毒ミ30 1 ロtt「120
1ト
R10
o
◆パス eシュート
▲ドリブル 日キャッチ 畳ビボソト
●攻め方
★守り方
図4−28. 「新しい発見」項目のカテゴリー別出現率の単元経過に伴う変化
11 12時 一 89 一
第3項 認知的側面
1.単元経過に伴う形成的評価と児童の意識の変化
図4−25は,各クラスの形成的評価の総合評価得点の平均値を示したものである.
6年B学級は総合評価得点が2.89点,評定が5点で実験群3学級中最も高く,次いで,5年が 総合評価得点2.77点,評定が4点を示し,6年A学級は,それぞれが2.49点,3点と評定され
た.
6年A学級の形成的評価の4因子(成果,意欲・関心,学び方,協力)の評価得点の平均直
(図4−26)は,「成果」の因子が評価得点2.09点,評定2点で最も低かった.さらに,「成果」
の因子を項目別(図4−27)で見ると,3項目(感動の体験,技能の伸び,新しい発見)中「新し い発見」項目が評価得点L94点,評定1点で最も低得点を示した.
図4一一28は,実験群3クラスの「新しい発見」の単元経過に伴う変化と平均値を示したもの
である.
実験群6年A学級は,単元経過に伴う変化においても,いずれの時期においても最も低く,
特に,第4時,第7時,第8時,11時で顕著であった.
第4時では,バスケットされた記述が多かった.これは,パスの受け手がコートをいっぱ いに使ってディフェンスを振り切るのではなく,ごくわずかな動きでのフェイントがディ フェンスのマークを振り切れないことの原因と考えちれた.
第7時と第8時では,縦パスが通らない記述が多かった.これは,横パスの距離が短かい ことから,ディフェンスとのズレが十分できず,横パスはできてもフロントコートへの縦 パスがバスケットされることが多かったためと考えられた.
第ll時では,クラス内でのりニグ戦のため,勝敗にこだわったことから新しいことを発 見することができなかったと考えられる.
図4−29は,「新しい発見」項目のカテゴリー別出現率の単元経過に伴う変化を示してい
る.
単元の初めは,「ピボット」に関する記述が多く,次いで「パス」に関する記述が増加 し,さらに,「攻め方」(コンビネーションかちのシューート)に関する記述が現れた.後半 は,「パス」,「ピボット」,「攻め方」の3つが出現率には多少違いはあるが,多く認め られた.すなわち,ピボットを使ってパスをつなぎ,シュ 一トに結びつける攻め方を意識 していると考えられた.
90
第4項 ピボット動作の巧拙と楽しさの関係
図4−30は,ピボット動作得点と楽しさの関係の変化を示したものである.
琴験群
ピ ボ ッ ト 動 作 得 点1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 大変楽しい
楽しい 16.3%→3.5% 40.7%→21.2% 25.6%→69.4%
少し楽しい
どちらでもよい 0%→0% 4.7%→1.2% 1.2%→2.4%
少しつまらない
つまちない 0%→1.2% 4.7%→0% 7.0%→1.2%
大変つまらない
対 照 群 ピ ボ ッ ト 動 作 得 点
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10 大変楽しい楽しい 2.0%→4.2% 20.4%→22.9% 55.1%→60.4%
少し楽しい
どちらでもよい 0%→0% 0%→0% 10.2%→12.5%
少しつまちない
つまらない 2.0%→0% 0%→0% 10.2%→0%
大変つまちない
図4−30.ピボット動作得点と楽しさの関係
単元前では,バスケットボールは「大変楽しい」,「楽しい」,「少し楽しい」と感じ ているが,7点以上のピボット動作得点を示す者は25.6%しか存在しなかった.しかし,単 元後には69.4%と大幅に増加が見られた.
また,バスケットボールを「楽しい」と捉えているが,ピボット動作得点が4点未満であ る者が16.3%から3.5%に,4点から7点未満の者が40.7%かち21.2%に減少した.
さらに,ピボット動作得点が7点以上であるが,「少しつまらない」,「つまちない」,
一 91 一
「大変つまらない」と捉えている者は,7%からし2%に減少が見られた.
以上のことかち,ピボット動作が上達することによって,バスケットボールの楽しさを 味わえた児童の割合が大幅に増加していることが認められた.すなわち,ピボット動作を 身に付けることによって,コンビネーションからのシュートに関わることができ,バスケ
ットボールの特性に触れることができた児童の増加したことが推察された.
第嫡要約
本章では,まず,ピボット動作がバスケットボールの基本技術を支える基礎技術である とする認識に基づき,パスからのシュートを根幹に据えた課題ゲームを中心とした学習プ ログラムを作成した.次いで,このプラグラムを用いて学習させれば,児童にバスク』ット ボールの特性に触れさせ,バスケットボールを上手にさせるとともに,好きにさせる可能 性の高いことを実証しようとした.すなわち,高学年児童を対象として,作成したプログ ラムを適用する実験群と,めあて学習プログラムを適用する対照群を設定し,技能的側面,
情意的側面,ならびに認知的側面の学習成果の比較から作成した学習プラグラムの有効性 を検討した.
1>ピボット動作得点は,実験群3クラスでは,いずれも有意に向上した(7.64±2.55点→
8.03±2.36点,4.64±2.34点→6.40±2.24点,6.05±3.09点→7.85±2.25点).しかし,
対照群2クラスでは,有意な向上は認められなかった(7.54±2.76点→7.90±2.35点,
5.83±2.94点→6.04±2.77点).
