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ドキュメント内 滋賀の伝統的食文化図録 (ページ 94-102)

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水産加工業者の分布

( 1 9 9 0

年)

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さらに詳しくみると、湖西では、堅固(大津市)、北小松(志賀町)、北船木(安曇川 町)、今津、知内・西浜(マキノ町)である。湖北では尾上(湖北町)と長浜、湖東は沖 島、湖南は木浜(守山市)と大津市である。いずれも代表的な漁港をもっ。

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年湖西地方における地区別種類別水産加工品

1 3 . 3 . 2

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佃煮

モロコ

コアユ イサザ ゴリ エピンンミ 昆布巻

ニンンスケトウ 甘露煮アユ

フナズシ完成品アユ フナズシ塩切り 冷凍アユ

スジエピ

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海津・西浜

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4 0 0   2 0 0  

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6 0 0   7

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0 0 0   1

2 3 0  

1 2

1 6 0  

5 2 , 3 0 0   1 4 2

5 0 0   3 0 0  

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0 0 0   3

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1 2 0

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5 0 0   1 1

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0 0 0   7 0 0  

1 3 , 0 0 0  

1 , 5 8 0 , 6 2 1   1 7 7

5 4 0  

4 5 6 , 2 6 4   4 6 2 , 9 0 0  

1 0 0 , 2 3 0   2 3 0

1 1 5  

1 5 3 , 5 7 2  

(資料)近畿農政局統計事務所資料より作製

なぜ、湖西に多いのだろうか。上の表から、北小松や知内のアユやイサザの佃煮の数字 が典型的に語るように、当時、高速道路もなく、陸上輸送は国道

1 6 1

号線に頼らざる得ない 交通上のネックは、非常にいたみやすい淡水魚を京阪神の市場へ鮮魚として送ることを不 可能にしていた。琵琶湖のなかで

1

2

を競う有力な漁村で、漁業関係者が圧倒的多数を

占める沖島からは、湖上を船でいくと、北小松はすぐである。船木や北小松には、湖産以 外の北海産の海産物加工も行う業者も存在する。沖島の業者は、漁師から船上や岸辺で購 入し、すぐに佃煮加工する身の軽さを身上とし、深く地域住民と結びついている。それは、

一方では、漁協を通じた共販という形にのらない、そのため、統計上も正確につかめない、

[野間】

いわゆる庭先取引が多いことも意味している。

‑参考文献

倉田亨『琵琶湖漁業の展開に関する社会経済的研究』、

1 9 8 5

(学位論文要旨)

一湖西地方の佃煮業者を例にして一」、

1 9 8 4

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辻義彦「琵琶湖の水産加工とその流通

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滋賀県の淡水魚食品のうち、佃煮は、スーパーや農村部のよろず屋、コンビニエンスス トアでも一部販売されているが、鮮魚や焼き魚、フナズシ、特殊な佃煮・水産加工品は淡 水魚専門庖でしか置いていない。

1 9 9 2

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職業別電話帳で「鮮魚(川魚商)

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を数えると、大津市

3 6

、草津市

7

、 守山市

8

、湖南・甲賀その他

5

、安曇川町

8

、今津町

1 0

、今津町

1 0

、高島町

2

、新旭町

1

、 近江八幡市

8

、長浜市

9

、彦根市

1 8

、入日市市

2

、豊郷町

2

、湖東町

3

、能登川町

2

、 米 原 町

1

、湖北町

4

、ぴわ町

2

となって、湖東平野では都市のみならず、農村部にもいくつ か立地する。このうち、彦根市須越、豊郷町三ツ池など、かつてボテフリと呼ばれる行商 が多い集落であったが、そこから常設小売り庖へ転換を図った例であろう。

大津市瀬田唐橋前にある「魚伊商庖」は、もと漁師で、

1 9 3 6

年の創業の湖南では最も有 力な淡水魚専門卸売兼小売りである。膳所沖にはエリを個人で所有している。県内外のア ユ、フナ、コイ、ウナギなどの活魚を、自社の瀬田川畔にある養殖場で大きくしたり、一 時期蓄養して、集荷する。ここでの水産加工物を次に列挙する。子持ちフナズシ(

1

6 0

00 円~)、子ナシ(同 800 円一)、ウナギの蒲焼き(同 1000 円~)、スッポン(キロ当り 6

0 0 0

円)、活アユ(酸素入り

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3 0 0

円)、コアユ(冷凍

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円 ) 、 モ ロ コ (

1  k g 6 0 0 0  

円)、アユ飴煮

( 1 0 0 g 5 5 0

円)、アユ山根煮(同

6 0 0

円)、モロコ醤油煮(同

9 0 0

円)、ヒウ オ山根煮 (800 円)、姫ゴリ山叡煮(同 450 円~)、ミシジミ時雨煮(同 300 円)、川エピの 飴煮(同

2 5 0

円)、シジミ山菜(同

2 8 0

円)のほかアユ昆布巻、エピ豆などの小売りもする。

1 3 . 3 . 1

小売り庖での佃煮販売(ゴリ佃煮、身シジミ時雨煮)

13.3.2

水産卸庖の養殖・蓄養場(大津市「魚伊商庖

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琵琶湖の淡水魚介類の流通は、他県の河川の淡水魚流通のように、周年営業を基本とし、

