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第4章  五郷地区における蜜柑作農家の経営構造

第2節  親書農家における蜜柑作部門の分析

第1項 諏重患家における蜜柑園の諸条件    1..蜜柑園の形態   

まず傾斜度別面積割合を個別農家についてみると(第38衷)No…3およびNoい19では平坦乃至綬傾斜地薗率   が62%,59%で高く,またNo.8,No一.アでもそれぞれ29%,14%となっているが,その他の農家では総べてが   急傾斜園のみに.なっている 

次に耕地の構造をみると,蜜柑園では階段工を行っているものが多いが,自然傾斜囲もかなり大きい割合をし   めているばかりでなく,階段工も土羽,石垣をとわず,棚面の平坦なものはなく,いずれも緩又は急傾斜段畑の   形をとり,また段幅の狭いものが多い、   

2..蜜柑園の環境条件   

調査農家における盈相国の土地条件としては,Nd.′1と,No一ノ3の園には北向の園が多く,またNo.1,No.7   の園には土壌優蝕の大きい園が存在するものの耕土の浅い園(15cm以下)がないのに.対し,No.8では排水不良   閣が,またNo20では日照不良園がある..また反収中イ立のNo..14,No.15では洩耕土の園が多く,No‖19の園   では浅耕土園の上に排水不良園45%を含んでいることが注目される.なお蜜柑園の団地数や一周地当り面積およ   び住宅より因までの距離等における条件の良否が,盈相国の生産性に関係をもつことほ既に述べた如ぐである   が,反収の高いブル−プに属する農家,Noい1,No.7,Noパ17では若干距離の遠いものの割合は高いが,一団地   当り血積が大きくなっている 

第2項 蜜柑園の利用形態   

1.蜜柑園の栽植状況   

調査農家における盈相国の栽植状況を示すと算39表の如くであるい まず附系統についてみると,樹令の古いも   のに普通温州,特に池田系が多く,若い樹令のものほど卑生温州,特に井関早生が多いい 次に桓)栽桔拒離では普通  

温州の大部分が12尺×12尺の75本棉となっているが,No.3の45年生盗用の9尺×9尺の反当133本楯或いは9   尺×12尺の100本楯とか,No.8の40年生賓柑やNo.19の30年生蜜柑の10尺×10尺の108本植にみられるように,  

栽植年次の ̄占い閲は概して密植の傾向がみられる..これに対してNo17の2年生賓紺のエ5尺×15尺の48本地が   

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示すように,近時深耕疏植の開園方式が唱導されてから,栽植距離を拡大する傾向が若干現われている.しかし   他方では盈柑は概して成長がおそいこと1・および生育過程に欠株を生じ易いことなどに.より,早期多収を目的と  

し,必要に応じて間伐又は間引移植を前提とした反当100本以上の密楓所謂計画的密植激増が指導されており,  

No19の新植園に実施されていることも注意を要することである.またその植え方であるが,所謂等高線裁植は   殆んど行われていず,多くは単なる正条植がとられており,このことが階段工やその他の棍蝕紡」ヒ処置の実施に 

第39来 賓紺樹の栽植状況   

− 55 岬   

上る盈紺園の改凄を阻む大きな原因となっているのであって,盈紺園の間伐が実際上仲々困難であることと相ま   つて,栽相方法の当否は開園上の重要問題であるこ.とを示している 

なお本家にみる限り平坦地と急傾斜地の栽植本数の間には差異がなく,栽植本数の差異はむしろ栽植年次と関   係しており,栽植方法や努定整枝の方法,及び根本的には土壌の深さや肥沃皮などと関連する樹の大きさによっ   て規定されるべきであろう 

