5.5 営業プロフェッショナルに関する考察
5.5.1 営業プロフェッショナルと個別的配慮、構造作りに関する考察
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は、構造作りは強くなく、低いことが予想される。実際、構造作りの平均値3.05は存 続レベルに比べ低い。つまり、仮説通り生産性が低い低業績グループにおいてリーダ ーシップがない場合、その代替要因となる構造作りも低かった。しかし、表4.8より、
リーダーシップと構造作りは正の相関(r=0.582, p<0.01)があった。また表4.7において もリーダーシップと構造作りは正のかなりの相関(r=0.751, p<0.01)があった。要するに、
本研究では低業績と高業績の相関分析では共にリーダーシップと構造作りは正の相 関が認められたが、高業績では、リーダーシップもあり構造作りもあり、低業績では 双方ともなく、構造作りがリーダーシップの代替要因であるとは考えられない可能性 がある。仮に構造作りがリーダーシップの代替要因となるならば、リーダーシップが なくとも構造作りがあれば生産性、つまり業績は問題なしであるが、その事例は確認 できなかった。
また、組織特性がリーダーシップの代替要因となるか考察する。表4.7より業績が 高い存続レベルでは正のかなり強い相関があった。このことより、本研究では経営者 のリーダーシップが高ければ、組織特性も高かったことが確認された。しかし、表5.41 より平均値は低業績グループ 6.00<高業績存続レベル 7.71 であり、リーダーシップ と構造作りのような大きな差ではない。よって、業績が低い場合、組織特性である会 社のルールや社員の結束が著しく低いとは言い切れない。また、表4.8よりリーダー シップと組織特性は相関が認められなかった。リーダーシップとの関わりがなく、業 績の優劣にもあまり差がないということにより、組織特性がリーダーシップの代替要 因になるとは考えられない可能性がある。
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長は目標達成にサポートしてくれる」により個別的配慮を評価し、「2-1.仕事はルーチ ンワークである」、「2-2.仕事はやりがいがある」により構造作りを評価した内容の記 述統計を表5.42で示す。
表5.42 全店舗を対象とした個別的配慮・構造作りと営業プロフェッショナルに
関する記述統計
また、営業プロフェッショナルの人数と「仕事はやりがいがある」の箱ひげ図を図 5.1 で示し、営業プロフェッショナルの人数と「仕事はルーチンワークである」の箱 ひげ図を図 5.2、営業プロフェッショナルの人数と「仕事はやりがいがある」の箱ひ
げ図を図5.3、営業プロフェッショナルの人数と構造作り値に関する箱ひげ図を図5.4
で示す。
度数 平均 標準偏差 標準誤差 最小 最大
下限 上限
0名 32 1.03 0.46 0.18 0.67 1.39 0 2 3名 3 2.33 0.58 0.33 0.90 3.77 2 3 0名 32 1.97 0.40 0.07 1.82 2.11 1 3 1名 7 2.71 0.49 0.18 2.26 3.17 2 3 2名 11 2.73 0.47 0.14 2.41 3.04 2 3 3名 3 3.33 0.58 0.33 1.90 4.77 3 4 0名 32 1.50 0.62 0.11 1.28 1.72 1 3 1名 7 2.57 0.54 0.20 2.08 3.07 2 3 2名 11 2.55 0.52 0.16 2.19 2.90 2 3
構造作り 0名 32 3.47 0.84 0.15 3.17 3.77 2 6
1名 7 5.29 0.95 0.36 4.41 6.17 4 6 2名 11 5.27 4.67 5.88 4.67 5.88 4 6 3名 3 6.33 0.58 0.33 4.90 7.77 6 7
※「社長は目標達成にサポートしてくれる」の1名、2名、「仕事はやりがいがある」の3名は一定のため図5.1、図5.2、図5.3、図5.4で示す。
営業プロフェッ ショナル
平均値の 95% 信頼区間
社長は目標達成に サポートしてくれる 仕事はルーチン ワークである
仕事はやりがいが ある
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図5.1 営業プロフェッショナルの人数と「社長は目標達成にサポートしてくれる」
図5.2 営業プロフェッショナルの人数と「仕事はルーチンワークである」
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図5.3 営業プロフェッショナルの人数と「仕事はやりがいがある」
図5.4 営業プロフェッショナルの人数と構造作り値
また、業績が高いこと、生産性が高いを前提とした存続レベルで営業プロフェッシ ョナルの人数と「1-6.社長は目標達成にサポートしてくれる」により個別的配慮を評 価し、「2-1.仕事はルーチンワークである」、「2-2.仕事はやりがいがある」により構造 作りを評価した内容の記述統計を表5.43で示す。
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表5.43 存続レベルに限定した個別的配慮・構造作りと営業プロフェッショナル
に関する記述統計
