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調査内容

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 51-56)

各店舗の店長を対象とし、質問紙を持参し 他記式で調査した。質問紙には、

Bass(1990)が定義した変革型リーダーシップの各特徴、Bass&Avolio(1990)MLQを参

照し、反映させた。

3.3.1 本研究の質問紙と調査項目

先 行 研 究 (Kerr&Jermier, 1978) 、 (Bass, 1990) 、 (Bass&Avolio, 1990) 、 (Howell&Dorfman, 1981)によって提唱された変革型リーダーシップの特徴、その代替 要因とされた構造作り、組織特性および筆者が定義した営業プロフェッショナルの定 義を質問紙の内容に反映させた。使用した質問紙は図3.1で示す。

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3.1 質問紙 (筆者作成)

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3.3.2 変革型リーダーシップの調査内容

変革型リーダーシップの調査に関し、Bass(1990)が定義する変革型リーダーシップ

の特徴と Bass&Avolio(1990)の MLQ を参考にし、質問内容を設定した。Bass(1990)の

変革型リーダーシップの特徴として、1.ビジョンを構築し、それを示すこと、2.部下か らの強い情動とリーダーへの一体感を引きだし、その影響力が理想化されること(理 想的影響行動)、3.現状の問題点に新しい視野を得させる知的な刺激を与えること、4.

フォロワーを個別に配慮した激励やコーチングを与えることがあげられている。そし

て、佐竹(2014)は「経営理念やビジョン設定を明確にし、それを全面に打ち出す社長

の行動」が、中小企業を成長させるには有効であると指摘している。また、Bass&

Avolio(1990)のMLQには「カリスマ」、「モチベーションの鼓舞」、「知的刺激」、「個別

的配慮」が下位尺度であり、これらを質問紙の「1.経営者についてお聞きします(1-1~

6)」に反映させた。設問 1-1は、経営者が単にビジョンをかたるのではなく、社員が

信頼、納得し一体化されているか、理想的影響行動を反映した。設問1-2は、サラリ ーマンで経験豊富な店長にストレートに社長を尊敬しているか、社長は権威と自信に 満ち溢れているかと聞いても本心が出ない可能性もあると判断し、仕事における社長 の立ち位置、役割を聞き、カリスマ性を測定した。設問1-3は、リーダーが自動車販 売会社として重要な経営理念、ビジョンに基づく販売戦略を理解しているか、理想的 影響行動を測定した。設問1-4は、店長が経営者から期待されることによるモチベー ションの鼓舞、設問1-5は、リーダーの言動によって店長が知的刺激を受けているか を測定した。設問1-6は、リーダーがフォロワーたる店長に目標達成という重要ミッ ションに課業的な意識付けだけではなく、個別に指導する配慮の程度を聞いた。

3.3.3 リーダーシップ代替要因の調査内容

次にリーダーシップの代替要因として、構造作り、組織特性、営業プロフェッショ ナルに関する質問を作成した。

Kerr&Jermier(1978)は、リーダーシップの代替要因として、構造作りに関する特徴を

挙げている。例えば部下が行っている仕事が非常にルーチン化されている場合や、仕 事そのものが内的なモチベーションを高めている場合である。これらを質問紙の「2.

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仕事についてお聞きします(2-1~2)」に反映させた。

また、Kerr&Jermier(1978)は組織特性もリーダーシップの代替要因に挙げており、組

織が公式化されておりルールや手続きがきちんと定まっている場合や集団の結束力 が高い場合、上司の構造作りや配慮的リーダーシップは必要なくなる可能性が高いと いう。これらを「3.組織についてお聞きします(3-1~3)」に反映させた。

蔡(2003)によれば、プロフェッショナルが重視する独立性、自立性は、変革型リー ダーシップの特徴であるグル―プの追求する目的の受け入れ、上司の配慮的なリーダ ーシップを代替し、プロフェッショナルが持つ外部評価や外部活動の重視は変革型リ ーダーシップの特徴である部下のサポートを代替し、プロフェッショナルが持つ専門 的な知識、スキルは上司への依存度を薄め、結果的に上司の構造作りを代替するとい う。また、Howell&Dorfman(1981)によれば、変革型リーダーシップの代替要因が高い 可能性で存在するのは、科学者・研究者などプロフェッショナルであるという。

