最後に、これも英語特有の音変化を見ていきましょう。英語は流れるように話される言葉です。この流れがきれ いに出来ている状態が、前にやったリズムのある言い方です。音変化はこの流れを、よりきれいに、より自然にで きるようにするためのものです。なので、スピーチで実践できるように練習しましょう。
1)連結
前後の単語がつながり、切れ目なく話される現象です。日本語にはこれがなく、一つ一つの単語が独立して話さ れてしまうため、英語らしさを身に付けるには、この連結が重要になります。連結されている語同士は、1つの単 語であるように続けて言うようにしましょう。ここでは、代表的なパターンを挙げていきます。(下線部が連結の 場所)
①破裂音+母音
Will you top it up? There is a crack in this glass.
②摩擦音+母音
The boss is out. The brush is in this cupboard.
③/m/・/n/・/l/+母音
I’ll come in a minute. The food has run out.
④/r/+母音
He went far away. I’m not sure about it.
⑤母音+母音(最初の単語が/u/や/ɔ/で終わる場合、次の単語との間に弱く/w/の音が入り、/i/であれば、/j/が入 るような感じになる。)
Go and see it yourself. Do I have to eat it?
⑥子音+/j/(単語間に/j/が入ったような音になる。日本語で言うと拗音のような感じ。)
Help yourself.Take your time.
2)同化
隣り合った音同士がお互いに影響しあって音が変わってしまう現象。これは、後ろの語が前の語に影響を与え る変化(逆向同化)や、前の語が後ろの語に影響を与える変化(進向同化)、両方の語が影響を与え合う変化
(相互同化)の3種類がある。ここでは、よく現れる逆向同化と相互同化について一部の例を挙げていく。
①逆向同化
/s/→/ / this shop this year
/z/→/ / does she I was shocked
②相互同化
[t+j]→[ ] Do it yourself. He’s got your camera.
[d+j]→[ ] I’ll send you some. Pass the sugar, would you?
3)脱落
これは、発音がスムーズにできるように、ある音を落として言わなくする現象です。日本語でも、ラ抜き言葉や イ抜き言葉のように存在します。「している」よりも「してる」のように言う方が楽にできるため、「い」を脱落して いるのです。強勢のおかれない曖昧母音や、破裂音がよく脱落されます。
①子音の脱落(下線部が脱落される部分です。)
white paper good boy bad girl just now baked bread good night always
②曖昧母音の脱落
easily general government natural believe get another
<おわりに>
ここまで長い長い解説を読んでくださりありがとうございます。お疲れ様です^^
唐突ですが、「あなたにとって綺麗な発音って何ですか??」
ネイティブのような発音。じゃ、ネイティブって何ですか?アメリカ人?イギリス人?
今一度「きれいな発音」について考えてみてください。そして、それを目標に発音練習を頑張ってください^^
個人的ではありますが、私にとって「きれいな発音」は
“自分らしさを出している発音”です。
気取ってない、コンプレックスをもっていない、
素直な発音のこと。
なんて極論ですが^^;
hang on !!!
参考・おすすめURL
・IPA(日本語)、http://www.coelang.tufs.ac.jp/ipa/index.htm
・IPA(英語)、http://www.arts.gla.ac.uk/IPA/index.html
・ Phonetics ( The Sounds of English and Spanish - The University of Iowa )、http://www.uiowa.edu/~acadtech/phonetics/#
参考・おすすめ文献
・『日英語対照による英語学概論 増補版』くろしお出版、西光義弘など
・『現代の英語音声学』金星堂、佐藤寧/佐藤努共著
・『英語の発音と英詩の韻律』英潮社、荒木一雄監修
・『日本語の音声入門』バベル・プレス、猪塚元/猪塚恵美子共著
・The Production of Speech Sounds
・Suprasegmental Features of Human Speech
上記2冊は2006年度K.U.E.L.夏セミナー Takumi Amano
・『英語の発音パーフェクト学習事典』アルク、深澤俊昭著
・『イギリス英語リスニングCD』アルク、大杉正明著
おすすめサイト(24時間聞けるインターネット放送)
・Voice of America、http://www.voanews.com/english/video-audio/
・BBC Radio、 http://www.bbc.co.uk/radio/
・BBC Learning English、http://www.bbc.co.uk/worldservice/learningenglish/
✿Deliveryとは?
Deliveryとは、声の表情(→verbal delivery)や顔の表情や手や体の動きなど(→non-verbal delivery)を使って 想いを伝えることです。スピーチを通じて自分は何を伝えたいかに立ち戻り、それを一番効果的に伝えられる表 現をしていきましょう。まずは以下に、Deliveryの位置付けや大事さを感じてもらえるよう例を2つ挙げてみま す。
例1:人の身だしなみを例に考えてみます。あるところに、性格がよくてかわいらしいAさんがいたとします。
A)髪はぼさぼさで、泥だらけの服を着ているとき
B)こぎれいなおしゃれをして、かわいいドレスを着ているとき
中身のAさん(→スピーチ自体、基礎英語力)は同じでも、服装(→Deliveryの要素)によって、印象は全 く違います。B)の場合は、Aさん自身の中身の良さに触れてもらうことができますが、A)では残念ながら 誰も振り向いてはくれませんから、B)を実現したいわけです。同じように、スピーチ自体や基礎英語力は同 じレベルでも、Deliveryの要素によってスピーチの良さを引き出すことができるのです。やはりDeliveryを 追求する必要があるでしょう。
例2:料理になぞらえてみます。あなた自慢の手料理(→スピーチ)を作ったとき、その盛り付け方(→Delivery)に もこだわりたくなりませんか?
