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第3章 災害時応急活動事前対策の充実

第6節 要配慮者等に対する対策

[現状]

○ 社会福祉施設の管理者は、定期的に防災訓練教育を実施するとともに、災害時に適切な行動がとれ るよう利用者及び施設の実態に応じた防災訓練を実施しています。

○ また、本市は、言語、生活習慣、防災意識の異なる外国人が災害発生時に迅速・的確な行動ができ るよう、避難場所、避難標識等の災害に関する情報の多言語化や外国語ボランティアの登録による支 援体制の確立に努めています。

○ 県は、津波予報区の相模湾・三浦半島に津波警報が発表された場合、該当する津波予報区沿岸地域 のNTTドコモの携帯電話に、津波警報の発表を一斉メール配信することとしており、これにより、

聴覚障害者も津波に関する緊急情報を確認できるようになっています。

[課題]

○ 社会福祉施設や病院・診療所における施設の耐震化や設備の安全性を確保する必要があります。

○ 市は、要配慮者のうち、避難について特に支援が必要な住民である「避難行動要支援者」の把握に 努め、生命又は身体を災害から守るために行う措置の基礎となる「避難行動要支援者名簿」を作成し ます。

○ 市は、効果的に避難誘導を実施するため、本計画で定める避難支援に携わる関係者である消防機関、

警察、民生委員・児童委員、区長会、自主防災組織、社会福祉協議会その他の避難支援等の実施に携 わる関係者(以下この章において「避難支援等関係者」という。)に対し、避難行動要支援者の同意 を得た上で、あらかじめ避難行動要支援者名簿の情報共有を行う必要があります。

○ 市は、地震災害等災害発生時の在宅の高齢者、障害者、妊産婦、難病患者、人工透析患者、児童、

乳幼児等の一時的保護及びケアを行うため、所在確認を行います。

また、市及び県は、緊密な連絡体制の確保と医療、保健福祉情報等の情報提供システムの整備、更 には社会福祉施設、病院、診療所等の機能の強化を図る必要があります。

○ 東日本大震災では、死傷者のうち約 65%が 60 歳以上であり、高齢者をはじめとした要配慮者等に 係る津波対策を進める必要があります。

また、本県においても、多くの帰宅困難者が発生し、保育園児等の保護者の所在が確認できなくな ったため、災害発生時における保育所における乳幼児の保護等について、対応を図る必要があります。

[取組の方向]

○ 市は、地震等災害発生時、避難誘導、救助等において、要配慮者の状況に配慮した適切な対応を行 います。

また、各種マニュアルの見直しについて検討します。

○ 市は、避難行動要支援者を適切に避難誘導し、安否確認を行うため、地域住民、自主防災組織等の 協力を得ながら、平常時より避難行動要支援者に関する情報の把握・共有、避難誘導体制の整備を図 ります。

○ 市は、高齢者、障害者等の生活を確保するため、社会福祉施設や県立特別支援学校等の活用、福祉 避難所の指定、病院、診療所、保健所等における高齢者、障害者等の支援システム、更には応急仮設 住宅の優先入居に努めます。

○ 市は、地震等災害発生時における外国人への広報や相談など支援体制を検討します。

[主な事業]

1 所在情報の把握

⑴ 市は、保育園や放課後児童クラブにおける児童の安全確保等のため、県と連携し情報交換を深めな がら、災害時の対応や保護者との情報共有の取組を促進します。

⑵ 保育施設の管理者は、災害時における保護者との連絡方法を定め、日常的に訓練を行うなどして、

双方の協力により、保護者及び乳幼児等の安否情報・所在情報を確実に把握できるように努めます。

2 避難誘導、搬送等

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市及び施設の管理者は、要配慮者の避難誘導、救助(搬送等を含む)について、自主防災組織、近隣 居住者等の協力を得て、迅速かつ安全に行えるよう努めます。

3 避難対策

⑴ 市は、避難所において高齢者、障害者等が安心して生活ができるよう支援体制の整備に努めます。

⑵ 市は、避難所の指定に当たっては、高齢者・障害者等が必要な生活支援を受けられるなど安心した 生活ができる体制を整備した避難所(福祉避難所)の指定に努めます。

⑶ 市は、設備・体制が整った高齢者福祉施設等を活用するため、あらかじめ施設管理者と災害時の対 応について協定書の締結を図ります。

⑷ 市は、高齢者、障害者等に配慮した構造、設備を整えた応急仮設住宅(福祉仮設住宅を含む)の設置 に努めるとともに、高齢者、障害者等が早期に入居し、安心して生活が送れるよう配慮します。

