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適用した構造計算の種類と建築物の計画との照合

第2章 「確認審査に関する指針」告示の解説

1. 適用した構造計算の種類と建築物の計画との照合

(1) 構造計算の種類に応じた建築物の構造又は規模の適用審査

① 時刻歴応答解析等(令第81条第1項)

以下の建築物は、建築確認申請受理時に国土交通大臣の認定書の写し及び別添図書が添付されて いることを確認する。

• 法第20条第一号の高さが60mを超える建築物

• 構造計算に時刻歴応答解析等を用いた建築物

• 特殊な材料、構造方法を用いて、構造計算に時刻歴応答解析等を用いた建築物

② 保有水平耐力計算(令第1款の2)

• 規模、構造種別に関わらずに、保有水平耐力計算を用いて構造計算が行われた場合

• 令第80条の2に定める告示の構造方法において、保有水平耐力計算を行った場合

• 増築等の行為により既存遡及を受ける建築物において、平 17国交告第 566 号の許容応力度等 計算を行った場合

③ 限界耐力計算(令第1款の3)

• 規模、構造種別に関わらずに、限界耐力計算を用いて構造計算が行われた場合

• 令第80条の2に定める告示の構造方法において、限界耐力計算を行った場合

• 平17国交告第631号「エネルギー釣合いに基づく耐震計算等の構造計算を定める件」

• 平12建告第2009号「免震建築物の構造方法に関する安全上必要な技術基準を定める件」

④ 許容応力度等計算(令第1款の4)

• ①、②、③以外で、許容応力度等計算が用いられた場合

• 令第80条の2に定める告示の構造方法

• ①、②、③以外で、令第80条の3に定める土砂災害特別警戒区域内の建築物

⑤ 許容応力度計算(法第20条第三号)

• ①、②、③、④以外で、許容応力度計算が用いられた場合

• 令第80条の2に定める告示の構造方法

• ①、②、③、④以外で、令第80条の3に定める土砂災害特別警戒区域内の建築物

(2) 法第6条第1項四号において、許容応力度計算を行う場合(昭62建告第1899号等)には、施行

規則により、構造図及び構造計算書の添付が必要となり、当該審査期間に審査を行わなければならな い。

(3) 「構造計算の安全証明書の写し」の記載事項との整合確認

「構造計算の安全証明書の写し」の記載事項と当該申請の計画を照合し、適正に安全証明書が発 行されたことを確認する。

(4) 適用審査を行う上での留意事項

① 構造計算の種類に応じて、「技術基準解説書」の耐震計算ルート表と当該申請の計画を照合し、

必要な計算が実施されていることを確認する。

② 法令及び確認申請書の記載、当該申請の計画を照合し、構造計算適合性判定の要否を確認する。

2. 構造計算の種類に応じた審査

(1) 法第20条第一号(大臣認定物件)の審査

① 超高層建築物などに適用される構造計算(時刻歴応答解析)については、以下の審査を行うこと とする。

② 審査の留意事項 イ 確認申請時

• 超高層建築物等の大臣認定は、構造計算で安全が確認されたものとして確定した「構造方法」

を認定するものであり、耐久性等関係規定である仕様及び構造計算によって設計者が採用した 仕様が認定の対象となる。このため、構造方法認定の判断資料としての構造計算書は確認申請 図書から除かれている。したがって、確認の審査は、「認定書の写し」と「確認申請書及びその 添付図書(構造計算書を除く。)一式」とを照合することにより行う。

• 平成19年5月18日公布された改正告示によると、令第3章第1節から第7節の2までの仕

様規定と異なる仕様を採用した場合は、加力試験又は検証によって安全が確認されていること が必要である。確認添付図書によって政令の仕様規定と異なる部分がある場合は、大臣認定書 の写しと照合して別途の検証がなされていることを確認する。

• 認定書の写しには、建築物概要及び構造概要並びに構造説明図(標準図、伏図、軸組図、部 材断面表、配筋詳細図等)による認定書別添が含まれる。

これらの図書と確認申請書に添付されている意匠図、設備図、構造図等とを照合し、記載内 容が一致していることを確認する。一致していない場合は、次のa又はbのいずれかの理由に よるものと考えられる。

a 大臣認定以後の建築計画の変更による不一致

b 確認申請書及びその添付図書の記載の大臣認定書との不整合

• aの場合は、原則として、性能評価の計画変更(大臣認定の取り直し)の手続きを求める。

• bの場合は、図書の不整合として「不適合」とするか又は軽微な場合は、一部修正を認める。

ロ 計画変更時

構造方法に関する計画変更は、上記と同様、建築主事等が適否を判断することはできないため、

性能評価の計画変更(大臣認定の取り直し)の手続きを求める。

ハ 大臣認定を取得した建築物の確認審査時の変更等について

• 現行の大臣認定制度においては計画変更の申請手続きが無いため、法令上はスラブ、小梁等 の二次部材における軽微な変更であっても性能評価及び大臣認定の変更申請等を行うことが原 則となる。また、当該大臣認定物件の建築主事等の確認審査においては、施行規則により認定 書及び別添のみの添付が義務付けられていることから、構造計算書の内容を審査することはで きず、確認申請後の意匠図における室用途の変更や非構造部材の変更に伴う構造計算への影響 等を判断することができない。

