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香港の状況

ドキュメント内 海外におけるEC取組状況調査報告書 (ページ 57-60)

3.5 各国のICカードプロジェクトの状況

3.5.7 香港の状況

3.5.7.1 Creative Star Limited (1) Creative Star Limited の概要

Creative Star Limited 社は、香港の公共交通機関であるMTR、KCR、KMB、

CTB、HKFの5社によって1994年の6月に設立された非営利団体である。同 社は設立直後から、オーストラリアのシステムベンダーであるERG社とシステム供 給で契約を結び、ERG社と共同でコンタクトレス・ストアバリュー・カード(Octopus カード)の導入を行った。

本システムの導入により、利用者が得るメリットとして、大きく以下の5つが考え られている。

• 公共交通機関の全般にわたり利用可能

• 現金、または釣銭の出ない販売機での小銭の携帯が不要

• カード識別機能による、紛失時の悪用防止と再発行の簡素化

• リロード可能な端末設置数が多く、いつでもどこでも幾らでも自由自在

• 今後、希望により個人情報が入力可能になり、多目的化カードとして用途が拡大

なお公共交通機関5社の正式名称は以下の通りである。

◊ MTR:Mass Transit Railway Corporation(地下鉄)

◊ KCR:Kowloon Canton Railway Corporation Heavy & Light Rail Divisions

(鉄道)

◊ KMB:Kowloon Motor Bus(バス)

◊ CTB:Cuty Bus Company(バス)

◊ HKF:Hong Kong and Yaumati Ferry(フェリー)

(2) 非接触カードシステムの現状

香港の人口約 640 万人に対し、約 500 万枚(97年11月時点では 400 万枚)のカ ードを発行済みである。ウィークデイで一日平均 300 万回以上(97年11月時点で

は 200 万回)の利用があり、約 2,300 万香港ドル(約 3 億 4,500 万円、15 円/香港ド ル)に相当する。システム導入後から今までの累計は、約 11 億回の利用である。85%

以上が良く使われており、50〜70%がフランチャイズでの利用である。香港では、90%

の人が鉄道、地下鉄、バスなどの公共交通機関を利用している。

Octopus カードのコンセプトとして、組織・仕組みを一つの発行体からジョイント ベンチャー制に、また技術を磁気カードからスマートカードに移行する事があげられ る。現在、コンビニエンスストアの「セブン・イレブン」での使用を検討しており、

99年5月から使用可能になる予定である。

97年7月の香港返還時、ビクトリア女王が描かれたコインの内、約 800 万個が海 外に持ち出された。しかし、このシステムの導入により、そのようなコイン不足にも 影響されない。

非接触カードを購入時、中のバリュー(金額)とは別に、デポジット(預り金)と して 50 香港ドル(約 750 円、15 円/香港ドル)を支払う必要がある。預り金はカード を返却する際にカード保有者に戻される。またこのカードは、ID(識別番号)を持 っており、紛失時の払い戻しや、不正使用に対しガードできる仕組みとなっている。

利用者へのプロモーションの一環として、このカードを利用する事により、通常の運 賃の 20%割引の料金で利用出来る。利用者は定期入れや財布またはハンドバッグから、

わざわざカードを出さずに済み、しかも運賃の 20%ディスカウントをしてもらえ、ほ とんどの利用者に浸透した理由が伺える。

このシステムへのリプレースによる改札機などの固定資産は、磁気カードの時に比 べ約 50%に減らす事が出来ている。また今までの磁気カードの様に、カードの内容を 読む為のカード走行メカニズムが不要になり、機構が簡単になったため、メンテナン ス費用もかなり削減されたそうである。

中心となる母体への基金として、約6億香港ドル(約 90 億円、15 円/香港ドル)が 集められている。現在、MTR、KCR、KMB、CTB、HKFを中心に決済処理 を行う組織体への方向に向かっている。

セキュリティについては、カード自体(ソニー製)、(不正使用等を追跡調査する)

Tracking System や、(国際標準を採り入れない)独自仕様による他との互換性を意 識しないで済む事があげられる。カードは(寿命約3年といわれている)一般的な塩 化ビニールではなく、ポリエステル樹脂を使用しており、最低で5年以上(目標7年)

を実現している。

カードの種類には、子供、学生、年配者用も用意している。特に香港には 60 万人の 学生がおり、このカードを利用している。一日に約 400 万回の利用があるバスへの拡 大も行っている。

なお、ECOMとして、フェーズ1時代の97年11月に同社を訪問しており、シ ステムや各種端末等の概要について記述されており、是非参照して頂きたい。

(3) 実地体験による同システムへの感想

今回、実際にカードを購入し、地下鉄並びに空港へのエアポート・エクスプレス鉄 道で利用してみた。カードは最低 100 香港ドル(約 1,500 円、15 円/香港ドル)をロ

ードされた物をデポジット金の 50 香港ドルを含め、150 香港ドル(約 2,250 円、15 円/香港ドル)で購入した。

まずは、訪問先があった香港セントラル駅からホテルまでの片道9香港ドルの地下 鉄に利用してみた。最初はゲートのどこにカード読み取り装置があるか分からず、ま た読み取り時にカードを一瞬とめる(もしくはカードの入った財布ごと置く)必要が あった事も知らなかった為、読み取りまでに多少手間取った。しかし、仕組みが分か ると、地下鉄を降りる時には、何の不都合も感じずに、簡単にパスする事ができた。

カードにバリュー(金額)をロード(充填)する機械や、観光客など向けの一回だ けの切符を購入する機械が複数台並んでいる中に、カードの残高を確認できる機械も 並んでいる。この残高確認機にカードをかざすと、しっかり 92.8 香港ドル、すなわち、

7.2 香港ドルがこの乗車により差し引かれたことが伺える。

地下鉄ですっかり使い方をマスターした為、翌日香港の空港に向かう時のエアポー ト・エクスプレス鉄道にも、何の不便さも感じず、また財布から切符を取り出す手間 も無く、さらに通常料金の 20%のディスカウントという特典を受け、快適に利用でき た事も付け加えておきたい。

(4) 非接触カードの概観

カードの表面 カードの裏面

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