も小型が大きいとしているから,成長率は大型よりも小型が大きいと考えられる.第27曳 からでは,殻長成長率は小型が大きく,三重率は大型が小型よりもやや大きい.
1961年6月の灯浮標調査では,各採集点のムラサキイガイは小型個体のみよりなる点と,
これに少数の大型個体が混じている点があった.7点を選んで素点での二二分布を第28図
に示す.両点では30mm以下の個体数頻度の大きな山と,50〜60mm及び70ん80mmに 小さな山をもつ分布がある.30mm以下の個体は1961年の付着,これ以上の殻長個体は
1960年の付着である.26,37,38点の港内区では,1960年の初夏にも殻長30mm以下個体 が多量に付着していた(附表1参照).これらの個体は1961年には僅かしか生残してない.St.6 採集点6(湾中央部)と14(湾東部中央)
では,大型個体の割合が大きいけれども,小 20
三冠の付着:量は少ない.ムラサキイガイの 10
死亡原因となった環境条件は,夏期の高水 温と塩素量の低下であろう.高水温は中央
150
部以奥で,低塩素量も同域では死亡因とな
100
る.しかし大型個体の少ない場所では小型 50
の付着密度が大きく,逆に大型個体の割合
個5。。 の大きい嚇では小型個体の付韻砂な
いことは,高密度群では低密度におけるよ
200
りも死亡率が高いことを示しているといえ
海産汚損付着生物の生態学的研究 49 はムラサキイガイよりも早く付着している場合が多い.ヵンザシゴヵイが大きな群で付着
している灯浮標の表層近くでは,カンザシ群は棚状の形となっているので,この上部に多量 のムラサキイガイが付着し,これが増大すると下にあるヵンザシゴヵイは被覆されて死亡
St. 13 St. 26
100
個 100
体数
5一 10 cm
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500
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500
100
200
100
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100
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巧・50en
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10 20 う。 轟0 50 60 70 80
殼長 (mm)
個体数
7,000
6,000
5,000
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2,000
1,000
2、
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水深(cm)
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水深 (cm)
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5
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5
2
1
重量
依9)
第29図 佐世保湾内灯浮標に付着していたムラサキイガイの水深別,殻門別個体 数頻度の分布(上図),各水深における1,000cm2当りのムラサキイガ イの重量(○一〇)と個体数(○…○), ならびにカソザシゴカイの重 量(●一・一●) (下図) (1961.W)
個体が多くなる. しかし水深10cm以深では高密度群のカソザシゴカイにより,ムラサ キイガイの付着が阻止されているようである.
両者の垂直分布における関係では,ムラサキイガイ群は表層部に付着場所を局限され,
密度を高める結果ともなっている.
iii.シロボヤの生態
シロボヤは世界の温水域に広『く分布しており,この分布には船舶による運搬が大きな役 割をなしたと考えられている88).我国では本州,四国,九州の沿岸に普通にみられる.
この筋膜体は食用になるが利用されていない.むしろ養殖業では設置物の浮力を減じ,
養殖生物の成長を阻害する加害生物となっている.また沿岸底曳網漁業の作業妨害となる
こともある***.
佐世保湾では,分布の中心域は外湾水勢力の弱くなる中間水域にある.筆者はこの水域 にある崎辺浦で,1958年より1961にかけて浸漬網や筏等に付着したシロボヤの生態を観察
し,また2・3の生態実験をおこなった.
a.付 無期
1ヵ月間浸漬網のシμボヤの体長は,各月とも5mm以下であるから,各,月の2・ 3カ
月浸漬網の5mm以下個体も付着後1カ月以内であろう.第18表に各,月の1〜3ヵ月網の 5mm以下の個体数を示す.これより付着期は晩春から初冬まで続き,盛期が初夏(5〜
6,月)と秋(10〜11月)であるのがわかる.ここでは初夏の付着群を初夏世代,秋のを秋 世代と呼ぶ.
水温の高い夏は産卵数の減少による付着の衰退期,冬は産卵休止による付着休止期とみ
られる,
さらにこの表で,1カ月網におけるよりも2・3カ月網で付着期間が長く,各月の付着
・数も多くなっている.1ヵ月以上浸漬した網では,付着ヌタが幼生の付着を有利にしてい ること,さらに先着生物の体側にも付着しており,多少とも付着場所が拡大されているこ と等による.しかし生物量が多くなると,場所の狭隆,先着生物による幼生の捕食等で生 物量が少ない時よわも付着数が減少することもあるだろう.3カ月網の付着数が2カ月網
よつも少ないのは,かかる影響のあらわれと考えられる.
b.産 卵 期
米国では6〜9月が産卵期である66).我国では,平井■4)が室内の放卵実験より産卵期 は初夏であるとしている.しかし筆者は佐世保湾,長崎湾の個体で,室内でも初夏と秋 (水温19〜22QC)に放卵するのを観察した.
水温200C前後で,直訴後約2昼夜で幼生は付着する.浮游幼生期間が短いから上記の
付着期は産卵期とみなされる.室内の放卵実験で放毒した最小個体の体長は30〜35mm,体重は10〜159であった.
この大きさには後述の如く付着後3〜4ヵ月で達する.
最小成体になるまでの付着後の時間と死亡期(後述)より,初蔓世代群は同年の秋の主産 卵群となり,また翌年の4〜5月にも産卵するが,初夏の産卵盛期の主産卵群は前年の秋 世代群であるとみられる.
*** 大村湾では1960年,底曳網にシロボヤが多量に入惜し操業を著るしく妨害した.
51
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海産汚損付着生物の生態学的研究
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