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第4節 要約

 バスケットボールは一般に好んで行われるが,パスからのシュートに関われず,楽しさ を十分に味わうことのできていない児童も認められる.そのi基底的要因としてピボット動 作の未熟であることが考えられた.そこで,本章では,ピボット動作の評価規準を作成し,

ピボット動作の巧拙とシュートやパス技能の関係を検討した.ピボット動作の未習熟が,

バスケットボールの技術的つまずきの基底的要因になるかどうかについて検討した.

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1)ピボット技術の評価の観点は,軸足をずらさず回転できているかどうか,両足着地のス  タンスが広いかどうか,ピボット動作中に腰(重心)が上下動していないかどうかの3つを  観点として設定した.さちに,3っの観点は,軸足では,固定型,ずれ型,移行型,足踏  み型の4つに,スタンスでは,肩幅より広い,狭いの2つに,重心の上下動では,10cm以  下・以上の2つに,それぞれ分類し評価できると考えちれた.

2)軸足が動けばルール上反則であることから,軸足の確保を類型化の最初とした.次に,

 ピボット動作をスムーズに行う上でバランスが重要であると考えられたのでスタンスを  2番目とし,腰の上下動を最後の評価観点とした.足踏み型と移行型は,軸足が全く確保  できていない状態なので,スタンスと腰の上下動については評価しなかった.ずれ型は,

 被験者に軸足を意識させることで,軸足の確保が可能になると考えちれるので,スタン  スと腰の上下動についても評価した.すなわち,ピボット技術は,足踏み型(1点),移行  型(2点),ずれ型(3〜6点),固定型(7〜IO点)の10段階で評価できると考えられた.

3>ピボット動作得点と反転時間の間には,有意な相関関係が認めらた(4種目の平均:

 r=一〇.444,種目別:r=一〇.376〜一〇.540).このことは,動作パターンをもとに評価・作成  したピボット動作得点は,速さと対応関係のあることを示し,本評価法の妥当性を示唆  していると考えられた.

4)ピボット動作得点とシュートの正確性の間には,4種類のピボット動作の平均でみた場合  (r=0.548),および種目別にみた場合(r=O.468〜0.603)のいずれにおいても有意な相関関  係が得られた.すなわち,ピボット動作の上手な者ほどシwトの正確性も高い傾向に  あることが認められた.

5)ピボット動作得点とシュートの正確性の変動係数の間にも,4種類のピボット動作の平均  でみた場合(r=一〇.641)にも,個々の種目でみた場合(r=一〇.623〜一〇.679)にも,有意な相  関関係が認められ,ピボット動作の上手な者ほどシュートの正確性の安定度の高いこと  が認められた.

6)ピボット動作得点とパスの正確性の間においても,有意な相関関係が認められ(4種目の  平均:r=O.569,種目別:r=0.476〜0.643),ピボット動作の上手な者ほどパスの正確性も  高い傾向にあることが認められた.

7)ピボット動作得点とパスの正確性の変動係数の間には,4種類のピボット動作の平均でみ  た場合(r=一〇。425)にも,個々の種目でみた場合(r=一〇.239〜一〇.545)にも有意な相関関係  が認められ,ピボット動作の上手な者ほどパスの正確性の安定度の高いことが認めちれ       一 58 一

 た.

8)ピボット動作得点とパス時闇の間には,有意な相関関係(4種目の平均:r=O.330,種目別  :r=一〇.213〜一〇.440)が認めちれ,ピボット動作得点と反転時間の結果とあわせて考える  と,ピボット動作得点の高い者ほど反転時間が短く,ボール速度の高いパスのできるこ  とが示唆された.また,パス速度と正確性の合計とピボット動作得点の間にも,有意な  相関関係(4種目の平均:r=0.552,種目別:r=O.429〜0.624)が認められ,ピボット動作得  点と反転時間の関係と考え合わせると,ピボット動作の上手な者ほど反転時間が短く,

 ボール速度の早い正確なパスができる傾向が認められた.

9)リバースターンでは左足を軸足にする方が,また,フロントターンでは右足を軸足にす  る方が,それぞれ逆側の足を軸足にする場合よりも,児童にとってピボット動作は難し  いと考えちれた.また,これには利き手の関係が推察された.

10)上記4)〜8)の結果かち,ピボット動作の未熟は,シュートやパス技能のつまずきの基底  的要因になる可能性の高いことが示唆された.

