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第3章 災害時応急活動事前対策の充実

第4節 避難対策

[現状]

○ 市は、地震災害時に安全かつ迅速な避難誘導が行えるよう、避難計画の策定に努めるとともに、避 難勧告等の基準を定め、その伝達方法や避難地、避難施設の指定等を行っています。

○ 市は、地震・津波時の避難所として、小・中学校等の公的施設を中心に、15 施設(平成 29 年 4 月1 日現在)、避難地として校庭や公園等を中心に 17 箇所(平成 29 年 4 月1日現在)の指定を行い、施設 の整備や備蓄の増強を図っています。

[課題]

○ 市は、指定緊急避難場所及び指定避難所の速やかな指定を行い、指定した指定緊急避難場所及び指 定避難所について、日頃から住民等へ周知する必要があります。

○ 市長は、要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に避難行動要支援 者(※)の把握に努めるとともに、避難の支援、安否の確認、避難支援等を実施するための基礎とす る名簿を作成する必要があります。

○ 県は、津波浸水想定を踏まえ、住民の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域 を津波災害警戒区域又は津波災害特別警戒区域に指定し、津波発生時の警戒避難体制の整備に努める 必要があります。

○ 最大クラスの津波に対しては、住民等の生命を守ることを最優先として、住民等の避難を軸に、そ のための住民の防災意識の向上及び海岸保全施設の整備、避難場所(津波避難ビル等を含む)や避難 路・避難階段等の整備・確保等の警戒避難体制の整備、津波浸水想定を踏まえた土地利用等、ハード・

ソフトの施策を柔軟に組み合わせて総動員する「多重防御」による地域づくりを推進するとともに、

臨海部の産業・物流機能への被害軽減など、地域の状況に応じた総合的な対策を講じる必要がありま す。

○ 大規模な都市型地震の場合、大量の被災者が出ること、さらには避難生活が長期にわたる場合には、

避難所の不足、ごみ・し尿の滞積、災害対策本部との情報の途絶、食料や生活必需物資の管理の問題 や、配布の遅れなどが生じるおそれがあります。また、避難所での生活環境を常に良好なものとする ため、要配慮者へのケア、避難者のプライバシーの確保、ペット同行避難のルール作成、男女のニー ズの違いや要配慮者等の多様な視点が反映できるようにするなど、避難所の運営には十分配慮する必 要があります。さらに、駅等の不特定多数が利用する施設において、施設内外における混乱を防止し、

的確な避難誘導を行うためには、各施設の管理者は、情報伝達体制の確保、従業員への防災教育、防 災訓練の実施、平常時からの利用者への広報等の安全確保対策を市と連携して効果的に行う必要があ ります。

○ 応急仮設住宅の供給に当たっては、必要な戸数を必要な場所に迅速かつ的確に供給することが必要 です。このため、応急仮設住宅の建設とあわせて、公営住宅や民間賃貸住宅なども活用して、被災者 のニーズに 配慮した多様な対策をとれるよう、県や関係団体との連携による供給体制や事前対策が 必要となります。

○ 大規模災害により飼主が不明になったり、負傷したり、避難所において飼育が困難になった犬、猫 等のペットを保護、収容する等の対策が必要となります。

※ 災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難であり、その円滑 かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要する方

[取組の方向]

○ 市は、早急に、異常な現象の種類ごとに指定する指定緊急避難場所及び指定避難所の適切な指定 を行い、地域住民への徹底した周知を行う必要があります。また、随時に指定施設の見直しに努め、

地域住民の安全な避難先を常時確保します。

○ 市は、ごみ・し尿処理の体制の整備を図ります。併せて、高齢者・障害者等に対する支援及び男 女双方の視点等に配慮した避難対策を充実します。

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○ 避難の情報として、これまでの「避難の三類型」に加えて、「避難勧告等の具体的な発令基準」を 設けます。

○ 市は、避難勧告等の伝達手段、伝達先などについてあらかじめ定めるよう努めるとともに避難対 象区域などを県、三崎警察署等の関係機関へ通知します。

○ 市は、要配慮者等に対する支援について、関係機関や自主防災組織を中心とする地域住民等との 連携強化対策を推進します。

○ 市は、応急仮設住宅の迅速な供給や設置運営を円滑に実施するため、事前対策を進めます。

○ 市は、県の協力を得ながら、避難場所の指定拡大を図ります。

○ 駅等の不特定多数の者が利用する施設の管理者は、各施設における地震時の安全性の確保対策、

震災時の応急体制の整備を進めます。

○ 市は、居住地以外の市町村に避難する被災者が必要な情報や支援・サービスを容易かつ確実に受 け取ることのできる体制の整備を図ります。

〇 県及び関係団体と連携し、被災した犬猫等の救護に努めます。

[主な事業]

1 避難情報と行政・住民のとるべき行動

○ 市は、「避難勧告等の発令基準」、「避難情報の判断・伝達マニュアル」を作成し、適時適切な避難 勧告等の発令や伝達については、地域の実情に応じて、防災行政無線や消防団、自主防災組織など効 果的かつ複合的に活用し、避難対象区域住民に迅速かつ的確に伝達するよう努めます。

