10数
5 0
図3−11 連携をする上での具体的課題(学校用A)
その具体的な内容は、r卒業後の支援の主体がはっきりしないこと」やr行政機関同士 の連携不足」を挙げる意見が多かった。2番目にポイントの多い『他機関の職員に関する
こと』では、「経験不足」「多忙のため日程調整の難しさ」や「意識の低い職員の存在」
が挙げられた。r学校の教職員に関すること』では、r授業をしながらの連携は多忙であ る」を挙げるケースが多い。また、「個人情報の保護と情報の共有」の問題も重要な課題 として考えられている。
連携における課題の有無を【学校用A】と【関係機関用B】について比較したのが、図 3−12である。この図かも分かるように、学校側の方が「課題がある」と感じる割合が 多くなっている。その予想される理由については、『5.地域ネットワークの構築』の部 分でふれてみたいと思う。
60
4 2
課題無 し
脚題有り
国学校 國関係機関
有意確率p値1.9E−07 冗2検定1%水準において有意差あり
図3−12 連携における課題の有無(学校用Aと関係機関用Bの比較より)
関係機関側からみた連携における課題(関係機関用Bより)は、図3−13に示す様
にr学校のシステム」やr学校の職員」に関するものが多い。具体的には「学校のシステムに関すること」では、「個人情報の入手がしづらい」や「生 徒の卒業後のアフターケア体制ができていない」などの意見が多くみられた。「個人情報 の入手」については、個人情報の守秘義務が関係しており、「卒業後のアフターケア」に 関しては、『4、1)進路指導上の連携の必要性』においてふれた「学校側と関係機関側 の温度差」が関係しているものと思われる。
「学校の職員に関すること」では、「福祉制度に関する知識不足」やr進路指導担当の 入れ替わりが激しく、重要項目の引き継ぎができない」などが挙げられた。その他では、
「相互理解」や「進路指導に関するスタンスの違い(学校側は就労まで)」などお互いの 仕事内容や支援についての考え方の理解を促す内容が多くみられた。
また、図3−13の課題と感じることで少ない項目は、学校用Aと同じように、r法制 上のこと」や「予算のこと」である。ただ、少数意見として、「連携」にしても「地域ネ ットワーク支援」「個別移行支援計画」にしても、「どの程度の費用がかかるか研鎖すべ
以上のことから、連携における課題を「学校」「関係機関」の双方の立場から比較して みると、「相互理解」や「引き継ぎ」などのように、お互いの話し合いにより解決できそ うな項目が多く存在することが分かった。障害者の権利やQO Lが保障され、豊かな生活 がおくれる社会を実現させるためには、お互いがどのような支援をしていくべきか十分に 話し合いが行われ、連携を深めていくことが大切である。
0
学校のシステムに関すること彗弼 学校の職員に関すること
関係機関の職員に関すること
関係機関のシステムに関すること
予算のこと
法制上のこと
その他
2
(関係機関数)
4
6 8 10 12 14難難難難 驚鑛灘
嚢灘羅麟1…・i三…1 饗灘
蕪i灘灘難 馨難雛.
4
、纒蕪ミ…
2
灘箋
欝1
蕪議叢i萎葦難鞭難麟霧i ・ 9
図3−13 関係機関側からみた養護学校との連携に対する課題
5.地域ネットワークの構築
乳幼児期から、学校卒業まで、教育・福祉・医療などの関係機関がネットワークをつく り、連携して支援をすることが求められている。このことは、障害者の生活を支える観点 から重要であるだけでなく、生活の幅を広げ、本人が支援を選択し、主体的に生きる観点 からも重要である8)。
学校は、社会へ出ていく最終機関として、今ある地域資源を最大限に活用しながら、中 心となってネットワークを形成していく役割を担っていると言える。今後、「個別移行支 援計画」実施に向け、連携の重要性が増してくるが、連携とは、双方向からの多面的・継 続的な信頼関係であり、学校が中心となってネットワークを構築し、維持していくために は、同時に学校としての資質や機能が問われつつ責任を果たすことが求められている9)。
1)地域ネットワーク支援体制の必要性
文部科学省は、2001年1月に出された「21世紀の特殊教育の在り方 〜一人一人の 二一ズに応じた特別な支援の在り方について〜」最終報告において、
①ノーマライゼーションの進展に向け、障害のある児童生徒の自立と社会参加を社会全 体として生涯にわたって支援する。
②教育、福祉、医療、労働等が一体となって幼児期から学校卒業まで、障害のある子ど も及び、その保護者等に対する相談及び支援を行う体制を整備する(以下省略)。