存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と「仕事はやりがいがある」の箱ひげ 図を図5.5で示す。
図5.5 存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と
「社長は目標達成にサポートしてくれる」
度数 平均 標準偏差 標準誤差 最小 最大
下限 上限
0名 13 1.69 0.75 0.21 1.24 2.15 0 2
3名 3 2.33 0.58 0.33 0.90 3.77 2 3
0名 13 2.00 0.58 0.16 1.65 2.35 1 3
1名 7 2.71 0.49 0.18 2.26 3.17 2 3
2名 11 2.73 0.47 0.14 2.41 3.04 2 3
3名 3 1.90 0.58 0.33 1.90 4.77 3 4
仕事はやりがいがある 0名 13 2.08 0.49 0.14 1.78 2.38 1 3
1名 7 2.57 0.54 0.20 2.08 3.07 2 3
2名 11 2.55 0.52 0.16 2.19 2.90 2 3
構造作り 0名 13 4.08 0.95 0.27 3.50 4.65 2 6
1名 7 5.29 0.95 0.36 4.41 6.17 4 6
2名 11 5.27 0.91 0.27 4.67 5.88 4 6
3名 3 6.33 0.56 0.33 4.90 7.77 6 7
仕事はルーチンワークで ある
※「社長は目標達成にサポートしてくれる」の1名、2名、「仕事はやりがいがある」の3名は一定のため図5.1、図5.3で示す。
平均値の 95% 信頼区間 営業プロフェッ
ショナル 社長は目標達成にサ
ポートしてくれる
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存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と「仕事はルーチンワークである」の 箱ひげ図を図5.6で示す。
図5.6 存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と
「仕事はルーチンワークである」
存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と「仕事はやりがいがある」の箱ひ げ図を図5.7で示す。
図5.7 存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と「仕事はやりがいがある」
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存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と構造作り値の箱ひげ図を図5.8で示 す。
図5.8 存続レベルの営業プロフェッショナルの人数と構造作り値
表5.42、図5.1より、「社長は目標達成にサポートしてくれる」という個別的配慮
の評価の高まりと共に営業プロフェッショナルは増加している。図5.2、図5.3、図 5.4より、「仕事はルーチンワークである」、「仕事はやりがい」という構造作りの下 位尺度の高まりと共に営業プロフェッショナルの人数も増加傾向にある。先行研究 (Kerr&Jermier, 1978)によれば、プロフェッショナルは上司の配慮的リーダーシップ の代替要因となると提唱されたが、本研究の結果では、代替要因というよりは、む しろ個別的配慮の高まりが営業プロフェッショナルの育成、確保の要因ではないか と考える。先行研究で提唱されたとおりであれば、仮に営業プロフェッショナルが いれば、リーダーの個別的配慮は代替されて不要となるが、そのような結果は確認 できなかった。これは研究職と自動車販売会社の営業職では異なる可能性があると 考える。
また、個別的配慮に関しては、表4.2より、業績が低い閉店レベルと比較し、業績 が高い存続レベルで個別的配慮の高まりが確認された。また、表5.42、図5.1より営 業プロフェッショナルが存在しない店舗では個別的配慮は低く、営業プロフェッシ ョナルがいる=業績が高い店舗では、高まりが確認できた。しかし、前章でリーダ ーシップの下位尺度得点から個別的配慮は業績が高くとも必ずしもあるとは言えな かった。よって、本研究においては、個別的配慮とは業績への直接的な要因ではな
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いが、営業プロフェッショナルの確保、育成には有効であり、営業プロフェッショ ナルが育成、確保された場合、業績向上の要因となると考える。そして、存続レベ ルにおいては、表5.43、図5.5より、営業プロフェッショナルが存在する場合、個別 的配慮の評価は存続平均1.91以上であった。
また、図5.6、図5.7、図5.8より同じ存続レベルでも構造作りの高まりが営業プロ
フェッショナルの高まりに関係かあると考える。表4.7より、構造作りと経営者の変 革型リーダーシップは正のかなり相関がある(r=0.702, p<0.01)。また、表4.1、表4.3 においても業績が高まると構造作りも高まる。しかし、同じ存続レベルだが、構造 作りが高ければ高いほど、営業プロフェッショナルが多くなっている。このことよ り、構造作りが営業プロフェッショナルの確保、育成に関係する可能性があると考 える。