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〜30り0%(No‖20)にすぎず,この点では最低生活の保証と云う点において米麦作部門の意羨は大きいと云わ なければならない..本地区の蜜柑作農家の■大部分が米麦等,食粒の自給が可髄な程度の水田面鏡を所有し,耕作
する経営形態をとっており,また藤田氏が「日本の経済と農業の実情かちみて,蜜柑園経営の安定はまず主食を 確保して,現金収入を蜜柑に求めるような経営の形態が最も堅実であっで……経営の内容とその安定性に.おい ては,蜜柑閲と水田の兼業経営に勝るものはない(84)」と云う所以であろう
第5章 結論 一 要約 と 展望
以上4章にわたって調査対象地区五郷における蜜柑作の現況及び問題点の解明と関連して,調査農家における 傾斜地蜜柑園の生産性とそれを規制する諸条件を分析し,さらに傾斜地蜜柑園の生産性を規制する要因との関連 において栽培農家の経営経済的構造について考察したのであるが,最後に以上の分析結果を簡単に要約するとと
もに,本調査地区における傾斜地蜜柑園経営虚家の経営改善の方向について考察を試みることとする.
(1)まず五郷村の農業及び蜜柑栽培の概況をみることによって,本村における蜜柑園は典型的な急傾斜地に開 設されているものであり,また温州蜜柑の栽培地区は5部落中,井関,内野々の2部落に著しく集中しているこ と.しかも蜜柑作を中心とした米麦,泰畜部門の校合的経営形態を示す農家の多いこと‖ 従って一本村は第1に,
蜜柑栽培部蒋と然らざる部落との対比において,蜜柑栽培■を規制する要因を分析究明するのに.好都合であること.
軍2に,蜜柑作部門とその他の経営部門との諸関係を問題とする本研究の対象村として適当なものであることが 知られたのである小
(2)次に本文では省略したが,本村の蜜柑栽培の発展過程に.ついてみると,本村における蜜柑栽培は明治17年 頃に導入され,明治21年に栽培が始められたと云われるが,その後大正期の各秤果樹の試作選択時代を経て,昭 和10年頓には蜜細の有利性が確認されて著しい増加をみ,戦時中やゝ停滞するも,戦後再び増穂が著しく第2の 発展期を示していること.本村における果樹園面積特に蜜柑園の増大は,桑園その他から転換せるものは比較的 少なく主として山林の開塾によったものであること‖そして井関,内密々における蜜柑栽培の成立要因として,
い)井関,内野々は温州蜜柑叔培の可能な気象条件をもっていたこと… 桓)五郷村は晋から耕地少く,農業は自 給を主とし,現金収入は山林収入や万駄時に通ずる運級行商とか副業生産物の販売にたよっていたが,明治20 年の入会林野の国有林編入と部分林指定,家内工菜的副菜生産の衰退,交通の発達による万駄峠の交通上の地イ立 の著しい低下等により経済的に大きな省撃をうけた事情に加えて,井関,内野々地区は運方に近く交通の便比較 的良好な斯こ,かえって他の部落に比して山林の過伐荒廃を早める結果となり,また地味曹将にして雨盈少く林 木の生長も悪く農業に依存する程度が高かったので,特に強く有利な作物を求める状掛こノあったところにL,先覚
者旧内野々村長の垂範指導と云う人的因子の活動と,明治末期からの資本主義の発達と云う経済環境と.相まって
展開の要因をもっていたのであるさらに大正末期より昭和期における開墾助成や自作農維持創設の為の耕地開 発車菜及び本村では昭和13年から実施された経済屠生還動檻おける負債整理組合資金の融通などの政策的な施策 とか,昭和5〜15年の発展期における間作物としての除虫菊が有利であったことや,安価な化学肥料や効果的な薬 剤の出現などによる生産費低下要因などが,大きな助長因子となったと云うことができるであろう..なお戦後の 発展における村当局の技術,経営指導に対する熱意と共同出荷における農協の活動なども,蜜柑価格が比較的高 価に維持されたことと相まって,大きな助長要田とすることができるけ
(31次に蜜柑園経営の現況をみると,蜜柑園は主として急傾斜地に開設されているが,階段工や排水路その他 の施設が不備であり,土恕佼蝕を受けて耕土の挽い摺蒋な園地が多く,隔年結果もかなり著しく,′ト果が多く生 産力において概して低いのであって,蜜柑の有利性は主として戦後の蜜柑価格の高いことに依存しているのであ
り,根本的な傾斜地蜜柑儲の生産性の増大が要請されることが指摘されるのである.ノ かくして傾斜地蜜柑園の生 産性の実態とその頒則要因の検討が雷要な問題となる.