2)ピボットシュートの正確性は,実験群では2クラスが有意な向上を示したが(2.22±0.64 点→2.64±0.71点,2.32±0.63点→2.55±0.57点),1クラスは得点の向上が見られたも のの(2.85±0.59点→2.87±0.58点)有意性は認められなかった.
一方,対照群では,2クラスともに得点の向上は認められなかった(2.66±0.61点→2.65 ±0.62点,1.34±0.27点→1.29±0.23点).
3)ピボットパスの正確性は,実験群では,1クラスに有意な向上が認められた(1.67±0.85 点→1.92±0.94点)が,2クラスにおいては低下がみられた(3.58±0.87点→2.36±0.98点,
2.38±0.99点→1.98±1.00点).一方,対照群においても,有意な向上は(6年:2.20±
1.Ol点→2.27±0.99点,5年:2.Ol±0.96→1.87±0.93)認められなかった.
4)攻撃完了率は両群ともに向上した(実験群:54.8±25.4%→59.1±15.4%,対照群:49.1±
92
25.4%→50.8±18.7%)が,向上率は,実験群(7.8%)で対照群(3.5%)よりも大きかった.
5)仲間との関わり率は,両群ともに単元後,低下したが,実験群の方は,いずれの時期に おいても対照群よりも高値を示した.このことは,シュートの過程において,実験群の 方がパスを多用して攻撃したことを示している(実験群:60.8±23.7%→58.0±7.2%,対 照群:59.2±27。4%→48.0±16.6%).
6)パスかちのシュート率は,対照群では低下が見られた(29.3±12.5%→25.5±12.2%)が,
実験群では有意な向上が認められた(28.9±9.6%→34.2±9.3%).
すなわち,実験群の方がパスかちのシュート率に有意な向上が見られ,また,対照群よ りも有意に高値を示したことから,バスケットボールの技能的特性に触れている可能性 は高いと考えられた.
7)ボール保有時間率は,実験群では有意な向上が認められたが,対照群では向上は認めら れなかった(実験群:20.4±6.0%→26.9±9.2%,対照群:23.9±8.4%→23.8±11.8%).
8)バスケットボールが「大好き」と答えた児童は,実験群(22.0%→45.2%)が対照群 (28.6%→49.2%〉よりも大きな増加率(105.5%,72.0%)を示した.また,「大変二二を 持って取り組めた」,「興味を持って取り組めた」と答えた児童は,実験群(49.1%→、
79.1%)が対照群(61.3%→69.9%)より多く,増加率(61.1%,14.0%〉も高かった.さら に,バスケットボールの学習が「たいへん楽しかった」と答えた児童は,実験群(16.9%
→51.6%)が対照群(35.5%→44.4%)より多く,増加率(205.3%,25.1%)も高いことが 認められた.
9)「ピボット動作」の理解度は,対照群(29.0%→84.1%)よりも実験群(25.4%→87.1%)
が高かった.また,「パスの3っの働き」の理解度は,いずれについても実験群の方で高 いことが認められた.すなわち,実験群では「運ぶ機能」は83.1%→87.1%に,「突く 機能」は33.9%→35.5%に,「ズレを作る機能」は50.8%→79.0%に増加が見られたの に対し,対照群では,それぞれ(80.6%→85.7%),(45.2%→41.3%), (64.5%→
58.7%)を示し,「突く」「ズレ」については,むしろ低下が認められた.
10)単元後の態度得点の診断結果は,実験群の6年Aクラスの男子が「かなり低い」,女子が 「やや高い」,Bクラスの男子が「高い」,女子が「高い」,5年では,男女ともに「高 い」,と評価された.一方,対照群は,6年の男子が「ふつう」,女子が「やや高い」,
5年の男子が「かなり高い」,女子が「高い」と評価された.
また,授業の成否は,実験群は,6年が「男:アンバランス」,「女:やや成功」,「男:
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成功」,「女:成功」,5年が「男女:成功」で,対照群の6年「男:アンバランス」,「女 :かなり成功」,5年「男:成功」,「女:かなり成功」よりも概して高い傾向にあること が認められた.しかし,6年生の実験群Aの「よろこび」尺度得点を高め得なかったとい う問題が認めちれた.
lD態度測定の項目点の診断結果において,実験群のみに共通して向上の見られた項目は,
「基本的理論の学習」,「授業のまとまり」,「授業の印象」,「体育科目の必要性」
の4項目であった.一方,対照群のみに共通して向上の見られた項目は,「積極的活動意 欲」,「授業時間数」,「体力づくり」の3項目で,「教師の価値」については,低下が 認められた.対照群で向上の見ちれた項目は,ボールゲームを対象とした授業において 一般的に向上の見られる項目であるのに対し,実験群向上のみられた項目は,作成した 学習プログラムを児童が評価していることを推察させる項目であると考えられた.
12)形成的評価の『成果』の3項目の好意的反応の割合の単元の平均値は,対照群では,6年 が48±9.4%,5年が70±9.2%であるのに対し,実験群では,6年が50±9.2%,93±3.2 %,5年が76±7.9%を示し,5年,6年ともに実験群の方が好意的反応の割合の高いこと が認められた.
13)実験群ではピボット動作が上達し,バスケットボールを「楽しい」と捉える児童が単元 後顕著に増加した.すなわち,ピボット動作が上手くなったことによってコンビネーシ ョンからのシュートに関わることができるようになり,バスケットボールの技能的特性 に触れることができ,楽しいと捉える児童が増加していると考えられた.
14)以上のこ:とから,作成した学習プログラムは,パスの正確性を向上させなかったものの,
集団技能や体育授業に対する愛好的態度を対照群より高めることが認めちれ,バスケッ トボールの特性に触れた楽しさを味わわせるのに,有効であると考えちれた.