5年E組
2. 評価
初年度ではあったが、各項で報告したような成果をあげることができた。反省項目を着実に改善で きるよう、さらなる研究に邁進したい。それとともに、校内での教員研修体制の充実や、ICT活用の ためのインフラ整備、学校外の連携先のさらなる開拓も進めていきたいと考えている。
(2)課題研究以外の取り組み 1.英語で行われる授業の比率の増加
大学入試、外部模試等の出題に向けた長文読解精読授業や文法解説中心だった授業形態を、
スピーキング、プレゼンテーション、コミュニケーションを強化する授業に変更する仕組 みを検討して以下の内容を実施した。
1)英語プレゼンテーション授業の実施
[1]
仮説読解授業で進めていた教材を土台に、要旨をまとめさせ、グループプレゼンテーションを 経験することで、国際的な場で研究発表を英語で行うためのプレゼンテーション能力を身 につけさせる一歩になると考えた。
[2]
内容・方法①対象 : 1年生 106名
②担当者: 田辺愛(英語科)・遠山裕美子(英語科)
③実施日: 全10回 (5回×2)
2学期
11/12, 11/13, 11/17, 11/18, 11/20
3学期2/19, 2/23, 2/24, 2/25, 2/26
④内容 : 第1回 要旨のまとめ (個人)
第2回 要旨のまとめ (グループ)
第3回 プレゼンテーションのモデル例 ( TED / YouTube ) 第4回 オープニング、クロージング作成とグループ練習 第5回 発表
[3]
検証①生徒感想
・難しい単語の発音、アクセントを正確に覚えなければいけなかったので大変だったが、
人前で間違えたくないので練習したことで定着したと思う。
・他のグループのオープニングを聞き、次回はもう少し聴衆を惹きつけるようなオープ ニングを考えたい。
・聴衆の理解が深まるように、伝わるようなプレゼンを心がけたい。
②担当者所見
筆者の意図やプレゼンテーションでポイント とする部分を確認しながら、英文を理解する 姿勢が見られ、英文素材理解への効果があが ったと思う。視覚的資料を使いながらプレゼ ンテーションを行うため、原稿を暗唱して話 すというよりも、わかるように説明しながら 話す練習はよい訓練になったと思う。今後は 各プレゼンテーションの資料や準備にかける
時間に猶予を設けることで生徒達の定着を図れるように工夫していきたい。
2)Skype によるアメリカの高校との交流授業
[1]
仮説海外の生徒とリアルタイムで交流(自己紹介、日本紹介)を行い、今後さまざまなテー マを設定して交流をすることができると考えた。
[2]
内容・方法①対象 : 1年生
50
名②担当者 : 田辺愛(英語科)・遠山裕美子(英語科)
③実施日 : 全
5
回
12/ 1, 12/2, 12/3, 12/4, 1/30
④内容 : 自己紹介、インタビュー、日本紹介、マーシャル諸島文化理解
[3]
検証<担当者所見>
・最初の二回はマーシャル諸島の先生との 打合せ通りに会話が進まず、テーマがそ れてしまったが、三回目の授業からはア メリカと日本とで話す順番と時間を正確 に決めて進めたのでコミュニケーション がスムーズに行うことができた。リアル タイムでアメリカの高校と英語で交流で きたことは、生徒の英語学習のモチベー ションに繫がったと思われる。
3)オーストラリア、ニュージーランド留学生徒の交流授業
(1)オーストラリアコルベカレッジ生徒との交流