2.蜜柑園の樹令別構成   

次に.盈相園の樹令別構成の適当な維持が果樹園経営上の主要問題の−一つであることは,一丁.D.Black(31)や藤田   克治氏(き2)等によって−強調されているところであるが,調査農家の場合についてみると10戸平均では20〜40年生   の盛果期にあるものが約50%であり,また40年生以上のものと10〜20年生の割合が等しく,しかも10年生未満   の新植も亦行われている.次にこれを個々の農家についてみるとNo.7(もっともこの農家では昭和31年皮に   3…5反の開園新植を行っている),No.14,No.15,No‖20は感来期乃至それを越えるもののみから構成されてお  

り,蜜柑経営の永続的安定という観点からみて不安定な構成といわなければならないい もっとも現実に・おける蜜  

柑園の樹令構成は近藤康男教授が示しているように(S3),またNo…8の20年生2.0反の蜜柑園が頭初反当100本   討200本哉植されたに.も拘わらず,現在は40年生120本,そのうち70本に・抽砧の根按を行う一方,現在3年生の  

もの20本が補植され混在している如く俊雄になっている場合が多い・しかしこのような幼令樹の混在は神栖闇の   所謂忌地の問題とか周囲の蜜柑に・よる被蔭,或いはエカキムシや蛾虫などの防除の鄭こ頻繁な実施が望まれる釆   剤撒布作菓上の著しい不便など,多くの問題があることに注意しなければならない(34)   

3い 蜜柑園の間作状況   

次に調査農家の間作状況をみると筋40表の如ぐであって,一腰に・は植付後10〜15年生位まで普通作,特に夏作   として大豆及び甘藷,冬作として裸麦が多い.その間作利用率,即ち園面掛こ対する間作物の播種面積割合は略   一年目ほ80%,ニ年目70%,三年目50%,四年目40%,五年目30%程度となり,以後10〜15年目イ立まで30〜10  

%程度で間作されるのが普通といわれるが,これも農家の経営事情に.よってかなりの差異がみられる・.たとえば  

Nol3では,間作利用率は樹令とともにかなり急速に.減少しており,2間×2問の反当75本楯の場合は6年目で蜜  

柑樹の板が相互付こ接触するとして−,間作をやめているのに対して,No.8では1年目90%,2年目85%,3年目   75%の如く当初の間作率が極めて高い上に10年日産で約10%の利用を行っている如くである 

なお間作は一・般に急傾斜地園には行われること少なく(No.3,No.11)また地味の悪い囲も避けられる傾向が   あり(No.7),さらに日蔭地などは栽培が困難とされる(No.20)り しかし間作実施の有無及びその程度は,これ  

第40褒 詞査農家の間作状況 (29年皮) 単位:反   

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らの蘭地の条件によるばかりでなく,むしろ当該農家のもつ耕地の広狭と家族構成 関連する労働力及び消費単   位などによっても影轡されるようである.   

而して間作はその方法によっては,土盛の流亡防止に・効果があり,特に所謂緑肥作物の間作を忠味する草生栽   培の適切な実施は多くの長所をもっているが,反面間作の実施は一般に蜜柑園作業を困難として能率を低下する   ばかりでなく,特に盈紺の幼令期には蜜柑樹を被蔭し,風通しを感くして病虫害を増大する傾向があり,また普   通作物の間作,特に一甘藷や麦を間作とする場合には,蜜柑樹に対してかなりの悪影響が考えられるのであって,  

消費単倖の大きい零細規模層ほど間作率の高いことは当面の食糧自給の強化を将来における蚤相生産力の犠牲に  おいて行っているともいえるのであり,ここに果樹園間作における経営的性格を競うことができる 

第3項 蜜柑作部門における粗収益の構成  

調査農家における温州蜜柑の昭和29年度及び30年皮の生産崖を示すと.第41表の如くであって:,家計仕向畠はニ  

ケ年平均50′・叫′130鼠で10戸平均蝕7:臥従って平均商品化率は96…8%となるがその家計仕向愚の差異が比較的小  

さいだけに,概して栽培面積の小さい農家ほど商品化率が幾分低下している 

なお販売方法についてみるとNo.19がニケ年平均212‖6貿,即ち販売総鼠の約27…2%を農協以外に販売する   ほか,100〜16(慣層皮を農協外に販売するものもあるが,反対にNo・3やNo・20の如く,殆んど全部を農協に  出荷している農家もあり,10戸平均でほ,29年皮86小4貰30年皮953貢が農協外に販売されているにすぎヂ,農  

