3.射影多様体 93
とおく、(翔,o,_,翔,π)が定める有理写像を吻:Pπ(κ)一うPη(κ)とする,このとき
z−z(翔,・,…凸の)一∩▽(娠)
乞
となるが,Z=のであることを示そう。Z≠のと仮定し,P∈Zを選ぶ.このとき任意の 乞に対して翔,KP)=0であるからPの斉次座標の1つを(Po:_:pπ)とすると
Σα・ゴPゴー…一ΣαηゴPゴーo ゴ ゴ
が成り立つ.従って
ハ「鮒一・
となるが,。4は正則であるから,Po=・・ニpη=0となり矛眉が生じる.よってZニのが 示された.これより吻はPη(κ)からPπ(κ)への射となる,
同様に物+1次正則行列βから射吻が得られるが,定理3.39よりψAとψBの合 成吻吻もPπ(κ)からPπ(κ)への射となり,ψAψBニψ胆が成り立っ.またη+1次の
単位行列Eに対して
砺,o=Xo,_… ,亀,πニXη であるからψEニidである.これより
ψA−1ψA==ψA−1AニψE=id, ψAρA−1ニφAハー1;ψE=id
が成り立つからψAはPπ(κ)からPη(κ)自身への同型射である。ψAをPπ(κ)の射影変 換という.
射影空間IPη(κ)の互いに異なるη+2個の点P1,...,鑑+2は,その中のどのη+1個 の点も同一超平面上にないとき,一般の位置にあるという,
定理3.40射影平面P2(ん)において,点.P1,..,私,および点(〜1,..,(24がそれぞれ一般 の位置にあるとする.このときIP2(κ)の射影変換幹でψ(疏)ニ(〜乞(乞=1,..,4)を満た すものが存在する.
Proof R,(2ゴの斉次座標の1つをそれぞれ
君二(α乞・:α乞・:α乞2), Qゴー(δゴ・:δゴ・:bゴ2)
3.射影多様体
95とする.また
R、ニ(1:0:0),R2ニ(0:1:0),R3=(0:0:1),R4ニ(1:1:1)
とおく.このとき射影変換吻,φBで
伽(.R乞)=R, 吻(、R乞)ニQ(2ニ1,。.,4)
を満たすものが存在すれば,ψBψλ1が題意を満たす射影変換となる.ψBに っいても同様であるから,射影変換ψAで伽(R )二弓を満たすものが存在す
ることを示せばよい.
R,..,島のどの3点も同一超平面上にないことから,3次元アフィン空間A3(κ)
においてノ41ニ(α10,α11,α12),_,、44=(α40,α41,α42)の中のどの3つも1次 独立である.一方.A1,。42,、43,孟4は1次従属であるから
遍「馴一為陰1卜圏+糖圏
を満たすλ1,_,λ4で,すべては0でないものが存在する,ここでどの3つも1 次独立であることからλ1,_,λ4のすべてが0でないので
為1訓一[藻卜「馴一「iilH馴一園
とαηを定め,、4=[α司とおけば求める吻の存在がわかる. ■
4章非特異射影曲線
この章ではRiemann−Rochの定理の原型ともいえるRiemannの定理を証明す る,Riemannの定理は非特異射影曲線上の因子から定まる有理関数のなす線 型空間L(P)の次元6(P)とPの次数deg五)との差がPによらず上に有界
であることを主張するものであり,この不等式から自然に非特異射影曲線の種 数が定まる.
§4.1では射影曲線γ上の非特異点Pでの局所環Op(V)が離散付値環である こと,これより有理関数体κ(γ)に離散付値ordpが定まることを示す.
§4.2では「与えられた有限個の有理関数との差の,与えられた有限個の点にお ける離散付値の値が,与えられた整数以上になるような有理関数が存在する」
という近似定理を証明する.
§4.3では非特異射影曲線上の有限個の点の形式的な整数係数!次結合として 因子を定義し,有理関数の極と零点が有限個であることを証明した後,有理関 数から主因子が定まることを導く・さらに因子Pに対してdiv(∫)+P≧0を 満たす有理関数∫全体からなる線型空間L(P)を導入し,その次元4(P)が有 限であることを証明する.また定数でない有理関数∫で生成される部分体の 有理関数体における余次元が,∫の零点Pすべてに渡るordp(∫)の和,およ び∫の極Qすべてに渡る一〇rdQ(∫)の和に一致することを示し,∫から定ま る主因子div(∫)の次数がoになることを導く.
§4.4では前節までに得られた結果を基に,因子Pに対して,その次数degD と6(P)の差が,Pによらずある値以下であるというRiemannの定理を証明 し,非特異射影曲線の種数を定義する.
