第3章 「検査に関する指針」告示の解説
1. 改正法令による中間検査制度
平成 19 年6月 20 日に施行された改正建築基準法及び施行令に基づく中間検査制度について、法及び 政令の概要について、記述する。
改正建築基準法第 7 条の 3 及び第 7 条の 4(以下「法第 7 条の 3 等」という。)の規定により、中間検
「確認審査等に関する指針(平19国交告第853号)」 第4 中間検査に関する指針
法第7条の3第4項、法第7条の4第1項及び法第18条第18項(これらの規定を法第87条の2及び法第88条第 1項において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定による検査(以下「中間検査」という。)は、次の各項に定め るところにより行うものとする。
2 法第7条の3第1項(法第87条の2又は法第88条第1項において準用する場合を含む。)若しくは法第7条の4 第1項の規定による中間検査の申請書の提出又は法第18条第17項の規定による通知を受けたときの審査は、次の 各号に定めるところによるものとする。
一 施行規則第4条の8第1項(施行規則第4条の11の2又は施行規則第8条の2第12項において準用する場合 を含む。)に規定する申請書又は通知書並びにこれに添えた図書及び書類の記載事項が相互に整合していることを 確かめること。
二 申請又は通知に係る建築物が、建築士法第3条第1項、第3条の2第1項若しくは第3条の3第1項に規定す る建築物又は同法第3条の2第3項の規定に基づく条例に規定する建築物である場合にあっては、施行規則別記 第26号様式による申請書の第2面又は施行規則別記第42号の17様式による通知書の第2面に記載された設計 者及び工事監理者が、それぞれ同法第3条第1項、第3条の2第1項若しくは第3条の3第1項に規定する建築 士又は同法第3条の2第3項の規定に基づく条例に規定する建築士であることを確かめること。
三 施行規則別記第26号様式による申請書の第3面又は施行規則別記第42号の17様式による通知書の第3面の 確認以降の軽微な変更の概要が記載されている場合にあっては、施行規則第4条の8第1項第四号(施行規則第 4条の11の2又は施行規則第8条の2第12項において準用する場合を含む。)に規定する書類(以下第4におい て「軽微な変更説明書」という。)が添えられていることを確かめること。
3 申請等に係る建築物等について、検査前に施工された工事に係る建築物の部分、建築設備又は工作物の部分及び その敷地(第二号及び第4項第三号において「検査前に施工された工事に係る建築物の部分等」という。)が、建築 基準関係規定に適合しているかどうかの検査は、次の各号に定めるところによるものとする。
一 軽微な変更説明書が添えられている場合にあっては、当該書類の内容が施行規則第3条の2に規定する軽微な 変更に該当するかどうかを確かめること。
二 施行規則別記第26号様式による申請書の第4面又は施行規則別記第42号の17様式による通知書の第4面に 記載された工事監理の状況、施行規則第4条の8第1項第二号及び第三号(これらの規定を施行規則第4条の11の 2又は施行規則第8条の2第12項において準用する場合を含む。)に規定する写真並びに施行規則第4条の8第1 項第5号(施行規則第4条の11の2又は施行規則第8条の2第12項において準用する場合を含む。)の書類による 検査並びに目視、簡易な計測機器等による測定又は建築物の部分の動作確認その他の方法により、検査前に施工さ れた工事に係る建築物の部分等の工事が、施行規則第4条の8第1項第一号(施行規則第4条の11の2又は施行規 則第8条の2第12項において準用する場合を含む。)に規定する図書(次項第三号において「確認に要した図書」
という。)のとおり実施されたものであるかどうかを確かめること。
4 前2項の規定によるほか、中間検査の公正かつ適確な実施を確保するため、次の各号に定める措置を行うものと する。
一 第2項の審査及び前項の検査において、申請等に係る建築物等が建築基準関係規定に適合することを認めた場 合は、当該建築物等に係る申請者又は通知をした国の機関の長等(以下この項において「申請者等」という。)に 法第7条の3第5項、法第7条の4第3項又は法第18条第19項(これらの規定を法第87条の2又は法第88条 第1項若しくは第2項において準用する場合を含む。)に規定する中間検査合格証を交付すること。
