• 検索結果がありません。

以上みたように個々の農家及び経営階層間に.は,蜜柑園の生産値にかなりの差異があることが現われた.とこ   ろでこのような反当収畳やその変動型によって示される蜜柑園のかかる生産性の差異は,如何なる要因によって   規制されているか,そしてそれは又如何なる経営条件との関連において発現したものであるか,が問題となる   であろう..而してこの場合生産性の概念は.本来物的技締約なものであるとするならば,まずもって蜜柑園の生産  

性と技術的栽培条件との関連が明らかにされることが必要であろう.   

ところで蜜柑園甲生産性に影響すると考えられる主要な栽培技術的条件としては,先ず第1に樹令別構成が問   題となるが,これについてほ既に盛果樹令換算面積を算出し,その反当収螢を用いたることに.よって樹令構成の   相異による生産性への影響を捨象する一応の処理を行ってあるので,ここで問題となるのは主として生産性と系   統の問題や蜜柑園の環境条件及び戟培管理技術の関係と,さらにこれらを条件ずける経営条件との関連である  もとよりこれらの条件は相互二に.関連して生産性に儲饗するものと考えられるが,ここではまず2ケ年平均反当収   塩(盛果樹令換辞頂1掛こ.よる)を基準として分規した3つの反収グルー・プ別の考察を中心に経営規模別の考察を  加味しながら,生産性に影響を与えると考えられる諸条件との関係を分析的に考察することとする.  

第1項 蜜柑樹の品種,系統と生産性  

まず調査農家の品種の構成をみると(第23表)調査農家平均では普通混州が80.3%,早生温州が19.7%,また   普通温州では池田湿州が2515%を占めており,早生温州としては井関早生が殆んどである   

ところでこれを反収グルー・プ別に.みると,グルー・プMが普通温州割合及び池田系の割合において若干小さく早   生温州及び尾張系その他の改良系の構成比率が高いことが知られ,このゲル−プの平均単価と若干の関係がある  

ように考えられる 

滞23衷 階層別に.みた蜜柑の品種系統別構成割合   

経営規模別では規模の大きい階層Aが特に卑生温州及び尾張系の割合が大きく,またその他の階層に.おいても   早生温州が10%以上とりいれられている点が注目されるけ このことは早生温州が(1液培の面からみて普通温州   より収秘期も早く低温に耐え北面傾斜地等の利用性能が高いこと.(2)労働配分調整の上において,また(31出荷  

調節上において,さらに,(4)早生温州は7月〜10月迄目ぼしい現金収入に乏しい,蚤紺作農家にとってその時期   の現金収入源として役立つから,経営規模や大きい農家ほど労働配分調整その他から早生温州割合の高い傾向を   示すと共に,秋10月に祭礼のある本村では労力がかなり豊富な小規模経営農家でも,所得「小遣い取り」のため   とか,自家消費用としで赦培されることが多いからである.もっとも,田辺氏が行った静岡県興津町八木間部落   の調査率例によれば盈紺園経営面麓8反を境忙してこれ以上の農家では早生温州の園として集団して栽培され,  

又同じく約3反を境にしてそれ以下の農家では早生温州は全然栽培されていず,その間の約3反から約8反まで   

ーー30−   

の農家では普通温州に混植の形で栽培され,多いものもあり,ほとんどないものもあり,或はもっと増したいと   云う農家もあれば減じたいと云う農家もあったといい(20)早生温州の導入と経営規模の間には,かなり密接な関   係を認めている 

第2項 蜜柑園の環境条件と生産性   

次に同一地区内の農家間において問題となる蜜柑園の環境条件としては(1)傾斜度及び高度,(2傾斜面の方向  

に潤しての「日当り▲lと「風当り」及び(3)土盛条件に関しての「排水の良否」「肥稽の状態」「耕土の深さ」「土  

質」等があげられようい なお,必ずしも上記の如き栽培学的条件と同一由ま扱えないが「蜜柑園地の団地数や1   団地当りの大きさ」とか「住宅から園地までの距離」などの条件も亦重要な条件となるであろう 

1・蜜柑園の傾斜度と生産時   

果樹の,特に蜜柑や桃等の栽培立地として傾斜地が剛、られる理由及びその栽培や経営上における長短得失に  ついては別に述べた如くであるが(21)「急傾斜地図と平坦地園との間には,収鼠や栽培労力及び費用についてどん  

な差異があるか」と云う点につい七調査農家から聴取せる結果によれば,調査農家のもつ傾斜地蜜柑園の傾斜度   を始め各種の条件や労働事情などが複雑であるためその回答にかなりの差異があるとは云え,一部農家では蜜柑   樹の生育収監において傾斜地園では平坦地園に比して30〜40%の減収を認め,また急傾斜地園ほ平坦地園に比し   て,完全な薬剤搬布や青酸ガス燻蒸作発の実施がカモなり困難であり,さらに土の帯下を防ぐために施肥や除草等の  

作業に対し特別の注意を要する等,労働及び苦痛の増大を一腰に認めているばかりでなく(労働において20〜30%  

の増大と見敬す農家が多いがNol18農家の如く300ぐらいの急傾斜園の施肥作業は2倍の労働を要すると云う農   家もある.)施肥監においてもかなりの増加(20〜50%)が注意深い農家においては行われていることが知られた.   