こんな風に、Deliveryの位置付けそして重要性が見えてくるのではないでしょうか。
✿ 評価対象となるDeliveryの要素
広く使われているジャッジングシートの要素として、以下が挙げられます。
Ⅰ . Verbal Delivery
1 Voice Projection (声の大きさや質)
2 Rate (話すテンポ)
3 Pause (間の取り方)
4 Rhythm & Stress (強弱の付け方)
Ⅱ
. Non-verbal Delivery 1 Posture (姿勢)
2 Gesture (身振り手振り)
3 Facial Expression (表情)
④ Eye Contact (視線のdelivery)
1 Sincerity (誠実さ)
② Memorization (暗記)
では、これらの項目について具体的にみていきます。
Ⅰ . Verbal Delivery 1 Voice Projection
聴き手へ声を届けることです。聴き取り易い発声のためには「まっすぐ、力強く」声を飛ばす必要があります。
これはマイクの有無に関わらず言えることです。マイクは声を「増幅(単に拡大)」しますが「聴き取り易く」す る機械ではないことを頭に置いて下さい。良い発声は良いスピーチの第一歩です☆
「まっすぐ、力強い」発声のための要素として、1.腹式呼吸 2.声の強弱を挙げます。
1. 腹式呼吸
横隔膜の上下により達成されます。その横隔膜を動かすためには、お腹を意識した力の入れ方が必要です。(⇔
胸式呼吸:呼吸が浅く、吸い込んだ空気が肺にしか入らないためお腹が膨らみません)以下に、腹式呼吸のた めの練習法を挙げてみます。
1.仰向けになり発声練習。
→空気を吸ったときにお腹が膨らんで、空気を吐いたときにお腹が凹めば腹式呼吸。
2.お腹を発声しながら押して練習。
→お腹に手を当て、声を出しながらお腹を押す。お腹が凹まなければ胸式呼吸、凹めば腹式呼吸。
<参考サイト>
http://www.miyagi-jalsa.net/rehabilitation/02.html http://domori-navi.info/category4/entry19.html
2. 声の強弱
英語で伝える際に、「強弱」が最も意識すべき部分であることをまずは意識づけて下さい。これは声の「高低」を 比較的大切にする日本語と「異なる」点なのです!強さ弱さの「差」をprojectすることで、伝えたいことが伝わ り易くなります(より具体的には④-2.Stressで説明します)。また、声の強弱と高低を組み合わせることで声 に表情が生まれます。例えば、明るい文脈の時には高く大きく、暗い時には少しちいさく低く、といった具合に 組み合わせられるでしょう。
なお、声の強弱を実践するための一例を挙げると、どこの語を強調したいか強調すべきかを自分用の原稿に書 き込んで練習する、等の方法があります。ご参考までに。
Vocal Deliveryの際に、強さに加えもう一点気を付ける点があり、それが次に挙げる「Rate」です。
2 Rate
「wpm(words per minutes)」つまり「1分間当たりの(に話す)語数」がこの大まかなイメージです。これは聴き 手にとっての聴き易さを考える上で大切な部分で、スピーチの際には120~130wpm程度を目安に練習をしな がら、自分の基準となるペースを見つけることをお勧めします。
またRateを考える際、全体が一本調子にならないよう、キーセンテンス・フレーズ・ワードは他よりゆっくり
はっきりdeliveryすることを心掛けてみて下さい☆
3 Pause
センテンス内、段落内、そして段落間等にとる「間(ま)」のことです。間の置き方ひとつでスピーチは単調で無くな り印象が随分と変わって、聴衆を飽きさせなくなるでしょう。用いる間の長さにバラエティーを持たせることで より効果的に使えると思います。以下に補足点を挙げます。
1. あいさつとスピーチ開始の間:スピーカーの心の準備とジャッジとオーディエンスのスピーチへの集中の時 間として必要です。
2. 長すぎる間は禁物:メモライズが飛んだと思われない程度にとりましょう。
4 Stress & Rhythm 1. Stress
a. word 内でのstress:アクセント
1単語内での音の強い・弱いの差のことです。
b. sentence 内でのstress:
原則的に代名詞・冠詞・助動詞などの「機能語」は弱く、逆に名詞・動詞等の「内容語」は強く発音しま す。
ここで皆さんに思い出してほしいのが、リスニングで大意を取る時にどんな聞き方をするかということ です。文章の中でウェイトの大きいキーワードやフレーズを聞き取り、それらをつなげることで文意を 推測しようとしませんか?自分で読むときにはその逆を考えれば良く、つまり自分の文章中でこれらを マークし強調して(=stressを置いて)届けることが大事です。
例:An apple may float in the air, but in reality, it falls to the ground.
( 部分は強調、 部は弱く)
2. Rhythm
1. Stressのb. sentence stressに関係することです。文の中で強勢のある単語(=文強勢)と文強勢の間 のいわゆる「つなぎ」の部分は、必然的に「速く、弱く」通過することになります。これによりsentenceに rhythmが生まれます。
さらに、いわゆる「リエゾン」についても触れておきます。これは単語と単語を(音量は)弱く(ペースは) つなげて読むことと言え、例えば“take it easyは
“ ”のようになります。
ここまでVerbalの側面の話をしてきましたが、スピーチは当然ながら耳のみならず目にも訴える必要がありま すね。というわけで次にNon-verbal Deliveryについてみていきます。こちらもとても大事です!