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計  9 10 18 3 9 14 16 3 27 25 30 24 7  2

(3)先行授業実践の分析結果からみた成果と課題

 各授業実践の分析結果については、資料編の【資料2】先行授業実践分析 に掲載してあるので、ここでは、全体的な分析について述べたい。分析結果 は、大きく以下の3点に集約される。

a 授業で取り上げる信仰形態は、儀礼が最も多かった。また、現代の視 点を組み入れた実践が25事例みられるが、過去と現代の民俗を単純に 比較する傾向が強く、時代の変遷の中で信仰を捉えたり、当時の人々の 心情や願いから社会のしくみを考察するまでには至っていない実践が

多かった。

b 主題学習が27事例みられる。しかし、特設単元を設け、一つのテー  マやトピックにより単元構成がなされる事例が多く、特定の歴史事象に  ついての学習は詳細に進められるものの、通史的な視点に欠け、歴史の  全体像の中における事象の位置づけが、生徒にとって掴みにくいものと  なってしまっている。他方、学習活動では講義中心14事例、調査・発

表中心16事例と大きな差はみられなかった。

C 授業過程については、探究・仮説までが24事例、吟味・検証までが  7事例みられた。ただし、ここでみられる吟味・検証は、特定の地域、

事象に限定されたものが多く、獲得する知識は説明的知識が多く、その 限界性が感じられた。応用・発展がみられた2事例は、地域から他地域 への知識の転移がみられ、概念的知識の形成をめざすものであった。

・34・

第1章 日本史教育における民間信仰の取り扱いの現状

〔引用文献〕

1  堀一郎『民間信仰』岩波書店、2005年 pp。7〜8 2

3 4 5

前掲『民間信仰』p.12

桜井徳太郎著『宗教と民俗学』岩崎美術社、1969年 p.230

r民間信仰と民衆宗教』吉川弘文館、1994年(池上広正r民間信仰j p.3)

前掲『民間信仰と民衆宗教』pp.3〜4

 池上氏は日本における民間信仰について西欧との比較を通して次のように述べている。

    もともと、「民間信仰」が学的な立場から研究の対象として注目されたのは、西欧    の、主として宗教民族学者の側からであり、研究の目的とするところは、文化民族の    内に自然宗教的儀礼、信仰の残存を予想し、之を深く探求することによって、文化社    会の内で如何に自然的宗教や信仰が展開したか、その跡を辿ろうとすることにあった,

   (略〉この場合の『民間信仰』は、常に未開民族の持つ自然宗教と、その本質におい    て極めて近いものと解釈されてきた」とある。一方、日本における民問信仰は民俗学    との関連性を主張して次のように述べている。「民俗学の立場から主張する民間信仰    研究の目的は、宗教民俗学におけるが如く、この研究の結果を直ちに未開民族の自然    宗教と結びつけるのではなく、夫々個々の文化民族の持つ呪術・宗教的観念、儀礼の    展開を明らかにし、夫等を相互に比較することによって、個々の文化民族の持つ呪    術・宗教的観念、儀礼の特殊性を明確にするのが第一の目的であり、第二の目的は、

   この操作を通じて、文化民族全般に普遍的な民間信仰の本質を把握することにあると    した」と述べている。このことは、西欧と日本における民間信仰の捉え方の違いをあ    らわしている。

6  福田アジオ・神田より子・新谷尚紀・中込睦子・湯川洋司・渡邊欣雄r日本民俗辞典』

吉川弘文館、2004年pp.517〜518

7 圭室文雄、平野榮次、宮家準、宮田登『民間信仰調査整理ハンドブック上理論編』雄山  閣出版、1987年p.3

8  前掲『民間信仰調査整理ハンドブック上理論編』p。4

  宮田氏はこのことについてrたとえば、日本の地域社会には、稲作や畑作に従事する農  民のほかに漁民、山民がおり、さらに都市社会を構成する多様な都市民が存在している」

 としている。

9  前掲『民間信仰調査整理ハンドブック上理論編』

10  谷本美彦rはいまわる社会科」(r社会科 重要用語300の基礎知識』明治図書、2000  年)p.37に次のような指摘がある。

    こうした経験主義に基づく初期社会科に対して、子どもの表面的な活動に目を奪わ    れた低次の学習、すなわち「はいまわる社会科」であるという評価がなされる一方で、

  基礎学力の低下を招くとか、「相互依存関係一社会機能法」による社会のとらえかた   や単元構成法は、日本社会に存する階級対立や課題を覆い隠すものであるといった批    判がなされた

11  文部科学省『高等学校学習指導要領解説 地理歴史編』実教出版、1999年

pp.116〜117、 pp。2〜5

  さらに、第一章総説2改定の趣旨イ改善の具体的事項 (ア)に次のような記述がある。

   地理歴史科については、現行の基本的な科目構成を維持しっつ、各科目の特性を生    かして内容を厳選するとともに、各科目で主題学習による内容を工夫し、また科目内    で内容を選択して学習する仕組みを一層拡充して重点を置いて学習できるよう工夫    する

12  星村平和r歴史教育における内容の革新」(r社会科研究』第30号記念論叢 日本社会  科教育研究会、1982年 p.31)の中で氏は歴史学の状況を次のように指摘している。

    これまで、歴史学の対象とする歴史事実は、非日常に基づいて成り立っているとい    う前提があった。そのことが、現在の歴史学を一種の閉塞状況に追いやっている誘因    ともなっている。歴史学が、長い研究の蓄積があるにもかかわらず、政治・経済・法   律・社会関係といった分野別にしか人間活動のあり様をおさえることができなくなっ   ていると指摘されるのも、一つはここに問題があるといえよう

13  米田豊「民俗学の研究成果を組み込んだ社会科内容・授業設計」兵庫教育大学大学院  修士論文、1990年 p.58

  竹岡敬温『アナール学派と社会史』同文館、1990年 pp.31〜3214 15  文部科学省r高等学校 学習指導要領解説』実教出版、1999年 p.155

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第2章 日本史教育における民間信仰活用の意義と方法

第2章 日本史教育における民間信仰活用の意義と方法