(2) 法第20条第二号(構造計算適合性判定を要する申請)の審査

① 構造計算適合性判定の範囲

法第6条第5項では、「構造計算適合性判定(第20条第二号イ又は第三号イの構造計算が・・に より適正に行われたもの)を求めなければならない。」と規定されている。よって、構造計算適合 性判定は、構造計算に関わる事項・申請において判定を求めることとなる。

また、法令上、建築主事等はすべての審査を行い、“構造計算について”構造計算適合性判定を 求めること規定されている(つまり、構造計算についてはダブルチェック)。この場合、工学的な 判断を要する部分については、構造計算適合性判定に判定を委ねた上で建築主事等が最終的に全体 の法適合性の判断を行う。

構造計算についての適合性判定を行うためには、構造計算の与条件である荷重・外力の妥当性、

モデルの妥当性、入力値の妥当性などについて確認しておく必要がある。これは、大臣認定プログ ラムの場合も例外ではない。このため、構造図や場合によっては意匠図・設備図との照合も必要と なる。

また、法令上は、構造耐力上主要な部分の部材及び接合部については構造計算を行わなければな らないが、配筋や接合方法等の標準仕様書や学会規準等により仕様化されたものについては構造計 算が省略されて用いられている(工学的な妥当性に基づき、構造計算の省略)。これは構造計算に 代わって構造図によって安全性の検証が位置づけられたものであり、これらの部分については、構 造図も構造計算適合性判定が審査を行う必要がある。

よって構造計算適合性判定は、構造図及び構造計算書を対象に判定を行う。

② 構造計算適合性判定を求める前に審査すべき事項 イ 構造計算書、構造図その他確認申請書の整合審査

構造計算書と構造図その他確認申請書との整合審査において不整合が確認され、明らかに建築 基準関係規定に適合しないものと判断できる場合を除き、提出された図書のみでは建築基準関係 規定に適合しているかどうかを判断できない場合には追加説明書等を求めて法適合性を判断する (適合するかどうかを決定することができない旨の通知)。この法適合性の判断においては、法令 等及び「技術基準解説書」によることを原則とする。また不整合において工学的な判断を要する 場合には、構造計算適合性判定への留意事項にその旨を具体的に記載し判定を受けるものとする。

判定の対象 意匠図・設

備図 参照 構 造 計

算書 構造図 審査すべき事項

建築主事等の判定前の審査

・図書の整合審査

・審査すべき事項の審査

・判定すべき事項のチェック(留意事項)

判定すべき事項

【構造計算適合性判定の判定】

・判定すべき事項の審査

・工学的な判断の判定

事前審査終了→構造計算適合性判定機関 への申し送り(留意事項の説明の記載)

建築主事が構造計算について法令の規定について判断を行う部分(全て)

判定結果(適合/不適合)

建築主事等の判定後の審査(判定結果を受 けた主事の最終審査)

仕様規定・耐久性関係規定については建築主事等が審査を行い、施行規則に規定する添付図書 及び明示すべき事項が当該確認申請に不足無く添付及び明示されていることを確認する。

ハ 別表による構造計算書の審査 i 審査すべき事項

建築主事等は、高度な工学的判断を要することのない範囲において、法令等に定める技術基 準への適合性を審査する。

• 図書・記載内容の相互の整合性、法適合性

• 構造計算に用いる各種数値等

• 図面と構造計算書上の扱い一致、法令基準適合の確認

• 解析・算定式等(法第20条第三号で大臣認定プログラム以外の場合)

• 演算過程、結果の適正(法第20条第三号で大臣認定プログラム以外の場合)

• 計算結果の法適合性の確認 ii 判定すべき事項

指定構造計算適合性判定機関は、当該機関の判定員に構造設計の専門家としての知識や経験 に基づいて、次のような事項について高度な工学的判断を含む構造計算の適合性の判定を行わ せるとともに、機関として適合性の判定を行う。

• 工学的な判断が伴う各種数値等の設定

• 工学的な判断が伴うモデル化

• 解析・算定式等(大臣認定プログラムを用いた場合、法第20条第二号)

• 演算過程、結果の適正(大臣認定プログラムを用いた場合、法第20条第二号)

• 再計算(演算過程、結果の適正)