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第W章 学習過程の作成とその有効性の検討

第櫛目的

 バスケットボールの授業において,敵のマークをかわして,パスをしたり受けたり,シ ュートできない子が認められる.それらの児童は,バスケットボールの楽しさを十分に味 わうことができていない様に推察される.それには,教師が,ゲームをただやらせている だけで,児童の実状にあった適切な指導を行っていないために,技術的つまずきを生じさ せていることが背景にあるように考えられる.

 一方で,第2章で明らかにしたように,教師は,パス技術に関わるものを児童のつまずき の要因として多くの割合で指摘していた.しかし,体の向きを変えてパスやシュートがで きないことには,ピボット動作が上手くできないことに要因があると捉えている教師は少 なく,さらに,ピボット動作を重要な学習内容と捉えている者も14.4%で少ないことが認 めちれた.

 また,第3章において,ピボット動作の巧拙とシュートやパスの正確性の間には,有意な 相関関係が認められ,ピボット動作の未習熟がバスケットボールの技術的つまずきの基底 的要因になる可能性の高いことが検証された.

 以上のことから,本章ではピボット動作に習熟させれば,パスからのシュートに関われ るようになり,全ての児童にバスケットボールの楽しさを味わわせることができるかどう かを検討しようとした.

 その際,学習過程14》をどのように編成するかは,重要な問題となる19).バスケットボ ールのような攻防相等型15)のゲームにおいては,ゲーム場面から離れて技術指導を行って もゲームで生きて働く技術を習得させることは困難であるとする指摘がみちれる15>.しか し, 一方で児童は,ゲームを行いたいという強い欲求を持っている.これちの問題を解決 する1つの方法として,「課題ゲーム」を通しての学習が考えられる16).

 さらに,先行研究17118)において,バスケットボールの学習過程の最適化を図る場合,

技能特性である「コンビネーションからのシュート」を教材構成の根幹に据えることの重 要性が指摘されている.

 そこで,本章では,高学年児童を対象に,ピボット動作がバスケットボールの基本技衛 を支える基礎技術であるという認識に基づき,ピボット動作を必然的に使用するパスから

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のシュートを根幹に据えた「課題ゲーム」を中心とした学習過程を作成し,その有効性を

「めあて学習プログラム」を適用した学級との学習成果の比較から検討した.

第2節方法

第1項学習過程作成の基本的考え

 バスケットボールは,一般に好んで行われるが,楽しさを十分に昧わうことのできない 児童も認められる.それちの児童は,バスケットボールの最小単位7)8)であるパスからの シュートに関われず楽しさを味わえていないと考えられる。また,パスからのシュートに 関われない児童の基底的要因として,ピボット動作の未熟であることが考えられた.すな わち,ドリブル,パス,シュート,キャッチなどの基本技術は,それらを支える基礎技術 であるピボット動作と連動して行われることが多く,ピボット動作が未熟であれば,基本 技術を上手く発揮することができないと考えちれるからである.

 さらに,ピボット動作が未熟であれば,敵に詰め寄ちれた場合,バスケットの誘因にな ったり,トラベリングの反則を起こすことになったりする.したがって,確実にピボット 動作を身に付けさせる必要があると考えちれる.しかし,ゲームかち取り出して学習させ た技術は,実際のゲームで生きて働く2)かは疑問である.

 そこで,ピボット動作を必然的に使用し,パスからのシュートが課題となる「課題ゲー ム」を基本とした学習過程を作成することにした.

 すなわち,学習過程作成の基本的考えは,次の4項目である.

①ピボット動作がバスケットボールの基礎技術であり,この未習熟がつまずきの誘因であ

 る.

②コンビネーションかちのシュートがバスケットボールの根幹である.

③技能低位者にもコートを分離すること等により,学習機会を保障する.

④課題ゲームを通しての学習を中心とする.

 この4つの基本的考えをもとにtsピボット動作を必然的に使用し,攻防分離型から攻防相 乱型にゲームを移行させ15),単元経過とともにゲーム人数が増えるパスからのシュートを 根幹にした「課題ゲーム」を中心とした全12時間からなる学習プログラムを作成した.

 表4−1は,作成した学習プログラム(45分×12時間)を示している.

 課題ゲーム1では,バックコートのオフェンスがピボットによってマークしているディ

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