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第3章 「検査に関する指針」告示の解説

3. 検査の実施

検査は、大きく分けて、既に施工された部分の目視できない部分の検査(書類検査)と、現場で行 う目視検査があるが、構造関係の完了検査においては、通常の場合、構造規定に係わる部分の大半若 しくは全ての目視検査ができないため、検査申請書第4面の工事監理の状況欄に記載された事項及び これを補完する添付資料並びに工事監理者の検査報告、施工写真等によって把握する。この場合、写 真の撮影箇所や品質管理・検査等に関する資料等の添付内容については、事前に相互に調整しておく ことが望ましい。

構造関係規定の完了検査の方法や流れは、現場における目視検査の部分を除き、中間検査に準じる ものとする。

① 書類による検査

イ 工事監理の状況(完了検査申請書第4面)、写真(規則 4 条2号及び 3 号)及び特定行政庁が 規則で定める書類(規則 4 条 6 号)により、確認に要した図書のとおり実施されたものであるこ とを確認する。

i 工事監理の状況の確認

完了検査申請書第4面に記載される工事監理状況により法適合性を検査する。

各事項について、確認に要した図書との整合を検査し、不明確な点がある場合には追加説明書 の提出を求めて法適合性を判断する。(→6.追加説明書の提出)

工事監理状況については、チェックシート等(第5章参照)を活用し、工事監理者等から各事 項の報告を求めることが望ましい。

iii その他の書類の確認

工事監理状況の法適合性の判断のために求める、工事監理時に行った検査結果の資料に関す る指針告示第3第3項第2号の「その他の方法」とは、

• 鉄骨造の溶接部分、高力ボルトの接合部分、鉄筋の圧接部の非破壊検査をいう(施行通 知第 1332 号)。

この他、これらに相当する他の構造方法についての工事監理時に行った検査結果には、次の ような検査結果資料がある。

• くい工事等の施工結果報告書

• 構造体コンクリートの圧縮強度試験結果報告書

• 各種の鉄筋継手方法に応じた検査結果報告書

• コンクリート工事の品質管理資料

• 鋼材等のミルシート等の規格品質証明書 ア) 新 JIS マーク認証制度への対応

平成 20 年 10 月以降は、新 JIS マーク認証制度が完全施行され、従来方式から新方式 に移行しなければならない。現在、関係機関等において、この新 JIS 制度に対する建築 基準法上の対応が検討されている。この新制度への対応についての考え方を下の枠内に 示す。

このうち、「マーク付きのミルシート等」の「等」とは、製品そのものに添付される メタルタグ、シールその他の JIS 規格に適合していることの識別が簡便にできるものを 指している。

イ) 現時点での対応

現時点においては、従来方式である JIS マーク無しのミルシートを受理することとな るが、次の③に述べるような問題があるためコピーされたミルシートの場合には、原則 として「裏書きミルシート」によって品質の確認を行う必要がある。ただし、使用量が 少量の鋼材等の場合など裏書きミルシートの提出が困難な場合等については、工事監理 者等が鋼材等や鉄骨製品等に添付されたメタルタグ、シール、鉄筋のロールマークその 他の JIS 規格に適合していることの識別ができるものによって確認した旨の報告による ことができるものとする。

ウ) 鋼材等の品質適正化問題

平成元年頃に社会問題化した鋼材等の品質問題では、規格に適合しない鋼材等が使用 され、二枚割れ等が生じる問題が発生した。このため建設省(現国土交通省)は、「鉄 骨造建築物等の品質適正化について(平 4 住指発第 349 号)」を全国の特定行政庁に通達 し、鋼材等の流通の現状に適切に対応するよう指示した。

鋼材等の品質問題でも取り上げられた“天ぷらミルシート”と呼ばれるミルシートを コピーしたものは、当該建築工事に用いられた製品に対応する品質証明としての意味は 無いため、これらの横行する実情に対して、日本建築学会が鋼材等の流通機構の問題に 対する一つの方策として提案したものが「裏書きミルシート」である。

