市との間の移動が多かった。大阪府外との移動では,兵庫県(昭和59年14.3%)が圧 倒的に多いが,ついで東京都(同5.4%),神奈川県(同4.0%),千葉県(同2.8%)
の関東勢(いずれも流出超過)が続いている点が注目される。従来,大都市圏への人 口集中は就業機会の乏しい地方からの‘向都’移動であるとみなされてきた。事実,
昭和35年段階の大阪府下への流入人口の89%はそうした地方からの流入によって占め られていた。ところが,昭和58年には,他の大都市圏との間の流入出人口が全体の19
%を占めるようになり(昭和35年は11%),大都市圏間の人口移動が顕著に増加して いる。特に,箕面市では同割合が30%(昭和59年,府内移動人口を除く)に達してお り,顕著な都市型人口移動の特性を示す。これは箕面市における移動性の高い人口の 性格を考えるうえで注目される。
次に人口の昼夜間流動をみると(表16- 1 ),昼間の人口流出率は 3 割前後とあまり 変わりがなく,流入率は増える傾向にあり,昭和35年には 3 割近くもあった流出超過 が減少して,昭和55年には13.6%にまで減ってきた。したがって,対夜間人口の昼間
地域別人口
6万
5万
4万
3万
2万
1万
0
35 40 45 50
(萱 野)中部地域
(豊 川)東部地域
55 60年 昭和31年
北部地域(止々呂美)
(箕 面)西部地域
箕面市の人口
11万 10万 9万 8万 7万 6万 5万 4万 3万 箕
面
市
図16- 4 人口の推移
(出典)箕面市『市勢年鑑』。
人口率も70.9%から86.5%に増えている。しかし,これは,主として大学・高校の新 設により通学人口が流出超過から流入超過に転じたことによるものである。通勤人口 についていえば,後述する船場繊維卸売団地の進出による流入人口の増加はあったも のの,人口増に見合うほどの就業の場の増加はなかったので,通勤人口の流出超過率 には変わりがなかった。その点では,前項で述べた住宅都市としての人口的特徴は依 然として顕著であるといえよう。
次に,宅地開発の過程を概観しておく。前項で述べたごとく,箕面市における都市 化はまず西部地域における住宅建設にはじまり,昭和36年の段階では(図16- 5 ),阪 急箕面線の沿線地域(桜ヶ丘,桜,牧落,箕面など)および中部地域の一部でかなり 宅地化が進んでいたものの,中部地域の大部分と東部地域には旧集落が点在するのみ で,新規住宅はほとんどみられなかった。ところが,既に述べたように昭和40年代に おける千里ニュータウンの開発のいっそうの進行,万国博覧会の開催に伴う交通網を 中心とした各種公共施設の整備・充実は,それまで大阪都市圏の外縁部にあって宅地 化の進展が遅れていた箕面市を大阪都市圏膨脹の渦中に巻き込んだ。特に,北大阪急 行電鉄の開設(昭和44年,千里中央駅が最寄り駅),および阪急千里線の北千里への 延伸(昭和46年)はそれまで開発の遅れていた東部地域において大規模宅地開発の急 激な進展をもたらし(図16- 5 参照),中部地域の南部には大規模な繊維卸売団地が形 成された(昭和41~43年)。そのピークは昭和45年頃から昭和50年代前半で,その後 鎮静化したが,最近では再び大規模な住宅開発が東部地区と中部地区で進んでおり,
山地以南部の丘陵地・低平地の市街化が著しい。
かかる住宅開発を中心とする都市化進展の結果を土地利用面で確かめておきたい
(表16- 2 参照)。昭和40年~55年の間に,宅地は5.9ポイントの増,道路も2.2ポイン 表16- 1 昼夜間人口など
地域
項目 年度
夜間人口 A
流入人口 B
流出人口 C
流出超過人口 D=C-B
昼間人口 E=A-D
流入率
BA×100
流出率
CA×100
超過率流出
DA×100
人口率昼間
EA×100
箕面市
千人 千人 千人 千人 千人 % % % %
昭和35 34.2 1.2 11.1 10.0 24.3 3.4 32.5 29.1 70.9 45 57.4 6.6 20.1 13.5 43.9 11.5 35.0 23.6 76.4 55 104.1 20.8 34.9 14.1 90.0 20.0 33.5 13.6 86.5 北大阪
地域
昭和35 608.5 71.7 164.0 92.3 516.1 11.8 27.0 15.2 84.8 45 1,266.0 121.3 311.1 189.9 1,076.1 9.6 24.6 15.0 85.0 55 1,643.4 302.4 500.1 197.7 1,445.8 18.4 30.4 12.0 88.0
(注) 1 .北大阪地域とは,三島地域の 4 市 1 町と豊能地域の 3 市 2 町を合わせた地域である。
2 .DとEは四捨五入以前の元の数で差引計算したものである。
(出典)大阪府企画部統計課『大阪府統計年鑑』。
図16- 5 市街地分布の推移
(出典)箕面市(1983)『第 3 次箕面市総合基本計画―図表編』,29頁。