二 第2項の審査及び前項の検査において、申請等に係る建築物等が建築基準関係規定に適合しないことを認めた ときは、施行規則第4条の9(施行規則第8条の2第13項において準用する場合を含む。次号において同じ。) 又は施行規則第四条の12の2の規定に基づき、申請者等に中間検査合格証を交付できない旨及びその理由を記載 した通知書(次号において「中間検査合格証を交付できない旨の通知書」という。)を交付すること。
三 第2項の審査及び前項の検査において、軽微な変更説明書の内容が軽微な変更に該当しないとき、検査前に施 工された工事に係る建築物の部分等の工事が確認に要した図書のとおりに実施されたものであるかどうかを確か めることができないときその他当該申請等に係る建築物等が建築基準関係規定に適合するかどうかを認めること ができないときは、施行規則第4条の9又は施行規則第4条の12の2の規定に基づき、申請者等に中間検査合格 証を交付できない旨の通知書を交付すること。この場合において、中間検査合格証を交付できない旨の通知書の 備考欄に、申請等に係る建築物等の計画を変更し、法第6条第1項、法第6条の2第1項又は法第18条第3項の 規定による確認を受ける必要があると認められる場合にあっては、その旨を記載すること。
二号の中間検査は、平成 11 年から実施されているもので、特定行政庁が告示等により指定すること により、その地方に限り発動する制度である。二号に掲げられた指定の条件によって、様々な建築物や 特定工程の組み合わせにより実施されている。この場合、特定工程の指定を柔軟に行うことができるよ う、その指定にあたり、必ずしも区域、期間及び建築物の構造、用途又は規模を限定しなくてもよいこ ととされた(規則第4条の 11)。
平成 19 年6月の改正法の施行で導入された一号の中間検査は、共同住宅に限って導入されたもので あるが、全国一律に実施される。したがって、特定行政庁は、この一号による中間検査をベースとして、
二号に基づきその他の対象建築物や特定工程その他の条件などその地方に必要な中間検査を指定して、
組み合わせた総合的な対応を行うこととなる。
以下に、一号の中間検査に関する法的な解釈及び運用の考え方等について記述する。
1.1 一号の対象建築物
一号の規定による検査対象は、階数が3以上の共同住宅(※)とされている。この場合に、複合用途の 場合その他の建築物のケースごとにの適用対象建築物は次のとおりである。(※長屋は共同住宅ではな い。)
(1) 他の用途と複合する建築物の場合
① 「一の建築物」であり、次のイからハの例のように一部が共同住宅で他の用途と混在する建築物 の場合は、特定工程である2階部分が他の用途であっても、中間検査の対象となる。
イ 1階が他用途で、2階以上が共同住宅で階数3の建築物 ロ 1階、2階が他用途で、3階が共同住宅で階数3の建築物
ハ エキスパンションジョイントで接し、構造的には独立部分とみなせるものであるが、使用上、
用途上、防火避難上その他の条件から「一の建築物」である場合には、他用途の独立部分も検査 対象と解する。
② 敷地内に、他用途のA棟と共同住宅のB棟(複合用途のものを含む)があり、それぞれ独立した一 の建築物である場合には、B棟のみが検査対象となる。
(2) 階数の適用と解釈
階数が3以上と規定されていることから、「地階の階数が3」、「地階の階数2で地上の階数1」、「地 階の階数1で地上の階数が2」などのいずれの場合も階数3であるため、法第 7 条の 3 等における検 査対象である。
ただし、令第 11 条で改めて指定された特定工程が「2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配 置する工事の工程」とされたため、2階の配筋工事がないものは対象外となる。
したがって、地階の階数1で地上階数2の場合は検査対象となり、地階の階数が2で地上階数1の 場合は、対象外となる。
1.2 一号の特定工程
令第 11 条では、「2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程」と指定されてい る。この場合に、2階の工事とされているため、工区を複数に設定したとしても、全ての工区の検査 が対象となる。
一号 階数が3以上の共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程
二号 一号に掲げるもののほか、特定行政庁が、その地方の建築物の動向又は工事に関する状況その 他の事情を勘案して、区域、期間又は建築物の構造、用途若しくは規模を限って指定する工程