はない。4年生群(M=18.51)は当初,心理的には6年生よりも隔 たった友達関係を持っているが,活動後には,6年生と同じ水 準(M=14.20)になるまで,心理的距離が接近していることを示唆 する結果であった(Fig.3−3参照)。
(cm)
20 19 18 17 16 15 14 13 12
11
これら2っの分析結果より,集団描画活動が心理的距離に及ぼ す影響は,6年生に比べ,4年生のほうが大きいと考えられる。
4年生は,はじめ親近的でない多くの友達を持っているが,集団 描画活動を通してその数は減り,より親近感のもてる友達のみを 描くという結果が得られた。このことから,4年生は,多くの友 達との心理的距離を永続的に維持することが難しいと考えられる。
6年生は,描出人数,心理的距離にも4年生ほど変化が見られ なかった。その理由としては,以下の2つが考えられる。
1っは,6年生は1度,友達として選択した場合,ある程度安定 した対人心理網を持っていると考えられる。このことについて,
河井(1985)は,「高学年になると,大きな集団で行動するより,少 数の仲良しの友達と強く結びついて行動を共にすることを好むよ
うになる」と述べている。また,高学年ほど,性格的に似ている という内面的特徴を理由として友達を選択する(古川・小泉・浅川,
1991)からと考えられる。
2つめの理由として,ここで使用されたPDMでは「この学級
で生活をしたり学習したりするときにあなたにとって大切な人を かいてください」と示されており,児童は,学級内の友達のみ,記入するという受けとめ方をしている。課外活動やクラブ活動を 中心に進める6年生は,交友範囲も広がり,学級外に友達が多い ことも十分考えられる。そうすると,学級内の友達には変化が見 られないかもしれないが,他クラス,他学年の児童も含めて対象 としたならば変化は見られたかもしれないと推察する。
第3節 研究皿 集団描画活動が児童の社会測定的地位と 学級適応感に及ぼす影響
1 目的
集団描画活動を行うことで,小学生の学級内における社会測 定的地位と学級適応感との関係性と明らかにする。
2 方法
第2章の第3節(p28〜p29)に述べた学級適応感に関する質問 紙とPDMを用いて実践の評価に基づき,分析する。
3 結果・考察
集団描画活動を通して,児童の学級内における社会測定的地位 を測定し,学級適応感との関連があるかどうかを検討した。ま ず,田中(1981)による社会測定的地位指数(以下ISSSと記す)を,
PDMに描かれた選択人数から算出した。この値をもとに各個
人の学級適応感得点と対応させ,男女別に各学級ISSSの上位,下位それぞれ4名,計8名を上位群と下位群(以下,H群・:L群 と記す)とし,それぞれの値を学年別,性別および調査時期ごと
に学級適応感得点の平均と標準偏差値をまとめたものが
Table3−4学年別,性別, ISSS高低群,調査時期の平均学級適応感得点O内はSD
1SSS :子躍 %:週心愁
学年 性別 人数 PRE
POST
男子 H群 N=8 28.13(3.94) 30.38(2.20)
L群 N=8 19.88(3.83) 19.38(4.96)
4年
女子 H群 N=8 23,63(4.27) 23.75(5.42)
L群 N=8 25,50(4.72) 24.63(4.93)
男子 H群 N=8 24.38(5.63) 25.63(3.34)
L群 N=8 24.00(5.61) 22.63(5.13)
6年
女子 H群 Nニ8 23,75(3.33) 24.38(2.88)
L群 N=8 23.75(3.45) 23.63(3.02)
Table3−4である。
この結果に基づいて,2(学年)×2(性別)×2(ISSS高低群)
×2(調査時期)の混合計画による4要因の分散分析を行った。
その結果,Table3−4からも明らかであるが, ISSS高低群におけ る学級適応感において,有意な差があることがわかり,ISSSの
L群(M=22.93)よりも}1群(M=25.50)の方がより高いことが示さ れた(F=21.24,df=1/56, P<.01)。これ以外の主効果はいずれ
も有意ではなかった。また,学年×ISSSと性別×ISSSの一次の
交互作用がともに有意であった。(学年×ISSS:F=7.63, df=1/56, p〈.01,
性別×ISSS:F=30.27, df=1/56, p<. ol)。そして,学年×性別×
ISSSの二次の交互作用も有意であった(F=18.72, df=1/56,
p〈.Ol)。二次の交互作用については,Fig.3−4に示すとおりであっ
た。
(点)
31
27
23
19
o
藤
睡H群(N=8)
□L群(N=8)