『
深 信 因 果
』
『
三
時 業
』
考
(
石 井
)
の
き る と
こ
ろ
、
両 手 を 断 ず
る こ
と
、
刀 剣
の
き
る よ り
も
は
や し
。
【 校 異]
・
求
11
も と む
(
水
)
同。
・
山
11
や ま
(
水
)
(
洞)
。
六
二
(
洞
)
。
・
く は
へ
ん
11
く は え ん
(
洞
)
』
く は え む
(
底
)
11
く わ え む
(
永
)
。
*
必
11
か な ら
(
水
)
(
洞
)
、
以 下 【
訳一
こ の
よ う な 結 果
に
な る の
を
、
悪 業
の
順
現
法 受 業 と 名づ け る の で
あ
る
。
そ も そ
も 恩 を 受 け た な ら ば
、
そ
の
報
い
を
こ こ ろ ざ
志
さね
ば な ら な
い
。
だ が
、
他
に
恩 を ほ
ど
こ し た 場 合
は
、
報
い
を 求
め て は な ら な
い
。
い
ま
の
話
の
場 合
、
恩 あ る 人
に
逆
に
害
き
ニ リ
を 加 え よ
う と し た が
、
そ
の
悪
業は
、
必 ず そ
の
報
い
を 受 け ね
ば な ら な
い
。
衆 生
は
永 遠
に い
ま
の
樵
人
の
心 を も
っ
て は な ら な
い
。
林
の
外
で
別 れ を 告 げ
る
時
に は
、
「
こ の ご
恩
に
対 し て
ど
の よ
う
に
感
謝 すべ
き
で
あ
ろ う
か
」
と 言
っ
た
と
し て も
、
山
の
麓
に お い て
猟 師
に
出 逢
っ
た
時
に は
、
二
つ
に
分 け た
肉
を 強い
欲
で
己
の
も
の に し て
し ま お
う と す
る
。
こ の
貪 欲
に
引
か れ て、 大
い
な
る
恩
を
害
し よ
う と す
る
。
在 家
で
も 出 家
で
も
、
永
遠に こ の
恩 知 ら ず
の
心 を も
っ
て は な ら な
い
。
悪
業を
積
み
重
ね て
得 ら れ た
力
で
、
両 手 を 断 ち 切
る こ
と は
、
刀 剣
で
切
る よ り も 早
い の で
あ
る
。
ネ ネ
(
三
)
(
・
)
..
耀
箋
目を
つ
く り
て
、
順 現 法 受
に
善 報 を え た る
例
。
*
昔
健 駄 羅 国迦 膩
色 迦 王、有
一黄
門、
恒 監 内
事
。
暫 出 城
外
、
見 有 群 牛
、
数 盈 五
百、 来
入 城 内
。
問 駈
牛 者
、
「
此 是 何
牛」
。
答
言
、
「
此 牛
将 去 其 種」
。
於 是
黄 門
即
自
思惟
、
我 宿 悪 業
、
受 不
男 身
、
今 応 以
NII-Electronic Library Service
いで
城
内 に
還
っ
て
、
宮
門に
侍
立 す
。
使
に
附
し て 王
に
啓
し
、
入
っ
て
奉
覲
せ ん こ と を 請
う
。
王
、
喚
び 入 れ
し め、
怪
し ん で
つ
ぶ さ
う た
所 由 を 問 う
。
是
に
黄
門
、具
に 上
の
事
を 奏 す
。
王 聞
き て
驚
喜
し て
、
厚 く 珍
財
を
賜
ひ
、
転 た
高 官
を 授 け て
、
外 事
を 知 ら
し め
き
。
是
の
如
きの
善
業 は、
要
ず
相続
を 待
っ
て
、
或
い は
相 続 を 度 り て
、
方
め て
其
の
果
を
受
く
。
N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe
【 校 異一
*
こ の ー1 此
の
(
底
)
11
此
