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第3章  結果と考察

第2節  アンケート結果からの考察

関係機関用Bの記入者については、福祉支援関係者を、表3−1に、就労支援関係者

を表3−2に示した。学校用Aとは違い、多種多様な役職となった。特に福祉関係は、

回答者役職が30項目と多かったため、まとめて表記している。(例えば、事務所係長、

障害相談係長、援護係長、生活支援係長、サービス調整担当係長、知的障害担当係長、福 祉係長とまとめて、事務所係長と表記)また、学校用Aと同じように、できるだけ障害者 支援に詳しい方に記入していただき、回答者の統制を行った。

表3−1 関係機関用Bの福祉支援関係回答者

役   職 回答者数

社会福祉主事、主査、主幹、主任

23

知的障害福祉士

17

事務所係長

14

障害福祉係

6

ケースワーカー、相談員

5

障害福祉課長

5

施設長、理事長、所長

4

未記入

4

合計

78

表3−2 関係機関用Bの就労支援関係回答者

役   職 回答者数

統括職業指導官

9

雇用指導官

7

上席職業指導官

5

障害者職業カウンセラー

3

就労支援担当

2

障害者担当

1

就労・生活支援センター所長

1

未記入

1

合計

29

 3.地域資源

 地域にある有用な「資源」を掘り起こし、相互交流を図るネットワークを構築し、互い の存在を理解しながら、就労支援の輪を広げていく。そんな役割を「地域」のひとつであ る学校が、情報の発信・ネットワークの組織化の中心として、まず担っていくことが大切 である5)。本調査の根底として、連携や地域ネットワークの在り方を探る上で、まず、調 査した学校のある地域では、どのような地域資源があり、必要とされているのかを明らか

にしていくことが重要であると考えた。そこで、まず、図3−2で、地域資源の有無を確 認し、図3−3で、その資源の必要性を問う項目を設定した。

 図3−2から、ほとんどの地域にハローワークや福祉事務所があり、入所や通所の施設 や小規模作業所も充実してきていることが分かる。逆に必要性はあるが、不足していると 感じる機関(図3−3)では、グループホームや、就労支援センター、就労・生活支援セ ンター、通勤寮など地域への移行の中心的な役割をはたすことに期待が寄せられている施 設が挙げられた。通所施設に関しては、「地域にある機関(図3−2)」と「不足を感じ る機関(図3−3)」の両方で上位にきていることから、r地域にある施設だが、まだま だ足りない」という状況のようだ。ハローワークや福祉事務所は、図3−3(不足を感じ る機関)ではポイントが低い。それは、「必要性を感じない」ということではなく、学校 が行っている障害者の移行支援の連携場所の中心的な役割を果たすことからも、地域に充 足していてよく活用されており、不足は感じていないということであろう。

 70  60  50学40

数30  20  10  0

58 58

雛嚢霧縫莚 鐡幾難

i蟻

縷︐蒙暴

萎・⁝藩

27

霧㌔

馨⁝ 20 19 18

・懸

8

、灘

   、雛繋…髪      ilil

ボランティア団体

障害者職業センター

就労.生活支援セン   ターNPO法人

障害者地域生活支援セ   ンター通勤寮

他の知的障害養護学校

グループホーム

小規模作業所

入所施設︵授産︑更   生︶通所施設︵授産︑更   生︶福祉事務所

公共職業安定所 福祉工場福祉ホーム その他保養施設職業リハビリテーショ   ン施設職業能力開発施設就労支援センター

図3−2 地域にある関係機関・団体(学校用Aより)n=60

 30  25 学20 校15 数10  5

 0

∠6 ∠b 霧 葦

i霧 鰻i霊

20 桑蓑羅養霧 郵釜

霧難

諺、

難∫︐ 攣擁難ミ・ 難i⁝ 15

1414

、薫

i萎i冨

1蹴

1 9

嚢霧慧難馨

蕩霧 霧議

嚢繋 5

  醸 雛  舞  1

28 28

職業能力開発施設

小規模作業所

福祉工場入所施設︵授産︑更   生︶障害者地域生活支援セ   ンター

通勤寮就労.生活支援セン   ター

就労支援センター

グループホーム

通所施設︵授産︑更   生︶ その他福祉事務所保養施設他の知的障害養護学校公共職業安定所ボランティア団体職業リハビリテーショ   ン施設福祉ホーム障害者職業センターNPO法人

図3−3 必要性はあるが、不足を感じる機関(学校用Aより) nニ60

 表3−3は、全国的な知的障害関係施設数の推移である。平成4年から平成13年まで の伸び率を比較してみても、知的障害者の入所、通所の更生施設数、通所の授産施設数の 伸び率が2倍になっているのに比べて、通勤寮数の伸び率が低いことが分かる。筆者が行 った東京都福祉局への面接調査の中でも、グループホームや通勤寮よりも従来型の大規模 施設入所を望む保護者が多いことが挙げられた。「入所していれば安心」という保護者心 理によるものであろうが、利用者のQOLの向上やノーマライゼーションの考え方からは 課題と言える。

表3−3 知的障害関係施設数の推移(各年10/1現在、厚生労働省r社会福祉施設調査」)

