5.5 営業プロフェッショナルに関する考察
5.5.2 営業プロフェッショナルとリーダーシップ、組織特性に関する考察
131
いが、営業プロフェッショナルの確保、育成には有効であり、営業プロフェッショ ナルが育成、確保された場合、業績向上の要因となると考える。そして、存続レベ ルにおいては、表5.43、図5.5より、営業プロフェッショナルが存在する場合、個別 的配慮の評価は存続平均1.91以上であった。
また、図5.6、図5.7、図5.8より同じ存続レベルでも構造作りの高まりが営業プロ
フェッショナルの高まりに関係かあると考える。表4.7より、構造作りと経営者の変 革型リーダーシップは正のかなり相関がある(r=0.702, p<0.01)。また、表4.1、表4.3 においても業績が高まると構造作りも高まる。しかし、同じ存続レベルだが、構造 作りが高ければ高いほど、営業プロフェッショナルが多くなっている。このことよ り、構造作りが営業プロフェッショナルの確保、育成に関係する可能性があると考 える。
132
表5.44 経営者のリーダーシップと組織特性の各要因下位尺度得点の記述統計
「経営ビジョンの提示があり、一体感がある」と営業プロフェッショナルの人数 の箱ひげ図を図5.9で示す。
度数 平均 標準偏差 標準誤差 最小 最大
下限 上限
0名 13 2.08 1.04 0.29 1.45 2.70 0 3
1名 7 2.71 0.49 0.18 2.26 3.17 2 3
2名 11 2.45 0.47 0.14 2.41 3.04 2 3
3名 3 3.33 0.58 0.33 1.90 4.77 3 4
0名 13 1.62 1.12 0.31 0.94 2.29 0 3
1名 7 2.71 0.49 0.18 2.26 3.17 2 3
2名 11 2.18 0.98 0.30 1.52 2.84 0 3
3名 3 3.33 0.58 0.33 1.90 4.77 3 4
0名 13 2.46 1.39 0.39 1.62 3.30 0 4
1名 7 2.86 0.90 0.34 2.03 3.69 2 4
2名 11 2.91 1.30 0.39 2.04 3.78 0 4
3名 3 3.67 0.58 0.33 2.23 5.10 3 4
0名 13 2.46 1.05 0.29 1.83 3.10 0 4
1名 7 2.71 0.95 0.36 1.83 3.59 2 4
2名 11 3.00 1.00 0.30 2.33 3.67 1 4
3名 3 3.33 1.16 0.67 0.46 6.20 2 4
0名 13 1.92 0.64 0.18 1.54 2.31 0 3
2名 11 2.09 0.54 0.16 1.73 2.45 1 3
3名 3 2.67 1.16 0.67 -0.20 5.54 2 4
0名 13 12.23 5.28 1.46 9.04 15.42 0 18 1名 7 15.00 2.38 0.90 12.80 17.20 12 18 2名 11 14.64 4.32 1.30 11.73 17.54 4 18 3名 3 18.67 0.58 0.33 17.23 20.10 18 19
0名 13 1.92 0.64 0.18 1.54 2.31 1 3
1名 7 2.29 0.49 0.18 1.83 2.74 2 3
2名 11 2.45 0.52 0.16 2.10 2.81 2 3
社員同士の結束は固い 0名 13 2.00 0.71 0.20 1.57 2.43 1 3
1名 7 2.57 0.54 0.20 2.08 3.07 2 3
2名 11 2.73 0.47 0.14 2.41 3.04 2 3
組織特性 0名 13 6.92 0.95 0.27 6.35 7.50 5 9
1名 7 7.86 0.90 0.34 7.03 8.69 7 9
2名 11 8.18 0.87 0.26 7.59 8.77 7 9
※「社長の言動によい刺激をうける」の1名、「会社の規則はある」、「社員同士の結束は固い」、「組織特性」の3名は一定のため図5.13 、図5.15 、図 5.16 、図5.17で示す。
営業プロフェッ ショナル
平均値の 95% 信頼区間
会社の規則はある 経営ビジョンの提示があ り、一体感がある
リーダーシップ
社長の言動によい刺激 をうける
社長の役割は通常の仕 事において明確である
自社の販売戦略を理解 している
社長の期待は販売増へ のモチベーションになる
133
図5.9「経営ビジョンの提示があり一体感がある」と営業プロフェッショナルの人数
「社長の役割は通常の仕事において明確である」と営業プロフェッショナルの人 数の箱ひげ図を図5.10で示す。
図5.10「社長の役割は通常の仕事において明確である」と営業プロフェッショナルの人数
「自社の販売戦略を理解している」と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ図 を図5.11で示す。
134
図5.11「自社の販売戦略を理解している」と営業プロフェッショナルの人数
「社長の期待は販売増へのモチベーションとなる」と営業プロフェッショナルの 人数の箱ひげ図を図5.12で示す。
図5.12「社長の期待は販売増へのモチベーションとなる」と
営業プロフェッショナルの人数
「社長の言動にはよい刺激をうける」と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ
135