なお,この章を通じてκは代数的閉体,yはPη(κ)の射影曲線を表すものと
する.
96
4.非特異射影曲線
97
4.1 離散付値環
離散付値環とは極大イデアルが単項イデアルであるような体でないネーター局所整域 のことである.Rが離散付値環で,極大イデアルが〈オ〉であるときRの0でない元zは 灘=脱肌と表される.ここでuは可逆元,mは非負整数で,灘から一意的に定まる,Rが 体でないことからオ≠0である.離散付値環の基本事項については参考文献[2,§6。11を参
照、されたい.
定理4・1γの非特異点・Pでの局所環Op(V)は離散付値環である・
Proof定理3.14よりOp(y)はmp(y)を極大イデアルとしてもつネーター 局所整域である.従ってmp(γ)が単項イデアルであることを示せばよい.V が曲線,Pがその非特異点であることから
dim角(mp(V)/mp(y)2)ニdimV二1
となる.従って剰余加群mp(γ)/mp(V)2は1つの元オで生成されるので mp(y)コ(オ〉+mp(γ)mp(γ)
が成り立つ。ここでmp(V)は有限生成Op(γ)加群であり,Op(V)の極大イデ アルはmp(γ)のみであるから中山の補題(定理1.7)が適用できて,mp(γ)篇
〈オ〉が得られるので,mp(γ)は単項イデアルである. ■
γの非特異点Pでの局所環Op(V)の極大イデアルがmp(γ)=〈孟〉と表されたとする,
このとき0でないOp(V)の任意の元∫は
∫ニμm (五∈Op(γ)×,mは非負整数)
の形に一意的に表される,従ってOp(V)の分数体κ(V)の0でない任意の元∫は
∫=五費 (五∈Op(V)×,mは整数) (4.1)
の形に一意的に表される.亡を点Pでの局所パラメータという.オノも点Pでの局所パラ メータであるとすると,可逆元賜により孟 =励と表されるので
∫二五 (オ )乏二ゐ 流召皿μ肌
より乏二mが成り立つ.従って∫∈κ(γ)×に対して式(4.1)で定まるmは局所パラメー タによらず一定であり,写像
ordp:κ(y)×∋∫←ナ7η∈Z はwell−de丘nedである.特にordp(0)ニ○○と定めると写像 ordp:κ(γ)卜一一〉ZU{○○}
はκ(V)の離散付値となる.ただし任意の整数mに対してm<○○とする。
定理4.2Pを射影曲線Vの非特異点とする.離散付値ordpについて次が成り立つ.
ただし∫,g∈κ(γ)とする.
(1)・rdp(∫9)=・rdp(∫)+・rdp(9)
(2)ordp(∫+g)≧min{ordp(∫),ordp(g)}、特にordp(∫)≠ordp(g)ならば等号が成 り立っ.
(3) Op(γ)ニ{∫∈κ(γ)lor(lp(∫)≧0}
Proof以下.P∈yでの局所パラメータをオとする.
(1) ∫=0またはg=0のときは両辺とも○○となるので成り立つ,従って
∫,g∈双V)×としてよい。
ア
∫=μm, g=g虚費 (九,g孟∈Op(γ〉×,m,m は整数)
と表すと∫gニ∫むg亡理柳 となるので,ordp(∫g)藁ordp(∫)+ordp(g)が成り
立っ.
(2) この場合も∫二〇またはg=0のときは明らかに成り立っので∫,g∈
κ(y)xとする,
ノ
∫二μm, g=g〆 (∫ ,g孟∈Op(γ)×,m,肌 は整数)
とする.ここでm<m として一般性を失わないので ノ ∫+9ニオ肌(九+9泌}m)
4.非特異射影曲線 99
より
ordp(∫十9)≧mニmin{ordp(∫),ordp(9)}
が得られる.次にm<mノとする.g=0のときは明らかに成り立つので,
∫,g≠0とすると
ordp(∫)=ordp(∫十g−g)≧min{ordp(∫十g),ordp(一g)}
=min{・rdp(∫+9),・rdp(9)}
が成り立っ・ここでordp(∫+g)≧ordp(g)と仮定すると,ordp(∫)≧ordp(g)
となり矛盾が生じるので,ordp(∫+g)<ordp(g)である.これよりordp(∫)≧
ordp(∫+g)となるので,前半の結果と合わせてordp(ノ+g)ニordp(∫)を得る,
(3) Op(y)⊆{∫∈双V)I ordp(∫)≧0}は明らかであるから逆を示す.
ordp(∫)≧0とすると,∫ニ0のときは∫∈Op(y)であり,∫≠0のとき は∫=五拠と表されるがm≧0より,理∈Op(γ)となるので∫∈Op(γ)
が得られる. ■
定理4.3非特異射影曲線V上の有理関数∫∈双y)×に対して次が成り立つ.
