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第 5 章 音楽大学の学生の特徴,および進学調査使用項目と性格検査との関係

5.3 音楽専攻の女子学生が希望するライフスタイルについて

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女子学生が希望するライフスタイルについての選択項目への回答者数と割合を示した。

さらに,希望するライフスタイルの内容から学生を 3 タイプに分け(後述),卒業後の希望 進路に関する各項目の評定値について一元配置の分散分析を行い,シェフェ法で多重比較 を行った。

5.3.3 結果と考察

女子学生が希望するライフスタイルについては,「結婚しても子どもができても,ずっと 働き続ける(選択肢 5))」が最も多く,次いで,出産・子育てによる一時中断後の復職を希

Table5.3.1 女子学生が希望するライフスタイル(N=389)

ライフスタイルについての選択肢 度数 割合(%)

選択肢1  結婚したら,仕事はやめると思う。 9 2.3%

選択肢2  結婚したら,家の中でできる仕事をすると思う。 48 12.3%

選択肢3  子どもができたら,仕事はやめると思う。 13 3.3%

選択肢4  子どもができたら仕事はやめるが,子どもが大きくなったら再び働くと思う。 77 19.8%

選択肢5  結婚しても子どもができても関係なく,ずっと働き続けると思う。 175 45.0%

選択肢6  ずっと働き続けたいので,結婚はしないと思う。 16 4.1%

選択肢7  その他 18 4.6%

 複数選択者 32 8.2%

 未回答者 1 0.3%

Table5.3.2 女子学生が希望するライフスタイルパターン別の希望する進路

 ライフスタイルのパターン

希望する進路に関する項目   家庭優先 仕事制限 仕事優先

  (文章の一部を省略) N=22) N=125) N=191)

M SD M SD M SD

Q1 西洋クラシック音楽の演奏家になる 2.14 (1.46) 1.98 (1.27) 2.73 (1.61)***

Q2 西洋クラシック音楽以外の演奏家になる 1.91 (1.23) 1.78 (1.15) 2.14 (1.44) Q3 音楽制作に直接かかわる仕事につく 2.27 (1.39) 1.78 (1.13) 1.95 (1.35) Q4 学校の音楽の先生になる 2.68 (1.36) 2.83 (1.49) 2.86 (1.59) Q5 学校以外の音楽の先生になる 2.64 (1.29) 3.71 (1.33) 3.60 (1.36)**

Q6 音楽で人を助ける仕事につく 2.82 (1.44) 3.03 (1.43) 2.95 (1.42) Q7 音楽関連産業への就職 2.86 (1.55) 3.14 (1.33) 2.87 (1.51) Q8 音楽とは関係のない仕事につく 2.86 (1.52) 2.16 (1.29) 1.81 (1.29)***

Q9 大学卒業後さらに音楽について勉強する 2.82 (1.33) 3.10 (1.37) 3.78 (1.31)***

Q10 大学卒業後の進路を考えていない 2.45 (1.50) 2.59 (1.43) 2.22 (1.42) Q11 音楽は趣味で続けられればよい 3.77 (1.23) 3.20 (1.35) 2.39 (1.45)***

Q12 好きな仕事なら,収入不安定でもかまわない 2.95 (1.29) 2.95 (1.33) 2.94 (1.42)

***p<.001, **p<.01

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望する回答(選択肢 4),自宅での仕事の希望(選択肢 2)が多い。また,結婚や出産により 仕事をやめることを希望する学生(選択肢1,3)や,仕事優先で結婚を希望しない学生(選 択肢6)は少なかった(Table5.3.1)。これらのライフスタイルを,家庭を優先して仕事を やめる(選択肢 1, 3),仕事を制限する(選択肢 2, 4),仕事を優先する(選択肢 5, 6)の 3 タイプに分け, 卒業後の希望進路に関する各項目の平均評定値について一元配置の分散分 析を行い,シェフェ法で多重比較を行った。西洋クラシック音楽の演奏家(Q1)や学校以 外の音楽指導者になること(Q5),音楽と関係のない仕事に就くこと(Q8),卒業後のさら なる研鑚を目指すこと(Q9),音楽を趣味として位置づけること(Q11)に関する項目で,

群間の有意差が見られた(Table5.3.2)。

学年から考えて仕事に就くことがあまり現実問題になっていない時期であると考えられ るが,今回の分析対象となった女子学生の回答パターンから見て,全体としては何らかの仕 事を続けていくライフスタイルを希望する学生が多いと言えるだろう。希望するライフス タイルと具体的な希望進路との関係では,まず「仕事優先タイプ」の学生が,大学卒業後も さらに音楽を勉強することや,高度な演奏技能を要求される仕事に就くことを希望する傾 向にあることが示された。次に「家庭優先タイプ」の学生は,音楽は趣味として位置づけ,

音楽とは関係のない仕事に就くこともかまわないと考えている傾向が見られた。「仕事制限 タイプ」の学生については,家庭との両立が可能で,現実に就労可能性の高い仕事を希望す る傾向にあることが示された。学生自身が思い描く将来のライフスタイルと,具体的な進路 選択への希望には密接な関係があることが示された。

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