○ 市は、「避難勧告等の発令基準」等に基づく「市民用避難マニュアル(災害に備えて)」及び「三浦 市避難行動要支援者支援マニュアル」の周知に努めます。

避難情報と行政・住民のとるべき行動

種 類 発令時の状況 行政の行動 住民に求める行動

避難準備

・ 高齢者等 避難開始

・要配慮者等、特に避難行動に 時間を要する者が避難行動 を開始しなければならない 段階であり、人的被害の発生 する可能性が高まった状況

・対象地区等へ避難準備情報を伝 達する。

・自主避難者の受け入れ体制を整 える。

・災害の発生のおそれのある地域 への巡視を開始する。

【自助】

・時間帯、家族構成、地域の特性、住 居の状況などすべてを考慮して、自 主的な避難や住居内での安全な場所

(2 階等)への移動等、身の安全を 確保する行動をとります。

【共助】

・地域の要配慮者への避難支援行動を 開始します。

・その他、自主的な避難に備えた地域 の会館等の開館など、地域における 災害への備えを実施します。

避難勧告

・通常の避難行動ができる者が 避難行動を開始しなければな らない段階であり、人的被害 の発生する可能性が明らかに 高まった状況

・対象区域及び世帯に対して、避 難勧告を伝達する。

・避難対象区域及び災害種別に適 した避難所を開設する。

・避難に危険が伴う地域等では避 難誘導を実施する。

・住民から異常通報があった地域 危険区域への巡視を強化する。

【自助】

・避難が必要な住民は、避難所等に避 難を開始します。

【共助】

・隣近所への声かけなど、避難が円滑 に行えるよう、行政が行う避難誘導 に協力します。

避難指示

(緊急)

・前兆現象の発生や、現在の切 迫した状況から、人的被害の 発生する危険性が非常に高 いと判断された状況

・堤防の隣接地等、地域の特性 等から人的被害の発生する 危険性が非常に高いと判断 された状況

・人的被害の発生した状況

・対象区域及び世帯に対して、避 難指示を伝達する。

・対象区域及び災害種別に適した 避難所を開設する。

・避難に危険が伴う区域などでは 避難誘導を実施する。

・避難勧告等の発令後で避難中の住民 は、確実な避難行動を直ちに完了し ます。

・未だ避難していない対象住民は、直 ちに避難行動に移るとともに、その いとまがない場合は生命を守る最 低限の行動をとります。

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2 避難準備・高齢者等避難開始の発令

避難準備・高齢者等避難開始は、災害の種別に応じて、住民が自主的にかつ早期に身の安全を確保す る行動をとることを呼びかけるものであることから、時間帯や気象状況等を考慮し、災害の種別など を総合的に判断して発令するものとします。

3 避難勧告等の伝達

市は、避難勧告等の伝達に際して、災害の状況及び地域の実情に応じて防災行政無線や消防団、自主 防災組織などを効果的かつ確実な手段を複合的に活用し、避難対象地域の住民に迅速的確に伝達します。

4 指定緊急避難場所及び指定避難所の確保及び整備

⑴ 市は、災害種別に応じた指定緊急避難場所及び指定避難所(福祉避難所を含む)を指定し、日頃か ら住民等への周知徹底に努めます。

⑵ 市は、県有施設や民間施設等を指定緊急避難場所及び指定避難所として指定する場合は、協定等の 締結により、施設管理者との役割分担の明確化を図ります。

⑶ 市は、現在避難所等に4基の 100t型飲料水兼用耐震性貯水槽を整備していますが、今後も避難所 機能を向上させるため、避難所として備えるべき備蓄品等の整備に努めます。

⑷ 市は、大規模地震災害時において、市単独では避難場所の確保が困難となった場合や二次災害発生 の危険がある場合に、市町村域を超えた広域的な避難の支援ができるよう、県と協働して体制の整備 を図ります。

⑸ 市は、要配慮者の二次的避難のため、市内の福祉施設等と連携して避難場所の確保を図ります。

⑹ 市は、観光客、通勤、通学者等の帰宅困難者に対して、ホテルや民宿等の宿泊施設の一部を借り上 げるなどの連携を図ります。

⑺ 市は、し尿等については、仮設トイレの備蓄以外に市内の観光農園事業者が保有する仮設トイレを 活用できるように連携して確保を図ります。

⑻ 市は、避難所の適正な配置について検討します。

5 避難計画の策定

市は、地震災害時に安全かつ迅速に避難誘導が行えるよう、次の事項を内容とした避難計画の策定に 努めます。

⑴ 避難の勧告又は指示を行う基準

⑵ 避難の勧告又は指示の伝達方法

⑶ 避難地の名称、所在地、対象地区及び対象人口

⑷ 避難地への経路及び誘導方法

⑸ 避難地等の整備に関する事項 ア 収容施設

イ 情報伝達施設

⑹ 避難の心得、知識の普及啓発に関する事項

6 避難所の運営

市は、「三浦市避難所運営マニュアル」に基づき、自主防災組織等地域住民の代表、施設管理者及び市 職員で構成する避難所運営委員会を設置し、被災時の男女のニーズの違いや要配慮者等の多様な視点な どに十分配慮した避難所の円滑な運営を行います。

7 住民への周知

⑴ 市は、地震災害時に安全かつ迅速に避難が行えるよう、地域内の指定緊急避難場所、避難経路及び 避難指示方法について、あらかじめ住民に周知するとともに、早期の自主避難の重要性について説明 するよう努めます。

また、二次被害防止のため、避難する際のブレーカーの遮断、ガスの閉塞が確実に実施されるよう、

日頃から啓発するとともに、電気復旧の通電の際には地域における周知に努めます。

⑵ 市は、指定緊急避難場所を指定して誘導標識を設置する場合は、日本工業規格に基づく災害種別一