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4. 災害廃棄物処理に係る重要事項

4.8 廃棄物の撤去/解体

散乱した災害廃棄物や被災自動車の撤去、損壊家屋等の解体・撤去は市町村の事務である。ここで は岩手県の宮古市(宮古地区)、大船渡市、宮城県の石巻市(石巻ブロック)、仙台市について、撤 去や解体の手続きや方法等の実施プロセスをとりまとめる。

4.8.1 散乱した災害廃棄物の撤去

散乱した災害廃棄物については、概ね、①行方不明者捜索、道路啓開に伴う災害廃棄物、②道路 脇(宅地周り)の災害廃棄物、③公共用地内、農地内の災害廃棄物、④申請による私有地内の災害 廃棄物、という順序で撤去が行われた。

発災直後に自衛隊等により実施された行方不明者捜索、道路啓開に伴う災害廃棄物撤去において は、分別等は行われず、混合廃棄物として道路脇等に寄せて置かれた。

【特徴や課題・工夫】

○散乱した災害廃棄物の撤去の際の分別

・発災直後の行方不明者捜索、道路啓開に係る災害廃棄物等の道路脇等への撤去では、分別は行 われていなかった。

・仙台市では、それ以外の散乱した災害廃棄物の撤去にあたっては、撤去現場にて可燃物・不燃 物・リサイクル対象物等に粗分別を実施し、その後の処理を効率化した。

4.8.2 被災自動車の撤去

仙台市では、自動車解体業者団体と平成 23 年 4 月 1 日に被災自動車の撤去・処理に関する協定を 締結し、早期に体制を確立している。協定締結団体のノウハウを活用しながら、一時移動・撤去を 行うとともに、所有者の特定、公告等の手続きを進め、9 月末に処理・処分を開始している。

【特徴や課題・工夫】

○被災自動車の撤去・処分の手続き

・宮古市では自動車リサイクル法による処理方法やナンバー不明車両の取扱いが分からず、処理 体制の立ち上げが遅れた。

・国からは被災自動車の処理の基準が平成 23 年 3 月 28 日に示されていたが明確な基準や処理に 至るまでの流れは示されなかった。このため、岩手県では被災市町村からの要請を受けて、所 有者に連絡が取れない又は車台番号が判別不能となっている被災自動車の取扱いについて、被 災車両の処理フローを作成し同年 6 月 27 日に被災市町村に通知した。

・石巻市では、「所有者情報の調査(宮城運輸支局に所有者情報を照会)」→「使用者に対し処分 の意向確認」→「所有者に引渡し又は処分」の流れで処分を行った。また、処分に関する意思 表示がされない又は連絡がとれない場合は、3 ヶ月間の公告期間を経て市が処分した。

・仙台市では、「車両リスト作成」→「運輸支局への照会による所有者の検索」→「撤去自動車の 情報を HP で公開、公告」→「3 ヶ月経過後、使用済自動車として処分決定」→「自動車リサイ クル法に則した処理」という流れで撤去・処分を行った。

○仙台市では関連法人と連携し被災自動車の撤去・処分を実施

・仙台市では、平成 23 年 4 月 1 日に被災自動車の処理業務に関する協定を ELV 機構(自動車解体 業者団体の一般社団法人日本 ELV リサイクル機構)と締結し、それぞれの担当業務において生

じる費用は、それぞれが負担することとした。

・ELV 機構対策本部は被災自動車の運搬、一時保管場所での現場管理、被災自動車の情報整理等、

被災自動車の処理を実施した。市は ELV 機構対策本部の業務に対する具体的な指示、一時保管 場所の確保、所有者等の検索、連絡及び意思確認、処理に関する問合せへの対応を実施した。

4.8.3 損壊家屋等の解体・撤去

損壊家屋の解体・撤去については、国の補助対象の確定前に所有者による解体が始められていた ことから、申請受付から行う解体・撤去の手続きとすでに所有者により解体が行われた損壊家屋の 費用負担に係る手続きとの 2 つの流れで行われた。

損壊家屋に係る手続きは申請受付から撤去完了通知まで何段階かの手続きや現場確認作業が必要 なため、仙台市では発注管理は補償コンサルタントの団体に委託して実施している。

損壊家屋や公共施設・大型構築物の解体にあたっての分別は、宮古市、石巻市では一次仮置場搬 入と同等の分別、仙台市では 15 種類の分別を行っている。

公共施設・大型構築物の解体は、市独自で実施している場合と県へ委託している場合があり、石 巻市では県委託により病院や学校等 31 施設(延床面積約 10 万 m2)の解体を行っている。

【特徴や課題・工夫】

○補助対象事業の確定等に応じて段階的に損壊家屋等の解体・撤去の申請受付

・仙台市では、国の補助対象事業の確定等に応じて、損壊家屋の解体(平成 23 年 5 月 23 日~)、 所有者解体の費用負担(7 月 1 日~)、損壊ブロック塀撤去(8 月 22 日~)、所有者によるブロ ック塀撤去の費用負担(9 月 7 日~)、枯死木撤去(12 月 1 日~)と段階的に申請受付を行った。

○申請受付のシステム

・仙台市では、固定資産税台帳とリンクした申請受付システムを構築して解体撤去の受付を行っ た。

○損壊家屋の解体・撤去は平成 23 年 3 月~8 月開始、平成 25 年 3 月~平成 26 年 3 月終了

・損壊家屋の解体・撤去時期は、宮古市が平成 23 年 5 月~平成 25 年 11 月、大船渡市が平成 23 年 3 月~平成 25 年 3 月、石巻市が平成 23 年 8 月~平成 26 年 3 月、仙台市が平成 23 年 6 月~

平成 26 年 2 月であった。

○建物所有者・市・解体事業者等による現場確認

・損壊家屋の解体・撤去にあたっては、大船渡市では建物所有者、建設業者、消防団、町内会、

警察との連絡調整を現場で行い、迅速な解体・撤去を行った。

・仙台市では、申請を受けて、事前に現場確認(申請者・市・解体業者の三者)→スケジュール の決定→解体・撤去決定通知書の交付→解体・撤去作業→現場完了確認(三者)という流れで 解体・撤去を行った。

○コンサルタントや建設業者等と連携した解体・撤去の体制構築

・大船渡市では、地元建設業協会との連携により、解体・撤去における初動段階の作業が円滑に 進んだ。

・石巻市では、平成 24 年度からコンサルタントに解体・撤去の監理業務を委託した。

・仙台市では、現場立会いは膨大な件数に上ることや1年以上の長期にわたる業務であることか ら、発注管理は社団法人日本補償コンサルタント協会東北支部に業務委託した。

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・仙台市では、事業の迅速化を図るため、あらかじめ解体業者と解体する家屋の構造や面積等に 応じた委託料を支払う単価契約を締結し、標準的な解体が困難な場合には個別に契約した。

・損壊家屋の撤去・解体は、石巻市では 133 社~175 社(年度により異なる)、仙台市では最大 380 班 2,500 人体制により実施した。

○解体時の分別

・宮古市では、損壊家屋の解体・撤去において、二次仮置場で廃棄物処理を行う鹿島JVの指示 による分別(柱材・角材、津波堆積物、コンクリートがら、金属くず、畳、漁具・漁網、可燃 系混合物、不燃系混合物)を行った。

・仙台市では、解体現場にて 15 種類に分別を行った。また、飛散性アスベストは解体現場にて二 重梱包し、最終処分場へ直送し埋立処分を行った。