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    第24図  佐世保湾内各水域における水温の季節変化

○『;表層,・;2m層(崎予州のみ9m層),干尽は1948〜1950年の観測値

**昭和2〜4年の旧軍港付着生物調査76)には,本種は記載されてない.

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       海産汚損付着生物の生態学的研究

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佐世保湾内各水域における塩素量の季節変化

(記号及び説明は第24図と同じ)

45

 a.佐世保湾内における分布

 佐世保湾内の分布を1961年6月の灯浮標調査結果より整理して示したのが第23図である.

この時の多くの個体は1960年末から1961年6月にかけ付着しているので(後述), この分 布は湾内での水域別の皿貝付着の分布をも示すことになる.これでみると湾中央部より港 内二部にむかって,また湾東部奥に向って付着量が増大している.

 分布を規制する環境要因としては水温と塩分がまず考えられる.また流速も幼貝の付着 と関係があり,さらに潮間帯では幼生付着時の露出時間があげられているがS・73),ここ では露出要因は考慮しなくてもよい.水温は広域の分布では主要な要因であり,塩分は 河口や陸水の流入が多い内湾等の小門での分布要因として重要である55・56・s5・go・9i)).

 湾内の湾口部(俵ケ浦),湾東部(崎辺浦),湾東三部(大塔),港内(干尽)の4点で の表層の水温と塩素量の周年的変化を第24・25図に示す.さらに1961年6.月の湾内の透明 度の分布を第26図に示す.

 これらの環境値が 示す湾口より,湾東 部及び港内にむかっ

て大きくなる内湾的 環境の傾度と,ムラ サキガイの付着量の 分布傾向は一致して

いる.

 水温や塩素量が貝 の生活に大きな影響 を与えるのは高温及 び低塩分となった時 であるgo・95).湾内 では貝の死亡因とな る高温や低塩素:量が

出現するのは7〜8

月で,付着期とは約 半年から数二月ずれ ている.水域別の付 着の大小がかかる影 響を受けているとは 考えられない.

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第26図  佐世保湾内における透明度の分布(1961.VI)

 透明度は貝の付着量の分布と一致した分布傾向を示す1,透明度の周年的な水平分布は6

,月のそれと同じ傾向である.透明度は海水の濁度やDetritus量と関係が大きい■3・エ7).

本丁はDetritusを餌料としているのでi)・30),付着量の分布と透明度のそれとが一致し ているのは餌料の分布との関連においてであると考えられる.

b.産卵期及び付着期

海産汚損付着生物の生態学的研究 47  産卵の開始は水温の上昇と最も関係が大きいが,月令や天候とも関係がある3).産卵 期を調べるには,生殖腺の検鏡,機械的刺戟,電撃,水温変化等による放卵精による方法 があるが,検鏡法が正確な期間を知り得る29・58・84・f」6).

 我国で産卵期を調査した結果では,東京湾附近で10〜5月(盛期11〜2,月)84),瀬戸内 海では12〜4月(盛期1〜2)go),博多湾では1〜4,月(3月中旬〜4月上旬)である58).

 佐世保湾では,電撃法で12月上旬〜4月上旬まで放卵精をおこなわすことが出来た.し かし浸漬物への幼貝の付着からでは,付着期は10〜8月で,盛期は3〜5.月と11,月の年2 回あった.浮游幼年期間を数週間3)としても天然での産卵期は電撃による放卵精期間より もかなり長いものと推定される.

 c.成長及び死亡率

 養殖したムラサキイガイは2年間で殻長が9cmになるgo).付着初期の個体について

馬渡等5■)は,成長の良い場所で付着後1カ,月間で1〜5mmに,3力問で15〜30mmに,

6ヵ月間で30〜45mmになり,悪い場所では」4〜5ヵ月間で3〜6mmであったとして

いる.

 断種の自然条件下での成長度を求めるのは,付着期間が長いのと,塩分濃度や密度の違い        で成長に変異があり容易ではない10・94).

      筆者は周年的に,また種々の条件下で調        面しておらないが,崎雨隠に付着した群に        ついて,冬から夏にかけての殻長及び重量        を測定した,これを第27図に示す.1961年3

       月下旬には,1961年の付着個体は10mm

       以下,1960年の付着個体は20〜75mmに

体       弘長が分布し,前者では2.5mmに後者は        60mmにモードがあった.7,月までには多        数の新個体が付着し,1961年付着貝は成長

       の良いもので30mmに,大部分は20mm

  30      以下であった.1960年付着貝は,3,月から

  tO      4月の間には二三はほとんど大きくなって

  ,o       いない大きが,7,月には3.月よりも約10mm        天iくなり,殻長簿囲は40〜85mrnであった.

      体重は3月から5,月の間には大きく増重  重

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961−VIト19

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 30  20

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第27図 ムラサキイガイの殻長別個体数頻度    分布及び殻長一体重の関係     (崎辺浦,1959.X 設置筏)

しているが,5月から7月では増重率は小

さい,多分4月には体重に,5〜6月には

筆下に成長の重点があったのであろう.

 CoE5)やRlcHARDs75)は,殻長成長は5

〜10月に大きく,1〜3月には小さく,殻 長60mm貝では,前期には1ヵ月間で6〜7

mm,後期には3〜4mm成長するという.

JφRG£NSEN3 ))は,濾水率は大型個体より

も小型が大きいとしているから,成長率は大型よりも小型が大きいと考えられる.第27曳 からでは,殻長成長率は小型が大きく,三重率は大型が小型よりもやや大きい.

 1961年6月の灯浮標調査では,各採集点のムラサキイガイは小型個体のみよりなる点と,

これに少数の大型個体が混じている点があった.7点を選んで素点での二二分布を第28図

に示す.両点では30mm以下の個体数頻度の大きな山と,50〜60mm及び70ん80mmに 小さな山をもつ分布がある.30mm以下の個体は1961年の付着,これ以上の殻長個体は

1960年の付着である.26,37,38点の港内区では,1960年の初夏にも殻長30mm以下個体 が多量に付着していた(附表1参照).これらの個体は1961年には僅かしか生残してない.

      St.6  採集点6(湾中央部)と14(湾東部中央)

       では,大型個体の割合が大きいけれども,小    20

       三冠の付着:量は少ない.ムラサキイガイの    10

       死亡原因となった環境条件は,夏期の高水        温と塩素量の低下であろう.高水温は中央

  150

       部以奥で,低塩素量も同域では死亡因とな

  100

       る.しかし大型個体の少ない場所では小型    50

       の付着密度が大きく,逆に大型個体の割合

個5。。      の大きい嚇では小型個体の付韻砂な

       いことは,高密度群では低密度におけるよ

  200

       りも死亡率が高いことを示しているといえ

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