【内容】
①対象 :
1
年生26
名②担当者 : 遠山裕美子(英語科)
③実施日 :
10
月9
日(木)④内容 : 環境に関わる語彙比較
(2)ニュージーランド生徒との交流
【内容】
①対象 : 中学
2
年生40
名、中学3
年生40
名、高校1
年生30
名、1年生30
名 ②担当者 : 澤本圭一(教頭)・小山誠(音楽科)・大沼博一(体育科)小野瀬淳子(道徳茶道)・中村祐子(箏曲部顧問)
安藤秀夫(英語科)・遠山裕美子(英語科)
③実施日 : 9月30日(火)
④内容 : 茶道授業、体育合同授業、音楽合同授業、箏曲部体験・吹奏楽部体験・
ランチ交流
4)GTECスピーキング導入とその対策に向けての授業展開
【1】仮説
スピーキングテスト実施に伴い、担当教員及び生徒達が、英語で発信し、意見を言う、
状況を英語で説明するという力を身につけていく動機付けになると考えた。
【2】内容
①対象 : 1年生106名
②担当者: 田辺愛(英語科)・遠山裕美子(英語科)
③実施日: 1月
14
日、15日 ④内容 : 1.音読2.質問を聞いて応答する。
3.ストーリーを英語で話す。
4.自分音意見を述べる。
【3】検証 ①生徒感想
・限られた時間内で英語を整理して話すのが難しかった。
・わかっている簡単なことがすぐに出てこなかったのでトレーニングが必要だと思 った。
・タブレットに向かって英語を話すことが慣れていないので戸惑ってしまった。
・英語は得意だと思っていたが、話すことは不得意だと認識した。
②担当者所見
日頃から音読は指示に 従って行っていたが、英 語をはっきり話すこと、
発音アクセント、英語の リズムに気をつけて話 すことの大切さを、生徒 自身気づくことができ る機会になり、大変良か ったと思う。来年度も継 続することで生徒自身 が自分のスピーキング
力の伸長を実感し、さらに磨きをかけてくれることを期待したい。またスピーキ ングテスト結果から、筆記模試の偏差値が高い生徒が必ずしも上位とは限らず、
3
ヶ月留学を経験した生徒が上位に名前を連ねていたことから、留学しない生徒 達にも臆することなく英語を話す機会を与えることが出来るよう今後英語科で 指導体制を検討していきたいと思う。5)英語で数学、英語で体育、英語で家庭科のイマージョン授業の実施
[1]
仮説数学、体育、家庭科の授業を英語で学ぶ機会を作り、自然な会話を授業に折り込みなが ら、英語で思考、理解し、コミュニケーションを取ることで、自然な英語を習得すること ができると考えた。
[2]
内容・方法①対象 : 数学 希望者120名、
体育・家庭科 1年生 全クラス210名
②担当者: 田中勝人(体育科)・大沼博一(体育科)・廣田光昭(体育科)・田口貴恵
(家庭科)
吉野そのえ(英語科)・遠山裕美子(英語科)
ウィリアム ハート(非常勤講師)・ウショカ ワイケリン(非常勤講師)
③実施日: 1. 英語で数学
6/9,6/16, 6/17
2.
英語で体育11/19
2時間目~4時間目、11/21 4時間目~6時間目
3.
英語で家庭科2/9
4時間目~6時間目、2/10 4時間目~6時間目④内容:
1.
四則演算と平面図形の内容を視覚教材を利用して、英語で実施。2.
倒立前転を最終目標に、整列、出欠、準備体操から始まり、全て体操を英語の指示 で実施。3.
フレンチトーストフルーツ添えとキャベツのスープを説明、実演全て英語で行い実 施。.
