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第6章 東海地震に関する事前対策

第4節 予防対策

本節では、警戒宣言発令時等の対策を円滑に行うための地震防災応急計画の作成及び地震予知や警戒宣 言等に関する正確な知識の普及について定めています。

なお、その他東海地震の事前対策については、第2章及び第3章に基づいて実施します。

1 地震防災応急計画の作成

⑴ 事業所等の計画作成の基本方針

本市域は、地震防災対策強化地域外ですが、事業所等にあっても、防災計画等(消防計画、予防規 程及びその他の規程を含む。)において、東海地震注意情報及び東海地震予知情報が発表された場合 あるいは警戒宣言が発せられた場合の対応措置についてあらかじめ定めます。

⑵ 計画作成の前提となる条件

計画作成の前提として基本的に考慮すべき条件は、概ね次のとおりとしますが、事業所等にとって 最も厳しい条件を想定して計画をするよう指導するものとします。

ア 警戒宣言は、「2、3日以内に発生するおそれ」又は「数時間以内に発生するおそれ」を予想し て発令されます。

イ 予想される地震の震源域は、「駿河湾内」、規模は「マグニチュード8程度」、予想される本市 の震度は「5強」程度です。

ウ 警戒宣言が発せられた場合の予想される社会的条件等 (ア) 電気、都市ガス、水道は供給継続

(イ) 強化地域内では、原則として鉄道等の運行はストップします。

強化地域外では、原則として鉄道等は運行されますが、平常のダイヤ等は確保されないことも 予想されます。

(ウ) 電話は通じなくなることが予想されます。

(エ) 主要道路等は、必要な規制が行われ車両の走行確保が図られますが、大渋滞することが予想さ れます。

(オ) スーパーマーケット等では、一時店を閉めることが予想されます。

⑶ 事業所等における基本的な対応

警戒宣言が発せられた場合、各事業所等は、地震災害の未然防止、不特定多数の顧客等民心の混乱 を防止するため、次の基本的な対応措置をとるよう指導するものとします。

ア 不特定多数の者を収容する施設の対策

(ア) 集会場等不特定多数の者を収容する施設は、原則として営業の自粛

(イ) 物品販売店舗で営業を自粛する場合、食糧品等の生活必需品を取扱う店舗は、できる限り営業 を継続

(ウ) 保育園、社会福祉施設は、原則として休園とする。ただし、収容施設における収容者は継続保 護

(エ) 飲食店等火気を使用する店舗は、出火防止のための措置を取るか又は営業の自粛 イ 危険物製造所、貯蔵所、取扱所等の対策

(ア) 危険物を製造し、貯蔵し、取扱う施設は、従業員に警戒体制をとらせ、操業又は営業の自粛 (イ) 核燃料物質等、毒物、劇物及び危険物等の運搬は、原則として中止

ウ 事業所等の従業員対策

事業所等においては、応急対策に必要な保安措置後、できるだけ通常の勤務体制を原則とします。

やむを得ず従業員を帰宅させる場合は、帰宅経路の状況等を確認したうえ、時差退社等により交通 混乱の防止を図ります。

⑷ 計画の基本となるべき事項

地震防災応急計画に定めるべき事項、計画に明示すべき事項及び計画の作成に当たって留意すべき 事項は、別に定めます。

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2 東海地震に関連する情報に関する知識の普及

警戒宣言発令時における地震防災応急対策の円滑な実施を図るため、市はもとより防災関係機関、事 業所、自主防災組織等それぞれの役割に応じた活動主体として、警戒宣言発令という事態を正しく理解 し、予知情報等が出された場合の対応を習熟するよう平常時から心がける必要があります。このため、

市は、防災関係機関、事業所、自主防災組織等と協力し、地震防災上必要な広報及び教育を推進するも のとします。

⑴ 市職員に対する教育 ア 教育の方法

(ア) 研修会等

すべての市職員に対し、研修会、講習会、講演会等あらゆる機会をとらえて、防災に関する知 識の普及に努めるものとします。

(イ) 職場における教育

それぞれの職場において、警戒宣言発令時における適時、適切な行動がとれるよう、日頃から、

一般的、共通的な防災知識の教育を行うとともに、それぞれ職員が果たす役割、職場の役割等に ついての教育を実施します。

イ 教育内容

教育の内容は、次の事項を基本として実施するものとします。

(ア) 警戒宣言の性格及びこれに基づきとられる措置と内容 (イ) 予想される地震及び津波に関する知識

(ウ) 警戒宣言が発令された場合及び地震が発生した場合にとるべき具体的行動に関する知識 (エ) 職員等が果たすべき役割

⑵ 市民等に対する知識の普及

市は、東海地震の切迫性や東海地震に係る防災意識の普及、啓発に努めるとともに、警戒宣言が発 せられた場合等に市民等が的確な判断に基づいて行動できるよう、第3章第 17 節に規定するもののほ か、以下の知識の普及に努めます。

