 鍛冶屋
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豆腐~T~~ ~~ s ム
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図
1 1 . 3 . 1
湖北・山東地域の雑煮の形態qd
弓t
1 2
てトL‑‑‑‑二2亡、三/1 2. 1
づーレ二之、シ O J支京事重琵琶湖周辺では淡水魚を塩とご飯で自然、発酵させるナレズシ文化が広範囲に残っている。
ナレズシは魚の漬物で、現在の寿司の原型である。日本では海産魚を使ったイズシやヒシ コもあるが、滋賀では淡水魚を使ったナレズシが今なお生活の中に根づいている。子持ち のこゴロフナを使ったフナズシが琵琶湖のナレズシの代表格となっている。フナの他にも アユやハス、ウグイ、ワタカ、オイカワ、モロコなどいろいろな魚がナレズシに漬けられ る。琵琶湖の魚は塩漬けしておけば何でもおいしく食べられる。最近はニゴロブナの水場 げが少なくなり、フナズシは高級品になってしまった。それでも琵琶湖周辺では、毎年自 分の家でナレズシを仕込む。子持ちのフナが手に入らない時はオスのフナやガンゾをつけ
るし、ウグイやハス、ワタカも漬ける。ナレズシは正月や祝い事の席には必ず出す。
ナレズシにされる淡水魚を件数順に並べてみると、ニゴロブナのメスが全体の
60%
を占 め第1
位、次にニゴロブナのオスが8.1%
、その他のフナが7.6%
、ハス5.8%
、オイカワ5.4%
であった。朽木を中心にサパのナレズシも広く残っており、8.5%
を占めた。(堀越]ナレズシの魚種(え) 図ニゴロブナ雌
6 1 . 3 %
圏二ゴロゴナ雄
8 . 1 %
図 そ の 他 の フ ナ
7.~/O
国 ハ ス
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0 . 5 %
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図
1 2 . 1 . 1
ナレズシの魚種必a A
勾t
1 2. 2
話会をスfc: ; 1 J 長 τT
ーし/ニ之、三./O J壬土手育ナレズシマップを見てみると、琵琶湖に注ぐ河口付近や、内湖のあったところは伝統的 にナレズシがよく漬けられていることがわかる。特に湖南、湖東平野においては、その分 布が深いのに驚かされる。野洲川、日野川、愛知川流域筋は土山、八日市、日野、永甑寺 までナレズシを作っていた。湖北の姉
J I I
、湖西の安曇川流域も河口付近を中心にナレズシ 文化圏がひろがっている。湖北でも思いもかけない上流で漬けられていた。専業漁業の多 い沖島や菅浦、内湖のあった安土や近江八幡、クリークの発達していた野洲、守山、草津 に か け て は さ す が に ナ レ ズ シ 作 製 率 が 高 い こ と が わ か る 。 [ 堀 越 ]. ~
. .
,
図
1 2 . 2 . 1
ナレズシの分布ph d
円t
1 2 . 3
ノ¥二ス ζDτr ‑ L
ノ二之、三/ O J 7土手旨ハスのナレズシは、湖南から湖東、湖北と琵琶湖の東側でよく漬けられていることがわ かる。材料のハスは琵琶湖や川からとってくる。早く漬かるので、子ハスもよく漬けられ る。骨が柔らかくておいしい。夏のお盆に合わせて作るところもある。子持ちハスはフナ と同じくらい期聞がかかるが、フナよりうんと安くて、昧もよい。 【堀越]
1 t
図
1 2 . 3 . 1
ハスのナレズシの分布p o
弓t