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施工の関係上やむを得ず発生する可能性の高い変更事項への対応方法があらかじめ検討されて

第4章 その他の運用等

2. 施工の関係上やむを得ず発生する可能性の高い変更事項への対応方法があらかじめ検討されて

(1) 建築確認申請時の扱い

① 本取扱いによる場合には、確認申請時に施行規則に定める添付図書及び明示すべき事項に従い、

構造計算概要書の設計方針にその旨を記載し、かつ当該あらかじめの検討に関わる構造図及び構造 計算書を添付する。

② 「施工上やむを得ず発生する可能性の高い変更」に該当するかどうか、及び事前の検討方法が適 切であるかどうかについては、(3)及び(4)を参考に判断を行う。

建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律等の施行について(技術 的助言)抜粋

(施行の関係上やむを得ず発生する可能性の高い変更等)

当初の確認申請の図書及び書類について

① 施工の関係上やむを得ず発生する可能性の高い変更事項への対応方法があらかじめ検討され ている場合(例えば、施工時にくい基礎に一定の範囲内でずれが生じても構造耐力上支障がない ことがあらかじめ確かめられている場合又はこの範囲を超えてずれが生じたときに必要な補強 方法があらかじめ検討されている場合等)

② 基準法第68条の26の規定に基づく構造方法等の認定を受けた材料や工法(鉄骨材料や基礎杭 等)を当該構造方法等の認定を受けた他の同一仕様のものに変更する場合

にあっては、確認審査及び構造計算適合性判定において、当該変更の内容を含めて審査し、確認済 証を交付することができる。

この場合において、当該変更内容の範囲内で施工が行われている限り、当該事項に係る計画変更 確認の手続きは要せず、当該事項以外の計画変更の申請等の適切な機会に当該事項に係る対応結果 について報告を受けるものとする。

なお、中間検査の申請時までに、当該報告を受けていない場合にあっては、中間検査申請書の第 四面の備考欄への記載又は別紙の添付により、当該報告を受けるものとする。

(2) 確認済証交付後の報告方法

① 以下のいずれかのできるかぎり早い時期に報告を行う。

イ 当該施工後の後続工程工事前(例えば、杭のくい芯ずれを考慮した設計においては、当該杭の 基礎梁の配筋前)

ロ 当該事項以外の計画変更確認申請時 ハ 中間検査時

ニ 完了検査時(中間検査の指定が無い場合又は中間検査以降に当該部分の施工を行う場合)

② 中間検査(中間検査がない場合には、完了検査)の申請時までに、当該報告を受けていない場合 にあっては、中間検査申請書(完了検査申請書)の第四面の備考欄への記載又は別紙の添付により、

当該報告を受けるものとする。

③ 本報告については、安全証明書の交付は要しない。

(3) 「あらかじめの検討」に該当する事例

① くい芯ずれを考慮した検討 : (4)に検討方法の例を添付

② くいの長さの変更を見込んだ検討 : (5)に検討方法の例を添付

③ 小ばり位置の変更を見込んだ大ばりの検討 : (6)に検討方法の例を添付

④ 大きさの変更を見込んだスラブの検討 : (7)に検討方法の例を添付

⑤ はり貫通孔の大きさと位置の変更を見込んだ検討 : 3. ①に検討方法の例を添付

⑥ 壁開口の位置の変更を見込んだ検討 : 3. ②に検討方法の例を添付

⑦ スラブの開口及び段差の変更を見込んだ検討 : 3. ③に検討方法の例を添付 (4) くい芯ずれを考慮した検討方法の例

以下の方針に従い確認申請図書及び確認済証交付後の結果報告を行う。

① 確認申請時

構造計算方針として、③のイ・ロ又はイ・ハを確認申請図書の構造計算概要書等に記載し、④の 計算例(構造計算書)のように具体的な計算方法の例示を構造計算書の一部としてで添付する。合 わせて、⑤の構造図に対応方法があらかじめ検討されている旨と配筋方法等を記載する。

② 確認済証交付後の結果報告

確認済証交付後に当該変更となった報告が必要となった場合には、⑥の報告書にホの計算例に従 い、変更となったくい芯ずれ量による各杭の検討結果説明書及び構造図(偏心量及び補強筋を記載 した図面)を添付する。

③ 構造計算方針の記載例 イ 検討方針

本設計ではあらかじめ 100 ㎜までのくいの芯ずれを見込んでおり、それ以上のくい芯のずれ が生じた場合には、柱断面に対して基礎ばりの剛性が十分に大きいことから、柱・杭間の基礎ば りのせん断力検討は行わず、基礎ばりのみで偏心による応力を負担できるものと考え、それぞれ のくいの偏心により基礎ばりに生じる最大の応力を検討して必要な補強を行う。