等の理念に基づく提言を行った。従来の職業教育や進路指導の在り方を点検し、改善して いくことが教育関係者の緊急の課題となる。そのためには、教育、福祉、医療、労働、企 業等の関係機関、事業所、団体、および関係者の連携・協力による地域ネットワークの構 築が同時に必要となる o)。
田必要性を感じる ロ必要性を感じない
■分からない 回未記入
58,(96ワ6)
図3−14地域ネットワーク支援の必要性(学校用Aより)
学校に対する質問紙(学校用A)から教師が、地域ネットワークを必要としているのか を、図3−14に示した。ほとんどの教師が、その必要性を感じていることが分かる。次 に、地域ネットワークがあるかどうかを示したのが図3−15である。実際に「ある」と 答え活動しているのは、全体の45%であった。
未記入 2%
い% 3な5 る%あ45
図3−15地域ネットワーク支援の有無(学校用Aより)
この調査結果から分かることは、地域ネットワークによる支援の必要性は感じているが、
実際に学校が中心となり、支援体制を構築していくには課題が多数存在し(表3−4)、
その改善が求められていると考えられる。図3−16には、関係機関側からみた地域ネッ トワークの必要性を回答している。
未記入,(4),4%
分からない,(21),
22%
必要性を感じ
(3),3%
要性を感じる,(
67),71%
図3−16地域ネットワーク支援の必要性(関係機関用Bより)
それによると、71%の職員が「地域ネットワークによる支援の必要性を感じる」と答 えており、図3−14と比較しても、双方が必要性を認識していることが分かる。
2)地域ネットワーク支援の具体的課題
表3−4から、教師は地域ネットワーク支援に対して多くの課題を抱えていることが分 かる。無記入の数が多い理由として、「地域に障害者支援のネットワークがなく、よく分 からない」という答えが挙げられた。
関係機関側は地域ネットワーク支援に対して「課題なし」と回答した割合が高い。現時 点では、学校が地域ネットワーク支援を主催し、コーディネートするケースが多く、主催 する側と参加し専門的な意見を述べる側の意識の違いが現れているのではないかと思われ
る。
表3−4地域ネットワーク支援の課題(学校用Aと関係機関用Bの比較)
課題あり(%) 課題なし(%) 無記入(%)
学校側 44(73.3%) 4(6.7%) 12(20.0%)
関係機関側 61(58。7%) 27(26%) 16(15.4%)
学校側が、実施する上での課題と感じること(学校用A)は、図3−17に示す通り、
『各機関のシステムに関すること』が最も多く、その具体的内容は「どこの機関が中心に なるのかはっきりしない」「関係機関の担当者の移動で、継続した支援ができない」など の意見が聞かれた。
『各機関ごとの職員に関すること』では、「理解、啓発の必要性」、『学校のシステムに関 すること』では、ネットワーク支援の中心となることに対して「学校職務との両立の難し
さ」が挙がられた。
各機関ごとのシステムに関すること 各機関ごとの職員に関するこ 学校のシステムに関すること 学校の教職員に関すると 個人情報の管理と共有の問題 ネットワーク会議の内容 予算のこと 法制上のこと
0 5
10(学校数)
15 20 25
…灘醗,[・繋難 繍 難 .灘…一1i [鮮1、「鰹 ・
2
灘i騰撒・・繍葦 灘灘一8
5
.鰯灘灘
麟1 醗1
各機関のシステムに関すること 各機関の職員に関すると 自らの機関の職員に関すること
予算のこと
自らの機関のシステムに関すること
法制上のこと
学校側の職員=関する〜
学校のシステムに関すること
その他
0 5
10(関係機関数)
15 20 25
磁鰹蓑繍識難難再 羅鍛灘』 21
13
灘蕪難糞網1、該雛i 灘灘難9
8
、、趨繊餐…灘縫醸
欝嚢「餐 ・、.・灘i黛 彫.欝8
難・鰯羅雛 嚢鞭
6 5
1雛蓬「 3
繍辮2
灘 §黙欝藩・ 強舞霧.講、
図3−18 地域ネットワーク支援の具体的課題(関係機関用Bより)
図3−18では、関係機関側からみた地域ネットワーク支援の課題を挙げた。『4.進 路指導上の連携』における課題(図3−13)と比較して、「学校のシステム」や「教職 員に関する項目」は減少し、「各機関のシステムに関する項目」が多いことが分かる。
具体的な内容は、学校用Aの結果でも挙げた「核となる機関の存在」や「地域資源の 格差」「各機関間の温度差」などが問題点として出された。ここでは、各機関同士の連携 の難しさが表面化していると思われる。