平成 11 年の法改正では、下記の様式(コンクリートの耐久性確保に係る措置について:昭 61 住指発第 142 号、鉄骨造建築物等の品質適正化:平 4 住指発第 349 号)に代えて検査申請書 の第4面(工事監理の状況)が制定された。しかしながら、実務的な検査においては構造種別 ごとにこれらの様式等による報告を求めて検査を行うことが望ましい。

また、本様式については、地域性や建築物の規模、法改正等を考慮して、適宜検査機関等で 更新・改訂を行った上で用いることが望ましい。

• コンクリート工事の施工結果報告書:様式(運用4)

• 鉄骨工事の施工状況報告書:様式(運用5)

② 軽微な変更説明書の確認

「軽微な変更説明書」の記載事項について施行規則第3条の2の規定に該当することを確認す る。ただし、構造関係規定の場合は、規則第3条の2の軽微な変更に該当する事項がないため、

計画変更確認申請又は次の4に示す、あらかじめ確認申請時に構造計算で検討をしておくか、い ずれかの対応が必要となる。

③ 目視等による検査

目視、簡易な計測機器等による測定又は動作確認その他の方法により、確認に要した図書のと 新 JIS マーク認証制度への対応(案)

平成 20 年 10 月以降は、新 JIS マーク認証制度が完全施行され、従来方式から新方式に移行しなけ ればならない。建築基準法行政においては、新方式に対応するために、原則としてマーク付きのミル シート等の提出を求めることとする。ただし、法第 37 条の使用建築材料のうち JIS マーク認証を取得 していないものが多数派であることから、すべてに求めることはできないため、主要な構造方法の材 料に限定することとし、マーク認証の取得をしていない製品の場合の品質証明については、下記の方 法によるものとする

主要な材料とは、コンクリート、鋼材等(鉄筋、鋼板、形鋼、高力ボルト等)が想定されている。こ のうち、ステンレス鋼、鋼管(STKN 規格)等の場合、鋼材等の中では例外的に、マーク認証取得をして いない。個々の建築工事における使用量自体は、相対的に少数のため、これを第三者による品質証明 を求めると費用、期間の面で「著しく釣り合わない」ことになる。

この問題を解決するために、下記の方法のうちの 2 を採用することが考えられる。

【マーク認証取得をしていない製品の場合の品質証明方法】

原則として、次の 1 又は 2 のいずれかの方法によるものとする。

1 類似の材料の認証取得の際に要する材料品質データ、品質管理・検査システム等の資料と同等の 資料について、信頼できる第三者機関が JIS 規格に適合していることを証明した書類を提出するこ と。 この場合において、鋼材メーカーごとに取得した第三者機関による証明は、当該製品につ いて有効なものとして利用することができる。

2 当該建築工事に使用する製品ごとに、成分、機械的性質に関する第三者機関による試験・検査

実施し、試験・検査結果等の書類を提出すること。

ただし、当該建築工事の柱等の部材に用いるステンレス鋼、鋼管(STKN)等の使用量が、当該柱等 の部材のうち、比較的少数の場合(※)には、次の(1)及び(2)の条件を満たした証明方法によること ができる。

※ 全体的には角形鋼管を用いているが、斜め方向にはりが取り付くなど構造設計上部分的に○鋼 管とする必要があるケース、一部にステンレス鋼を用いるケースなどを想定。

(1) 製造メーカーの条件

鋼管(STKN)等の製造メーカーが、他の鋼材等や類似の鋼管(STK)等の材料で JIS マーク認証を取 得している場合で、認証を取得した材料と同等の品質管理・検査システムで製造していること。

(2) 確認申請時の条件

工事監理者は、ステンレス鋼、鋼管(STKN)等の製造メーカーが、他の鋼材等や類似の鋼管(STK) 等の材料で JIS マーク認証を取得している場合で、認証を取得した材料と同等の品質管理・検査 システムで製造していることを確認した旨の報告書を次の資料とともに提出する。

① 認証を取得した材料と同等の品質管理・検査システムに関する資料 ② 当該工事に用いた鋼管等のミルシート等

③ 当該工事に用いたことを証する書類(「鋼材等の新しい品質証明方法(日本鋼構造協会)」に、

当該建築工事の施工者等の材料管理担当責任者が記名・捺印したもの)

イ 目視、簡易な計測器等による測定 ロ 動作確認

ハ その他の方法(施行通知参照)