図を図5.13で示す。リーダーシップ値と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ図 を図5.14で示す。
図5.13「社長の言動にはよい刺激をうける」と営業プロフェッショナルの人数
図5.14 リーダーシップ値と営業プロフェッショナルの人数
136
「会社に規則はある」と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ図を図5.15で示 す。
図5.15 「会社に規則はある」と営業プロフェッショナルの人数
「会社の各種手続きは決まっている」と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ 図を図5.16で示す。
図5.16「会社の各種手続きは決まっている」と営業プロフェッショナルの人数
137
「社員同士の結束は固い」と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ図を図5.17 で示す。
図5.17 「社員同士の結束は固い」と営業プロフェッショナルの人数
「組織特性」値と営業プロフェッショナルの人数の箱ひげ図を図5.18で示す。
図5.18 組織特性値と営業プロフェッショナルの人数
138
まず、「経営ビジョンの提示があり一体感がある」と「自社の販売戦略を理解して いる」は理想的影響行動に関する質問である。「経営ビジョンの提示があり一体感が ある」は営業プロフェッショナル0名(2.08)<営業プロフェッショナル1名(2.71)、2
名(2.45)、3名(3.33)であり、「自社の販売戦略を理解している」は営業プロフェッシ
ョナル0名(2.46)<営業プロフェッショナル1名(2.86)、2名(2.91)、3名(3.67)であっ た。しかし、図5.9および図5.11より、営業プロフェッショナルが存在しない店舗 と存在する店舗では、理想的影響行動に関する評価にあまり差がない。よって、理 想的影響行動は営業プロフェッショナルの確保、育成に影響がない可能性があると 考える。
次に、「社長の役割は通常の仕事において明確である」は経営者のカリスマ性に関 する質問であった。営業プロフェッショナル0名(1.62)<営業プロフェッショナル1 名(2.71)、2名(2.18)、3名(3.33)であった。図5.10でも営業プロフェッショナルが存 在しない店舗と存在する店舗では経営者のカリスマ性に関する評価に差がある。よ って、経営者のカリスマ性は営業プロフェッショナルの確保、育成に影響がある可 能性があると考える。
更に、「社長の期待は販売増へのモチベーションになる」はモチベーションの鼓舞 に関する質問であったが、営業プロフェッショナル0名(2.46)<営業プロフェッショ ナル1名(2.71)、2名(3.00)、3名(3.33)であった。しかし、図5.12では営業プロフェ ッショナルが存在しない店舗と存在する店舗では、モチベーションの鼓舞に関する 評価にあまり差がない。よって、モチベーションの鼓舞は営業プロフェッショナル の確保、育成に影響がない可能性があると考える。
また、「社長の言動にはよい刺激をうける」は知的刺激に関する質問であったが、
営業プロフェッショナル0名(1.92)<営業プロフェッショナル1名(2.00)、2名
(2.09)、3名(2.67)であった。また、図5.13より営業プロフェッショナルが存在しな
い店舗と存在する店舗では、知的刺激に関する評価にあまり差がない、よって知的 刺激は営業プロフェッショナルの確保、育成に影響がない可能性があると考える。
上記をまとめ、経営者のリーダーシップと営業プロフェッショナルに関して考察 する。経営者のリーダーシップの要因として、カリスマ性、個別的配慮が営業プロ フェッショナルの確保、育成に有効である可能性があると考える。また、理想的影 響行動、モチベーションの鼓舞、知的刺激は営業プロフェッショナルの確保、育成 に影響がない可能性があると考えた。表5.44、図5.9、図5.11、図5.12、図5.13から も営業プロフェッショナル3名を除いて、営業プロフェッショナルが存在しない店 舗と存在する店舗ではさほど差がないと考える。
営業プロフェッショナルと組織特性に関し考察する。「会社に規則がある」は Kerr&Jermier(1978)が組織特性の下位尺度とした「組織が公式化されておりルールが
139
定まっている」に関する質問であったが、表5.44、図5.15より、営業プロフェッシ ョナルの人数と「会社に規則がある」の評価に差があまりなく、営業プロフェッシ ョナルの確保、育成に影響がない可能性があると考える。また、表5.44、図5.16よ り、「会社の各種手続きは決まっている」の評価と営業プロフェッショナルの人数に 差はあまりなく、営業プロフェッショナルの確保、育成に影響がない可能性がある と考える。更に「社員同士の結束は固い」の評価と営業プロフェッショナルの人数
は表5.44、図5.17より営業プロフェッショナルの人数問わず、評価200~3.00に入っ
ており、評価にあまり差がなく、営業プロフェッショナルの確保、育成に影響がな い可能性があると考える。以上を踏まえて、「会社に規則がある」、「会社の各種手続 きは決まっている」、「社員同士の結束は固い」を下位尺度とした組織特性は、表
5.44、図5.18より、営業プロフェッショナルの人数問わず、評価7.00~9.00に入って
おり、評価にあまり差がなく、営業プロフェッショナルの確保、育成に影響がない 可能性があると考える。