協への出荷販売率はニケ年平均95‖9%に・達しているい本村に・おける蜜柑の共同販売が農協を通じて如何に強力に  

行われているかを競うことができよう・なお若干みられる農協外への販売に対しては,農協の共同販売の取扱期   間が普通10月より3月までであり,その他の時期の販売が自由に委されていること,および,病虫被害果や小玉   などの所謂「クズモノ」は農民心理として,他人と‥比較される農協への出荷を好まず,自家消掛こあてるはか,  

近所の人やその他の希望に応じて分譲するからであるとも説明されている‖ しかし各々のニケ年平均手取価格   についてみると,No.19の農協販売分の買当価格13075円に対し農協外販売分の買当価格は151・75円,また  

No..19を.除く九農家の平均でも農協販売単価12769円に対し,農協外販売分単価は150・・78円でむしろ高くな  

っており,しかもこの差異は生産鼠の多い未年よりも,生産鼠が少く,価格の一般的疫高い来年においで大きし、  

ので,共同出荷に対する危険な要因として一応注目しなければならない 

次に樹令構成に関連した三つのカ法によって算出した各農家の反当収監即ち「栽培南砂こよる反当収盈」,  

「成因面帯による反当収盈」及び「盛果樹令換算面積に・よる反当収監」の間には,かなりの相違がみられるが,  

成因面掛こよる反当収臨と盛果樹令換界面掛こよる反当収董削ま極めて近似しており,それぞれの順位もー激して   いるので,理論的に妥当と考えられる盛果樹令換路面積(3呵こよって考察を試みることとする 

而して,この衷によれば,ニケ年平均盛果樹令換算面掛こよる反当収最(以下単に反当収監という場合はこれ   を指称するものとする)及び成園面掛こよる反当収監の順イ立は,ともにNoい17農家が,それぞれ1,212・4買およ   び987。1貫で筍1位,次いでNo.3,No.7,No.14,No.11,No」19,No・20,Noい8農家の順序となっており,  

No.8は398.8貫及び347い6買と著しく低いい なお10戸平均の反当収鼠は,それぞれ701・・0買および635日5盟と   なっているが,この平均値を上廻る農家はNo7を例外として(但し柑橘園率は最も高い点を注意せよ)Noい1,  

No…3,No.7と経営規模の大きい農家であり,規模の小さい患家は概して反当収鼠が低い傾向がここでもみら  

れる.   

次にこれを生産価額としてみるとニケ年平均の1戸当り盈相生産額の最高はNoい3農家の116,909円,最低は  

No.20農家の37,592円,10戸平均では81,061円であり,盛果樹令換算面掛こよる反当の場合は政市144,449円  

(No.7農家),最低45,222円(No.20農家)10戸平均91,084円となっていて,農家に・よって著しい相違がみ   られるばかりでなく,その順イ立と反当収段順位とではかなり異っていることが注意されるであろう・例えば反当  

収塩の最′」澱家(Noけ8)と反当生産価額の鼠小農家(Noい20)とが興っていることや,Noり14の如き盛果樹令   換界面積反収においては642い8貰1で第5イ立であったものが,反当生産価楓では117,019円で第3イ立となってい   るい而してこのことは既に指摘した如く,抑果実の品質,等級や階級および販売時期に関連せる当該農家の平   均手取単価の高低および,桓)29年皮と30年皮における手取価格水準の相異と,29年皮と30年皮収鼠の増減,換   言すれば隔年結果型に関係するものである