5 中国における言語景観
5.1 地域概況
5.2.2 香港
5.2.2.1 ストリートビュウの応用
香港に関する調査6は、「Googleストリートビュー」による言語景観の研究を試みた。
「Googleストリートビュー」とは、2007年にアメリカで「Google」が、「Google マップ」と「Google
Earth」のサイトページを使ってビルの上まで街路写真を見ることができる「Google ストリートビュ
ー」のサービスを開始したものである。現在では、「Google マップ」で日本、アメリカ、フランス、
イタリア、オーストラリアなどの主要都市でインターネットを使って、街路写真が見られる。日本で は、札幌、小樽、仙台、東京、千葉、埼玉、横浜、川崎、鎌倉、大阪、京都、旭川、沖縄、名古屋等 の地域をみることができるが、それ以外地域も順次に見られるようになりつつある。
「Googleストリートビュー」の利点は
① 現地まで行く必要がない。
② 現地に行くと現地の人に邪魔をされることがあるが、ストリートビューは現地の人の干渉がない。
しかし、その一方で「Googleストリートビュー」の欠点は
① 場所によってはストリートビューで見ることができない地域がある。
② 写真の解像度が低くて、何が書いてあるかが分からない場合がある。
③ 街の写真をいつ撮影したのかが分からない。
Googleストリートビューは車の上にカメラを載せて、写真を撮っている。そのため車が通れないよ
うな細い道はGoogleストリートビューでは見られない。また、Googleストリートビューはいつ撮影 されたのかが判断できない。工事用看板からおおよその日時は予想できるが、同じ地域でも撮影され た日時は違っており、詳しくいつ撮影されたかわからないのである。
なお、「Googleストリートビュー」は昼間に撮影された写真を使って構成されている。そのため、
実地調査も同様に昼間に撮影をした。
5.2.2.2 歴史及び言語政策
周知のように、中国は多言語国家である。一般的に中国語とは共通語の北京語を指し、かつては官 話と呼ばれていたが、国と地域により呼称が異なっている。中国大陸ではあまねく、広く通じるとい うことから普通話(北京語を基にした簡体字標準語)と称され、あるいは漢語と表記されている。し かし、香港、シンガポールなどを含む東南アジアの華人社会では、華語と呼ばれている。
1997年中国に返還される前の香港では、公用語は英語と繁体字の中国語であるが、一般の生活用語 は広東語という多重言語社会であった。
しかし、1997 年に中国へ返還された後、普通話は中国の共通語であるため、香港に普及してくる。
これまでの英語、広東語とともに普通話(北京語を基にした簡体字標準語)も香港の実質的公用語と なり、学校でも教えられるようになった。
5.2 単純集計