5. 東日本大震災における教訓の抽出
5.1 処理のプロセスフロー
5-4
図 5.1-2 処理プロセスのフロー(大船渡市)
撤去 解体
凡例
2011年3月~2012年3月 2012年4月~2013年3月 2013年4月~2014年3月 2014年4月~
撤去・解体
市による散乱 した災害廃棄 物の撤去及び 被災家屋の解
体開始
破砕・選別
2011年7月1日
最終処分
2011年4月18日 2011年6月22日 約3ヶ月
二次仮置場
焼却
太平洋セメント
(5号キルン)
での焼却開始
リサイクル
沿岸南部ク リーンセンター での焼却開始
広域処理
2013年10月11日 東京都へ漁網 の搬出開始
東京都へ漁網 の搬出終了 2014年1月31日 2011年7月~
2011年11月4日
2013年7月 2014年3月
最終処分先へ の搬出終了 2011年12月1日 2012年6月28日
リサイクル 終了 2014年3月 セメント焼成開
始
最終処分先へ の搬出開始 1号キルン
焼却開始
セメント焼成開 始 受入作業を先
行で実施 2011年4月
市による散乱 した災害廃棄 物の撤去終了
2011年5月~
2012年3月31日
二次仮置場の 選定開始
二次仮置場の 用地の選定 2011年4月~
二次仮置場の 整備開始
約38ヶ月 2011年6月 2011年7月
二次仮置場の 整備完了
処理計画 処理方針を
検討
全般 東日本大震災
の発生
太平洋セメント と協力して処 理することを意
思決定 2011年4月
2011年3月25日
岩手県詳細計 画の策定 2011年8月
※6月20日の第2 回岩手県災害廃棄 物処理推進協議会 において承認
※8月30日の第3 回岩手県災害廃棄 物処理推進協議会 において承認
2011年3月12日 2011年3月19日
2011年4月~
2011年3月11日 2011年4月1日
環境省 東北 地方太平洋沖 地震における 損壊家屋等の 撤去等に関す
る指針
岩手県実行計 画の策定 2011年6月
2013年3月20日 市による被災 家屋の解体終
了
2014年9月 現状復旧 処理終了
2014年8月
2011年5月 金属くず リサイクル開始
コンクリートく ずの復興資材 供給開始 2011年7月
津波堆積物の 復興資材 供給開始 2011年8月
太平洋セメント での 処理終了 2014年7月14日
2014年8月 破砕・選別作
業本格稼動
破砕・選別作 業終了 破砕・選別業
者選定手続き 開始
破砕・選別業 者契約
【補 足】
一次仮置場は発災から2年間で閉鎖。2013年6月27日の「仮置場の返却に 伴う原状復旧に係る土壌汚染確認のための技術的事項について」(環境 省)通知や2013年7月「災害廃棄物仮置場の返還に係る土壌調査要領」
(岩手県)が出されるよりも早くから土壌汚染調査を実施。
・処理開始は早かったが、処理期間は長い。
・水産廃棄物を一時保管のため埋設したが、埋めた場所が悪かった。(街中のグランドに埋設)
・工場地帯が被災した。産業廃棄物処理業者が被災した。処理困難物が多かった。
行政上の課題や注意点 発生事象として課題
関係者(住民、仮置場所有者、漁協、県と市、復興資材活用セクションである県庁土木セクション)が多く調整に時間を要した。
【補 足】
・地元建設業協会との連携により、撤去・解体における初動段階の作業が円滑に進んだ。
・当初、撤去・解体作業に用いる重機の燃料調達先の調整を市が行った。
・建物所有者、建設事業者、消防団、町内会、警察との連絡調整を現場で行い、迅速な撤去・解体ができた。
・作業にあたっては、職員を配置し所有者立会いのもと実施。所有者が分からない場合は民有地に入り撤去。
行政上の課題や注意点
律速要因:
【律-8】民間事業者との連携により処理方針が早期に決まったことで早期に処理に着手できた。
【律-9】建設部局を中心に地元建設業協会等と連携することで撤去・解体における初動段階の作業が円滑に進み、
迅速な撤去・解体を行うことができた。
【律-10】処理が本格化するなかで関係者が多く調整に時間を要した。
【律-8】
【律-9】
【律-10】
※本格的な家屋解体は、2011年4月~
※漁網等の処理を実施。
8月まで沿岸南部クリーンセ ンターへ搬出。
凡例
2011年3月~2012年3月 2012年4月~2013年3月 2013年4月~2014年3月 2014年4月~
2011年11月~
2011年11月
焼却
業者契約 業者選定手続
き開始
広域処理
東京都及び東 京都環境公社 と基本協定及 び覚書を締結 2011年11月 最終処分
リサイクル・最 終処分開始 リサイクル
(女川町可燃物の試験焼却)
東京都及び東 京都環境公社 と基本協定及 び覚書を締 結。東京都環 境公社と処理 業務委託契約
を締結 2012年1月 東京都環境公
社と処理業務 委託契約を締 結。女川町の 可燃物の試験 焼却を東京都 にて実施 2011年12月
(女川町可燃物の本格焼却)
東京都への搬 出開始。本格 焼却開始 2012年2月
仮設焼却炉 本格稼動
仮設焼却炉 焼却終了
2014年3月
2011年7月25日
2011年8月4日
2011年8月 2014年3月
2012年5月~
2014年3月 2013年12月
破砕・選別作 業終了
2014年1月
リサイクル・最 終処分開始 施設設置開始
約29ヶ月 発注方法の検
討
(分割・一括)
2011年5月
プロポーザル 方式による一 括発注方式を
採用 2011年6月
