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4. 災害廃棄物処理に係る重要事項

4.15 製品・種類別処理(2) (特有の対応が必要となる廃棄物)

災害廃棄物の大半は可燃物、不燃物、コンクリートがら、金属くずである。しかしながら、災害時 において長時間にわたり処理が困難となり、特有な対応(処理先の限定、事前協議の困難さ、運搬手 段の限定等)が必要になる廃棄物、有害危険物、化学物質等が発生する。これらの、災害時に特有の 対応が必要となる廃棄物がどのように処理が行われたかを図 4.15-1 に示す処理方法カルテとして項 目毎に整理し、参考資料(6.3)にとりまとめた。表 4.15-1 に各地区の廃棄物種類と処理状況の概要 を示す。

図 4.15-1 処理方法カルテの整理例 表 4.15-1 廃棄物種類と処理状況の例

廃棄物種類 処理の概要 課題と工夫

水産廃棄物

・悪臭、ハエ等の影響によりペールボックスに詰め、

仮置場中古貨物車内の保管庫に詰め、一時保管 して管理型最終処分場に埋立処分した。(宮古地 区)

・冷凍食品が停電により廃棄物となり、その後の通電 で再度冷凍されたものを、焼却処理した。(仙台市)

・その他は焼却処理、管理型埋立処分、海洋投入処 理(県内、広域処理)

・悪臭、ハエ等の影響により、仮置場内での一時保 管は困難であった。

・生活環境に影響を与えない悪臭物等の一時保管 方法等の確立が必要である。

・特に悪臭がひどい場合、消臭剤等の薬品を散布し た。

・対応マニュアルを策定しておく必要がある。

食品系廃棄物

(穀物等)

・腐敗商品等は、衛生面上の問題から緊急に一時保 管なしに、事業者が処理を行った。

・【処理方法】堆肥化処理、管理型埋立処分、焼却処 理(広域処理)

・腐敗物による衛生面の問題から早急な処理方法の 確立が必要である。

飼料・

肥料原料

・肥料の塩分濃度が高く、露出した状態では悪臭が ひどいため、袋詰め施設設備を製作・設置し、袋詰 めした後、焼却処分した。

・飼料は、保管中の高潮等により海水をかぶり塩分 濃度が受入基準を超過したため、仮設焼却施設で 焼却処理を行った。

・【処理方法】堆肥化処理、管理型埋立処分、焼却処 理(広域処理)

・悪臭、ハエ等の影響により、仮置場内での一時保 管は困難であった。

・生活環境に影響を与えない悪臭物等の一時保管 方法等の確立が必要である。

・特に悪臭がひどい場合、消臭剤等の薬品を散布し た。

・水産廃棄物

・食品系廃棄物(穀物等)

・飼料・肥料原料

・畜産廃棄物

・漁具・漁網

・木材

・海水をかぶった木材

・金属くず

・廃自動車・廃二輪車

・廃タイヤ等

・廃家電等(家電リサイクル法対象)

・廃船舶等

・廃石膏ボード

・石綿及び石綿含有廃棄物

・油混じり土砂

災害時に特有の対応が 必要となる廃棄物

処理方法カルテの作成

4-36

廃棄物種類 処理の概要 課題と工夫

畜産廃棄物

・化製場に搬入し解体処理して、埋立処分した。

・鶏は化製場法対象外であり、公衆衛生上支障がな い場所に埋立処分した。

・【処理方法】管理型埋立処分

・対応の遅れに対する畜産農家から苦情が多く寄せ られた。

・事前に対応方針を関係機関に周知する必要があっ た。

漁具・漁網

・重機による小分け、切断後、人手による鉛含有網や ロープの選別除去を実施。

・【処理方法】鉛以外の部分は焼却処分、鉛付漁網 は埋立処分(広域処理:宮城県)、広域処理(埋立・

焼却処分:岩手県)、リサイクル有価処理(岩手県)

・鉛の取除きは手作業のため多くの時間と労力を要 す為、処理方法の検討が必要である。

・鉛入り漁網の埋立処分以外での処理方法の検討 の必要がある。

木材

・選別施設で分けられた木材は、木洗浄プールで洗 浄し、付着している土砂や塩分を洗い落して専用 の破砕機で切断(150mm以下)し、処理した。

・【処理方法】焼却処理、リサイクル処分(バイオマス 燃料、チップ化等)、

・乾燥方法について検討が必要である。

海水 をかぶった

木材

・選別施設で分けられた木材は、木洗浄プールで洗 浄し、付着している土砂や塩分を洗い落して専用 の破砕機で切断(150mm以下)し、処理した。

・【処理方法】焼却処理、リサイクル処理(木材製品材 料、燃料として利用)

・乾燥方法について検討が必要である。

金属くず ・災害廃棄物から粗選別を行い、手選別を経て、金

属リサイクル処理した。 ・特になし

廃自動車・

廃二輪車

・HP 等を利用し所有者確認、引渡し・処分の意思の 確認等を経てリサイクル処理を実施。

・所有者へ引渡し

・【処理方法】自動車リサイクル法によるリサイクル処

・土壌汚染対策で仮置場は鉄板敷とした。

・当初混乱があった為、担当職員を固定配置した後 は円滑に事業を進めた。(仙台市)

・市町村の用地確保が困難であった。

廃タイヤ等

・製紙工場等のボイラー燃料としてリサイクル(燃料 利用)

・【処理方法】ボイラー燃料としてリサイクル、有価処 理(広域処理)

・タイヤに泥が付着していると処理先が受け取らない 場合があり、タイヤ1本ずつを水洗いした。

廃家電等

(家電リサイクル 法対象)

