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第4章 災害時の応急活動対策

第5節 保健衛生、防疫、遺体の処理等に関する活動

市は、被災者の健康保持のため、必要な行動を行うとともに、地域の衛生状態にも十分配慮します。

1 保健衛生

⑴ 市は、被災地、特に避難所においては、生活環境の激変に伴い、被災者が心身の健康に不調を来す 可能性が高いため、常に良好な衛生状態を保つように努めます。また、必要に応じて健康相談等を行 い、エコノミークラス症候群等への対応を周知するとともに、救護所等の設置やこころのケアを含め た対策を行います。

⑵ 市は、避難所の生活環境を確保するため、必要に応じて仮設トイレを早期に設置するとともに、被 災地の衛生状態の保持のため、清掃、し尿処理、生活ごみの収集処理等についても必要な措置を講じ ます。また、入浴可能な公衆浴場等について情報提供に努めます。

⑶ 市は、地震災害による被災者のこころのケアを行うために、かながわDPATや医療、保健及び福 祉関係者等の協力を得て、時期や状況に応じた必要な措置を講じます。また、被災者のみならず災害 救援スタッフのメンタルヘルスの維持に努めます。

2 防疫対策

⑴ 災害に伴う家屋及びその周辺の清掃は各個人が行うことを原則とし、市長は、被災地の状況に応じ て的確な指導あるいは指示を行います。

⑵ 市は、感染症が発生した場合には、必要に応じ、発生場所及びその周辺の消毒を実施します。

⑶ 県は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成 10 年法律第 114 号。以下「感 染症法」という。)第 6 条に規定された感染症について、一類感染症(ペスト等)、ニ類感染症(急性灰 白髄炎等)又は新型インフルエンザ等感染症のまん延を防止するため必要があるときは、当該患者を感 染症指定医療機関等に入院させるべきことを勧告等するとともに患者を医療機関に移送します。また、

三類感染症(コレラ、細菌性赤痢等)のまん延を防止するため必要があるときは、当該患者及び無症状 病原体保有者に対し就業制限を命じるほか、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由の ある者に対し、医師の健康診断の受診について勧告等を実施します。

⑷ 市は、県の指示に基づき次の防疫対策を実施します。

ア 感染症予防上必要と認めた場合の清掃及び消毒 イ ねずみ族、昆虫の駆除

ウ 予防接種の実施

⑸ 市は、災害に即応した防疫対策に基づき、鎌倉保健福祉事務所三崎センターと密接な連絡を取り、

実情に即した防疫活動の推進を図ります。

鎌倉保健福祉事務所三崎センターは、被災地等において積極的疫学調査を行い、その結果必要があ れば健康診断を行います。

○防疫実施の方法 1 防疫体制の確立

市は、被災地域又は被災状況等を迅速に把握するとともに、関係機関と密接に連携して対処方針を定 めて、防疫体制の具体的な確立を図ります。

2 治療勧告及び消毒

県は、感染症患者が発生した場合には、感染症法に基づき、必要に応じ当該患者に対して感染症指定 医療機関において治療するよう勧告し、市は県からの指示により感染症発生場所及びその周辺地区等の 消毒を実施します。

3 感染症発生状況及び防疫活動の周知

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感染症が発生した場合、市は、その発生状況及びその防疫活動等につき速やかに広報活動を実施しま す。