(1).P∈γが∫の零点⇔ ordp(∫)>0
(2).P∈γが∫の極奪⇒ ordp(∫)<0
Proof ordp(∫)=0⇔∫∈Op(γ)×が成り立ち,このときPは∫の零点でも 極でもないことを注意しておく。ordp(∫)>0とすると∫∈mp(γ)となるの で∫(P)ニ0が成り立ち,Pは∫の零点であり,逆にPが∫の零点であるとす ると,∫∈mp(レ)となるのでordp(∫)>0が成り立つ.以上からordp(ノ)<0 であることと,∫がPで定義されていないこととは同値となる。ゆえに(1),
(2)が成り立っ. ■
補題4.4Pが射影曲線γ上の非特異点のとき,任意のぞ>1に対して次の等式が成
り立っ.
dimん(mp(y)ε㎞1/mp(γ)ε)=dimκ(Op(γ)/mp(γ))=1
Proof mp(γ)=〈⇒とおき,
ψ.:mp(γ)7∋∫H∫亡∈mp(γ)7+1
と定める.ただしmp(V)o;Op(γ)とする。Op(V)は整域であるからψ.は 単射であり,またmp(γ)?+1=かmp(γγとも表されるので幹は全射でもあ る。加法とκの元によるスカラー倍を保つことは明らかであるからψ.はκ 加群としての同型である.ここで61mp(y)γ+1}→mp(γ)7+1/mp(γ)T+2を自 然準同型として
mp(V)丁幽mp(V)7+1肖mp(γ)7+1/mp(y)γ+2 の合成写像岬.の核がmp(V)γ+1であることから,同型
mp(y)γ/mp(γ)γ+1出mp(γ)T+1/mp(V)7+2
を得る.Op(V)/mp(y)盤んに注意すれば求める等式が得られる。 ■ 定理4.5非特異射影曲線γ上の0でない有理関数!∈Op(y)に対してordp(∫)ニ
dimκ(Op(γ)/∫Op(γ))が成り立っ.
Proof点Pでの局所パラメータを孟として∫=μ・と表す,ただし∫孟は Op(γ)の可逆元,mは非負整数である.このとき
∫OP(V)認冠OP(γ)=mp(y)T となるので
dimκ(Op(γ)/∫Op(V))ニdimκ(Op(y)/mp(γ〉γ)ニT=ordp(∫)
が成り立っ, 一 定理4.6∫∈κ(V)×を有理関数とする.
↓の零点であることとは同値である.
ノ
このとき点.P∈γが∫の極であることと,
Proof定理4.2より
1 1
・rdp(∫)+・rdp(一)ニ・rdp(∫・一)=・rdp(1)ニ0
∫ ∫ が成り立ち
・rdp(∫)<・一・rdp(1)>・
となるので,定理4.3を適用すればよい. ■
4.非特異射影曲線 101
定理4.7γを非特異射影曲線,ん,_,温∈κ(γ)は(あ,_,撮)≠(0,_,0)を満たす とする。このとき(ゐ,_,乱)が定義する有理写像は射である
Proof任意にP∈yを選び
・rdp(ゐ)=m。一min{・rdp(義)1乞一〇,_,叫 とおくと,任意の乞に対して
㏄dp(発)一⑩(^)一㏄dp(ん)≧・
が成り立つ.従って(ゐ,一.,ん)が定義する有理写像はPで定義される・Pは 任意であったから,この有理写像は射である. ■
4.2 近似定理
補題4.8互いに異なるr個の点P1,_,R∈IP鴨(κ)が任意に与えられたとき,これら のどの点も含まないPη(ん)の超平面が存在する.
Proof IPπ(κ)の超平面V(αoXo+…+αηXη)に対して,点(αo:_:αη)が定 まり,逆に点(αo:_:αn)に対して,超平面V(αoXo+…+砺Xη)が定まる。
明らかにこの対応
】Pη(κ)⊇V(αoXo+…+αηXη)←→ (αo:..。:αη)∈IPη(κ)
は1対1対応である、ここでP1,.。.,Rに対応する超平面を巧,_,砿とする と,P鳴(κ)は既約な射影代数的集合であるから有限個の超平面の和では表され ない。従って巧,.、.,耳のいずれにも含まれない点(δo:.,.:δη)が存在する,こ のとき超平面▽(boXo+…+わ.X.)はR,_,君のいずれの点も含まない.一
補題4.9非特異射影曲線γの互いに異なる点R,..。,君(T≧2)と整数乏に対して,
次式を満たす有理関数∫∈κ(V)が存在する.
ord凸(∫一1)≧召, ・唖(∫)≧召(乞=2,_,T)