本検討は、以下の適用条件を前提としており、これらがすべて満足されることを確認している

1

1 断面やせん断応力度に余裕がない場合や、基礎ばりの剛性が小さい場合には、各くいの偏心応力を基 礎ばりにおいて考慮し、詳細な応力検討を行う必要がある。また、2方向の芯ずれが生じ、くい頭のフ

i 基礎ばりの剛性が十分に大きい(柱に対する基礎ばりの剛比が5倍以上)。

ii 偏心距離が300mm以下であり、かつ、くい頭のフーチングと上部の柱の水平投影面同士が

概ね重なっている。

iii 上部構造のメカニズム時に、基礎ばりにヒンジが生じない。

iv 上部構造のメカニズム時に、浮き上がりを考慮しない。

v はり幅(B)及びはりせい(D)が変わらないこと。

vi 基礎ぐいの断面等の変更がない。

ロ 検討方法12 i 応力計算

基礎ばりの剛比が柱の5倍以上であることを確認する。くいの芯ずれによる基礎ばりの応力 は、長期軸力、地震時軸力に対して、それぞれ以下の方法により求める。くいの軸力をP、偏 心距離をeとすると、偏心により基礎ばりに生じる曲げモーメントは、節点に偏心による曲げ モーメントが作用し、左右の基礎ばりの剛比に応じて釣合う曲げモーメントが配分されると仮 定する。

せん断力は部材端部の曲げモーメントにより決定される。ずれの距離は X 方向、Y 方向そ れぞれに求めるものとし、1本の柱下にくいが複数本ある場合には、くいの図心と柱心とのず れの距離を用いる。

e P L

2MPL

1PL

M=P e

M

MPL

MPL=M×k1/(k1+k2

2PL

L1 L2

1PL= MPL / L1 2PL= 2MPL / L2

k1 (k2

2MPL=M×k2/(k1+k2

ii 断面算定

くいと柱の芯ずれがない場合には、基礎ばりの断面算定は長期応力、地震時応力、くいと柱 の芯ずれに起因する偏芯曲げモーメントによる応力の3種類を組合わせて行う。芯ずれが生じ た時は上記の方法により応力をもとめ、下記の応力の組合わせにより断面算定を行う。

2本来の応力状態は検討方法2の方が厳密な方法に近いと思われるが、くい径に比して、くいと柱の芯ず

長期設計用応力:L+PL

短期設計用応力:L+E+PM+PS ハ 検討方法2

i 応力計算

くいの芯ずれによる基礎ばりの応力は、長期軸力、地震時軸力に対して、それぞれ以下の方 法により求める。くい位置を支点とした基礎梁の解析モデルを用い、くいの実際の位置に軸力 Pを上向きに作用させて基礎梁の応力を求める。ずれの距離はX方向、Y方向それぞれに求め るものとし、1本の柱下にくいが複数本ある場合には、くいの図心と柱心とのずれの距離を用 いる。

e P L

2MPL

1PL

M=P e

M

MPL 2PL

L1 L2

ii 断面算定

芯ずれがない場合には、基礎梁の断面算定は長期応力、地震時応力、くい曲げによる応力の 3種類を組合わせて行なう。芯ずれが生じた時は上記の方法により応力をもとめ、下記の応力 組合わせにより断面算定を行う。

長期応力(L)

地震時応力(E)

杭芯ずれ長期応力(PL

杭芯ずれ短期応力(PS) M

2MPL

1PL

MPL 2PL

2MPS

1PS

MPS 2PS E ME

杭曲げ応力(PM

2MPM

1PM MPM 2PM

くい

くい

くい

長期設計用応力:L+PL

短期設計用応力:L+E+PM+PS

④ イ~ニの検討方針に沿ってあらかじめ検討した計算方法の事例

○ 内柱位置に配した場所打ちコンクリートぐい(P2くい、1500∮、RaL=4,400KN、RaS= 8,800KN)が施工時に芯ずれした場合を想定して、あらかじめ検討しておく。

○ 10cm、20cmの芯ずれを仮定し、検討しておいた例である。

○ 基礎ばりの剛比が柱の5倍以上であること、その他「検討方針」で示した適用条件を満足す ることを示す(内容は省略)。

○ 構造計算書P.***より、P2くいの最大くい反力はX2通×Y3通で生じており、その値は以下 の通り。

・ 最大の長期くい反力 PLmax=4,000KN ・ 最大の地震時くい反力 PKmax=500KN

○ 構造計算書P.***、P.***、P.***より、当該位置における基礎ばりの応力は以下の通り。

(注:符号等は前述の図に示したものによる。)

・長期曲げモーメント 1ML2ML=1,100 KN・m ・長期せん断力 1QL=500KN、2QL=520KN

:X2~X3通間のG2ばりのせん断力が大

・地震時曲げモーメント 1ME2ME=±1,300 KN・m

・地震時せん断力 1QE2QE=±220KN

・くいの地震時曲げモーメントによる応力

曲げモーメント 1MPM2MPM=±1,400 KN・m せん断力 1QPM2QPM=±240KN

以上により、X2~X3通間のG2ばりにおいて、X3通側にくいの芯ずれが生じたものとして検 討する。

長期応力(L)

地震時応力(E)

杭芯ずれ長期応力(PL

杭芯ずれ短期応力(PS) M

E ME

杭曲げ応力(PM

2MPM

1PM MPM 2PM

2MPL

1PL MPL 2PL

2MPS

1PS MPS 2PS くい