Kerr&Jermier(1978)もリーダーシップの代替要因として、部下の特性をあげている。つ まり、フォロワーがプロフェッショナルたる高い能力、知識、技術を持っており、内 なるモチベーションで自発的に仕事をすれば、リーダーがいなくても業績があがるの ではないかということである。更に、本研究では筆者が定義した営業プロフェッショ ナルの存在を調査するため「4-1.知識が高く、月 5 台以上売るスタッフがいる」を質 問紙に記した。

そして、これらの個別項目について5件法を用い回答を求めた。次に回答された内 容に沿い、数値化し集計した。但し、営業プロフェッショナルに関しては5件法では なく、人数を調査した。

3.3.4 本研究における営業プロフェッショナルの定義

筆者による営業プロフェッショナルの定義とは、営業の専門性である営業マネジメ ント、営業関連知識、営業活動技術を生かし、顧客との優れたコミュニケーション、

信頼関係を構築できる(宮下, 2005)という内的な正しいプロセスを持っており、かつ 高い業績という外的にも正しい結果を示す営業職である。そして、53店舗の営業職一 人あたりの月平均販売台数は3.44台であった。しかし、各販売会社の責任者に理想的 な営業職の販売台数を問うと、採算面から月 5 台以上という回答が大部分を占めた。

よって、店長が販売スキル、知識が高いと認め、かつ月5台以上販売する営業職を本 研究における営業プロフェッショナルの定義とする。また、筆者が定義した営業プロ フェッショナルをリーダーシップの代替要因の一つと仮定し、質問紙に反映させた。

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3.3.5 調査における留意点

調査対象となる店長に面談し、他記式で調査を行ったが、質問の内容が不明確なも のや質問の意味が分かりにくいと考えた項目は、その場にて口頭で捕捉説明を行った。

これにより、回答者が同一の事をイメージし、回答するよう努めた。具体的には、経 営者とは社長である(創業者や会長ではない) 、「2-1.仕事はルーチンワークである」と あるがルーチンワークという言葉がわからないと考え、「日々の仕事は決まった作業、

仕事である」と説明した。「3-1.会社の規則はある」は、日々の活動をする上で会社と してルールはきちんと定まっているのか、「3-2.会社の各種手続きは決まっている」は、

通常業務や問題解決のための手順、手続きが決まっているかと説明した。「4-1.知識が 高く、月5台以上売るスタッフがいる」は知識とは営業スキルであると説明した。面 談時、調査対象となった店長に確認したが自動車販売会社の営業スキルとは、業界で は一般的な用語であり、車の販売に必要な知識、技能の総称である。また、総じて回 答を誘導しないよう充分に留意し補足説明を行った。

3.3.6 業績によるグループ分け

本研究では自動車メーカーA と基本契約で締結した年間自動車販売台数の目標達 成レベルを業績と定義した。高い業績とは自動車メーカーAと基本契約で締結した年 間自動車販売台数目標を達成、または達成に準じる高いレベルで達成していることを 意味し、低い業績とは自動車メーカーAと基本契約で締結した年間自動車販売台数目 標を低いレベルで達成していないことを意味する。53 店舗の店長と面接すると同時 に、今後の事業について聞き取り調査し、業績に3つの水準を設け、各グループに分 けた。①年間販売計画が未達成で自動車メーカーよりフランチャイズ契約の継続が困 難であると指摘され、自動車メーカーと販売会社双方の合意により 2014 年度を目処 に閉店するグループ(以下 閉店)、②自動車メーカーより次年度以降、年間販売計画の 達成度の改善が見込まれなければのフランチャイズ契約を保証しないという強い警 告を受けたグループ(以下 警告)、③年間販売計画達成ないし達成レベルが高く、今後 も自動車販売事業を継続し、店舗の存続が確定しているグループ(以下 存続)の3つで ある。以上、業績に基づく水準で分けられた3グループ(閉店、警告、存続)とする。

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