箕面市企画室(1983)『箕面市土地分類調査(細部調査)報告書』,11頁。
表16- 2 箕面市の土地利用区分面積の推移
〔単位:ha,( )内は%〕
区分
年度 宅 地 農用地 森 林 道 路 水 面 その他 合 計
昭和40 417 685 3,185 124 95 329 4,835
(8.6) (14.1) (65.9) (2.6) (2.0) (6.8) (100)
45 537 562 3,185 157 95 299 4,835
(11.1) (11.6) (65.9) (3.2) (2.0) (6.2) (100)
50 659 498 3,078 188 97 315 4,835
(13.6) (10.3) (63.7) (3.9) (2.0) (6.5) (100)
55 703 475 3,030 232 104 291 4,835
(14.5) (9.8) (62.7) (4.8) (2.2) (6.0) (100)
(出典)箕面市(1983)『第 3 次箕面市総合計画素案策定基礎調査―その 4 』, 1 頁。
昭和36年
西部地域 中部地域
東部地域
凡 例
昭和46年時点の市街地
昭和47年から昭和58年までに市街化された区域 開発が進行中又は計画されている区域
トの増加をみたのに対して,農用地は4.3ポイント,森林は3.2ポイントの減少をみた。
全市域面積に山地が占める割合が大きいので,平坦地,丘陵地等の可住地に限ってみ ると,宅地は24.2%から40.7%と大幅に伸びたのに対して,農地は39.7%から27.5%
と大きく落ち込んでおり,大幅な様変わりぶりがうかがわれる。次に,土地利用の現 況を表16- 3 にみると,市街地化(市街地+普通緑地)の最も進んでいるのは,いう までもなく西部地域(65.2%)であり,中部(42.3%)と東部(35.3%)の両地域は まだそれよりかなり低いレベルにあり,北部地域が最も低い。その内訳をみると,西 部は一般市街地の比率の高さと集落(農業集落)地・普通緑地の低さが目立つ。中部 地域では商業業務地の比率が他に比べて飛び抜けて高いが,これは船場繊維卸売団地 が立地しているせいで,その面積を除くとむしろ低いレベルにある(したがって,小 売商業地については西部地域の3.2%が最も高いことになる)。工場地が他に比べて多 いのも中部地域の特徴である。東部地域は商業・業務地ともに少ないのが目立つ。
農地の比率は,市街地化の進んだ西部地域で低く,中部・東部地域で高い。森林・
水面等については,北部が最も高く,東部,中部,西部の順で高い。したがって,開 発余地(表16- 4 の将来可住地面積)ということになれば,東部地域が最大で(52%),
ついで中部地域(48%)が多く,西部地域はわずか11%を残すのみであり,山間部に 位置する北部地域も 3 %と少ない。
図16- 5 に示したように,昭和60年現在,施行中または計画中の土地区画整理事業 等の大規模市街地開発だけでも東部地域は 5 件で95.1ha,中部地域は 3 件で24.0ha に及んでおり,本市における市街地化の動きの中心は東部・中部の両地域にあり,地
表16- 3 可住地エリア内の地区別土地利用状況(箕面市)(1983年)
〔単位ha,( )内は%〕
区分 地域
総面積
市 街 地
普通緑地
農 地
森林・水面等 道路・
一 般 その他
市街地 集落地 商 業
業務地 工場地 小計 田 畑 小計
西部 634.3 350.7 5.5 20.0 1.0 377.2 36.3 18.4 36.7 55.1 42.8 122.9
(100.0)(55.3) (0.9) (3.2) (0.2)(59.6) (5.6) (2.9) (5.8) (8.7) (6.8)(19.3)
中部 564.6 113.6 37.7 39.4 6.8 197.6 41.3 170.0 8.8 178.8 56.5 90.5
(100.0)(20.1) (6.7) (7.0) (1.2)(35.0) (7.3)(30.1) (1.6)(31.7)(10.0)(16.0)
東部 526.6 109.6 30.3 1.3 4.0 145.2 40.5 141.9 10.4 152.3 132.1 56.5
(100.0)(20.8) (5.8) (0.2) (0.8)(27.6) (7.7)(26.9) (2.0)(28.9)(25.2)(10.6)
合計 1,725.5 573.9 73.5 60.7 11.8 719.9 118.1 330.3 55.9 386.2 231.4 269.9
(100.0)(33.3) (4.2) (3.5) (0.7)(41.7) (6.9)(19.2) (3.2)(22.4)(13.2)(15.6)
(注)集落地とは農業集落地のこと。
(出典)箕面市(1983)『第 3 次箕面市総合計画素案策定基礎調査―その 3 』,12頁。
形的には地価の比較的安い丘陵地,山麓地帯に求められている。