(
永
)
。
*
報
“
法
、
六 十 巻 本
(
底
)
(
洞
)
。
・
駈
n
駆
(
底)
(
大
)
。
・
奏 囗 奉
(
底
)
(
永
)
(
洞
)
11
奏
(
婆 沙 論
)
(
水
)
11
「
奏
」
二
本 山 版
ニ ヨ
リ
改
ム
(
大
)
。
*
其 債
1
ーナ シ
(
永
)
。
*
使
“
便
(
洞
)
。
【 訳】
こ の
世
で
善
を
為
し て
、
順
現 法 受
に
善
い
報
い を
得 た 例
。
昔
、ガ ン
ダ ー ラ
(
健 駄 羅
)
国
の カ
ニ
シ カ
(
迦
膩
色 迦)
王
の
時
に
、
一 人
の
宦
官
が
い て
、
常
に
大 奥
を 監 督 し て い た
。
暫
く都
市の
外
に
出
る と
、
五 百
に の
ぼ る 群 牛 が 都 市
の
中
に 入
っ
て
行 く
の
を 見
て
、
牛
か い に
問 う た
。
「
こ
れ ら
の
牛
を ど う す
る の か
」
。
牛
か い は
答 え て
言
っ
た
、
「
こ
れ ら
の
牛
を ち
ょ
う ど 去
勢
し よ う と し て い
る
」
。
こ
れ を 聞
い た
宦 官
は
す
ぐに
思
っ
た
、
「
わ た し は
以
前
に
為 し た
悪
業の
為
に
、
男
で
あ り な が ら 男
の
機
能
な
い
身
と な
っ
た
。
こ こ は
金
で
買
い
取
っ
て こ
れ ら
の
牛
の
難
を 救
お
」う
。
そ
こ で
代 価 を
支
払っ
て
、
す
べ
て
を
去 勢
か ら 脱 れ さ せ た
。
こ の
善
業
に よ
っ
て
得
ら れ
た
力
に よ
っ
て
、
こ の
宦 官
は
す
ぐ
に
男
の
身
に
戻
る
こ
と が
で
き
た
。
深
い
よ ろ こ び を
得
て か ら
、
都 市
の
中
に
帰
っ
て
、
大 奥
の
門
の
と
こ ろ で 立 ち
留
ま
っ
た
。
使
者に こ
と ず
て
を し て 王
に
申
し
上 げ
、
お
目
に か か
れ
る よ う
に
と お
願
い
を 申
し 出 た
。
王 は
喚 び 入 れ
、
不 思 議
に
思
っ
て
そ
の わ け を た ず ね
た
。
そ
こ で
、
宦
官
は
詳
し
く
先の
出 来 事 を
申
し 上 げ
た
。
王 は
聞
い て
驚
嘆
し
、
多 く
の
珍 宝 財 宝 を 差
し
上 げ
、
職 位 を 変 え
て
高 官
の
位
に
登 ら せ
、
大
奥
外の
政 治 を 執 ら さ せ た
。
こ の よ
う な
善
業は
、
必 ず 相
続
し て、
或
は
相
続
を 繰 り
返
し て
、
そ
の
果 を は じ め て
受
ける の で
あ る
。
ネ
ネ
(
三
)
(
3
)
明
ら か に し
り ぬ
、
牛 畜
の
身
、
を
し む
べ
き
に
あ ら ざ れ
ど も
、
す く
ふ ひ と
、
善 果
を う く
。
い
は ん
や 恩 田 を
お
ロ
ネ
う や
ま ひ
、
徳 田 を う や ま ひ
、
も ろ
も ろ
の
善 を 修
せ ん を や
。
か く
の ご と く な る を
、
善
の
順 現 法
受
業 と な つく
。
善
に よ り 悪
に ょ
り て
、
か
く
の ご と く
の こ
と お ほ か れ ど
、
つ
く し あ ぐ る に と ま
あ
ら ず
。
『
深 信 因 果
』
『
三
時 業』
考
(
石 井
)
六一
二
『
深
信 因 果
』
『
三
時 業
』
考
(
石 井
)
六 四
[ 校 異】
寧
を
“ お O 水
)
。
畳