平成4年 5年

11年 12年 13年

知的障害者更生施設(入所) 561 999 1,250 1,303 1,344

知的障害者更生施設(通所) 167 195 339 350 366 知的障害者授産施設(入所) 194 203 226 228 229 知的障害者授産施設(通所) 476 518 839 890 957 知的障害者通勤寮 109 110 119 120 121

合計 2,555 2,675 3,487 3,606 3,977

 また、表3−3において、平成4年度と比較して13年度では、通所の授産施設の伸び 率が2倍と前述したが、それでもまだまだ不足しているとの報告もある。「平成12年度 全国知的障害施設実態調査報告書(日本知的障害福祉協議会調査)」によれば、授産施設 が自治体の7r割に設置されていないという実態や地域偏在の解消は図られていないことが 報告されている。

 つまり、余暇、地域生活支援の社会資源は現状では、まだ地域格差が著しく、本調査で も分かるように、特に地域移行に関する支援機関が不足している。今後は、このような機 関を充実させていくと共に、これらの活動を組織する「人」の問題が浮上してくるであろ う。つまり、地域生活をコーディネートするケアマネージャーの存在が大きくなると考え

られる。

 4.進路指導上の連携

 1)進路指導上の連携の必要性

 知的障害者を支える関係機関は、教育・福祉・労働・医療と様々な領域において存在す る。本人の必要に応じて、これらの関係機関が連携し各ライフステージにおいて「横断的 に調整・統合した支援」として提供する環境が必要である6)。

 ここでは、他機関との連携の必要性や課題について調査を試みた。学校用Aにおいて 図3−4では、進路指導上連携している関係機関について、96%の学校が「ある」と答

えている。

1,(2%)

58,(96%)

        図3−4 連携している関係機関(学校用A)

必要性については、図3−5において、95%の学校で「必要である」と回答されてお

 これは、先行研究7)においても、実際の進路学習の授業への関係機関の参加協力に関し て93%の学校が「重要である」との傾向が示されており、87%の学校が、進路学習の 評価が、外部機関への情報提供に関して「重要である」と回答したことが述べられていた。

      3,(5%)

0,(0%)一\0,(0%)ノ  7,(1

3%)

團とても必要である

□必要である

■余り必要でない 国必要でない

■未記入

図3−5 関係機関との連携の必要性(学校用A)

 このことから、現場の教員が、外部機関の担当者との連携を強く要望していることが伺

える。

 また、関係機関へのアンケート(関係機関B)にも、同じ質問項目を設定した。それに よると、図3−6のように、就労や福祉の関係機関の職員の9割以上が、養護学校との連 携は「必要である」と答えており、相互に連携の必要性を感じていることが分かる。

福祉と労働に分けてみても、その必要性に差があるとは言えない。

関係機関(労働)→学校

関係機関(福祉)→学校

       0%

18       . 11、r…   

0

32      i i…i…41i…i…i  ii…i2

20% 40% 60% 80%

100%

■必要團どちらかといえば必要園どちらかといえば不必要圏不必要

    ※有意確率(両側0。066)ウィルコクスンの順位和検定において5%水準で      差があるとは言えない

    図3−6進路指導上養護学校との連携の必要性(関係機関用Bより)

 連携の必要性について、相互に高いことは先行研究からも予想されていたので、関係機 関について時期的に分けて分析を行った。

1,2年時儲腸芙習)、,

  講辮1.

     卒業後、

       ㎝ 川 軌 ㎝ 蹴

1︵騙

ロ必駅ある□どちら能いえは泌腰皿どちらb忠いえは秘腰國不必腰

※有意確率(3.7E−10)クラスカルーウォーリスの順位和検定において0.1%水準で有意 図3−7 時期的にみた養護学校との連携の必要性  (関係機関用Bより)

それによると、学校側は、在学中から卒業時期まで連携の必要性を感じている3)のに対し て、関係機関側は、図3−7で示したように卒業時期からアフターケアまでを特に重要と 感じていることが分かった,

  2)連携の効果

 図3−8に学校側からみた、連携により期待できる効果を示した。そこでは「卒業後の 継続した支援」やr進路先の情報入手」、r問題発生時の対応」などが上位に挙げられた。

r保護者の願いの達成」やr生徒のQOLの向上」といった項目に関しては、期待度が低 いことが分かった。

 図3−9(関係機関用B)については、「卒業後の継続した支援」や「問題発生時の対 応」が上位にきている点が学校用Aと同じであると言える。学校側との相違点として、そ の後に「生徒の個人情報の入手」や「生徒保護者との関係作り」が挙がられている。しか し、「生徒の個人情報の入手」については、「情報の共有化」と「個人情報の守秘」の問 題があり難しい問題である(図3−11)。関係機関側が、「生徒の個人情報の共有化」

を期待して会議に参加しても、学校側がストップし、充実した話し合いができないといっ たケースも報告されている(自由記述より)。

 また、「保護者の願いの達成」「生徒のQ O Lの向上」については、学校側と同様に関 係機関側もrあまり期待できない」と考えていることが分かった。

   50   40

 30 数 20

  10

   0

進路先 情報 入手

問題発 時の

   一

卒業後 継続し

支援

学校外 生徒 報の

   必要なシ    ステムの     提供

新しい進 先の 開拓

保護者 願い 達成

生徒のQ

Lの向

その他

■連携により期待できる効果 46 36 29 19 18 18 8 7 4

図3−8 連携により期待できる効果(学校用Aより)

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