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第37図 長崎湾の地形,水深及び付着生物調査灯浮標(1〜V)と 貝類遺骸の採集点(1〜20)の位置
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第38図 長崎湾の港内(st.1),湾口(st.W),湾外 (st.V)における表層(。)と10m層(・)
の水温の季節変化
両脚は九州北西部に位置し対馬暖流 系水が湾内に流入している.両湾とも 湾奥には川がある。
佐世保湾の地形,水深及び調査灯浮 標の位置を第36図に示す.湾はほぼ十 字形をしており,南北と東西は各々約
10km,大村湾とは針尾と早岐の両瀬
戸により連絡する.湾口の巾は約1km,水深は55mである.湾口より針尾瀬
戸にいたる湾の南西部は水深が30〜
40mあり,20mの等深線は湾の中央 部まで,10m線は湾奥までのびている.
外呼水の大部分は針尾瀬戸を通って大 村湾に流入する.潮流は湾口で最も大 きく(約2knots),これより下尾瀬戸 に至る間はかなり早いが,湾中央部で は湾口の1/3〜1/10に減じ,湾奥では よりおそくなっている.湾口より湾上:
にいたる各水域の水温と塩素量の季節
海産汚損付着生物の生態学的研究 変化及び透明度の分布(第24,25,
26図参照)より,湾口から湾東部 及び港内部になるにしたがって内 湾的性質:が強くなっていることが
:わかる.
長崎湾は佐世保湾に比して地形 も単調で面積も小さい.地形,水 深,付着生物調査浮標及び貝類遺 骸採集点(後述)の位置を第37図 に示す.湾は地形的に神之島一高 鉾島一香焼島を結ぶ線より西の湾 外部とこの線より港口の神崎鼻ま での湾口部,この内側の港内部の 三区に分けられる.40m等深線は
湾の入口まで,20m線は港内の
ユ/3まで,10m線は奥部までのび ている.湾外(st.V),湾口(st.IV),港内(st. Dの表層と10m 層における水温及び塩素量,透明 度の季節変化を第38,39,40図に 示す*.長崎湾の湾外(st, V)か ら港奥までの水域は,佐世保湾の 湾口部より港内中央までの水域に 相当する海況を示す。しかし佐世 保湾よりも面積が小さく地形が単 調なので湾内の潮変りが臭く,冬 期には外貌水が港奥までかなり強 く流入し,夏から秋にかけては港 内の低塩分海水が湾外まで拡がっ ている.かかる海況の違いは一郭 の付着生物の分布にも反映してい
る.
3−2 佐世保湾
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1960年の4・6・9月には湾ロ
ー湾中央部一港内の線上の4〜5点 を,1960年12月には湾東部の11点 を,1961年6月には湾全域で33点18
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長崎湾の各水域における透明度の季節変化 第40図
○;港,内△;湾口,×;湾外
*長崎海洋気象台64 65)の資料による.St.1の表層の水温と塩素量は1947〜1959年の連続観測の 旬別累年平均.これ以外は1948〜1949年の2〜3回1月の観測による月平均.
を調査した.ここでは1961年6月の調査資料より湾全域の付着生物の分布状態を第41図に
示す.
湾口のst.1ではアカフジツボ(Bα1αnus tintinnablum rosa)を主体に,この上に少 数のサラサフジツボ(B.α極熱7伽communis),サンカクフジツボ(B. trigo・nus),エ
ボシガイ(LePas anatifeva),ムラサキイガイ(Mツtilus eaulis)が付着していた.
富尾瀬戸入口のsts,3〜5ではアカフジツボが主体であるが,湾口部に比してこの重
量比は小さくなっている.湾中央部では上記諸点よりもアカフジツボの割合は減少し,チゴケムシ(Wate7siPora cuoullata),ナギサコヶムシ(Bugula「califo7nioa)カミ多くなる. またsts.6,9ではム
ラサキイガイが大きな割合を占め,この水域の他の点とは異なっていた.アカフジッボは st.10には死殻が少数あったが, st.14より東奥部には付着していない.
湾東部では,浸漬期間が3年以下の浮標には表層から水深15cm下までムラサキイガ
イの論定が付着し,それ以深にはヵンザシゴカイ(主にカサネカンザシ)にシロボヤが混 入した群が優占であった.浸漬が5年以上の浮標では,水深10〜15cm無暗には二枚貝(ケ ガキSaxostrea eohinata,キクザルChama sp.,エガイ Ba〆batia sp.,ナミマガシワ Anomia lischhei,アコヤガイPinotada martensii)が多くなり,かかる浮標では貝類,ヵンザシゴヵイ,シロボヤが代表種であった.
Sts.10,23の生物相は湾中央部より湾東部及び港内部への移行的な組成である.
港内部ではムラサキイガイとカンザシゴカイ(主にカサネカンザシ)が優占種である.
前者は表層から約15cm下までに,後者は10cm以深に大きな群となって付着している.
この水域のカンザシゴカイ群は湾東部水域のホヤ類を混入した崩れやすい群とは異なり,
他生物(主にナギサコケムシ)を僅かに混入する強固な高密度群であった.カンザシゴカ イの付着量は,浸漬期間が2年以内の浮標では,カサネカソザシの付着盛期に浸漬した浮標 で大きく,重量比も50%以上であるが,秋から冬に浸漬した浮標ではカソザシゴカイの 割合は前者浮標におけるよりも小さく,タテジマフジツボ(B.amPhitrite haωaiiensis),
ナギサコケムシ,海藻等の割合が大きくなる.全付着生物重量も前者浮標が後者における
よりも 大きい.
以上の如く付着生物相は湾口から心奥にむかって変化しているが,この変化の仕方は地 形や海況による水域区分とほぼ対応している.
水域の区分と各区の生物相の特徴をまとめると次の如くである.
湾口部(st.1)アカフジツボ主体,エボシガイの出現.
針尾瀬戸入口(sts,3〜5)アカフジツボ主体,しかし湾口部よりも重量比は減少. ム ラサキイガイの割合が少し増加.
湾中央部(sts.6〜9)アカフジツボの重量比は30%以下, Bryozoa (チゴケムシ,ナ ギサコケムシ)の割合が増加.
湾奥移行部(sts.10,23)湾中央部と湾東部及び港内部との混合相.
湾東部(sts.11〜20) ムラサキイガイの割合が大きい.アカフジツボの付着は少量.
シロボヤの混入したカサネカンザシ群が3年以下浸漬浮標では代表的な生物群(水深10cm 以深),より長期浸漬浮標では二枚貝が増加.
港内部(sts・24〜38)ムラサキイガイとカサネカンザシの高密度群が代表的生物相.
海産汚損付着生物の生態学的研究 65
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