約9ヶ月
2012年5月~
破砕・選別作 業本格稼動 2011年3月11日 2011年4月1日
二次仮置場の 処理終了 整備開始
二次仮置場の 整備完了
2014年9月
現状復旧 市による被災
家屋の解体終 了
2012年7月 二次仮置場の
用地の選定 2011年5月 2011年4月22日
本格的な整 備、稼動が始 まったため、視 察者が殺到 2012年1月~
2011年3月25日 環境省 東北 地方太平洋沖 地震における 損壊家屋等の 撤去等に関す
る指針
県が宮城県実 行計画
(第一次案)を 策定 全般 東日本大震災の発生
地方自治法に 基づき石巻市 の災害廃棄物 処理を宮城県
が受託
処理計画
2011年3月28日 県が災害廃棄 物処理の基本 方針を策定
県庁内に石巻 ブロック担当 チームを設置
2011年9月16日 2011年5月30日
県が災害廃棄 物処理指針を
策定
破砕・選別
約9ヶ月
約9ヶ月
施設設置開始 撤去・解体
市による散乱 した災害廃棄 物の撤去終 了、被災家屋
の解体開始
二次仮置場 二次仮置場の選定開始 2011年4月 2011年3月~
市による散乱 した災害廃棄 物の撤去開始
校舎や仮設住宅の隣地に仮置場が設置され、粉じんや悪臭、害虫対 策に苦慮。仮置場の周辺環境が悪化する課題が生じた。生徒たちがク ラブ活動を行うにしてもマスク等の着用が必要となった。
・生活環境影響評価結果に基づき、仮設焼却炉の環境保全対策検討に 時間を要し、焼却炉稼動が当初予定の4ヵ月後となった。
・1ヶ月の縦覧及び2週間の意見提出期間を設けるべきところを、縦覧及 び意見提出期間を合わせて1ヶ月とした。
・十分な試運転期間を設けることができなかったため、本稼動後もトラブ ルと対応しながらの処理が続いた。
・地方自治法上、自治体では予算の議決をもって 契約執行が可能となるが、金額の大きさ、契約の 内容や性質等によって、住民や自治体にとって影 響が大きいとされる工事契約については、個別の 契約毎に議決を要する。
・今回のような業務委託では、契約の議決は不要 とされるが、宮城県は1,000億円を越える巨額の委 託契約であることから、契約に係る議決を経たも の。
・なお、他の自治体では処理業務については議決 対象としていない。
・飛灰等は最終処分する必要があり、最終処分場の確保や運搬 等の調整等に長期間を要したため、場内貯留量が膨大な量に及 んだ。
・放射能汚染への懸念等から、リサイクル・最終処分先を確保する のに時間を要した。宮城県では事業者選定にあたって、処理先
(処分・リサイクル)に関しても業務提案を受けたが、事業者間同 士(民民)の同意が得られた状態であっても、処理施設が立地する 自治体間の同意を得るには県が行う必要があった。
【補足】
・募 集:2011年7月25日
・仮契約:2011年9月6日
・本契約:2011年9月16日
【補 足】
キルン炉は高知県のセメント工 場の休止炉を再利用し、工期を 短縮。
【補 足】
処理工程全体をJVが担う ことで各工程で課題が生じ ても柔軟な対応が可能。
ポイント
【補 足】
・思い出の品の分別により、写真12万枚を整理。
・二次仮置場内に石巻市が設置した思い出の写真デジタル公開センタ ー(2012年7月~2014年3月)での返却8,000枚(返却率:7%)
・建設予定地に約80万tの廃棄物撤去。仮置きされていた廃棄物を大型フレ コンパックに詰め、別の仮置場へ運搬する撤去作業を昼夜で約9ヶ月実施。
・二次仮置場の候補地(県有地)を一次仮置場として宮城県から石巻市へ提 供。しかしながら、意思疎通が上手くいかず、一次仮置場として利用する用 地が県が想定していた位置と異なったため、二次仮置場の整備にあたって、
廃棄物の撤去に時間がかかった。
行政上の課題や注意点
・ブロック内の2市1町は、県による二次仮置場での処理が開始されるまで、それぞれの一次仮置場で、粗分別や破砕を行うなど取り組める範囲での処理を行った。
例)コンクリート殻を破砕し再生採石として復興資材に活用、金属クズを分別し有価売却 等
行政上の課題や注意点
行政上の課題や注意点
律速要因:
【律-11】 二次仮置場の予定地に既に仮置きされていた災害廃棄物を別の仮置場へ運搬する撤去作業 に時間を要した。県と市の意思疎通が上手くいかなかった。
【律-12】 仮設焼却施設の生活環境影響評価の手続きの簡素化等の工夫が行われた。
【律-13】 仮設焼却施設の生活環境影響評価における環境保全対策検討に時間を要し、焼却処理まで 時間を要した。十分な試運転期間を設けることができなかったため、本稼動後もトラブル と対応しながらの処理が続いた。
【律-14】 最終処分しなければならない災害廃棄物もあり、すべての災害廃棄物を県内で処理するこ とは困難であった。主灰については造粒固化を行い復興資材として活用したが、飛灰等は 最終処分する必要があり、最終処分場の確保や運搬等の調整等に長期間を要したため、
場内貯留量が膨大な量に及んだ。
【律-15】 放射能汚染への懸念等から、リサイクル・最終処分先を確保するのに時間を要した。
宮城県では事業者選定にあたって、処理先(処分・リサイクル)に関しても業務提案を受 けたが、事業者間同士(民民)の同意が得られた状態であっても、処理施設が立地する自 治体間の同意を得るには県が行う必要があった。
行政上の課題や注意点
【律-11】
【律-12】
【律-13】
【律-14】
【律-15】
※主灰については、造粒固化を 行い復興資材として活用した。