4 社会福祉施設等の対策

⑴ 社会福祉施設等の管理者は、地震等災害発生時に迅速・的確な対応を行うため、新たに津波浸水予 測図等を踏まえて作成された市の地域防災計画などを参考に、同施設における避難計画を作成すると ともに、防災組織を強化し、市との緊急連絡体制の確保や地域住民、自主防災組織等との連携に努め ます。

⑵ 社会福祉施設等の管理者は、施設の職員や利用者に対して、地震災害等に関する基礎的知識や災害 対応について、理解や関心を深めるため、防災教育を推進します。

⑶ 入所施設はもとより、保育所等の通所施設においても、保護者等による引き取りまでの間の通所児 童等の保護のために、市や県との連携のもと、災害発生時に必要となる備蓄や電源の確保等に努めま す。

5 医療体制の整備

市は、在宅の人工透析患者等の要配慮者への必要な治療体制の確保など、災害時における支援体制の 整備に努めます。

6 外国人への対応

⑴ 市は、言語、生活習慣、防災意識の異なる外国人を要配慮者として位置付け、災害発生時に迅速、

的確な行動ができるよう、防災対策の周知を図ります。

⑵ 市は、指定緊急避難場所及び指定避難所等の標識を設置する場合は、日本工業規格に基づく災害種 別に対応した避難場所であるかを明示し、標識の見方について、あらかじめ周知に努めます。

7 避難行動要支援者への対応

⑴ 避難行動要支援者名簿の作成及び避難支援等関係者との情報共有

ア 市は、避難行動要支援者の把握に努め、避難行動要支援者名簿を作成します。

イ 市は、効果的に避難誘導を実施するため、避難支援等関係者に対し、避難行動要支援者の同意を 得た上で、あらかじめ避難行動要支援者名簿の情報共有を行います。

⑵ 避難行動要支援者名簿に掲載する者の範囲

避難行動要支援者名簿に掲載する者の範囲は、次のとおりとします。

ア 1級又は2級の身体障害者手帳を所持している者 イ A判定の療育手帳を所持している者

ウ 1級の精神障害者保健福祉手帳を所持している者 エ 要介護3級以上の認定を受けている者

オ その他の支援を必要としている者で市長が認める者

⑶ 避難行動要支援者名簿作成に必要な個人情報及びその入手方法

ア 避難行動要支援者名簿には、氏名、生年月日、性別、住所又は居所、電話番号その他の連絡先、

避難支援等を必要とする理由、その他避難支援等の実施に関し必要な事項を記載します。

イ 市は災害対策基本法第 49 条の 10 第1項、第3項、第4項及び三浦市個人情報保護条例第9条第

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2号に基づき、市の関係部局及び県知事その他の者が保有する個人情報を収集し、集約します。

⑷ 避難行動要支援者名簿の更新

市は、避難行動要支援者の支援をきたさないよう、名簿の更新作業を定期的に行います。

⑸ 避難行動要支援者名簿の提供に際し情報漏えいを防止するために市が求める措置及び市が講ずる措 置

ア 市は、避難支援等関係者に対して、提供した避難行動要支援者名簿に登録している情報について、

避難行動要支援者の支援に関係ない者に漏らすことのないよう求めることとします。また、支援す る役割を離れた後も同様とします。

イ 市は、提供された全ての個人情報について、適切かつ厳重に管理し、避難行動要支援の目的のみ で使用します。

ウ 市は、避難行動要支援者名簿の提供に際しては、避難支援等関係者が適正な情報管理を図れるよ う、避難支援等関係者に対して必要な説明及び指導を行います。

⑹ 避難行動要支援者に対する避難支援

市は、避難行動要支援者の避難支援について、「三浦市避難行動要支援者支援マニュアル」に基づ き、避難支援等関係者及び地域住民等との連携強化に努めます。

⑺ マニュアルの整備及び修正

市は、避難行動要支援者の避難支援について、「三浦市避難行動要支援者支援マニュアル」を定める とともに、適宜見直しを行い、支援体制等の整備に努めます。