第 2 章 分析データの概要
2.2 質問紙調査項目の構成
A 音楽大学において 1999年に実施された進学に関する質問紙の調査項目が基本となる。
後の調査において,一部項目に修正を加えている。質問項目作成手順および1999年度調査 項目の詳細,2000年以降の調査年度ごとの変更点について以下に示す。
(1) 予備調査
1999年5~6月,関東圏のA音楽大学の2年生(102名)に対して授業時間内に「自己 の音楽に関する発達について」というタイトルで小レポートの提出を求めた。梅本(1992)
を参考にして,これまでの音楽経験,大学で音楽を専攻することを決めた理由や,そのこと についての家族や友人の影響,さらに今後の進路希望について現在考えていることなどを 各自でまとめるよう指示した。この小レポートについては,主に授業の課題として提出され たものであり,その後の授業にも活用した。
(2) 本調査項目の詳細
1999年度に行った調査票の構成としては,タイトルおよび回答依頼文に始まり,フェイ ス項目,音楽経験や家庭の音楽環境についての質問,進学理由についての質問,適応感に関 する質問等が含まれていた。調査項目の詳細は以下の①~⑩の通りである。なお、調査票に ついては,1999年に行ったA音楽大学対象の調査(付録 2.2),2008年度にB大学におい て行った調査(付録 2.3),2017年に行ったA音楽大学対象の調査(付録 2.4)で使用した ものを付録として示す。なお,全調査の概要についてはTable2.1に示す。
A 音楽大学 1999 年調査項目
①フェイス項目
学年,専攻,性別等についての質問項目を用意した。
②音楽経験に関する質問
大学入学前までの音楽レッスン経験,音楽関係のグループ活動経験,音楽の好み等につい ての質問に回答させた。
③家庭の音楽環境
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家庭の音楽環境に関わる 9 つの選択肢を作成し,当てはまるものすべてに〇を付ける形 式で回答させた。
④進学決定時期
自分の中で音楽大学への進学を決定した時期について,年齢を記入する形式で質問を行 った。
Table2.1 全調査の概要について
実施年度 1999年 2000年 2008年 2009年 2009年 2017年 2010年
調査対象大学 A音楽大学 A音楽大学 B大学 B大学 A音楽大学 A音楽大学
調査対象学年 1,2年 1,2年 主に1年 主に1年 2年 1,2年
調査内容 付録2.2参照 付録2.3参照 付録2.4参照
①フェイス項目 Ⅰ.1~6 同左 10.1~6 同左 同右 10.1~6
(変更あり) (変更あり)
②音楽経験 Ⅱ.1~5 同左 1.1~5 同左 同左 1.1~5
(変更あり)
③家庭の音楽環境 Ⅲ.1~9 同左 2.1~9 同左 同左 2.1~11
(10,11は新項目)
④進学決定時期 Ⅳ 同左 3 同左 同左 3
⑤進学理由 Ⅴ.1~30 同左 4.1~30 同左 同左 4.1~30
⑥葛藤要因 Ⅵ.1~12 同左 5.1~12 同左 同左 5.1~12
⑦大学適応感 Ⅶ.1~14 同左 6.1~13 同左 同左 6.1~13
(2項目削除,
13は新項目)
⑧希望進路 Ⅷ.1~12 Ⅷ.1~13 7.1~13 同左 同左 7.1~13
(13は新項目)
⑨女子ライフ Ⅸ.1~7 Ⅸ.1~7 8.1~7 同左 同左 8.1~7
(選択肢変更)
⑩男子ライフ Ⅹ.1~7 Ⅹ.1~7 9.1~7 同左 同左 9.1~7
(選択肢変更)
性格検査 NEO-FFI NEO-PI-R
直近の調査票から変更があった場合には,( )内に説明を加えている。
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⑤音楽大学への進学理由に関する項目
予備調査で得られた自由記述を参考に,進学理由等に関する質問項目を仮作成し,KJ法 の手続きに準じて30項目にまとめた。回答は,「あてはまる」~「あてはまらない」までの 5件法とした。なお,分析を行う際には,「あてはまる」を5点,「あてはまらない」を1点 に換算したものを用いた(以下、5件法の場合の点数化は、同様の方法で行った)。
⑥音楽系への進学を妨げる可能性のあった葛藤要因に関する項目
予備調査で得られた自由記述を参考に,音楽大学進学時の葛藤に関する質問項目を12項 目作成した。内容としては,学生自身の葛藤に関する項目と,他者との関係の中で生じる葛 藤に関する項目を含むものである。回答は,「あてはまる」~「あてはまらない」までの 5 件法とした。
⑦大学での適応感に関する項目
予備調査で得られた自由記述および柳井・前川・鈴木・石塚・豊田(1993)で用いられた 項目を参考に,現在の大学での生活状況に関する 12 項目を作成した。回答は,「あてはま る」~「あてはまらない」までの5件法とした。
⑧大学卒業後の希望進路に関する項目
予備調査で得られた自由記述および一般的な音楽大学卒業生の進路を参考に,大学卒業 後の希望進路に関する12項目を作成した。回答は,「あてはまる」~「あてはまらない」ま での5件法とした。
⑨女子学生向けのライフスタイル
大学卒業後の希望進路との関係で,女子学生のみを対象とする将来のライフスタイルに 関係する 7 つの選択肢を作成した。回答は,最も当てはまるものを一つ選択する形式であ った。
⑩男子学生向けのライフスタイル
大学卒業後の希望進路との関係で,男子学生のみを対象とする将来のライフスタイルに
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関係する 7 つの選択肢を作成した。回答は,最も当てはまるものを一つ選択する形式であ った。
(3) 2000 年以降の調査における変更点について A 音楽大学 2000 年調査における変更点
「希望進路」項目を1項目増やし,13項目とした。また,ライフスタイルについての選 択肢の内容は全面的に見直して差し替えた。このような変更は,その後の調査にも引き継が れた。
B 大学 2008 年~2009 年調査における変更点
「大学適応感」項目を2項目削除し,別の1項目に差し替えた。元の項目が音楽大学の学 生を対象とした項目であったため,総合大学の音楽専攻の学生であっても回答が可能であ るように修正を行ったものである。また,「音楽経験」についての質問方法にも一部修正を 加えた。なお,導入文や一部の説明文,およびフェイス項目は,音楽大学だけでなく,B大 学で音楽を専門とする学生にも回答が可能なものになるよう変更を加えた。
A 音楽大学 2009 年および 2010 年における変更点
「大学適応感」項目,「音楽経験」についての質問の一部,および説明文について,B大 学調査において行った変更点を,そのままその後のA音楽大学における調査にも適用した。
A 音楽大学 2017 年調査における変更点
「家庭環境」項目を2項目増やした以外は,2009年および2010年にA音楽大学で行わ れた調査と基本的な項目変更は無い。ただし、別紙として「調査協力のお願い」(後述)を 配布したため,導入文は削除した。
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