4 清潔方法及び消毒方法の指示

市は、感染症予防上必要と認められた場合、県から清潔方法及び消毒方法の指示を受けます。

⑴ 清潔方法

ア 市は、清潔方法の実施に当たっては、管内における道路溝渠、公園等公共の場所を中心に行いま す。

イ 災害に伴う家屋及びその周辺の清掃は、各個人が行うことを原則とし、被災地の状況に応じ、市 長は的確な指導あるいは指示を行います。

ウ 市は、収集したごみ、汚泥、その他の汚物を焼却埋没等衛生的に適切な処分をします。この場合、

できる限りし尿浄化槽又は下水道終末処理場の処理施設を利用する等の方法により、不衛生になら ないようにします。

⑵ 消毒方法

ア 市は、消毒方法の実施に当たっては、法令の定めるところに従って行います。

イ 消毒の実施に当たっては、速やかに消毒薬剤等の手持量を確認のうえ、不足分を補い便宜の場所 に配置します。

5 ねずみ族、昆虫の駆除

⑴ 市は、県により必要と認められた場合には、法令の定めるところにより、ねずみ族、昆虫の駆除に ついて県の指示を受けます。

⑵ 市は、ねずみ族、昆虫の駆除の実施に当たっては、器材及び薬剤の現状確認を速やかに行うととも に、不足器材等の調達に万全を図ります。

6 予防接種の実施

⑴ 市は、県の指示に従い予防接種法(昭和 23 年法律第 68 号)第6条の規定による臨時の予防接種を 実施します。

⑵ 市は、県の指示に従い臨時の予防接種を実施する場合は、ワクチンの確保などを迅速に行い、時機 を失しないように措置します。

3 遺体対策等

市は、遺体対策については、適切な対応を取るため、神奈川県広域火葬計画に定める「遺体の取扱い に対する心得及び遺体適正処理ガイドライン」に沿った枢の調達、遺体の搬送の手配、遺体の保存のた めに必要な物資の調達等を実施するとともに、その衛生状態に配慮します。

また、必要に応じて、神奈川県広域火葬計画に沿って県内及び県外の市町村の協力を得て、広域的な 火葬の実施に努めます。県は、これらが円滑に遂行できるよう協力します。

○遺体対策の方法 1 遺体等の捜索

⑴ 対象者

地震災害により行方不明の状態にあり、かつ、周囲の状況から既に死亡していると推定される者を 対象とする。

⑵ 検索の方法

消防機関は、地震により行方不明者があるときは、人員及び捜索機器を確保し、その捜索にあたり ます。

また、遺体等の捜索は、警察と連携をとり、状況により自衛隊、海上保安庁、自主防災組織、市民 の協力を得て実施します。

⑶ 捜索の期間

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遺体等の捜索の期間は、災害の規模、罹災地域の状況、経過期間等諸般の事情を考慮したうえで、

市長と県知事が協議して定めます。

なお、災害救助法が適用された場合にあっては、原則として災害発生の日から 10 日以内に行います。

2 広報

市及び三崎警察署は、災害現場から遺体を発見した者が、直ちに三崎警察署又は直近の警察官にその 旨を通報するよう広報を徹底します。

3 通報

市は、遺体を取扱った場合には三崎警察署に通報します。

4 検視、調査等

三崎警察署は、遺体の検視、調査等を行います。

5 検案

遺体の検案は、監察医、法医学専門医、警察協力医、医療救護班又は応援協力により出動した医師が 行います。なお、検案後、市は必要に応じて遺体の洗浄、縫合、消毒等の処置を行います。

6 遺体の収容

⑴ 遺体安置所の開設

市は、三崎警察署と協議し、あらかじめ適当と認められる公共施設のうち、遺体の検視、検案及び 遺族などへの引き渡し等、実施のための施設を選定のうえ、遺体収容・安置施設として指定し、災害 時には直ちに開設します。市は、捜索により収容された遺体を遺体収容・安置施設へ搬送します。

なお、大規模な災害による多数の遺体の収容施設として、三浦市勤労市民センターを指定していま す。

⑵ 遺体の収容

ア 収容された遺体及び所持品等を写真撮影するとともに、人相、所持品着衣、特徴等を記録し、遺 留品を保存します。

イ 家族などから遺体の引取りの希望があった場合には、死体処理台帳(第6号様式)によって整理 のうえ引き渡します。

7 身元確認、身元引受人の発見

市は、三崎警察署、横須賀市歯科医師会三浦班及び区長会等の協力を得て、遺体の身元確認と身元引 受人の発見に努めます。

8 遺体の引渡し

三崎警察署は、検視、調査等及び医師による検案が終了し、身元が明らかになった遺体を遺族又は関 係者に引渡し、身元が確認できない遺体を市に引渡します。

この際、市と三崎警察署は遺体の引渡し作業を協力して行います。

9 遺体の埋葬

⑴ 遺体の埋火葬

ア 遺体の引取人がいない場合、又は引取人があっても、地震災害による混乱のため遺体の処理がで き得ないときは、市長が埋葬台帳(第 7 号様式)を作成のうえ市営火葬場へ搬送し実施します。

また、被災状況により火葬場能力を超えた場合は、広域応援体制に基づき他市町の火葬応援を要請 し、対応します。

イ 遺骨及び遺留品については、所定の保管所へ一時保管します。

ウ 家族その他遺骨及び遺留品の引取りを希望するものがある場合、整理のうえ引き渡します。

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10 身元不明遺体の処理

市は、身元の確認ができず警察から引き渡された遺体については、「墓地、埋葬等に関する法律」及び

「行旅病人及び行旅死亡人取扱法」に基づき埋葬又は火葬を行います。