ア 普及・啓発の方法

(ア) 地域住民の自主防災組織活動に対する指導、助言 (イ) 市民集会等の開催

(ウ) 自主防災組織の育成、指導 (エ) 新聞等各種広報媒体の活用 イ 普及・啓発の内容

(ア) 大地震に基づく警戒宣言の性格及び措置 (イ) 予想される東海地震と被害の想定に関する知識 (ウ) 警戒宣言、東海地震予知情報等正確な情報の入手方法

(エ) 警戒宣言、東海地震予知情報等が出された場合及び地震が発生した場合の出火防止、自動車運 行の自粛及び注意事項等防災上とるべき行動

(オ) 生活必需品の備蓄、落下物の防止、家屋、付属施設の補強、家具、危険物の転倒防止、出火防 止措置

(カ) 市及び防災関係機関等が行う地震防災応急対策等

⑶ 児童・生徒等に対する教育等

市、教育委員会及び学校等は、警戒宣言発令に伴う、児童・生徒等の帰宅、保護等の措置をはじめ、

地震防災応急対策及び災害時の応急活動対策に係る事項について、関係職員及び児童・生徒等に地震 防災教育を実施するとともに、保護者に対する周知を図るものとします。なお、学校等は、校内で実 施する防災訓練において、警戒宣言発令に伴う具体的な行動を組み入れる等防災教育の徹底に努める ものとします。

⑷ 自動車運転者等に対する広報

自動車の運転者及び管理者に対し、警戒宣言発令時及び地震発生時における自動車の運行等の措置 について、機会をとらえて広報の徹底を図るものとします。

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⑸ 警戒宣言発令時における市民等の行動指針

警戒宣言が発せられた場合、また地震発生後の被害を最小限にくい止めるため、平常時から的確な 行動がとられるよう努めるとともに、その重要性を認識し、状況に応じた対応がとられるよう努める ものとします。

ア 市民の心得

(ア) 正しい情報をつかむ。

テレビやラジオのスイッチは常に入れておく。また市役所、消防、警察などからの情報には絶 えず注意する。

(イ) 火はできるだけ自粛する。

地震による二次災害の火災を防止するために、できるだけ火は使わないようにする。

(ウ) 家庭内の転倒、落下物の防止

家具類は転倒しないよう固定し、高いところにある物はおろして整理しておく。

(エ) 家庭内の危険物の整理

灯油、ベンジン、食用油など燃えやすいものには、安全な容器に移し火元から離しておく。

(オ) 消火器等の準備

万一、火が出てもすぐ消せるよう、消火器やバケツを用意しておき、消火器はすぐ使えるか確 かめておく。

(カ) 身軽で安全な服装

作業にも便利で、最悪な場合はそのまま逃げられる服装に着替え、ずきんやヘルメットをつけ る。

(キ) 非常持出し品の確認

水、食糧、ラジオ、懐中電灯、医薬品など非常持出し品がそろっているか確かめておく。あわ てて買いに走っても手に入るとは限らないので、日頃から最低3日分、推奨一週間分は用意して おくよう心がける。

(ク) 緊急貯水の実施

バケツ、風呂桶等に飲料水、消火用水として自家用緊急貯水を確保する。

(ケ) 避難場所の確認

避難場所や避難経路を確かめておく。

(コ) 家庭の防災会議

警戒宣言が発せられたときは、家庭にいる人でそれぞれ分担と手順を決めてすぐ行動に移す。

(サ) 隣近所で助け合う。

いざというときに、みんなで助け合い、初期消火や避難ができるようにお互いに連絡をとって おく。

(シ) 自動車、電話の使用は自粛する。

警戒宣言が出たら車の使用は自粛し、避難のときは使わない。また、みんなが一斉に電話をす ると、結局だれもかからないこととなり、あわてて電話をしないですむように、普段から話し合 っておく。

3 防災訓練の実施

⑴ 総合防災訓練

市及び防災関係機関は、「東海地震対策」の習熟と防災体制の強化を図るため、地域住民の参加を 含めた総合防災訓練を少なくとも年 1 回以上実施するものとします。

なお、この訓練は、警戒宣言、東海地震予知情報等の受伝達、本部の運営等各種地震防災応急対策 の実施に係る内容を組み合せ、一体的に実施するよう努めるものとします。

⑵ 個別防災訓練 ア 通信訓練

警戒宣言、東海地震予知情報等をはじめとする各種情報の受伝達を迅速かつ正確に行うため、通 信情報訓練を実施します。

イ 動員・参集訓練

夜間、休日等における職員の動員・参集行動が迅速に行えるよう、動員参集訓練を実施します。