[3]
検証<担当者所見>
家庭科、体育などの実技教科は英語をコミュニケーションツールとして実感できるの で大変よかったと思う。英語イマージョン教育授業を増やしていくことで、英語を使う 意義と目的が生まれ、また理解しなければならない必要性により語学力向上を促進して いきたい。
<2015年度に向けて>
今年度の取り組みをさらに発展させて、ディベート授業や外部ディベートコンテスト参加、
海外留学生徒の問題解決型学習などさらに発展させていく予定である。
2.海外大学・海外留学に向けて
日本の大学の進学指導に特化していた体制から海外留学、海外大学進学を希望する生徒に 情報を提供できるように体制を変更し、また海外短期留学希望生徒の選抜テストに新テス トを導入した。
1)海外留学、海外大学進学の情報収集
2)海外留学生徒のプレースメントテストに TOEFL Junior を導入
<2015年度に向けて>
今年度からTOEFL対策講習やネイティブによる夏期講習を実施して、海外留学準備の 仕組みや体制を整えていきたい。また希望者がTOEFLを受験できる機会も検討してい く。
3.留学生徒のサポート及び姉妹校交流体制の確立
留学予定の生徒に対して、事前指導の一環として海外からのゲストや海外留学生と交流す る機会を作り、また海外留学生の本校受け入れに対しても積極的に動き、来年度の受け入 れ留学生を確保することができた。
1)品川区派遣留学生徒の交流
2)留学受け入れ準備の強化 (AFS他)
3)サウジアラビア等の海外ゲストとの交流
<2015年度に向けて>
今年度から留学希望生徒だけではなく、本校の生徒達が全員が日本の文化を発信できるよ うに指導計画をたてていきたい。具体的には授業内シラバスに組み入れて、国内で発表で きる機会を作っていく予定である。
7 目標の進捗状況、成果、評価
<添付資料>目標設定シート
8 次年度以降の課題及び改善点
(1)管理機関の課題認識と改善点
SGH
の推進と波及効果によって、より優れた教育を行う意欲と熱意につつまれた学校と なることを目指す。学院の支援の課題は、熱意ある教員とSGH
推進のための環境整備と 認識し、以下のように継続的な支援と改善を目指す。・欠員が生じた場合には、SGHの取り組みに理解と興味を示す、熱心で意欲のある教員
の採用を目指す。
・予算の管理、外国の学校との交流が円滑に行え、HP等の発信等の
SGH
の支援の体制 を事務所内に作る。そのために、SGH
担当の非常勤事務員に加え、海外交流アドバイ ザーを雇用する。・ICT教育の活発化を目的とし、必要に応じて校内
LAN
環境の向上などに予算を配分し て支援する。・SGHの研究課題以外の国際的な視野を広めリーダーシップ向上につながる試みに対し ても、学院負担での予算で支援し、実施ができるよう努力する。
(2)研究開発の課題と改善点
➀課題研究について
課題研究が適切で効果的に実施されることを課題と認識。本年度の実施の評価・
反省等をふまえて次年度の計画を検討した。次年度の計画と改善点については、
研究開発実施計画書(別紙様式1)にてまとめて文部科学省に提出している。そ の内容は以下の通り。
P1
デザイン思考から問題発見力を育成する講座実施坂井直樹教授(前慶應義塾大学教授、現成蹊大学客員教授)監修による実施。坂井 教授による講演を実施し、大学生の
TA、株式会社 CURIO SCHOOL
からの講師を招 いて、本校の教員とのデザイン思考のチームティーチングを行う。身近な課題を発 見し、解決法を議論するワークショップを中心とした講座を行う。デザイン思考は、課題研究
P3,P4
に活用できるリテラシーとなるため、P3,P4
の成果向上を目的として、平成
27
年度以降は高1
から中3
に繰り上げて実施する。平成27
年度は、移行措置 として、高1
でも講座を実施する。P2
リーダーシップ研究講座実施熊平美香教授(日本教育大学院大学前学長、現同大学院客員教授)監修による実施。
熊平教授と認定
NPO
法人Teach for Japan
からの講師を招いて、本校の教員とのリー ダーシップについてのチームティーチングを行う。課題に対して、チームとして取 り組み、解決法を議論するワークショップを中心とした講座を行う。この講座で学 んだ手法を用いた活用は高3
まで継続して行う。リーダーシップは、課題研究P3,P4
に活用できるリテラシーであるため、P3,P4の成果向上を目的として、平成27
年度 以降は、高2
から高1に繰り上げて実施する。平成27
年度は、移行措置として、高2
でも講座を実施する。また、高2
の夏休みに、グローバルリーダーシップへの興 味と理解を深めることを目標にグロービス経営大学院と連携し、希望者向けの特別 授業を実施する。MBA
取得目的で海外から日本に来ている留学生達がTA
として入 り、グローバルリーダーシップをテーマとした課題解決型授業を英語で行う。P3
衣食住を通じて外国との比較をし、PBLの実施高2の家庭科の授業で行う。オーストラリア(コルベカレッジ)とシンガポール(ア ングロチャイニーズスクール)の
2
校とICT
機器を利用し、Evernoteを介しての課 題解決型の授業を行う。各交流校で、4 名程度のグループを作り、グループごとに 身の回りの生活に関しての課題を設定して交流校と議論をし、解決法をまとめる。まとめた解決法を学校毎に発表の場を持ち、代表グループを決定する。各学校の代