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第3章  結果と考察

第1節  面接調査結果からの考察

Q. 補助金について

A.国から企業に対して補助金が出る(給料の1/3)。しかし、年限が経過し仕事に慣 れてくると打ち切られる。できれば、継続して支援してほしい。

3)知的障害者授産施設「つよし共働センター」

日時 平成14年8月20日

場所 日南市風田rつよし共働センター」

対象 所長、中小企業を離職され、入所した利用者Aさん、Bさん、Cさん、Dさん テーマ 所長  「授産施設の現状」

   利用者  「就労から離職までの様子」

 (1)所長の話

 つよし共働センターは、日南市の川越家の支援の下に設立された経緯がある。授産施設 なので、実習などを行い、就労に結びつける活動を行うが、ここが気に入って実習をした がらない利用者も多い。昨年度の就職は1件で、センター全体としてみても、ほとんど動 きがない。正式ではないが、定員をオーバーして実習生という形で受け入れている。昔は、

東郷小・中学校の分校という形をとって、先生が来て授業が行われた時期もあった。

 作業内容は、焼き杉、トールペイント、薪加工。レクリエーションは、年1回キャンプ か旅行を行う。行き場所は、みんなの話し合いで決定する。

 職員は、10名で利用者37名のお世話を行う。法律では、7名に一人が基準である。

 (2)利用者Aさんの離職したケース  重複(肢体と知的)31歳女性 寮育手帳A

 鹿児島のホテルに住み込みで就職する。仕事内容は、皿洗いや調味料の補充で、10時 問程度の立ち仕事であった。休みの日は、訓練校時代の友達と鹿児島市内にショッピング に出かける。しかし、仕事が忙しい時は休日でも呼び出されることが多い。客からセクハ ラを受けることもあった。職場に相談できる人はいなかったので、母親に電話をすること が多かった。肢体不自由で足が悪いことを理由に離職する。足が悪い障害者に対して、立 ち仕事の斡旋を行う進路指導に問題を感じる。このセンターでは、パソコンを駆使して、

彼女が、毎月の予定表などを作成している。

 (3)利用者Bさんの離職したケース  知的障害、40歳女性、寮育手帳B1

 数ヶ月市内の美容院にて実習を行い、その後住み込みで就職する。仕事内容は、タオル、

ロール洗いと清掃。住み込みでも家事をさせられることは無かった。休日は、自宅に帰り 家族と過ごした。母親が亡くなり、祖母の世話のために離職する。その後、すぐに祖母も 他界し、この施設に入所した。このように、家族の理由による離職も多く、障害者本人だ

けの支援ではすまない場合もある。

 (4)利用者Cさんの離職したケース  知的障害、44歳男性、寮育手帳B l

 宮崎市内の乗馬クラブに就職した。向陽の里から2名の友人と一緒に住み込みで就職す る。仕事内容は、干し草の移動及びならし。先輩が良き相談相手になってくれて、仕事も 楽しかった。本人は、悩みなし。賃金は、たくさんもらっていた。ほとんど実家の母親に 送金していた。母親が原因のお金のトラブル(前借り〉が原因で離職する。

 その後、畳屋に再就職する。仕事を覚えられず暴力をふるわれることもあった。腹部を 蹴られ、肋骨を骨折する。そのことが理由で離職する。障害者の雇用は、中小企業の努力 に依存している部分が多いが、そのことが原因の問題も発生している。相談支援体制を充 実させ、障害者権利擁護の立場からも正していかなければならない。

 (5)利用者Dさんのケース

 知的障害、54歳男性、実習生なので等級不明

 親戚のカッオ船にのる。南郷、目井津と大堂津の船にのった。仕事内容は、料理(他の 船員10名程度のものを作る)と餌運びを行う。知的障害を理由に、船頭からいじめを受 ける。友人などの相談相手もなく、船長に相談してもとりあってもらえないため離職する。

利用者Cさんの時と同様に、障害者差別により離職に追い込まれたケースである。インク ルージョンの観点から地域社会全体を巻き込んだ啓発活動の必要がある。

 (6)考察

 この4名のケースは、知的障害者の立場からみた就労から離職までの様子である。昔の 話で記憶が曖昧な部分も多く、本人の話だけで他の視点からの考察がないので、確実な離 職原因とは言えない。しかし、この面接調査から本人だけの問題で、離職が起こるとは言 えないようである。卒業時の進路指導が不十分であったり、家庭など本人を取り巻く環境 が原因となることもある。職場での社会的な偏見や差別が問題となることもある。共通し て言えることは、職場内での相談体制の不十分さである。友人がなく、相談相手がいない ことが、問題を大きくしている。問題が複雑になる前に相談でき、適切な支援を受けてい たら、離職は無かったかもしれない。たとえ結果として離職したとしても、障害者の方々 の自尊意識などr心の傷」が少しでも和らいだかもしれない。

 本研究で取り上げている「地域移行支援」や「個別移行支援計画」が少しでも早く地域 に根ざして、障害者の人々の生活を支えていけるような社会の実現を望んでやまない。

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