一一110−
(4)そこで,この点の調査研究方法について−まず若干の検討を行い,盛果樹令換静面積反当収量なるものを・考 え,これを基礎として若干の生産性指棲により,調査農家20戸における生産性の差異を検討したのである,そ の結果,農家間の生産憾にはかなりの相異が認められるとともに,反当収量の相異や隔年結果の大小とその型
(type)反当収監の上向型とか下向型などは,近年における価格の動向と関連して,反当粗収益の上に大きく影 響するばかりでなく,蜜柑園の収益力の上にも大きく影響することが注目された.従って傾斜地蜜柑園経営の収 益性を高める為には,−・方において反当収畠の増大を始めとして,上記諸指標によって示される生産性を高める
と同時に,他方に.おいて手取価格を高めることが重要となるわけである
侍)そこでまず蜜柑園の生産性を規制する諸要因について分析したが,その絆果樹令別構成の差異を一応捨象 した盛果樹令換界面積反収グルー・プ別平均値についてみる限り,園地の栽培学的環境条件と生産性の高低との問
にはかなりの関係がみられるものの,むしろ園地の分散皮や1団地当り面積とか宅地からの距離等の関係,或い は特に栽培管理作業実施状況と生産性の関係が強く認められたのである,.即ち「反収の高いグル−プ」と「低い
グループ」との間には,殆んど総べての作業において,前者は後者に比して遠かに集約的によく行われているこ と.が知られ,特に「濯水」「摘果」「施肥崖」「薬剤撒布」や「■瓦斯煉蒸」等について差異が大きく,従って栽培 技術を「資本の増設を伴う技術」と「関心に.よる技術」に分けると,反収の高いグルー・プと低いグルー・プの差異 は,概して資本の増投を伴う技術において著しい傾向が認められ,このような実施技術の差異が,環境条件の差 異と関連して反当収量の差異を産む有力な要因となっていることが推定されたのである
次に蜜柑園の生産性と経営条件との関係においては,反当収蕊の高いグループでは1戸当り耕地画隠柑橘園 面積が大きいばかりでなく,蜜柑園率が高く,また家畜や専用貯蔵庫,動力農機具の装備割合においても優イ立を 示しており,山林,採草地の所有面積も大きく,農家の性格として現在及び戦前における地主兼眉作農が多いこ
となど,反当収監の低いグループに㌧比して概して蜜柑作専業皮が高く,規模の大きい富農的な農家が多いことを
示し,蜜柑の栽培管理作菜の集約的な実施を可能に.し,反収を高め得た背後には,かかる経営的な条件が存在す ることが知られたのである
(6)他方,蜜柑の品質計測の指標として,また粗収益形成因子として重要な変相価格についてみると,1」葺匁 当り価格の高い階層ほど品質。等級のよいものの割合が高いこと,及び月別販売割合において特に2月以降の割 合鱒三大きくなっていることが知られ,Lかもそれは蜜和樹の系統構成や貯蔵庫の有無などとかなりの関係がみら れるのであり,この点においても経営条件と関連することが知られたのである
(7)なお上述の分析は階層別に.よる総括的概観的な考察に.とどまり,各種条件と生産性の関係を・分離して考察 し,総合性に欠けているので,さらに・経営構造的に・特徴のある10戸の農家相互を比較し乍ら,蜜柑園の生産性を
規定する諸条件を総合的に考察して,蜜柑園の生産性の相異を当該経営における規模と組織並びに運営上の問題 と関連させて考察し,生産費用の分析を行うとともに,上述せる如き蜜柑園の生産性と経営条件との関連を考察 した
そしてその結果として次の諸点が注目されたのである
(8)まず変相作の生産費用の分析において軋 材)反当総生産費用は農家に.よって著しい相異がみられる.桓)
蜜柑生腰費用の構成においては,資本利子のしめる割合が大きく,また総費用の構成で軋 特に労働費及び肥料 費の割合が大きい.い)オモテ年の29年皮とウラ年の30年皮の反当生産費用及びその柿成の変化は概して小さく,
むしろ年次による瓦斯燻蒸作業の実施の有無如何等に.よって作業体系が若干変化することが注目される‥ ⇔ま た反当生産出用と反当収監の関係を概観すると特殊な事情をもつ農家を・除外する限り,反収が多いかまたは前年
に比して生産が増加し,或いほ隔年結果の少ない農家では,総費用の反当投入額が多く栽培管理の集約度を反映 していると認められると共に,蜜柑作は,かなり高い集約度の維持を経済的とする所謂集約的な作物であること が知られた なお労働明,肥料費,病虫害防除軋 農具費等の間には,代沓的或いは結合的な諸関係の存在が推 定されるように思われる.銅次に蜜柑1買当りの生産蟄を算出した結果は10戸平均で29年皮細‖06円,30年度 123121円であり,個別的には反収の多い農家或いは年度において買当り生産要は安い傾向があり,生産駁の多
少が生産蜘こ大きく影酢することが知られる.卜)またかくして界出された生産蟄と当該年度における1買一当り 手取価格の差額は一・,二の農家を除くとかなり高くなっているが,ただ手取単価の低かった29年皮ではマイナス を示す農家が2戸もあり,また一般的に生産利潤もそう大きなものでない点が今後の蜜柑価格の動向と関連して