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非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の特例

第 6 章  非上場株式等の新事業承継税制

第 1 節  非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の特例

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この非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度の概要は【図表6−1】のとおりである。

5 年 間

出所:財務省、http://www.mof.go.jp/、2014年7月29日。

【 図 表 6− 1】 非 上 場 株 式 等 に 係 る 贈 与 税 の 納 税 猶 予 制 度

経済大臣の認定

後継者が親族

→【H27.1.1〜】廃止

先代経営者が役員を退任

→【H27.1.1~】代表者退任 で可 等

事業の継続

代表者であること

株式等の保有継続

雇用の維持

(毎年8割

→【H27.1.1~】5年平均で8 割 )等

株式等の 保有継続等

贈与税の納税猶予 相続税の納税猶予

○株式等の保有継続等

後継者の相続税額のうち議決 権株式等(相続後で発行済議 決権株式等の2/3に達するま で)の80%に対応する相続税 の納税を猶予

〈贈 与〉

経営者⇒後継者

経営者の保有株式等の全部※の贈与

※後継者の保有割合が発行済議決権株式 等の2/3に達するまでの贈与が要件

議決権株式等(贈与後で発行済議決権株 式等の2/3に達するまで)の贈与税の全 額を猶予

猶予対象株式等を相続により取得したものとみなして、

贈与税の時価で相続財産に合算して相続税額を計算

〈相 続〉

旧経営者死亡

(2)適用要件等

贈与税の納税猶予制度の基本的手続きは、まず、①贈与前において「経済産業大臣の確 認」を受ける、②贈与後において、円滑化法に基づき、会社の要件、後継者(受贈者)の 要件、先代経営者の(贈与者)の要件等を満たしたことについて「経済産業大臣の認定」

を受ける、③認定取得後から贈与税の申告期限1)までに、この特例の適用を受ける旨を記 載した贈与税の申告書および一定の書類を税務署へ提出するとともに、納税が猶予される 贈与税および利子税の額に見合う担保を提供する、といったことが必要である。

  この制度の適用要件としては、以下のとおりである。

①  先代経営者(贈与者)の要件 (ア)  会社の代表者であったこと

(イ)  贈与の時において、役員を退任していること

(ウ)  贈与の直前において、先代経営者およびその同族関係者で発行済議決権株式総数の 50%超の議決権数を保有し、かつ、その同族関係者内で筆頭株主であったこと

②  後継者(受贈者)の要件

1)  贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年21日から315日までに、受贈者の住所地の所轄税 務署に提出しなければならない。

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(ア)  先代経営者の親族であること (イ)  会社の代表者であること

(ウ)  20歳以上であり、かつ、役員就任から3年以上経過していること

(エ)  後継者および同族関係者で発行済議決権株式総数の 50%超の議決権数を保有し、

かつ、その同族関係者内で筆頭株主となること

③  対象会社の要件としては、第2節1(2)③で後述する相続税の納税猶予制度の対象 会社の要件と同じである。

④  事業継続期間の要件は、上記の相続税の納税猶予制度の対象会社の要件と同様であり、

贈与を受けた対象株式を保有していることが必要となる。事業継続期間中は、毎年1回、

報告基準日(贈与税の申告期限から1年を経過するごとの日)の翌日から3カ月以内に 経済産業局に所定の報告書を提出し、また、税務署に対しても、別途、「継続届書」(事 業継続期間中は毎年1回、期間経過後は3年に1回)の提出が必要となる。

2.平成 25 年度における改正の目的と効果

「非上場株式等に係る贈与税の納税猶予」の適用を受けることを躊躇する原因の一つに

「役員退任要件」があった。それは、後継者への承継直後の一定期間は後継者の信用力が 弱いことが多いため、取引先や金融機関との関係などから先代経営者が必要とされること が多々あるにもかかわらず、先代経営者は役員を退任し、会社の経営から離れなくてはな らない等の理由があるからである2)

そこで、贈与税の納税猶予制度において、先代経営者に係る役員退任要件が緩和された。

それは、贈与税の納税猶予における贈与者の要件のうち、「現経営者は贈与時において役員 を退任すること」(旧措令40の8①三)とあったが、今回の改正で、「贈与時の役員退任要 件を代表者退任要件とする(有給役員として残留可能)」ことに改められた(傍線−筆者)

(新措法70の7④十七)。

  中小企業においては、先代経営者が株主総会議決権と同時に会社の経営権の全てを手放 すことは、中小企業の円滑な事業承継を阻害するものとなるだろう。その意味においても、

退任要件が撤廃されたことは、事業承継後においても、先代経営者の経営ノウハウを活用 できるため、企業の成長にとって意義ある改正といえるだろう。

2)  大蔵財務協会〔2013〕607−608頁参照。

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