一定の需要が 非常に複雑かつ錯綜している。多種の淡水魚介類が

1

年を通じて入手でき、

一般湖魚で大きく異な アユ苗流通と、

あることが背景となっている。下図にみるように、

アユ苗は県内

1 4

カ所の配給所でアユ苗検査をし、滋賀県鮎苗漁連(彦根市)を通じて、

る。

各都道府県の内水面漁連経由で漁協八販売され、各地の河川に放流されるルートと、養殖 いずれも、鮎苗漁連経由ですべてが共販される。

業者によって蓄養されるものがある。

般湖魚の流通は、漁業者が魚を阪売する段階で、漁協を通じるものと、直接販売するもの に分かれ、数字にでにくい膨の取引が大きな割合を占める。販売先も、仲買、卸売、水産 加工業者、小売り庖舗業者、零細な行商小売商のほか、大口消費者である料理屋・旅館ま で含まれる。

( 敏 旅 ) ( 食 用 ) 内

水 面 漁 連 各 都 道 府 県 滋

賀 県 鮎 箇 漁 連

配 給 所

〔あゆ酋疏通〕

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(Iiti通第三段階}

(流通第二段階) (流通第一段階}

(生産段階)

接 飯 売 漁 業 者

漁 協 共 糊

琵琶湖産魚介類の流通経路

‑88 ‑

1 3 . 4 . 1

しかも、海産物流通業者のように、卸、仲買、小売りなどが未分化で、いくつかの業種 を兼ねる場合がきわめて多いのが特色である。流通第二段階でも同様に卸・仲買からは種 々の相手に販売され。一部、県外の卸売に販売される。その割合はおよそ

20%

程度とされ、

大津の業者が多い。京都中央卸売市場を中心に、大阪、名古屋などを相手とする。

1 3 . 4 . 1

1 9 6 0

年代の琵琶湖沿岸の流通集団とその立地の相互関連を模式的に示したも のである。大津・長浜が二大集荷中心となっている。長浜は尾上、南浜など湖北の有力漁 協から集荷する。大津の場合は、堅固、守山(木浜)、山田からも集荷するが、それらに も卸売業者集団が存在する。琵琶湖中の沖島は、佃煮用には湖西ヘ、鮮魚は大津とその周 辺、彦根ヘ販売する。また、湖東と湖西には、零細な行商小売者集団が顕著である。大津、

長浜の集荷・消費地から離れ、海産魚も入りにくい状況で、小回りのきく行商者集団が形 成された。豊郷町のように、湖岸から

1 0

キロ以上離れた地域にも、行商集団があり、湖東 平野の農村部に深く浸透していった。ナレズシ噌好が湖東で非常に強いのも、そんなネッ ト ワ ー ク が 背 景 に あ る の か も 知 れ な い 。 [ 野 間 ]

・参考文献

倉田亨編『びわ湖産魚介類の流通実態と消費動向』近畿大学農学部水産経済研究室、

1 9 7 1

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流通業者集団の分布モデル図

(倉田亨:

1 9 7 1

を再構成)

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コーーとプ、 一 一 編 集 の ま と め 一 一 一

この図録は、私たちの共同研究の途上のささやかな一里塚です。食物学、栽培園芸学、

人文地理学という異質な分野の者が、滋賀の伝統的食文化について、ごれまで折りに触れ て収集してきた写真やビデオの情報、聞き書、文献のメモ、資料の一次処理をした結果と その考察など、通常の論文や報告書にはあまり載せられないようなものを、 「図録」とい う形で編集したものです。

できるところから手をつけようということで、当初は構成など全く考えておりませんで した。編集を終えて全体を見渡してみると、まだまだ不満足な点は多々ありますが、滋賀 の伝統的な食文化のかなり広い側面をカバーし、従来の調理技術中心の本や、民俗誌の一 部としての食の記述とは異なったものができたと多少は自負しています。以下、編集方針 について、反省点も含め、少し述べてみます。

まず、背景となる滋賀の身近な環境を、できる限り食の記述に取り込むことに重点を置 きました。琵琶湖というわが国で最も大きい湖の存在は、滋賀の風土と深く関わっていま す。湖西の高島から近江八幡へ行こうとすると、たい八んな迂回をしなければなりません。

しかし沖島の漁師にとっては、どちらも湖上を船で行けば大した距離ではありません。ま た、閉塞した水面は、沿岸一円に豊かな湖の幸を与えてくれました。しかし、腐敗しやす い淡水魚は、湖の存在で交通が制約を受けるため、流通という点では、市場の未成熟とあ いまって、特異な形態を生みだしました。

食文化でも、湖魚に米という取り合わせが、メインパートを占めながら、種々の在来野 菜や豆類、味噌などの調味料が共鳴して豊かな協奏曲(コンチェルト)を奏でます。信仰 深い土地柄ゆえ、ハレの日の食事は、日常の食体系の見事な変奏曲どなります。

図録全体のなかで、湖魚やその料理・加工法にウェートがかかっているのは、各人の関 心がまずそこに向いていたこともありますが、やはりこれが滋賀の食文化の基底にあると 考えたからにほかなりません。まずは、実物を見て、経験談に耳を傾け、料理を再現する、

そんな一見すれば時間のむだのような回り道が、この図録を作るとき、血肉となったこと に感謝の気持ちでいっぱいです。

図録では網羅性ということも、重要な要素かと思いますが、

4

章のような食の素材とし ての魚の記述ではそこもねらいました。ただ、料理については、われわれが実際に見、食 パ、そして写真に残したものに限ったため、十分でありません。農文協からシリーズで完

9 0 ‑

ドキュメント内 滋賀の伝統的食文化図録 (ページ 94-102)

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