ふ ひ と
11
ふ 人
(
水
)
(
洞
)
11
ふ
と ひ と
(
底
)
11
う と ひ と
(
永
)
。
・
ん
11
む
(
底
)
(
永
)
。
管
の
1
ー ナ シ(
底
)
(
永
)
。
【 訳】
こ の
と
こ か
ら 次
の こ
と が
明
らか に
判 明 す
る
。
牛 と
い
う 畜 生
の
身 を
、
惜
し む 必 要
は な
い
け れ ど も
、
そ れ を 救 う 人
も と
も と
は
、
善
い
果
を
受
け る
の
で
あ
る
。
ま し て や
父 母 等
の
恩
の
田 を
敬
い
、
阿 羅 漢 等
の
徳
の
田 を 敬
っ
て
、
多
くの
善 を
習
い
学 ぶ
に お い て
は な お さ ら
で あ る
。
こ の よ
う な 結
果
に
な る こ と を
、
善
の
順 現
法 受
業 と 名づ
け る
の で
あ
る
。
善
・
悪
に よ
っ
て
、
こ の
よ う な 結 果 を 受 け
る こ
と は
多 く あ
る け れ ど も
、
こ こ で
す
べ て
を 取 り 上
げ 尽 く す 余 裕
は な
い
。
り
(
四
)
(
1
)
第
二
順 次 生
受
業 者、
謂
若
業 此 生 造作 増
長、
於 第
二
生
受
異 熟果
、
是 名 順 次 生 受
業
。
〈
第
二 に
順 次 生
受
業と は
、
謂 く
、
若
し 業 を 此
の
生
に
造
作し
増
長
せ ば
、
第
二
生
に
異
熟
果 を受
くる を
、
是 れ を 順 次 生
受 業
と 名
つ
く
〉
。
い は
く
、
も し 人
あ
り て
、
こ の
生
に 五
無 間 業 を
つ
く
れ る
、
必 ず 順
次
生に
地 獄
に お
つ
る な り
。
順 次 生 と は
、
こ の
生
の つ
ぎ
の
ネ
生 な り
。
余
の
つ
み は
、
順
次
生に
地 獄
に お
つ
る も
あ
り
。
ま た 順 後 次 受
の ひ
く
べ
き あ れ ば
、
順 次 生
に は
大 地 獄
に
お ち ず
、
順 後 業 と な る
こ
と も あ
り
。
こ の 五
無
間 業は
、
さ だ
め て
順 次 生 受 業
に
地 獄
に
お
つ
る な り
。
順 次 生
、
ま た 第
二
生 と も、
こ
れ を
い
ふ な り
。
【
校
異一
寒
は
大
1
ーナ シ
(
水
)
(
洞
)
。
冖 訳
一
第
二 の
順
次
生 受の
業 と は
、
も
し 業 が こ の
世
で
造 ら れ、
増
や さ れ
た と し
て
、
第
二 の
生 で
そ
の
果 を 受 け
る こ
と を
、
順 次 生 受
の
業
と 名
づ
け
る と 言 う
の で
あ る
。
つ
ま り
、
も
し
人 が
い て
、
こ の
世
で 五
無 間 業
(
殺 父・ 殺
母
・
殺 阿
羅 漢
・
出 仏 身 血
・
破 和 合
僧
)
を 為 し た
と し た
ら、
必 ず 次
の
生
に お い て
地 獄
に
堕 ち る の で
あ
る
。
「
順
次
生」
と は
、
こ の
生
の
次
の
生
の こ
と で
あ
る
。
そ れ 以 外
の
罪
で
も
、
次
の
生
に お い て
地 獄
に
堕
ち る こ
と も あ
る
。
ま た 三
生
か
、
三
生
後
以降
に
引 き 継
が ね ば な ら な
い
業
で
あ れ ば
、
次
の
生
に お い て は
大
地
獄に
堕
NII-Electronic Library Service
ち な
い で
、
三 生 か、 三 生 後 以
降
に
果 を
受