なお同じ傾斜地園においてもその上滞と下部とでは樹の生育,収監上に著しい差異を認める農家もあり(No8),  

また少なからざる良家が施肥鼠の増減とか努定法に注意をするなどその生育,収鼠の斉一イヒに努めており,傾斜  

地果胡園における土壌及び肥料流亡の事実と,これに対処する為に農家が特別の努力を払っている七とを示すも   のであるもっとも一部の農家(No・10或はNo17)においては,急傾斜地図と平坦経傾斜地園における収塁上   の差異が認められないとしているが,それは栽培技術等に対して払われる特別な努力の結果であって,急傾斜地   図に対して生産性を相対的に低下する素因をもっていること及び急傾斜地園ほ平担,緩傾斜地園に比して相対的   により多くの労働や費用の投下を伴う傾向があり労働生産性に胡して大きな影響をもつことは否定されないであ   ろう(22)しかしかかる耕地の傾斜によるマイナス面の影響は,階段工や農道ケーづルなどの在り方によって左   右されるから,この様な点も関連して考慮しなければならない 

そこでまず調査農家における傾斜度別園地面積の割合をみると(第24表のⅠ),調査農家全体としては平坦地   園13%,綬傾斜鼠2:〉%,急傾斜園64%となっていて,調査村全体の柑橘園の傾斜度別比率(平坦地13 5%,経憤  

第24表のⅠ 階層別にみた園地の環境条件 (%)  

状態別園地面積の割合   傾斜地園   中の階段   畑の割合  

40   74   69   竺空空 

:.ミ ニ  

■   別j反収の低いもの(L);  

7   18  

耕11u5田]以上   (A)  

地広狭別  

1い0〜1…5町    (B)  

07〜1‖0町    (C)  

0い4〜0い7町    (D)   16   30  貞  54  

、 

...・ ・ト  て・−・ ._.. ・・一   靂 52i24l58.8   

ー31一    斜地33.9%,急傾斜地52.6%)よりも急傾斜地割合が高くなっているい 次に反当収盈グルー・プ別にみるとグルー 

プEはグル−プLに.比してやゝ平担地割合が高い(12%:7%)程度で殆んど等しいばかりでなく,傾斜地国中   における階段工施行園地面積割合では若干低く,さらに傾斜地嵐中「土嚢侵蝕の大なるもの」の割合はむしろ大   きくなっており(32%:13%)これ等の条件では「グループM」が急傾斜地園の割合も低く,階段工割合高く,  

土壌侵蝕の大なる面積も少なくて,最も良い条件となっている 

また,これな経営規模別に.み.ると,階層Cは急便斜地園の割合が93%で著しく高いが,階段工については階   層Cでは100%,階層Dでは68%行われているのに.対し,階層A,Bでは30%台で,むしろ劣っており,従って   土壌優蝕の:大なる園の面積割合においては,階層間に大きな差異を認めなくなって■いる 

2..蜜柑園の傾斜方向と生産性   

次に「日当り」や「風当り」等の条件に.ついては地域の気温条件とか降水鼠の分布関係なども関係し,又個々  

の園地の位置(周囲との関係)や土壌とか防風林の関係等によっても実際上は興ってくるので,生産性と傾斜方   向,特に「日当り」や「風当りJ等の姦件を直接結び合せて述べることはむずかしい 

五郷村でも「南向は一・般に樹勢が旺盛で作り易いが,虫害とくに赤ダニ類の被害が大きく,また畢害を被るこ   とも多い」と云われ,また「北向ほ−・般に.南向の樹より芽の出方が少なく,収監着色が悪い傾向があるが,草魅  

の被害は相対的に少なく最近は栽培技術の進歩によって寒害を受けることが殆んどなくなったので,方向による   差異は少なくなっており,むしろ風当りの如何が品質,収監に大きく影響するから,この関係からみた傾斜方向   が間遠となる」とも云われる小 しかもこの村においては蜜柑園に対する意識的な防風林の設定は未だ行われてい   ないので「日当り」や「風当り」に現実に影響する園地の局部的条件が大きく影響するから,ますます傾斜方向  

と生産性の関係を−L概に規定することは困難である 

しかし本村においても従来から−・般的には「衆南向」が最も良い傾斜方向とされ,次いで「簡」,「東上「北」,  

「西」の順序と考えられてヽ、るので一応このような観点から第24表のⅡをみることとするり 本家によると調査農  

家の平均では東向28.3%,南向47一.3%,西向0.1%,北向23.9%となっており南向及び東向斜面に設けられたも   のが多い.ところで反収グループ別に.みるとグルJ・・・プHでは北面傾斜地園が全図の48%を占めるのに対しで,  

グループLでは南向園面積割合が69%と最大でグループLの方が,むしろ好条件の様にみえるが,ただグルー・プ   Lでは「風害の大きな園の面積」及び「日照不良な園面積」の割合が相対的に大きい点が注志されなければなら   ない‖ なお,グループMは殆んどの園が東南又は南向であり「風督」とか「日照不良」の囲も少なく,この点で   は最も好条件の園が多いことに.なっている 

次にこれを経営頒模別にみると階層Aが,北面傾斜園とか日照不良園などの割合が最も高くなっており,かか   る条件の優劣と生産性の関係は明確でない.もっとも風害の程度などは聴取調査に.よるものであって,風害を認  

第24表のⅡ 階層別にみた園地の環境条件    (%)  

風害の大な   る園地の面   積割合  

傾   斜   方   向   日照不良  

の園地の   面積割合  

E・S I S I W I N  

l−.1ト iJ  

8  1   〟  

48  1   5  

】   2   

耕地広狭別   5  3  9  

3  5  5  

(C) L  41   

(D)   58   

(Tつi28  

j