・メーカー別、大きさ別に仮置場に保管・集積し、処 理した。

・【処理方法】家電リサイクル法によるリサイクル処理

・土壌汚染防止の為仮置場に遮水シートを敷設。

・リサイクルが可能なものはパソコン3R推進協会が引 き取り、リサイクルした。

廃船舶等

・公告期間中に所有者の引取り意思表示が無いもの は粗破砕及び選別・解体を行い、仮設焼却施設で の焼却処理を実施。

・所有者へ引渡し又は解体・破砕・選別を経て焼却 処分

・一次仮置場で重機による粗破砕及びガソリンタンク 等の取り外しを行い、破砕機による二次破砕・選 別、仮設焼却施設での処理。

・保管場所の確保が最大の課題である。

・バッテリー等の危険・有害物の手解体が必要で手 間を要する。

・アスベストが使用されている場合がある。

・破砕時に粉じん飛散の懸念がある。

廃石膏 ボード

・混合廃棄物から選別し、フレコンバッグに詰め、管

理型最終処分場で埋立処分した。 ・特になし 石綿及び石綿

含有廃棄物

・飛散性アスベストの含有が無いことを確認の上、手 選別でフレコンバッグに詰め直し、管理型最終処分 場で埋立処分した。

・選別・搬出時の飛散防止策の徹底が必要である

油混じり土砂 ・県外セメント業者へセメント原料として搬出したほ か、不溶化改質処理を行い再生資材として利用。

・油含有量のばらつきが大きく、相対的に熱量も低か ったため仮設焼却施設での処理は困難であった。

表 4.15-2 各地区の廃棄物種類(有害危険物・思い出の品等)と処理状況

廃棄物種類 処理の概要 課題と工夫

消火器

・混合廃棄物から選別したものを仮置場内危険物保 管庫で一時保管し、リサイクル処理(広域)した。

・【処理方法】消火器工業会等による消火器リサイク ルを実施。

・消火器のような加圧式ボンベを処理できる専門業 者は全国で数か所と少なく、処理先確保が困難で あった。

高圧ガス ボンベ

・高圧ガス保安法に基づき、自治体で公示後に回収 処理、破損の酷い物は一部ガス抜き、その後専門 業者で切断・圧縮を行い、金属処理した。

・【処理方法】金属処理

・塩害による腐食や内部温度上昇による容器爆発の 危険性及び塩素ガス等の有毒ガスや可燃性ガスの 漏洩の危険性があり専門業者による対応が必要で ある。

化学物質・薬 品等(農薬、

殺虫剤、医薬 品等)

・一般家庭から排出された廃棄物ではないと考えら れるものは産業廃棄物として処理。

・【処理方法】リサイクル処分(有価処理)、焼却処分

(広域処理)

・多種多様な化学物質が集積され、容器の破損・腐 食で銘板が読み取れない状態での性状の判別は 困難であった。

・処理先の確保が困難であった。

・全国で処理先は数か所のみである。

・産業廃棄物でしか処理が不可であった。

トランス コンデンサー

(PCB 含有あり)

・PCB濃度を銘板確認・濃度分析等により把握した 後、高濃度含有物、低濃度PCB廃棄物に分けて処 理可能な事業所(無害化処理認定事業者又は都 道府県知事の許可業者)と契約して搬送・処理。

・事前に電力会社所有物と確認されたものは、調査 前に発見場所から電力会社が回収、処理した。

・PCB廃棄物の保管は飛散・流失・地下浸透、また地 震等で転倒のおそれがないように屋内保管か、密 閉容器内保管又はビニールシートで覆う等、別に 保管された。

・PCB特措法における移動、保管の方法及び搬出方 法についての手順の明確化が必要である。

・複数地区で搬出協力・調整して専用容器(オレンジ ボックス)を有効活用することにより、搬出回数を極 力少なくするよう効率化した。(岩手)

トランス コンデンサー

(PCB 含有なし)

・銘板確認、PCB含有試験を実施しPCB不含を確認 後は基本的に市町村で金属有価処理した。

・二次仮置き場の選別等で発見されたものは、電力 会社所有物は引渡し、型式及び製造年を確認しメ ーカー照会、PCB不含であることを確認した後に売 却した。

・【処理方法】リサイクル処分(金属有価処理)

・PCB含有の判別が銘板の損傷等で確認できない、

絶縁油が抜けている等で困難であった。

・受入先の体制が整わず、3年以内での処理完了が 困難であった。

廃油(ガソリ ン、軽油、灯 油、重油等)

・リサイクル可能なものは県内外業者へ有価売却し、

リサイクル不可なものは,焼却対象物に染み込ませ 仮設焼却施設で混焼処理した。

・PH、引火点の分析結果から、内容物を特定し、焼却 処理した。

・内容物の不明なものは、特定に時間を要する。

・海水が混入した油はリサイクル不可である。

蛍光灯・

乾電池

・蛍光灯に含まれる水銀を適切処理するため、専門 業者へ一般廃棄物として水銀リサイクル処理した。

・受入先の処理能力が限られ、一般廃棄物であるた め、関係機関と協議しながら処理を進めた。

貴重品 想い出の品等

・遺失物処分(所有者に引渡し)

・散乱した災害廃棄物撤去時に収集した貴重品は遺 失物処理法に基づき処理。アルバム等の思い出の 品は別途保管後、所有者等に引き渡す機会を設け た。

・自治体、工事事務所にて保管展示を行い一部を返 却、引取先が無いものは地元警察にて3か月保管 後処分した。(岩手)

・自治体で、ボランティアによる洗浄後に展示したり 思い出の品センターを設置し、データとして保存し 引き渡す機会を作った。

漂着した 災害廃棄物

・自治体が引取り、仮置場に集積し、災害廃棄物とし

て処理した。 ・処理の手順化を行う必要がある。