ける こ
と も あ
る
。
た だ、
こ の 五
無
間 業 だ け は、
次
の
生
に
受
ける
業
で
、
必
ず
地 獄に
堕 ち る の で
あ
る
。
「
順 次 生
」
の こ と を
、
「
第
二
生
」
と も 言 う
の で
あ る
。
(
四
)
(
2
)
五 無 間 業
、
一 者 殺 父
、
二
者 殺 母
、
三
者
殺 阿
羅 漢、
四
者
出仏
身 血、
五
者
破 和 合僧
。
*
*
*
* (
63)
*
こ の
五
無
間の
業
の
な か に
、
い つ れ
に て 一も 無 間 業 を
つ
く れ
る
も
の
、
必 ず 順 次 生
に
地 獄
に 堕 す
る な り
。
[ 校
]異
・
こ の 五
無 間
の
業
の
な
か に、
い つ れ に て
一も
「
11
い は
く、
も し
人 あ り
て、
こ の
生
に 五
」
二
誤
ル
(
水
)。
*
の
1
ーナ シ
(
水
)
(
大
)
。
*
に
11
に に
(
底
)
1
ー に ノ下
「 二
」
ア リ
(
大
)
。
・
れ
11
「
れ
」
ヲ
脱
ス
(
水
)
。
冖 訳一
五
無
間 業 と は
、
一 は
、
父 を 殺 す
。
二 は
、
母 を 殺 す
。
三 は
、
阿 羅 漢 を 殺
す
。
四 は
、
仏
の
身
を 傷
つ
け て 血 を 流 す
。
五 は
、
和 合
僧
を 破 壊 す る
。
こ
れ ら
の 五
無
間 業の
中
の
、
い つ れ か の
、
一
つ の
無 間 業
で
も 為
し た も
の は、 必 ず
次
の
生
に お い て
地 獄
に
堕
ち る の で
あ
る
。
【 比 較
六
十 巻 本一
五
無
間業
と
い ふ は
、
一
殺
父
、
二
殺 母
、
三
殺 阿 羅
漢
、
四 出 仏 身 血、 五
破
法 輪 僧。
こ
れ を 五
無
間 業 と な つく
、
ま た 五 逆
罪
と な つく
。
は じ め
の 三 は
、
殺
生 な り、第
四 は
、
殺 生
の
加 行 な
り
。
如
来
は
、
い か に
と し た て ん
じ ゆ
も 人
に
こ
ろ さ れ さ せ
た ま
は
ず
、
た だ 身 血 を
い
だ す を 逆 と す
。
中 夭 な き
は
、
最 後 身
菩 薩
・
都 史 多 一天 生 所
繋
菩薩
・北 洲
・
樹
だ
い
か ロ
のね 提 伽
・
仏
医
な り
。
第
五 破 僧
罪
は
、
虚 誑
語
な り
。
こ の 五
逆、
か な ら ず 順 次 生 受 業
に
地
獄
に
お
つ
る
な
り
。
【
校
異一
・
夭
u
殀
(
洞
)
。
【 訳】
五
無
間 業 と は、
一 は
、
父 を 殺
す
。
二 は
、
母 を 殺
す
。
三 は
、
阿
羅
漢 を 殺 す。
四 は
、
仏
の
身 を
傷
つ
け
て 血
を
流 す
。五 は
、
法 輪
僧
を 破 壊 す
る
。
『
深 信 因 果
』
『
三 時 業
』
考
(
石 井
)
六 五
N工 工一Eleotronlo Llbrary
『
深 信 因 果
』
『
三
時 業』
考
(
石 井
)
六 六
こ
れ を 五
無
間 業
と 名
づ
け
、
ま た 五 逆 罪 と も 名 づ け る
。
最 初
の 三
つ
は
、
殺 生
で
あ り
、
第
四 は
、
殺
生
の
前 段 階
の
悪
行で
あ
さ
か う
る
。
確
か に
如 来
は
人
に
殺 さ れ
る こ
と は
な
い
が
、
た だ 仏
の
身
を 傷
つ
け ら れ
て 血
を 出 さ せ
ら れ
た の
を 逆
い の
行 為
と